金冠山と魂の山


-『GeoGraphica』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成-

 昨晩は伊豆半島北西部の戸田港近くにある「道の駅 くるら戸田」を泊地とした。この道の駅は500円で入れる日帰り温泉が併設されており、車中泊者には人気がある。大型車も入ってこないのはポイントが高い。難を言えば最寄りのスーパーが土肥なので、片道20kmほど離れている点だろう。幸いにして4kmほど先の漁港のそばに7-11がある。そこで調達するか、保存食を持ち込む事になるのだ。昨晩はここに至る経路にあった修善寺のマックスバリュで調達した。

 さて、西伊豆の富士見登山、今日は三度目の金冠山、そして伊豆山稜線歩道の魂の山に登る。

 まずは道の駅から戸田峠まで車で駆け上がる。途中にある瞽女展望地から見る戸田漁港の形良い姿は来るたびに毎回外せない展望地だ。


戸田峠手前にある瞽女展望地




瞽女展望地からの戸田港 西伊豆に来たら必ず見たい景色の一つ


戸田峠駐車場から金冠山まではほんの少しで登ることが出来る


遊歩道を進む 鉄塔の少し先が山頂


山頂直下だけ僅かに登山道 馬酔木のトンネル


今年もやってきたよ


もう少し空気がクリアな時期に来たかった


内浦湾の向こうに沼津アルプス 奥は箱根の山


沼津市街地と沼津アルプス西端の香貫山




金冠山から北の稜線もいつか歩いてみたい

 

 戸田峠から快走の西伊豆スカイラインを南下する。長野のビーナスラインを彷彿させるこのこのワインディングロード。是非バイクで走ってみたいと思うのだが、宇都宮からでは一泊しないと無理だろうなぁ。

 さて、お次は魂の山だ。たましいの山ではなく”こんのやま”と読む。半ば名前に惹かれてチョイスした山だが、ネットの記事を見ると案外眺望が良さそうなのだ。気がかりは、気温が高そうな今日のコンディションで暑さに極めて弱い自分が遮るものの無い稜線歩きに耐えられるかどうかだ。


西伊豆スカイラインを移動 登山道と車道が付かず離れず


いつも見る角度より南寄りから見る戸田港 慣れ親しんだ視点を外すだけでもう一つの新鮮な風景が見えてくる


仁科峠が魂の山の登山口


車道の向こうからスタート


バイクでここを走るのも気持ちよさそうだな

 桜の種類は多い。花オンチの自分にとってはこれもまた勉強が必要なのだ。さくら図鑑というサイトを眺めるも、実際にフィールドの桜を判別するには遠い。現地で誰かに教わるのがきっと早道なのだろう。


マメザクラなのだろうか 小粒の桜が美しい










馬酔木は花と赤い新芽が共存するという事を初めて知った


陽ざしが強い しかし 汗を拭い去る冷たい風が吹けば足取りも軽やかになる


天城山(万三郎山)




馬酔木とマメザクラのコラボ


この山名も由来を知りたいね


富士山は恥ずかしそうにチラ見


こちらは昨日歩いた発端丈山→葛城山→城山


馬酔木のトンネルを戻る


果てしなく・・・ あの果てまで戻る💦


上昇気流を巧みに操る奴 きっと気持ちいいだろうな





 風早峠手前でグライダーを飛ばす人がいた。しばし話を伺った。谷沿いに登る上昇気流をうまく捉え滑空するのが醍醐味のようだ。”風を読む”ことを語る熱い口調。愉しむ人、ここにもあり。


風早峠手前の844mPでグライダーを飛ばす人にしばし話を伺う


滑空中






もうすぐ風早峠 だがゴールはまだまだ先




来し方振り返る 左の山を越えて右の魂の山に登った


ようやく仁科峠 背後のピーク(仁科峠展望台)までもうひと頑張りだ


ゴールの仁科峠展望台より 歩いた全ルートが見渡せる


伊豆山稜線歩道はまだまだ続く 続きはまたの機会に

 登山を終えた後は海岸沿いまで降りて海を間近に感じようではないか。県道を宇久須方面に降りて南下。浮島海岸へやってきた。四年前の秋にも訪れているが、前回パスした遊歩道を歩く。

 荒々しい岩礁の造形、澄んだエメラルドグリーンの海、光の織り成すファンタジー。あぁ、来て良かったなと思うひと時。


浮島海岸を散策することにした


海岸からスタート


ミニ千貫門だね


サップの人が洞門をくぐって進む


海の色がとても綺麗だ

























 浮島海岸を後にして、本日の泊地である「道の駅 花の三聖苑 伊豆松崎」へ向け南へと車を走らせた。

概略コースタイム

金冠山:
駐車場発(06:59)-金冠山(07:15)-駐車場着(07:31)

魂の山:
駐車場発(08:14)-風早峠(08:49)-魂の山(10:03)-風早峠(11:20)-仁科峠展望台(11:59)-駐車場着(12:09)

撮影使用機材

・NIKON Z50
・NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR

カテゴリー: 車中泊の旅, 静岡県の山 | コメントする

伊豆三山


-『GeoGraphica』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成-

 昨日の富士山はいささかご機嫌斜めであったが、夕刻三島にあるビジネスホテルに入ると窓外にオレンジ色に薄く染まった山頂が顔を覗かせていた。天気は快方に向かっているようだ。

 歩いて数分のスーパーに買い出し。戻ればまず風呂に入ってささやかなご馳走を並べた。プシュっと缶の蓋を開ける。あぁ、生き返るなぁ。夜は写真の整理やブログの下書き等々、いろいろやろうと思っていたが、アルコールも廻ってきてあえなく撃沈するのであった。

 さて、本日は通称「伊豆三山」と呼ばれている城山、葛城山、発端丈山のピストン縦走をする。城山は三年前の静岡の旅からの帰路で見た垂直な岸壁を露わにしたその姿が印象に残っており、この地を再訪する際は外せない山としてリストアップしていた。

 これを書いている今、改めて調べてみると、ピストンではなく発端丈山から北西に降り内浦三津に下山して、そこからバスと鉄道で戻ってこれる事を知った。事前のリサーチ不足に軽く後悔。ピストンで戻ったほうが時間的に早いかもしれないが、見知らぬ土地で公共交通を利用するのも楽しみの一つなのだ。

 駐車地は御覧の通りで五台も停めれば一杯となる。かつ、岩がゴロゴロしていて停めづらく、登山口脇から流れて来る沢水で濡れている。少し離れた所にも路駐出来る場所があるが、下山時に見たらびっしり埋め尽くされていた。登山よりも城山ゲレンデに取り付くロッククライマーが多いように見受けられた。

 昨日の山までは最高温度が10度程度だったので里山の冬支度で登っていたが、今日は低山故に薄着にチェンジする。5月並みの高温が予報されているだけに、携行する水もいつもの倍、ペットボトル二本に増量した。


駐車地は残りぎりぎり2台 土曜日なのでロッククライマーで盛況


脇の登山口から出発

 伊豆三山ルートは「城山ハイキングコース」として整備されている。中心にある葛城山はロープウェイがあり、観光客が気軽に上がってくることが出来る山だ。


右端の城山から葛城山、発端丈山へピストン


登山口付近で沢蟹のお出迎え 色が白いのでアルビノなのかな


ゴロゴロとした沢を登っていく 既に岩の風格充分


当然左を選択


クライマールートは・・・こんな所登れないよ💦


清涼なミツバツツジ一株


山頂から東側眺望よし 前方に伊豆主稜線が見える


そして、今日もドーンと富士山のお出まし 静岡側からだと宝永火口がアクセント


右上、深沢川が作り出す顕著な扇状地




周辺の桜は終盤


城山から葛城山へ向かう途中、大岩が集中する場所あり


一旦車道を跨いで登山道仕切り直し

 全般的に穏やかなトラバース道を進むが、背面登山口から取り付くと”超”が付くほどの急登が始まる。等高線の詰まり具合を見ればさもありなん。姥目樫の自然林が見られるということだが、そんな余裕は全く無かった。溺れる者は藁をもつかむではないが、掴まれるところは全て掴まってあっという間に標高差150m程度を登り上げた。


ここから葛城山に一気に登る ウバメガシなど見ている余裕なく必死に登る


登り切ったところの展望地で一休み


眼下は先ほど登った城山 修善寺方面へ狩野川が蛇行する伊豆の風景


あちらは明日歩く予定の西伊豆山稜

 一休みした展望地から緩やかに登るとすぐ山頂園地へ到達。ここから先はロープウェイでやってきた観光客用の散策エリアだ。普段着の人々が行きかうなか、異様に額から汗を流している自分がとても場違い。「何?あの人ガチで登山の格好してるよ。キモイし」っていう娘さんの声が聞こえちゃった。ごめんなさいね。でもおじさんはついさっきまで凄い所登って来たんで許してよと言い訳出来るものでもなし😅


1000%縁が無い場所だネ


でも、ここからの眺望は最高!


標柱は普通だが見たことのないゴージャスな三角点の説明


そう、ここはロープウェイで登る観光地だ


景色最高 でもお洒落過ぎて汗臭い自分は長居無用😲 次回は観光で来るのも良いね

 せっかくだから、水場(自販機)を求めて周囲を徘徊するも、お洒落なカフェで「なんとかチーノ」の類しか販売されていない。硬化二枚程度で得られるものは存在しないのだよ。やむなく退散して静かな登山道へ戻った。


春の息吹 やがて新緑で覆い尽くされるのだろう


手前は沼津アルプスの鷲頭山


日差したっぷりの植林帯歩きは軽快


折り返し地点である広い山頂の発端丈山へ到着


ちょっと霞んではっきり見えないが内浦湾と富士山


内浦湾アップ


こちらの桜は丁度ピークのようだ


向こう側は葛城山 時折「恋人の聖地」の鐘の音が聞こえてくる




淡い色が良いね 桜餅が食べたくなってしまったよ




さて、戻りましょう


城山からの下山途中 スパイダーマン発見


家に帰ったらおかぁさんに怒られるぞぉ 危ないことしちゃだめって💢🤣


一点集中💥で岩を支える棒


下山して公園へ寄り道 水場(自販機)あり


春爛漫だね




公園脇の狩野川から見る城山 低くてもピリリとした山


何故かハトが沢山居た よく見ると結構綺麗な色だな


何か見つけたかな?

概略コースタイム

駐車地発(07:04)-城山(08:03)-大岩密集地(08:29)-葛城山背面登山口(08:51)-葛城山展望台(09:19)-
葛城山(09:27)-登山道へ復帰(09:35)-発端丈山(10:48)-葛城山背面登山口(11:53)-駐車地着(12:53)

カシミール3Dデータ

沿面距離:11.3Km
所要時間:5時間49分

撮影使用機材
・NIKON Z50
・NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR

カテゴリー: 車中泊の旅, 静岡県の山 | コメントする

タヌキと天子様


-『GeoGraphica』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成-

 昨晩も「道の駅かつやま」を泊地としたので三連泊となった。近隣の河口湖町市街地まで行けばお店は沢山あり利便性良好。何よりも静かな夜が暮らせる特上Aランクの道の駅だ。賑やかな場所が好きな人にはちょっとお勧め出来ないが(笑)

 今日は富士山の西側に廻りこみ、山梨県を離れて静岡入りする。R139を南下すると本栖湖から堂々と南に延びる天守山地が目に飛び込んでくるようになる。中でもひときわ目を引くのがこの山域の盟主たる毛無山だ。

 毛無山を中心にして南北にすっきりと高度をを下げるさまは、あたかも山地全体が毛無山であるかのように錯覚させられる。ここをどうやって歩くかは次回のお楽しみとしてとっておく。

 今回はこの天守山地の南端に近い長者ヶ岳と天子ヶ岳を周回することにした。
 空模様は前二日と比べると明らかに優れないが、雨の予報は無い。いざ、長者の由来を探り天子に逢いに行こうではないか。


田貫湖の北東端から登山口へ入る


東海自然歩道だからよく整備されている


階段が延々💦と続く


富士山は下半分だけ 今日は駄目かな


田貫湖がチラ見 晴れてれば良い景色なんだろうけど

 時折、雲が切れて青い空が見え隠れ。期待に胸を弾ませるも、どうやら雲と太陽の駆け引きは雲の優勢勝ちのようだ。真西から見る富士山の姿が楽しみだった。次回この地を訪問する時に毛無山からリベンジしようと思う。


植林帯と自然林をわかつ尾根をコツコツ進む


山頂到着 長者の秘密や如何に 情報量多い山頂だ


富士山は👀 ずーーーーん😓


タヌキさんは至ってほがらか そうか商売繁盛か でもプータローには縁が無いなぁ😚


西に眺望あり




浮かび上がるようで、これはこれで綺麗だ






天子ヶ岳に向かう この区間はトレランの人と交差すること多数


木製の道標にこのフォント 自分好みだなぁ


親を思う山 詩的な山名


天子ヶ岳に近くなると岩交じりに 天子様に逢いに行くのは大変だ


山頂は眺望無し でも静かな場所 天子様はいずこに

 天子ヶ岳は三角点ピークではないので、地形図に描かれている1330mPが山頂とされ、そこに山名板もある。しかし、南に尾根を少し下った所に小広い箇所があり、そこにも山名板があった。標高差が30m程度あるのでちょっと紛らわしいが、広場の脇に石祠があったり、かつて何か構築物があったような雰囲気が残っている。もしかするとここを山頂としていた時期があったのかもしれない。

 また、ここの二つ目山頂から東に少し入ると富士山眺望地がある。そちらにも三つ目の山名板があった。こちらはちょっといただけない。
 観光地でビューポイントで集合写真を撮る時、フレームに入れる案内板に「登頂記念〇〇山頂」とかそういうのがある。本当の山頂はもっと上の方というパターン。こんな山の中だから配慮は無用だとは思うのだが(;’∀’)


少し下った所にあるもう一ヶ所の山名板


更にその脇にある三つ目の山名板 富士山展望地とあるのでそう書いたほうが良かったと思うのだが


バイケイソウが沢山芽を出していた これは毒があるという 天子は毒使い?😂


田貫湖が見えだす


ミツバツツジがぽつぽつ咲いていた


少し痛み始めだが色が綺麗


下山終盤は植林帯をダラダラとそして延々と この区間は結構長く感じた


ようやく登山道終了 林道へ接合する だがここから先が長かった

 林道から先が実は長く全体の半分近く、約6Km近くを延々と歩く。部分的に登りの区間もあり結構疲れた足に効いてくる。天子ヶ岳山頂から北東に降りる尾根にヤマレコ地図のトレースがあり、田貫湖までショートカット出来ることは知っていた。だが慣れない山域、やはりしっかり登山道を歩いたほうが無難と判断したのだが、如何せんこの車道歩きは堪えた。

 田貫湖に降りると沢山の釣り人が竿を垂れていた。日差しこそ無いが今を盛りの桜のもと、釣りも良いものだなと思うも、短気な自分は30分も経たずに終了しちゃうんじゃないかな🤣


田貫湖に降りてもまだ天気回復せず


鳥の名前は花以上に判らないけど 綺麗なくちばし、雰囲気あるんでパシャリ


桜の向こうには天子ヶ岳

 さて、今晩は三島に予約したリーズナブルなビジネスホテルに一泊する。ベッドがあって風呂に入れてコンセントがあればそれで充分。車中泊を続ける場合、ポータブル電源やモバイルバッテリー類の充電が必要になるタイミングがある。いくら元気に行動しているとはいえ、やはりちゃんとした寝床でしっかり休養することも必要だ。

 以前にも書いた事があるが、車中泊中は基本的にアルコールは飲まない。夜間、状況によっては車を移動せざるを得ないケースが発生するからだ。シュラフに潜り込んだ後、トラックの騒音がひどすぎたり、天候が悪化して危険を感じて移動した経験は実際に存在する。

 海抜数メートルの場所などは、大きな地震が発生すれば津波の可能性が考えられる。その場合は直ちに移動しなければならないだろう。歩いて避難なんて言われることがあるが、住宅が密集している地域や大都市はともかく、地方では避難する高台に辿り着くのに極めて時間がかかりそうな場所を沢山見てきた。迷わず車で高みを目指し、状況に応じて車を捨てる覚悟も必要だと思うのだ。

 食事もポイントで、調達後に泊地迄の移動時間が長い場合、気温が上がってくると痛みやすいものは選択出来ない。断熱バッグとスーパーで貰える氷の組み合わせで生寿司なども持ち込み可能だが、やはり長時間となると選ぶ品物も限られてくる。

 車中泊で自炊をする方は多い。だが自分はまず料理のスキルが無い事に加え、車内で調理をするスペースが無いのが致命的だ。また、調理の際に発生する生ゴミ処理も案外面倒だ。
 お湯を沸かすのはかろうじて可能なので味噌汁やスープ、コーヒー等には不自由しないが、主菜となればスーパー総菜の冷たいものになってしまうのが唯一の悩み。消費電力の少ない冷蔵庫と電子レンジがあれば食について飛躍的に改善すると常々思うのだ。

 主な泊地である道の駅で外食という手もある。しかし、ほとんどの道の駅の食事処は夕方4時には閉まってしまうのが残念な点である。離れた所に食べに行くというのもあるが、それも億劫となるとやはりスーパー飯やコンビニ飯とならざるを得ないのだ。

 車から降りて宿泊すれば食事もお酒も自由自在。精神的にも開放されてリフレッシュできる。一週間を超えるような時は必ず一泊は組み込むようにしている。

概略コースタイム

駐車場発(07:09)-登山口(07:15)-休暇村分岐(08:04)-ベンチ(08:40)-長者ヶ岳(09:08)-
天子ヶ岳(10:02)-二つ目の山頂(10:14)-林道接合(11:34)-車道接合(12:11)-駐車場着(13:17)

カシミール3Dデータ

沿面距離:13.7Km
所要時間:6時間8分

撮影使用機材
・NIKON Z50
・NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR

カテゴリー: 車中泊の旅, 静岡県の山 | 2件のコメント

精進湖から登る三方分山とパノラマ台


-『GeoGraphica』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成-

 富士見の山旅、二日目は精進湖に面する三方分山と人気のパノラマ台(という名前の山)を登る。富士山眺望のみならパノラマ台一択なのだが、折角登るなら周回のほうが楽しいだろうと思い三方分山を回るルートとした。

 天気のほうは雨と風の心配はない。ただ、昨日に比べると若干空気中の水蒸気が濃いのでスッキリした眺望は期待出来ないかもしれないが、まずは歩きを楽しもう。


県営 精進湖他手合浜駐車場より出発


精進湖畔からも充分美しい富士山

 往来する旅人をあてにして商いをしていたのだろう。現在はほとんどが廃屋となっているが、瞼を閉じれば往年の賑わいが目に浮かぶようである。


静岡と山梨を結んだ旧中道往還を行く


舗装が終わり登山道となった


古道のままではないだろうが、どことなく趣がある


砂防堰堤を巻くように道がついている これを左に渡るといよいよ登山道


本格的な登山道になった


目指す三方分山


終始、登山道はよく踏まれ道型もしっかりしている


峠へ着いた 向こう側は山梨だが甲府盆地はまだまだ遠い


枝越しの富士山も立派


三方分山へ到着 山頂より伸びる三本の尾根が村界になっていたというのが山名の由来らしい


富士山側 枝がないから眺望が良い


眼下の精進湖と大室山を従える富士山 今日は少し霞が多い

 山頂より南西の尾根を下る。眺望の無い精進山を通過すると途中に展望スポットを示す小さな板があった。どれどれと覗いてみると・・・山頂よりスッキリした富士山眺望ではないか。精進湖の映り込みもこちらのほうが素晴らしい。


おや?控えめだが気の利く案内版だね


山頂よりここの方が素晴らしい景色だ


振り返ると三方分山


これから進む稜線 真ん中先端あたりがパノラマ台


駐車場が箱庭のようによく見えた


精進峠を過ぎると馬酔木を沢山見るようになる 他に目立つ花は無かった

 先ほどより右手に遠く南アルプスの姿が枝越しに見え隠れしている。スッキリと見ることが出来ないモヤモヤが続く。精進峠から登り返し、偉主山の手前で木が少ない場所があった。案内板は無かったが、登山道を外れて覗いてみるとこれが大当たり。昨日の釈迦ヶ岳からに比べればいま一つだが、それでもスッキリとした南アルプス眺望に留飲を下げることができた。


南アルプス展望台へ寄るとスッキリした眺望に疲れも飛ぶ


アップで


カッコいいね


なるほど、そう読むのか

 パノラマ台手前で休憩中の白人夫婦に逢った。挨拶が「コンニチハ」としっかり返ってきた。奥方は空身、ご主人が大きなザックを背負いながらお疲れの様子だ。「ワイフが登りたくてここまでキタヨ。でももう疲れたからここでオシマイにしたいヨ。」ってな感じ。

 パノラマ台は1328mPの山頂台地の南東外れにあった。既に休憩中の先客二組。名前の通りパノラマ眺望が拡がる。残念ながら南アルプス方面への眺望は無いが、開放感があって良い山頂だ。


ゴールのパノラマ台は広々とした山頂


富士山はちょっとご機嫌斜めになりつつある


でも、アップで一枚‼ 雲がアクセントだね


西湖とその奥は河口湖


青木ヶ原樹海 ここで迷うと確かにキツイかも

 眺望を楽しんだ後、下山にかかる。精進湖からダイレクトに上がってくるこちら側のルートが一般的のようで、行き交う登山者は圧倒的に多い。

 先ほどの白人夫婦が登ってきた。山頂はこちら、指でジェスチャーすれば奥様は笑顔で頷き、ズボンも脱いで短パン姿になっちゃったご主人はミラーのサングラスも外して臨戦態勢の模様。体がデカイから足も長くてピッチはあるが自重もあるからやはり疲れるんだろうね😁

 下山中にスライドしたもう一組は中国人家族だ。先頭の坊やに続き父親母親、続けてもう一人の小さな坊やはその後ろの爺ちゃんばぁちゃんに教わりながら、覚えたての言葉を披露中。自分にも同じ年頃の孫が三人いるから一緒に山を歩ける楽しさはよく解る。

 狭かったので道を譲った際、先頭の坊やに「こんにちは」と語りかけると、恥ずかし気に下を向いてコクっと頷くさまが可愛いらしい。母親は綺麗な発音でThankYou、爺ちゃんは谢谢(シェーシェー)。父親がザックで全員の荷物を背負い、残りは空身の普段着姿であった。

 富士山界隈は御多分に漏れず外人観光客で溢れかえっている。しかし、最短ルートでも山歩きは山歩き。きっと外人向けのガイドブックにも、本当の富士山の風景を歩いて見に行こう、なんて紹介されているのかもしれない。いずれにせよ、言葉が判らなかったり案内板が読めなくても登ってくるその熱意が日本人として嬉しいではないか。どうか、彼らが山頂に着くまで富士山の機嫌が良い事を切に願うのであった。


よく整備された登山道を下山


人気のバロメーター? 超デカイ道標の脇で下山終了


お互いに視線感じたヨ💦


桜はちょうど咲き始め あと数日で華やかになるだろう

概略コースタイム

駐車場発(07:15)-旧中道往還入口(07:25)-最後の堰堤(07:56)-阿難坂(08:28)-三方分山(09:12)-
精進山(09:28)-富士山展望地(09:46)-精進峠(09:59)-南アルプス眺望点(10:37)-偉主山(10:44)-
パノラマ台(11:07)-駐車地着(12:11)

カシミール3Dデータ

沿面距離:9.3Km
所要時間:4時間57分

撮影使用機材
・NIKON Z50
・NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR

カテゴリー: 車中泊の旅, 山梨県の山 | 2件のコメント

御坂山塊 釈迦ヶ岳と黒岳


-『GeoGraphica』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成-

 今日は御坂山塊の釈迦ヶ岳黒岳(御坂黒岳)に登る。共に富士山がよく見える山として有名だ。山名に御坂と冠を付けるのは富士山南側の愛鷹山地にある同名の黒岳があるからだ。そちらの黒岳は三年前の同時期に登っている。雄大な富士山の姿に感動した記憶が未だ新しい。

 すずらん群生地駐車場から出発。すぐ先にある登山口から入山する。メジャーなルートなので登山道は極めてよ く整備されている。気温は少し低めだが、暑がりの自分にはまさに適温だ。


車道から登山口


超が付くほどよく踏まれた登山道 霜柱を踏みながら進む


ひと汗かいて峠へ 吹く風が冷たく心地よい

 高度を上げるに従い岩交じりとなるが、特に危険な個所は無し。順調に釈迦ヶ岳山頂へ到着した。山頂からの眺望は360度の贅沢な眺めだ。富士山はもと より南アルプスと八ヶ岳。そして澄んだ空気。胸のすくような眺望に大満足。


釈迦ヶ岳山頂は 好眺望




南アルプスの山並みが素晴らしい


左奥は中央アルプス そして八ヶ岳


御坂桃源郷方面


でっかい富士山はやはり文句なしで素晴らしい


南アルプスアップ


山の名前が判らないのが悲しい


八ヶ岳アップ


御坂桃源郷アップ 桃畑がピンク色に染まっている


釈迦ヶ岳だからお釈迦さま

 釈迦ヶ岳という山は全国にいくつもある。我が地元にある高原山の釈迦ヶ岳、昨秋登った鈴鹿セブンマウンテンの釈迦ヶ岳、そして今回の御坂山塊の釈迦ヶ 岳、 三つの釈迦ヶ岳を登った事になる。さらにこの山域の近くにも別な釈迦ヶ岳があるのだ。再訪の折は是非もう一つの釈迦ヶ岳も登ってみたいもの。


日の差し込む温かな尾根を下っていく


あちらがこれから向かう御坂黒岳


日向坂峠で車道をまたぐ

 日向坂峠から黒岳へは登り返し。こちらも道はよく歩かれていて問題個所はまったく無し。標高差300mをコツコツ登ればそこが黒岳山頂。眺望は無いがそこは織り込み済み。先にある展望地へ向かう。


黒岳山頂は眺望無し


少し先に進んだ展望地からは御覧の眺望 今日は天気最高だ


モノクロにしてみる


真ん中の緑地が昨晩の泊地、道の駅かつやま前の公園


展望地からも南アの一部が見える


昨秋歩いた足和田山


こちらも昨秋歩いた十二ヶ岳

 素晴らしい絶景に感極まった自分。展望地に先着していた方に思わず話しかけた。
 聞けば、やはり間近で見る富士山に魅せられ足繁く通っているという。地元ではなく埼玉からだというので往復の車の運転も大変なのだが、それでも嵌ってしまう富士山Love。大いに共感。後日、YAMAPで連絡をとることが出来た。また富士山を見る山でお会いしたいものだ。

 下山途中の新道峠には富士山眺望のFUJIYAMAツインテラスがある。直下まで専用バスでアクセス出来る観光スポットでt沢山の観光客で賑わう。まだシーズンが始まっていないので、今の時期ここを訪れることが出来るのは登山者の特権だ。


新道峠のツインテラス、ファーストテラスより


河口湖の東側が見える


こちらはセカンドテラス 若干画角が違う


観光客用の立派な道があり、こちらを降りる


途中の眺望も素晴らしい(たぶん赤石岳)


ここまで専用バスで上がってくることが出来るがまだシーズンオフ


昼間は毎時一本の構成




車道歩きの途中から釈迦ヶ岳


ここから再び登山道へ入る


すずらんのデザイン推しだ


当然今の時期は何も咲いていない😋

 今晩のも道の駅かつやまへ。連泊である。少し早い時間に車をとめて目の前の公園散策を楽しんだ。レンタサイクルでやってくる外国人、犬を散歩させる人々。咲きだした桜の花と河口湖をめいめいに楽しむ春爛漫の光景が拡がる。


今晩も道の駅かつやまで 時間が早いので散策


目の前の公園は広々としていて気持ち良い


咲き始めの桜


わんちゃん達ものびのびと走り回って楽しそう




夕方の光があたりを覆いだす


さぁ、車に戻って設営しよう

概略コースタイム

駐車場発(07:28)-府駒山(08:14)-釈迦ヶ岳(08:45)-府駒山(09:20)-日向坂峠(09:41)-
黒岳(10:43)-黒岳展望地(10:47)-破風山(11:41)-新道峠(12:03)-すずらん群生地(12:45)-
駐車場着(12:52)

カシミール3Dデータ

沿面距離:11.1Km
所要時間:5時間24分

撮影使用機材
・NIKON Z50
・NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR
・NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR

カテゴリー: 車中泊の旅, 山梨県の山 | 2件のコメント

’24春、富士見の山旅

 4月に入ったら、始めの車中泊は山梨と決めていた。昨秋、富士山を間近で見る山歩きがことのほか良かったのだ。周囲の山をもっと歩いてみたいと思って いた。

 ところが、3月末に行った大腸内視鏡検査でまさかのポリープ切除。術後一週間の安静を言い渡される。安静といっても日常生活は支障ないので窮屈な思いはなかったが、汗をかくような運動(当然登山も含まれる)や遠隔地への旅行は禁止事項。

 足止めを食らってしまった。加えて春の天気も目まぐるしく変わる。前線を伴った低気圧が続々と去来して菜種梅雨の様相だ。その間隙を縫うように計画し、静養明けを待って河口湖へと走った。

 マック スバリュ富士河口湖店で食事買い出しを終え、まだ明るい道の駅かつやまに着く。荒天の今日は夕方から天気回復の予報だ。雨上がりでいくらか強かった風も車内整理な どで時間が過ぎると共に風が収まってきた。明日登る山の予報はピーカンで風も無し。まずは幸先の良い滑り出しかな。

 道の駅かつやまは観光客相手だと少し地味な感じのする道の駅である。富士山が見えるのは河口湖の反対側で、こちらは目の前に湖畔の公園があるだけだからどうしても華やかさに欠ける。
 もっとも、車中泊族にとってはまったく問題無い。むしろ、大型車が入ってこないので(スペック上は三台のスペースとあるが)夜は極めて静か。静けさが 静けさを呼ぶではないが、車中泊の利用者も気心の知れた人が多く、夜はお互いになるべく音を立てないように気づかいをするので快眠が約束される。

 道の駅Wifiが使いたい放題というのもポイントが高い。スマホでNHK+のテレビ配信などを見ていると通信量が結構大量になるので大助かりだ。車内でネットが使えるとスマホだけではなくノートPCも使える。無料のWifi提供は道の駅選びには必須項目となるのだ。

 夕方になると続々と駐車場に車が集まり始めた。だが車内外にドライバーの姿は無く車中泊の様子ではない。一体みんなどこに行っているのだろうか?
 外で交わされている話の感じではランニング愛好者が集まり、湖の周りを走っているようだ。9時頃に続々と帰ってきて拍手散会。ようやく今日も静けさがやってきた。

 夜は思ったほど寒くなかったが、今回は電気アンカを持ち込みポータブル電源で稼働させた。事前テストでは”中”設定で一晩中つけっぱなしでもさほど消費しないことがわかっていた。通電するときは70W程度の電力消費だが、一旦温まると通電が切れる時間が案外長く、それでもシュラフの足元を温めるには充分。足元が温まると体全体がポカポカでますます車中泊の夜が快適になった。夜半に少し温度が上がりすぎ、アンカは切ってシュラフのサイドジッパー開けて空気を入れて冷やしたほどだ。

 夜間、二回トイレに行ったが、平日なのに結構な人気ぶりで駐車スペースの1/4ほど埋まっていた。それでも物音ひとつしないこの道の駅のお勧め度はかなり高い。

撮影使用機材
・NIKON Z50
・NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR

カテゴリー: 車中泊の旅 | 4件のコメント

古賀志山中尾根で花見


-『GeoGraphica』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成-

 古賀志山のアカヤシオが咲いたようだ。

 大腸ポリープ切除後の謹慎(安静ともいう)が解けた土曜日、うーん。この天気じゃ流石に気乗りしないなぁと一日待機してからの翌朝。ベッドに差し込む日差しのまばゆさに飛び起きる。昨日の夜、最後に見た天気予報は曇りマークが並んでいたのだが、今朝見ると午前中は晴れマークに変わっているではないか。一応病み上がり(病んではいないのだが)なので、軽くお花見散歩といこうじゃないか。

 いつもの東屋脇登山口より中尾根に取り付く。歩く人が少ないこのコースだが、カタクリ目当てなのか、今日は続く登山者も多い。

 少し高度が上がると、明るい疎林が拡がる。以前は鬱蒼とした植林地といった感じだった。右手(北)から登り上げて来る重機道を二本見る。下山時に、林道からも広範囲に渡り中尾根北側の伐採が行われているのが確認出来た。林業経営者の為の山だからこれは仕方がない事だが、状況が変わってしまうのはどことなく寂しく感じるものだ。


最近手が入ったようで日が差し込む稜線になった


そして、今年のカタクリは如何に












眼下の千渡山 関東平野は曇り気味


主役のアカヤシオを差し置いて気の早いヤマツツジ


今年のアカヤシオ 上州では「ひとつばな」と呼ぶらしい




白根山の春まだ遠し












二枚岩 今年もヒカゲツツジとアカヤシオが咲き競う




ピンクも良いけど淡いクリーム色も爽やか




二枚岩のアカヤシオは色が濃いように思う




帰路の車窓から 麓は桜が満開



概略コースタイム

駐車地発(07:55)-東屋前登山口(08:06)-496mP(08:53)-二枚岩分岐(09:17)-
二枚岩(09:34)-林道、二枚岩入口(09:51)-駐車地着(10:15)

カシミール3Dデータ

沿面距離:4.5Km
所要時間:2時間20分

撮影使用機材
・NIKON Z50
・NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR

カテゴリー: 宇都宮の山 | 2件のコメント

今年も桜を見る春

 3/29に毎年受けている大腸内視鏡検査があった。持病の潰瘍性大腸炎の進行を調べる為の検査だ。

 幸いにして発病時の最悪な状態からここ数年は好調を維持している。基本的には治療方法の無い病気なので一生服薬が必要なのだが、薬が効いているせいか特に食生活に注意もせず、軽い飲酒も問題ない。安寧に暮らせるのはありがたいことだ。まれに潰瘍がガン化することがあるのでそのチェックも兼ねて毎年の検査が必要なのだ。

 潰瘍性大腸炎患者はバリウムを飲んで胃レントゲンを撮る事が許可されていないので、胃を調べる為には胃カメラしかない。従ってこちらも毎年行っている。大腸と別日なのも結構面倒なので、今回は同日に両方やりましょうということになった。

 結果、胃は問題無し。大腸も悪化しておらず寛解維持ということで一安心した。だが、検査中に大腸ポリープが見つかりその場で切除となった。更に1cmほどの大きなポリープが二個見つかりこちらは別日に一泊入院で取る事になった。

 ポリープの切除自体はなんてことはない。モニターを見ているとワイヤーのようなものがカメラ先端から出てきて縛り取るような感じ。その瞬間にチクっとした感じが微かにあるだけ。じわっと出血するがその程度だ。

 ポリープを取った後は一週間運動や飲酒禁止を申し渡され、万が一の出血も考慮して遠方への外出も禁じられている。まぁ、これは最悪の場合という配慮だろうとは思うが致し方ないことだ。
 4月初頭の天気の良い数日を狙って車中泊遠征を企てていたが、2年前に一度ポリープ切除をしているので今年は無いだろうと高をくくっていたのが大間違いだった。かくして悶々の自宅謹慎の身となったのである。4月下旬に大きなポリープ切除もあるので、今月は都合二週間まったく使えない痛い春となった。

 腐っていてもしょうがない。開花が遅れていた桜も咲きだしたことだ。天気の良い今日、散歩位なら問題なかろう。家内と共に下野市にある「天平の丘公園」を訪れた。明日、あさってと天気が芳しくない事もあり、平日なのに沢山の人が淡墨桜を楽しんでいた。


沢山の人で賑わう天平の丘公園の淡墨桜


桜って毎年見ているけど春になると見に来てしまうものだね




お見事!


青空に映えるね










カンピくんがポーズとってくれた


移動は大変 要介助


お立ち台のワンちゃん


それ!ジャンプ


痛車タクシー ナンバー見て


違う種類の桜も満開


こちらはユキヤナギ


伝 紫式部の墓

 花より団子ならぬ、屋台の焼きそばなどを食べたあとは車で僅かに走った所にある琵琶塚古墳へやってきた。ここは3年前に一度訪れているが、周囲が菜の花で飾られている大変美しい場所だ。


琵琶塚古墳の菜の花畑








登ってみる






二分で山頂到着🗻


日光ファミリーも深い霞みの中







撮影使用機材
・NIKON Z50
・NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
・AF-P DX NIKKOR 10-20mm 1:4.5-5.6G VR + FTZⅡ

カテゴリー: 日記 | コメントする

JR一駅区間の里山散策


-『GeoGraphica』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成-
-※中山は一般登山道でない箇所が含まれています。参考にされる場合は自己責任でお願いします。

 雪のある山に今季もう一ヶ所歩きたいと思っているが、栃木県内だと自分の体力装備経験で登れる箇所は絞られてくる。県を跨げばまだまだ登れそうな所はありそうだが、移動に時間が掛かるのでいま一つ乗り気になれないし、車中泊をするのにはまだ寒すぎる。

 いつものネタ帳をめくっていて太平山縦走というのが目にとまった。ルートとしては目新しいものでは無いが、備考に薗部町の錦着山スタートとある。車は「永野川緑地公園 河川敷グラウンド」へ停めて下山地点に折り畳み自転車をデポしてという内容だ。

 課題は錦着山からしばらく市街地を通り、ゴルフ場の南側エリアを無事通過出来るかどうかだ。地形図を見る限り難しくなさそうだが、私有地境界などでスムースに進める保証が無い。車道を行けば簡単だがそれでは芸が無い。

 錦着山からの縦走は偵察後にまた後日ということにして、日和見案のJR一駅区間乗車で戻る周回とした。スタートは岩船駅から岩船山に登り馬不入山、晃石山、太平山を踏み大中寺へ降りる。仕上げは中山を越えてJR大平下駅へというルートとなった。


 岩船駅のそばにある高勝寺の参拝者専用駐車場へ停める。砂利敷きではあるが白線が引かれた駐車場はありがたい。参拝は一瞬でそのあと登山の時間が長いのは気が引けるところではあるが、上のほうにも駐車場が幾つかあるからこちらは”登って”寺を目指す人の為と理解させていただいた。


岩船駅至近にある高勝寺駐車場に停めさせていただく


駐車場脇から北に進む 背後に迫る岩船山


参道よりいざ


序盤は階段登りで始まる

 階段を登っていくと背後に踏切の警報機音、JR線の通り過ぎる音。いろいろな生活音が耳に入ってくる里山は深山と違った趣でまた楽しいものだ。以前何処かの里山で選挙カーから流れる声を聴きながら登ったことがある。候補者の演説をとっぷりと聞かせて貰ったが、残念ながら自分にその候補への選挙権は無い(笑)

 前日までの予報ではさほど風は強くなかったが、実際歩き始めるとたまに強い風が吹きつける。気温が低く遠望も利くから富士山やスカイツリーなどもくっきりと見ることが出来た。


振り返ると富士山が大きく見えた 手前は三毳山


スカイツリーもはっきりと見える 県南ならではだ


高勝寺 三重塔 立派なものだ


寺内の石像には服が着せてある 何か訳があるのだろう


孫太郎(本殿)


三角点手前には沢山の卒塔婆が置かれている


笹をかき分けて奥に進むと崖の上に三角点


山門をくぐり高勝寺を後にする


ゴツイ岩 流石にあそこを登る者はいないだろう


馬不入山へ向かう道すがらより岩船山(iPhoneで撮影)


ようやく馬不入山への登山道へ入る


一汗かいて馬不入山 自分的には丁度良い温度で快調


気の早いツツジ


時折冷たい風が吹く 青一色でない空も素敵だ


宇都宮近郊からは見えない赤城山 雪は結構ありそう


関東ふれあいの道 登山道はきっちり整備されている


そして晃石山 一等三角点の標石が大きく立派




こちらは袈裟丸山塊かな?


県南から見る日光ファミリー


先ほど歩いてきた岩船山


浅間山は頂上がお隠れ

 日差しがあると暖かいが、時折北西方面から黒くて低い雲がやってくると風も強くなり一気に体感温度が下がる。昔、子供に読んで聞かせた「北風と太陽」という童話がふと頭に浮かんだ。いじわるな北風と明るい太陽の凌ぎ合いが今日の空にも繰り広げられているのだ。
 目の前のいまわしい黒雲はなかなか去ってくれないが、待っていればやがて太陽の照らす番もやってくる。絵本を読み聞かせた子供達も、今はその子供達にまた童話を読み聞かせている。大きな時も流れいく。


大平町の田園地帯 方形が見事に並ぶ


平野部の彼方に筑波山


この先は景色が望めそうもないのでここで昼食 今日はローソン飯だ 写ってないけどドリップのモカ付き


富士浅間神社 ここは相変わらず地味だな


裏手の高みに山頂


最近あちこちで見るミニ地蔵 愛嬌あるね


大平山神社まで降りてきた


謙信平より大中寺へ向けて下る途中から見える中山 今日はラストであそこを歩く




大中寺


左右に張り出した屋根に重厚さを感じる


さほど古くはなさそうだが端正な山門は雰囲気が良い


大中寺参道を南下 目指す中山 見えているのは164mP


関東ふれあいの道から分かれここで右手へ入る


直ぐに鳥居


落ち葉の滑りやすい急斜面をロープ頼りに登った先は配水池だ ここは右に巻く


巻けばすぐ雷電神社 更に右の尾根を追っていく


林に出た


勝手に山名が付いていない所が良い


164mPを過ぎると時折藪が出るが、軽くかき分ける程度


中山へ到達


藪は薄くなり濃くなりで続く


126mP地点から南は藪が濃いので南東に下る


もう少しだな


鉄塔下の伐採された所を下っていく


ここに着地して関東ふれあいの道に合流


大平下駅より 先ほどの鉄塔方面

 中山はプチルーファンだったが、景色が良い訳でもないのであまり登る価値は無い。駅まで道路歩きをしたくなかったから登ったに過ぎない。でも、今日のルートを締めるには程よいオプションであったのは間違いなかったろう。

 さてさて、最後はJR両毛線の一駅乗車だ。ホームで待てど暮らせど予定時刻になっても列車がやってこない。14:07が小山方面、14:18が佐野方面なのだが、14:18にようやく小山方面がやってきた。大平下駅は無人駅なので問い合わせることも出来ない。ホームに一人残った若者に尋ねると「遅れているんでしょう」とのこと。10分遅れで待望の佐野方面がやってきた。そういえば朝地震があったからその影響なのかな。朝晩は本数もある程度あるが、日中は一時間に一本なのだ。ちなみに岩船駅まで歩いていくと約50分と出たので最悪は・・・といささか焦った本日の核心部であった。


約10分遅れで電車到着 ちょっとドキドキしたよ

概略コースタイム

駐車場発(07:30)-岩船山(08:04)-馬不入山登山道入口(08:33)-馬不入山(09:27)-桜峠(09:58)-
晃石山(10:37)-昼食休憩地点(11:01)-行動再開(11:34)-大平山(12:02)-大平山神社(12:17)-
謙信平(12:22)-大中寺(12:41)-雷電神社鳥居(12:59)-164mP(13:11)-143mP(13:24)-
126mP(13:33)-関東ふれあいの道へ接合(13:46)-大平下駅着(13:53)

カシミール3Dデータ

沿面距離:13.3Km
所要時間:6時間23分

撮影使用機材
・NIKON Z50
・NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR
・iPhone 13 Pro Max

カテゴリー: 県南・両毛の山 | 2件のコメント

古賀志山界隈徘徊


-『GeoGraphica』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成-

 この時期、いろいろと登りたい山もあるのだが、今週は三回目(二回目の御亭山をカウントすると)なので、登山口までのアプローチが長いのもいまひとつ敬遠される。加えて気温の急上昇で遠景は期待出来ないから、無理して高い所に登るより、近場で歩きだけを楽しむ一日にしたいところだ。

※17日加筆 16日に釈迦ヶ岳に登った方の写真によると山頂からの眺望良好。空気中の水分が多いのは標高の低いところだけということであった。

 古賀志山界隈はあまたの登山ルートが開鑿されている。だが自分はまだ歩いていないところも多い。そんな中から今回は弁当岩から南西に下り富士見峠へと登り返すルートを歩く事にした。
 弁当岩は好きなポイントでいままで何回もここで食事をしている。いずれも斑根石山方面へ戻り中尾根で下るというのが定番だった。


今日は駐車場脇の北尾根コースより入山 途中で団体さんを追い越す


長倉山も立派な道標が設置された 以前は山名板一枚のみだった


長倉山北西の伐採地より 鞍掛山が大きく見える


シゲト山北面はゴツゴツしてるな


閉鎖された鶴CC跡に出来たメガソーラー 痛々しい風景だ


いにしえの道迷いポイントにも立派な道標

 道標の整備などが著しいこの山域、かつて訪れたことがある三角山も変化ありやと立ち寄る。北側は枝越し眺望だが男体山と高原山がよく見える。南側は以前とあまり変化無し。山名板は渋いのが一枚だけで地味なのが好ましい。
 それにしても山頂から道が三本も着いているとは。今登ってきた以外の二本は下の林道に繋がっているのだろうが、一本は「古賀志山を守ろう会」のマップにも記載されていないから、最近新たに開かれたのだろうか。


寄り道の三角山が今日踏んだ唯一の名前がある山頂


三角山より 霞む男体山


高原山

 540mPは、登山者が少ないこのピークから見える西側の景色が好きで足繁く通った時期があった。光線の加減か、いつも鹿沼の山並がけぶるように見え、その奥に日光連山が鎮座する風景。山歩きを初めて間もない頃、当時は道標が一枚も無いこの尾根を歩いて見つけた自分だけの秘境のような気持ちで眺めていたものだ。現在は立派な道標が建ち、往来する人も飛躍的に増えているようだ。今日も長倉山から先、登山者を一名追い越しただけの静かな山旅であったが、縦走路に入るとトレランの人二名、行き交う登山者数人と出会う。もう、かつての静かな尾根では無くなっているのだ。


540mPより再び高原山

 斑根石山(559mP)北西にほぼ垂直の6m位の岩場がある。垂れ下がっているのはタイヤチェーンを代替えで張った一本のみ。材質もさることながら支点にも全幅の信頼は出来ない。だがホールドは多く太い木も頼りになるので慎重にここをクライムする。登り切って僅かに下ればいつもの昼食ポイントである弁当岩へ到着だ。ここは滅多に人が入ってこない静かな場所なので、のんびりと昼食フルコースを過ごすには格好の場所なのだ。眼前の540mP、空気が澄んでいれば日光連山と高原山、麓の集落、景色は思いのまま。


いつも昼飯を食べる弁当岩 今日もここでフルコース

 弁当岩から南西に下降するのは今回が初めてだ。すぐに岩が張りめぐされた急下降が始まる。鎖やロープは一切無い。大きな一枚岩が斜めに張り付いている箇所などは慎重に降りないと危険。気が抜けない区間で本日の核心部であった。


弁当岩で昼食後、下降 内倉林道が下に見える

 右手に巨大な岩稜が見えた。これが有名な「松島」か。岩稜に松が張り付くさまはまさに名前の通り。「古賀志山を守ろう会」のマップを見ると松島コースというのがあり、登れるようになっているようだ。岩の頂部である「ふんぎり」という箇所では垂直の岩場があり古賀志山の一般登山道で難易度MAXだという。鎖はあるそうだが、記録を見るとロープを出して降りたということだ。ヘロヘロ三点支持の自分には手に負えるものではないだろう。


これが有名な松島か 近づきがたいな


ガチの岩下り 今日の核心部


植林帯になると穏やかになる

 内倉林道から繋がる作業道に出会い、これをそのまま登っていく。途中に重機が打ち捨てられていた。周囲の樹齢は若いが、あまり手入れされた様子もない。廃れ行く林業の一面を垣間見る。


作業道を進むと廃重機が道を塞いでいた


作業道が上へ延びる 枝打ちはされているようだ


宇都宮高校 学校林の案内板


作業道が終わると唯一の道標あり

 宇都宮高校の学校林に入ると一変して手入れされた美林となる。現在は学生が山の手入れに関与することはないが、昭和40年代後半まで学生が動員されて下草刈などをしていたということだ。




富士見峠に向けて植林地を谷詰めで急登

 額から噴き出す汗を拭いながらもようやく富士見峠へ到着した。このあと。古賀志山の山頂を踏み、東稜の岩場を降りて下山する予定であったが、意外とハードな歩きでいささか疲労した。おとなしく公式登山道(北登山道)で下山とした。登山者でごったがえす北登山道は通過したくなかったが、14時近くなると往来する人も居ない。駐車場まで二名交差のみ。今日も静かな山行を満喫することが出来た。


ジグザグ急登のすえ富士見峠へ到着 いやはや案外疲れた 古賀志山はパス


北登山道にて

概略コースタイム

駐車場発(09:07)-長倉山(09:38)-細野峠(09:50)-北主稜線(鞍掛尾根)へ接合(10:22)-
三角山(10:48)-540mP(11:28)-弁当岩(11:58)-昼食休憩-行動再開(12:34)-
廃重機(13:04)-これより宇高学校林(13:16)-道標(13:24)-富士見峠(13:38)-駐車場着(14:34)

カシミール3Dデータ

沿面距離:9.6Km
所要時間:5時間27分

撮影使用機材
・NIKON Z50

カテゴリー: 宇都宮の山 | 2件のコメント