湯ノ丸山と烏帽子岳


-『GeoGraphica』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成-

 昨晩の泊地である湯ノ丸スキー場駐車場(地蔵峠)の標高は1700mを超えている。ネットでは静かさで高評価だ。またスキーシーズンも終わった今は夏の花期とのはざかいになるので訪れる人も少ない。
 夕方到着すると”とちぎ”ナンバーの車が一台、同県でなんとなくほっとするところだ。どうやら自分とこの車の二台が今夜の車中泊となったようだ。

 目の前にはロッジなどがあり、そこで生活している人の車の出入りはあるも基本的には静かな場所だ。初日のトラック騒音に比べるまでもなく、まったく無音に等しい静寂。こんな山中でもスキー場だから電波はバッチリでその点では心強い。ただ、気温だ。
 日没後、つるべ落としで一桁台。冷気に耐えられず夕食を済ませると早々にシュラフに潜り込む。明け方は車内も2~3度まで下がった。久々に顔が冷たくて寝られない状況になり、奥の手のニット帽を目深にかぶり上半身にダウンを羽織りながらもなんとか朝を迎えることが出来た。この時期の高地は侮れない。

 翌朝天気予報をチェックするも青空は望めそうもなし。ただ、見晴らしはそこそこ良好であるため出発の準備を始める。夜間は寂しい駐車場であったが日の出頃からボツボツと車が集まり始め、皆登山姿で出発していく。

 今日登る湯ノ丸山は地蔵峠の西側に位置するが、東側にはポッコリとした特徴的な山姿の西篭ノ登山、東篭ノ登山、水ノ塔山と浅間山に隣接するエリアを歩く事が出来る。浅間山も未踏なので今後併せて検討したい山域だ。その為にも地蔵峠の車中泊地としても意義は大きそうだ。

 さて、湯ノ丸山へのルートはまずスキーゲレンデ歩きから始まる。日陰が全く無いところを歩くのだから曇天に感謝。怪我の功名だな。


スキー場第一リフトのあるゲレンデをまず登る


先行者一名あり


やれやれリフト終点

 リフト終点からはゆるやかな登りになる。右手(北側)にはつつじ平(コンコン平)という平地が拡がる。レンゲツツジが咲き誇るというが、まだ季節も早く見た限り花は一切無かった。


正面が湯ノ丸山 こんなに早く山頂が見える山も珍しい


鐘分岐 ここから先が登山道となり、注意喚起と登山届のポストがあった


味わいのある道標?

 鐘分岐は文字通り鐘が設置されている。鐘と言えば自分のいつもの習慣で三回鳴らして入山のご挨拶とさせていただいた。


こんな感じの登山道を行く


振り返ると東西篭ノ登山の山麓ゲレンデが一望できる 


気持ちの良い笹道もあと一登りで山頂


上空は雲が多いがアルプスは勢ぞろい なかなか景色良し


今回見送った根子岳と四阿山の独立山塊 次回こそ


このあと登るお隣の烏帽子岳


烏帽子岳アップ


湯の丸山北峰へ足を延ばす


嬬恋村方面


北峰は岩の重なる神秘的な雰囲気


北峰から南峰を望む


登路もちょくちょく見ることが出来たが山頂からの富士山が美しい


烏帽子岳との鞍部まで一旦降りた さぁ登り返しだ

 小烏帽子岳の稜線に乗り上げた個所で絶賛食事中のカモシカに遭遇。急いでカメラのシャッターを切るも全く気付かない。もう少し寄ろうとした足音に気づかれて逃げて行ってしまった。斜面を駆け降りるしなやかなフォームは鹿も見事だが、比べればずんぐりタイプのカモシカの跳躍もまた見事。逃げる時に「フシュー」という感じの鳴き声を上げた。YouTubeで調べてみると怒りとか警戒の声だそうだが、カモシカは色々なパターンの声を持っているということらしい。鹿も数パターンの鳴き声があるのは実際に聞いて知っていたが、今回初めてカモシカの鳴き声を聞く事が出来たのは収穫だった。


小烏帽子岳の肩でカモシカに遭遇


気づくとダッシュで逃げて行った フォームが美しい

 小烏帽子岳から降りてきた登山者が食事中のカモシカに気が付いており、抜き足差し足で下っていたところに自分が出現。挙句に逃げられたという顛末。カモシカ君独占で申し訳なかったのだ。


小烏帽子岳から見る烏帽子岳 湯ノ丸南峰と北峰の雰囲気に似ている


烏帽子岳も岩が積み上がる山頂 湯ノ丸山北峰と酷似


そして山頂


こちらが先ほど居た湯ノ丸山


烏帽子岳から小烏帽子岳 カモシカよ何処に


上田市北東部 峡谷沿いに街が形成されている様子


小烏帽子岳へ戻ってきた


小烏帽子岳から南に延びる尾根 良い雰囲気だ

 下山はコルから湯ノの丸山の南側を大きく廻りこむトラバースルートを行く。予想通り樹林の中を歩くので眺望は得られない。だが深山の趣がありこれもまた一興だ。


道標はバッチリと整備されていた


終盤は疎林だが笹が支配する森を行く


キャンプ場がある登山口付近にシャクナゲの群生地があった


早朝は数台だった車も御覧の通り盛況

 駐車場でカップラーメンを食べ、コーヒーで一息入れてから諏訪湖に向けて車を走らせる。泊地について手持ち情報の中かから有力な箇所の選定だ。場所は「道の駅 小坂田公園」。ネット評判ではあまりよく無かったがまだ時間も早いので偵察することにした。

 この道の駅は現在改装中で、トイレ棟は完成、食事・販売棟が工事中であった。公園の中にあり自然博物館やサッカースタジアムなども同じ敷地に作られた特徴的な道の駅だ。ネット評価は改装前のものであったようで、自分が見る限り悪い部分は見当たらない。トイレ棟を挟んで大型スペースとかなり離れているし、大動脈の国道20号沿いながらかなり奥まった箇所に駐車場があるので通行時の騒音も殆ど聞こえない。駐車スペースは何か所にも分散しているが自分が選ぶトイレ脇の場所は今まで泊り歩いて来た道の駅の中でもトップクラスの静粛性だ。これで温泉が併設されていれば言う事無しだ。標高800m程度とはいえ近辺と比較すれば低地なので夜の気温が心配であったが、夕方から吹く風は爽やか。結局、連続で三泊してしまった。

概略コースタイム

駐車場発(07:09)-第一リフト終点(07:32)-湯ノ丸山(08:34)-北峰(08:47)-烏帽子岳とのコル(09:44)-
カモシカに遭遇(10:06)-小烏帽子岳(10:15)-烏帽子岳(10:29)-烏帽子岳とのコル(11:23)-駐車場着(12:15)

カシミール3Dデータ

沿面距離:9.6Km
所要時間:5時間6分

撮影使用機材
・NIKON D5600
・AF-P DX NIKKOR 18-55mm 1:3.5-5.6G VR

カテゴリー: 車中泊の旅, 群馬県の山, 長野県の山 パーマリンク

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