赤城山とバリルート


-『GeoGraphica』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成-
-※当コースには一般登山道でない箇所が含まれています。参考にされる場合は自己責任でお願いします。

黒檜山の過去の記事
    2021年11月06日  赤城山周回
    2018年02月10日  群馬遠征 赤城山 晴れ時々曇り

 5日に袈裟丸山から見た赤城山。宇都宮からだとアプローチが遠いが、東側から登るルートがあるということで早速計画した。
 ただ、標高差が1000mあるので大沼から登るよりは少し大変。だがトレーニングにもなるから良いだろう。


利平茶屋森林公園キャンプ場駐車場よりスタート 自分を含めて4台

 登山口である利平茶屋キャンプ場から登っていくルートは三つあるようだ。今回は北側の尾根(バリエーションルート)を登り、鳥居峠から駒ケ岳への登山道に合流して黒檜山間をピストン。帰路は鳥居峠に降りてから南の尾根(バリエーションルート)を下るルートとした。

 参考にしたのはYAMAPの実績あるルートだが、南の尾根は途中に崩落地あり痩せ尾根あり、おまけに終盤は道型はおろか踏み跡も不明瞭となり、経験者以外は歩かないほうが良い内容だった。この南の尾根をキャンプ場から登ろうとした場合、二か所ロープで封鎖されている箇所があった。逆回りだと気づかないところがミソだ。利平茶屋キャンプ場と鳥居峠間は真ん中にある谷詰ルートが一般的のようである。

 登りに使った北尾根も登山口の道標はなく、一瞬取り付きに迷ったが、改めて地図を見ると頭上の尾根を登るだけだ。駐車場から少し上に行ったところの脇に尾根に延びて行く踏み跡を発見。尾根に取り付けば日の射す心地よい稜線がどこまでも伸びていく。急登の連続であっという間に額から汗が噴き出す。上部は岩交じりになるが特に危ない所も無い。


急登が続くがストレートの気持ち良い尾根が標高を稼ぐ


フレッシュなミツバツツジが輝いていた


目指す稜線はまだ遠い

 どこまでも急登の尾根道。今日は帽子を忘れてしまった。登るにつれて差し込む日差しが強くなってくると、いつもより頭が熱く感じる。真夏なら登山中止レベルだろうな。

 ようやく斜度が緩み鳥居峠からの登山道に合わせる。やはり正規登山道は歩きやすいことこの上無し。駒ケ岳で小休止して先に進むと黒檜山が大きく聳える。


登山道に合流する 順調に駒ケ岳を通過 目指す黒檜山

 黒檜山への標高差200m程度の登りも案外急登で、ここが最後のふんばりどころだ。木製階段が登りづらくて泣かせるねぇ。


黒檜山先の展望地は人が鈴なり 相変わらず大人気の好眺望


「AR山ナビ」にて作成




苗場山アップ


谷川連峰


方角的に中央アルプス


武尊山と笠ヶ岳、至仏山


燧ケ岳と会津駒ケ岳


日光白根山と皇海山


下山途中から 地蔵岳の後方遥かはたぶん八ヶ岳だろう


小沼と富士山 途中何か所かこのアングルのポイントがあった


往路は撮影順番待ちで撮れなかった駒ケ岳山名板


駒ケ岳から箱庭のような大沼と鈴ヶ岳(登ったことあるが景色無かった)


西側は眺望良好






この沢下部が登山口 登ってきたものだね


篭山初登頂 景色無し 単なる通過点 一般登山道はこのピークを巻いている

 鳥居峠で行動食の小休止をした。沢山の中高年ハイキンググループが食事中で話の華が咲いてた。つい先ごろ迄咲いていたであろう篭山のアカヤシオは既に終了していた。最後の落花跡が僅かに認められただけであった。


鳥居峠から東側の眺め

 鳥居峠の売店裏にゲートのかかっている林道がある。1574mPの小地蔵岳の東側を巻くようにして付くこの林道を序盤は辿る。途中、林道からジグザグに降りていく登山道があり、ハイカーのグループが下っていくのが見えた。あとで知ったが、こちらが一般登山道のようだ。

 林道をなおも進むと途中に大規模崩落した箇所があった。丁度向こうからやってきた二人組も上巻きで通過したところだ。上を見ると新たな崩落は無さそうだが素早く通過したほうがよさそうだ。


鳥居峠より南へ延びる林道は途中崩壊


無事通過すると後方より熊鈴の音。こんなルートなのに需要があるようだ。


崩壊林道末端から 日光白根山~皇海山~袈裟丸山塊が一望


崩壊林道末端から90度方向転換 一転して痩せ尾根の急降下が始まる


ロープが一本垂れ下がっている 今日の核心部だな


シャクナゲは沢山あったが、花がついていたのはこれだけ


向こうから降りてきた ロープを跨ぐとこうなっている


フレッシュなミツバツツジが嬉しい




鳥居峠も遥か上方に

 1204mP手前から北東にジグザグに下るのだが、道標も無いし踏み跡も薄い。気まぐれに残っている赤テープで答え合わせをしながら下る。終盤は完全に踏み跡も無くなり、地図を見ながらフィニッシュした。

 最後の最後、またロープを跨ぐと御覧のとおり。かつては遊歩道として整備されていたのだろうが、需要が無くなったのか予算が無くなったのか、いずれにせよ廃道となったのだけは間違いない。


下山最後もロープを跨いだらこうなっていた


キャンプ場へ無事帰着

 今回下山したポイントから逆に登ろうとしたら、この看板を見て中止したのは間違いない。だが、逆回りからではこの状況が呑み込めない。

 こういうルートを山関係のサイトで発信する場合、はっきりと注意喚起しないと不慮の遭難に繋がるのではないかと思うのだ。

 YAMAPや山レコで他者のトレースを簡単にスマホ上で再現出来るのは素晴らしい。正しい登山道から脇道に迷い込んだ時に警告してくれる機能などはまさに安全の為に比類のないものだ。

 だが、どんなコースでもスマホにトレースが表示されれば歩けると誤解されるのはまずいのではないか。こういうルートに踏み込んでしまった場合、登山道が消え、道型も無くなった場合はどうだろうか。こういう状況で冷静に正しく地図を読んで、手持ちのツール(アプリ)を適切に扱って自分の進むべきルートをナビゲーション出来れば問題ないだろうが。

 地図の話になると長くなるが、地図が必ずしも正しく書かれている保証はない。略描といって「細かいところはわからないから大体こんな感じかな」として等高線が引かれている、はっきり確認出来ないので崖池記号を描かないなどの場合がある。大部分が航空測量なので、2.5万分の一地形図の等高線一本の標高差10mが必ず目の前に繰り広げられる状況と一致しているとは限らないのだ。

 実際、バリエーションルートですら無い箇所を歩いてきて、そういう事例には沢山出会っている。地図上の判読困難な状況に加え、現実の山には通過しがたい藪や地図に描き込まれていない崖地などがあるのだ。谷沿いに迷い込むと動物も多いので彼らのアタックも考えられるし、滝で進退窮まるというのよく言われる。迷ったら必ず尾根を登らなければならないのだが、早く降りたいという心理がそうさせない。

 以前なら、一部の愛好者しか通らないルートがネット情報で大衆化しているケースが散見される。ルートが安全ならば登山者が増えるのは山を登る者として喜ばしい事だ。だが、危険なルートは明確に危険である事を伝えるのは発信者の責任だと思うのだ。

概略コースタイム

駐車場発(06:44)-登山道へ合流(08:06)-駒ケ岳(08:45)-黒檜山展望地(09:35)-駒ケ岳(10:32)-
鳥居峠下山分岐(11:04)-篭山(11:12)-鳥居峠(11:19)-崩壊林道終点(11:50)-駐車場着(12:56)

カシミール3Dデータ

沿面距離:10.5Km
所要時間:6時間12分

撮影使用機材
・NIKON Z50
・NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
・iPhone 13 Pro Max

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赤城山とバリルート への2件のフィードバック

  1. 野球親爺 のコメント:

    こんばんは。
    眺めはよかったようですね。
    赤城山のこちらからのルートはよく知りませんでした。最後のほうで危険なところが出てくると引き返せなくて難渋してしまいますね。確かに歩かれた先人に注意喚起してもらわないと困りますね。こちら側が対処できるとしたら同じルートの記録を複数見ることくらいでしょうか。
    赤城山に関しては小黒檜山に行ってみたいと思っていたところです。

    • まっちゃん のコメント:

      確かにそうですね。
      これだけ情報が多い時代ですから、複数見るという基本を自分は忘れていたようです。

      もっとも、刺激的なルートであったのは間違いありませんでした😆

      小黒檜もおもしろそうですね。
      笹に覆われた静かな山頂の雰囲気が良さそうな感じ。

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