奥久慈の紅葉を歩く


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月居山の過去の記事
    2021年01月06日  列車でGo!
    2020年11月15日  外れちゃったかな
    2017年11月25日  お見事!奥久慈の紅葉

 10月から続いた二か月の車中泊県外遠征の間も、刻々と移り変わる栃木周辺の山の紅葉情報。山SNSでフォローしている皆さんの記事を見ながら常に気に留めていた。

 遠征の山行はすべからく紅葉適期を外したものだったが、天候と全体的な予定がなかなか噛み合わずやむを得なかった。せめて遠征後に、どこか一ケ所だけでも旬な紅葉を・・・という思いは捨てきれなかったのだ。

 栃木周辺の紅葉は那須岳に始まり、奥日光から徐々に標高を下げ、最終的には市街地に広がる。また、茨城県の八溝山地や奥久慈も比較的遅い時期に見頃になる。特に今年は10日程度遅れているということで注視していた。

 奥久慈の紅葉と言えばやはり生瀬富士と、併せて登ることの出来る月居山が代表格だ。生瀬富士は途中に痩せた岩稜がある。「茨城のジャンダルム」と称され、人気急上昇中。登山者が急増している。
 自分が訪れた2017年の秋時点ではまだその呼称は無かったような気がするが、やはり訪問者が増えてくると何らかの名前が付くものだ。

 〇〇アルプスなどが顕著だろう。かつて、歩く人もまばらで地図片手に進んだ稜線も、今やアルプスに格上げされている。SNSの影響力はこんなところでも絶大であることを思い知るのだ。かくいう自分も沼津アルプスなど歩いて悦に入っているから人のことを言えたものではないが😅

 月居山の紅葉は素晴らしく、二匹目のドジョウ狙いで2020年にもほぼ同じルートで再訪している。だがこの時は早すぎで外れ。ストライクゾーンが狭い花に比べ、期間が長い紅葉でも自分はこのありさまだ。ドストライクで旬の景色を楽しんでいる方々は”自然への相場観”と自分のスケジュール調整力にに長けているのではといつも思うのだ。幸いにして時間が自由になった今、スケジュール調整力”だけ”は大幅にアップしたといえるかもしれない(笑)

 さて、今回は月居山の紅葉一択である。生瀬富士や周辺の他の山は一切考慮せず、紅葉を眺めてカップラーメンを食べてコーヒーを味わう。それだけの山行と割り切った。

 結果的に・・・

 月居山の紅葉はやはり裏切らなかった。

 以前に比べて僅かに葉数が少ないと感じたのは、すでに落葉が始まっているせいか、あるいは我が心眼が曇っているせいか。
 いずれにせよ、なんとか滑り込みセーフでようやく今年の紅葉と決別する気持ちになれたのであった。


茶屋脇から登山道へ


やさしい色あい


ひと登りで観音堂へ、そこだけが燃えている


美しい!


 


観音堂前から最後の僅かな登りにかかる 空を仰げば・・・


山頂でまずは腹ごしらえ 赤で統一😝


以前はもう少し密だったような気もするがそれでもやはり月居山の紅葉は素晴らしい


 


 


 


 


 


 


 


下山途中にて


 


 


 


 


 


もうひとつの紅色


生瀬富士、今日は眺めるだけだったね

山レコ掲載
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YAMAP掲載
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・NIKON Z50
・NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR

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王岳から鬼ヶ岳へ


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関連山行
    2024年04月10日  御坂山塊 釈迦ヶ岳と黒岳
    2023年11月08日  山梨より富士見2023 毛無山、十二ヶ岳

 富士見山行遠征最終日は、西湖北岸に伸びる御坂山地にある王岳と鬼ヶ岳に登る。この山域は昨年の秋に稜線続きの十二ヶ岳に登った。また、今春は山地の東端に近い黒岳も踏んでいる。
 御坂山地は富士山展望台としての景色が秀逸。また登山道も変化があってなかなか楽しめる。自分は決してピークハンターではないが、まだ部分的にしか歩いていないこの稜線のすべてを繋いでみたいと密かに思っているのだ。

 昨晩も「道の駅 かつやま」で車中泊をした。河口湖周辺では、夜間の静かさを考えるとここ以外の車中泊は考えられない。ただ、標高も高い(830m)ので当然晩秋はそれなりに冷え込む。夏場はこの程度の標高では逆に気温が高すぎて車中泊は厳しいが、初秋は快適に睡眠を貪ることが出来るだろう。だが、11月末になるとなかなか朝の冷え込みが厳しいのだ。
 目覚めると、室内の温度計は零度近くまで下がっている。体が冷えないように急いで着替えをする。お湯を沸かして暖かいものを体に流し込むとようやく人心地がつくが、出発前にフロントガラス内側の結露を拭き取ろうとすると凍結していて流石に凹む。まぁ、これも車中泊不自由の一興ということだろう😆

 昨日の竜ヶ岳に続いて西湖の北岸道路を車で進む。今日は早朝の富士山のご機嫌も良さそう。それに、稜線に登り上げるまで少し時間がかかるから、富士山にそそぐ日差しが徐々に変化して鬼ヶ岳に着く頃には完璧な光線状態が期待出来るだろうと踏んだ。結果的には、鬼ヶ岳での富士山は若干逆光気味であった。肉眼ではなかなかな迫力で満足できたが、写真が逆光で厳しかった。難しいものだ。

 西湖駐車場に車を停め、序盤は車道歩き、そして林道へ。西入川沿いに進む林道は幾つかの砂防堤を巻くようにして上へ上へと伸びていく。簡易舗装と非舗装が入り交じる。傾斜も緩いが、まずは慌てずゆっくっりと進んでいく。


電線が邪魔だが今日歩く稜線 正面ののっぺりした所が一つ目のピークである王岳だ


根場集落より西入川沿いのルートへと進む


しばらくは簡易舗装林道歩きだ


途中堰堤をいくつも廻りこみながらも林道は延々と続く


珍しいドラム缶檻 小さな動物しかかからないように思えるが何を捕らえるのだろうか


 


ところどころ土砂崩れあり

 50分の林道歩きの後、最上部堰堤で林道は途切れる。ここが登山口となるが、すでに標高差を230mほど稼いでいる。王岳まで残すこと500m弱だからもうひと頑張り(ふた頑張りくらいかな😅)で稜線に到達出来ると思うと楽に感じる。

 だが、この500mの登りも結構急登続きで楽には登らせて貰えなかった。ただ、登山道は悪い所はなく、余計な手が入っていない”奇麗な”道なので登っていて楽しい。標高が上がると植生が変わり、丈の短い笹が出てくるも刈払いがしっかりしていて大変歩きやすかった。


50分ほどかけてようやく林道終点の登山口に到達


前半は急登が続くが比較的登りやすい 流石に三日目になると足も上がりづらくなってきたが地道に登るべし


終盤、植生が変わって丈の低い笹が出てくる


そして山頂はお約束の富士山ドーン!


 


山頂から少し進んだ所で南アルプス眺望地点あり


 


 


甲府市の南側、中央市あたりか


今日の目的地、鬼ヶ岳が見えてきた


左右の角のように見える右側ピークが鬼ヶ岳山頂、その右の少し下がった所が雪頭ヶ岳


稜線上は西湖と富士山のビューポイントがいくつもあり足がなかなか先に進まない


雪煙が舞っているようだ


振り向くと、左下が昨日登った竜ヶ岳、右上に雨ヶ岳、そして最高峰は二日前の毛無山


稜線上は至って穏やか


鍵掛という変わった名前のピーク この小さな山名板を見落とすと気付かず通過するだろう


ついついシャッターを押してしまう😉

 鬼ヶ岳が近づいてくると岩場が何か所か出てくる。古賀志山周辺の岩場通過と比較すると特に厳しくは感じなかった。岩に細かい粒子があってホールドも豊富、指先がよく掛かるので登りはロープに頼らなくとも問題ないが、逆に下りは滑りやすいので慎重に行くべし。


鬼ヶ岳が近づいてきた頃、登山道には数か所のロープ場があった 慎重に行けばホールドも多く通過に困難は無い


む、左下の大岩は?大丈夫、下を巻くだけだ

 楽々快適稜線も、鬼ヶ岳への最後の登りは終盤の足にいささか堪えるが、辛抱で山頂に到着。途中、逆周回の登山者数組と交差したが、山頂は独り占めだ。豪快な富士山と拡がる南アルプス展望が迎えてくれた。北側に目を向けると金峰山をはじめとして秩父山地が横たわり、北東には未踏の御坂山地の山々。なかなか贅沢な眺望である。


鬼ヶ岳山頂には鬼の首のような大きな丸岩が鎮座していた


こちらは角かな❓


富士山ドーンは当然ながら・・・


南アルプスもずらりと勢ぞろい


 


 


奥に秩父山地が拡がる


左は今春登った黒岳、右奥は未踏の三ツ峠山


甲府ビル街の向こうに八ヶ岳、上部を雲に覆われていていまひとつ


下山通過の雪頭ヶ岳、少し手前からも南アルプス大展望があった


一年前に登った十二ヶ岳は岩の鎧を纏い存在感たっぷりだ


正面の園地に今回三泊した道の駅かつやまがある 静かでよい所だ


少し逆光気味で発色が悪いが、自分的には今日一番の富士山であった
西湖の南側に紅葉台から足和田山への稜線 こちらも昨年歩いているので感慨深いものがある

 下山路は中盤以降植林帯が長く続く。よく枝打ちされた明るい松林を過ぎると、あとは鬱蒼とした檜林となる。

 山頂を目指すにしては遅い時間なのに若者三名(女性二名)が大きな声で談笑しながら登ってきた。大声を出しながらもあれだけのペースで登れるのだから大したものだ。男子一名がパワフル女子の話題に相槌を打つのに苦労しているのが見ていて可笑しかった。

 更に降りることしばし、先ほどの若者のお友達なのだろうか。女子二人が軽装でゆっくり登ってきた。こちらは一名がかなり疲れているように見受けられた。この時間、あのペースでは雪頭ヶ岳の展望地を往復して下山する頃には日没は必至。ただでさえ北斜面なので暗くなるのはもっと早いはずだ。
 「これからどこまで行くのですか?そのペースでは安全に下山できませんよ」と声をかけようかとも思ったが、若い娘さんに話しかけるのは還暦親爺には憚れるもの。同じような状況は過去に何度も経験しているが、次回こそためらわずに声をかけようと思っている。


奇麗に枝打ちされた松林 すっと伸びた姿が美しいね


下山口間際にあった最新の砂防ダム 遠めになにやらお洒落なオブジェと思いきや・・・


進入禁止、というか殺意を感じるよ😱


年季の入った道標は良いね


最後は砂防ダム管理動なのでコンクリ階段が設置されていた
クマ注意看板をこの辺の山域で見たのはこれ一枚かな でもクマ鈴を付けている人はいなかった


丸の数が多くて顔には見えない😁


ダム前の広場は保守車両の駐車場なのだろう


こちらも簡易舗装道路をしばらく歩き・・・


里へ戻ってきた


さりげなく富士山


今秋の富士山行が終わった

 下山後は、三日間お世話になった公衆浴場で汗を流す。

 「富楽時ふらっと」は富士吉田市社会福祉協議会が運営する健康増進の為の施設であり、入浴施設も併設している。
 富士吉田市民でなくとも利用出来るが、市外者でも60歳以上は¥300というリーズナブルさは特筆もの。あまたの観光客の需要がある為、富士山周辺は強気な価格設定の日帰り温泉も散見される。中には二千円なんてところもあるくらいだ。

 富楽時ふらっとの風呂は温泉でなく沸かし湯だが、施設は奇麗だし登山の汗を流すなら十分な内容だ。あえて難を上げるとすれば、二つある浴槽の高温のほうでも40度程度で熱い湯が好みの方は不満かもしれない。自分はぬる湯好きなので丁度よかった。また、浴室から出ればその時点で再入浴が出来ないシステムなので、一旦休憩室で休んでから入りなおすことは出来ない。

 朝入場して、入浴と昼寝を繰り返して食事もといったふうに、長時間居座るというのは自分もあながち嫌いではない。でも、車中泊の場合は食料調達や移動などで忙しいから一発入浴でも十分だ。


三日間通った銭湯 市外者でも60歳以上はシニア料金\300が嬉しい
浴室から当然のように見える富士山は休憩室からも遺憾なくその姿を拝むことが出来る


いろいろ書いてあるけど、登山後に汗を流すのには十分の良い施設だった
Wifiも使えるし地元の人ばかりなので自分的には超穴場だ

12/1(日)

 まだまだ好天は続きそうだが、流石に朝方の寒さが堪える。もう潮時だろう。

 帰路は下道オンリーではなく、高尾山ICから圏央道に入り五霞ICまで高速利用。そこからは渋滞知らずのハイスピード国道、4号バイパスを使うと思いのほか早い4時間40分で自宅到着。高速料金も¥2,540とリーズナブル。このくらいのタイパ、コスパなら足繫く通うのも悪くないかな😁

 四泊五日の今年の最後の遠征も無事終わった。いつまでこんなことを続けていけるかは不明だが、旅に出れば出るほど行きたい場所は増えるばかり。来年の春が待ち遠しいものだ。

山レコ掲載
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竜ヶ岳


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 竜ヶ岳は本栖湖の南岸から静岡県側に連なる天子山地の一番目の山だ。この山単体ではなく、雨ヶ岳、そして天子山地の最高峰である毛無山まで縦走することも可能だが、自分の脚力ではいささか厳しい。
 富士山を見る為の山としては毛無山とさほどアングルが変わるわけではないが、この富士五湖周辺の山域が気にいっている自分としてはやはり登り残すことの出来ない一座であった。

 泊地の「道の駅 かつやま」から早朝の湖畔道を進み本栖湖へと向かう。通過する西湖の湖畔には、時折目が覚めるような鮮やかな紅葉の木があって楽しませてくれる。時折見ることの出来る富士山は未だ充分に覚めやらず。山頂に雲を掲げ、薙ぎに差し込む光は未だ弱い。

 本栖湖キャンプ場駐車場から出発。帰りにわかったのだが、本日(11/29)より駐車場とキャンプ場が冬季閉鎖ということらしい。自分が到着した時点ではまだ掲示も規制もされていなかった。また、すでに何台も登山者の車が停まっていた。下山してきたら駐車場にロープが張られていて、通りがかった作業員の方が「お客さん、自分でロープほどいて出てください」とのこと。規制作業は結構遅い時間に始まったのかもしれない。

 もとよりキャンプ場内を登山者に通過して欲しくないらしく、その旨の掲示があって迂回を指示されている。地図が無いのでどこに行くのか分らないので若干不安を感じるも、矢印に従ってようやく目的の登山口に到達出来た。ある意味山中より迷いそうで、こういった場合、迂回路図は絶対に欲しいと思うのだ。


車道と林道を抜けて登山口へ

 よく整備された道は快適そのもの。昨日の毛無山の登山道があまりにも厳しかっただけに拍子抜けするほどだが、幅広い層に向けた登りやすい山と言えよう。


昨日のスパルタンな毛無山登山道が嘘のような穏やかな道


残り紅葉が孤独に輝く


もう山頂が見えているから今日は楽勝だ

 標高差約230mほどで尾根を一本登り終えるともう展望が拡がる。眼下の本栖湖、遠く南アルプス、反対側には富士山。なんとコスパの良い山だ。昨日の毛無山ではその標高差で合目板を二枚見られたかどうかだっただろう😅


本栖湖の向こうの山は・・・


南アルプス、山名が解らないが堂々とした姿、素晴らしい


日本海側からの雲に覆われている模様


この時間の富士山は逆光、まだ朝の光を残して愁いを帯びた表情


目覚め前


霜柱をサクサク踏みしめ登っていく


山頂が近くなった(実際はもう少し奥)

 休憩の小屋で先行者二名に追いつく。お一人がほら貝を取り出して見事な腕前を披露してくれた。聞けば行者講の一員だという。どうりで上手なわけだ。
 ほら貝を間近で聞くのは今回が初めてではないが、聞いたことのある節回しと違い、低音パートと高音パートが交互する独特な響きの旋律。富士山に向けて響き渡るのが大変素晴らしかった。


休憩台と富士山


高度を上げて先ほどの休憩台、奥は青木ヶ原樹海


明日登る王岳より鬼ヶ岳へと続く稜線


山頂へのビクトリーロードの向こう側は手前が雨ヶ岳、奥に1921mPと続き更に毛無山へと至る


山頂到着!広場になっているので沢山の登山者を迎えることが出来るだろう


山頂からの富士山 あと一時間くらい日が昇ると山体全体が煌めくはず しかし、斜光は彫りが深くてこれはこれで素晴らしい


雨ヶ岳から右に目をやると・・・


山名は解らないが冠雪した南アルプスの高峰、赤石岳?


こちらも残念ながら・・・どなたかわかりますか 


下山の途にかかると明日登る河口湖北岸の山並みが綿々と続く 最奥は三つ峠山か


金峰山や北奥千丈岳が中央に見えている


最後にアップの富士山をもう一度


駿河湾と西伊豆海岸

 計画では南西の端足峠経由で本栖湖に降りるつもりだったが、帰りの車道歩きも長くなりそうなので一旦登路を戻り本栖湖に直接降りる道を下ることにした。

 北斜面故に冷え冷えとした登山道は一気に暗い雰囲気になるも、中盤から落葉の明るい尾根を下るようになっていく。ただ、人気は先ほど登ったルートのほうが格段に上だろう。距離は若干短いので高速下山には良いかもしれない。


帰りは湖畔登山口を使ってショートカット高速下山


今日の富士山、さようなら


序盤は北斜面の激下りだったが、中盤から疎林の明るい尾根道となった


ナイスな忘れ物👌😉


朝登ったのはあちらの稜線のようだな


落ち葉の道を下り・・・


残り紅葉を愛で・・・


本栖湖の湖畔へフィニッシュ


あとはロード


せっかくだから本栖湖の湖岸にも寄ってみた


静かな雰囲気がとても良い 


 


この景色でのんびり過ごすなんてのも良いかもしれないね 


 


すすきに別れを告げ・・・ 


しつこいようだが、これがほんとに今日最後の富士山


駐車場に到着、朝無かったロープが張られていた。今日から冬季閉鎖だという

 高速下山のお陰で、今日は街で食事が出来ると踏んでいた。

 以前も食べた「吉田うどん」を今回は別の店でもう一度食べてみたかったのだ。「吉田うどん」の店は判で押したように11時開店の14時閉店で、下山後に食べに行くとなると移動時間を考慮してもギリギリセーフかどうかという感じになる。今日のように山が早上がりの日はチャンスなのだ。

 昨晩、GoogleMapの口コミであたりを付けていて選んだのが「吉田のうどん てっちゃん」。

 特に評判が良いとかそういった尺度ではなく、出来るだけシンプルなお店、シンプルな品揃えという観点で選んだが、入店すると地元客が多くてまずは合格かな。

 前回別な店で食べた時はざるの大盛を頼んだが、吉田うどんの最大の特徴である麺のコシと硬さ、そして必ず付く茹でキャベツが腹にずしんと来るのだ。大盛はよほど気合を入れないと食べられない。麺の硬さも侮れず、顎関節症で食べる量もめっきり減ってきた自分には超苦戦した思い出のある食事だった。

 今回はその反省で温の並(麺が伸びて幾らかでも柔らかくなることを期待😝)を注文した。

 並でも量はそれなりにあり、かき揚げを付けたのを若干悔むも、吉田うどんは相変わらずぐいぐい主張してくる。これがソウルフードなんだよね。昨今の一部の宇都宮餃子のように、妙に観光客に媚びたところがあると魅力が半減すると思うのだけどなぁ。吉田うどんを食べながらそんなことを考えていた。


時間が早かったので「吉田のうどん」を食べにやってきた


暖簾の「て」がめくれちゃってるね😅


メニューはテーブルに張り付いている


オーダーは自分で書いて渡す。前回違う店は品名も自分で書いたのでまだこれでも良いほうか😁


かき揚げはともかく、吉田うどんの特徴はコシのある麺と、温でも冷でも必ず煮キャベツが入っている

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結構しぼられた毛無山


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関連山行
    2024年04月12日  タヌキと天子様

 本年最後の車中泊遠征は、春に続いて富士山を眺める山行である。

 11月中旬の関西遠征は天候に一喜一憂する進行だったが、今回は冬型の気圧配置故に晴天がバッチリつづく安定期。一年の車中泊シーズンを〆る絶好の遠征となった。

11/27(水)

 初日の移動は200km前後なら下道オンリーがほとんどだ。時間はふんだんにある。今回も休憩多数でゆっくり走って7時間かかった。泊地は初めて利用する「道の駅 朝霧高原」とした。

 以前の偵察で大まかな雰囲気とトイレのレイアウトは把握していたが、やはり大型トラックが沢山停まる場所だけに不安は残った。しかし、トイレが二か所あって大型エリアから遠いほうに停めれば夜間の騒音もさほどではなく、想像以上に快適な一夜を過ごすことが出来た。
 近くに「朝霧さわやかパーキング」というトイレだけの駐車場があり、もしかしたらそちらのほうが・・・という気もしたが、そことて大型がぴったりと横に来ない保証はないからなんとも言えないところ。まぁ、道の駅を選んでおけば何かと安牌だろう。

 標高が高いこのエリアの朝は寒い。覚悟はしてきているのであきらめもつくが、車中泊ビギナーの方はかなり辛い時期になっていると思うのだ。それでも夜間の車内最低気温が5度程度だから全然余裕。宇都宮に帰る最終日(12/1)の別の道の駅での朝はほぼ零度。これは堪えた。結露した窓ガラスの内側が凍って拭けないありさま。夜も食事してしまうとあとはシュラフに潜り込んで暖を貪るのみで、本を読んでいても手が冷たくて外に出していられない。しかたがないので八時前に寝てしまうというありさまで流石に限界を感じた。車中泊は暖かくなる来春までのお預けである。


前日宿泊した道の駅近くのロードサイドより見る薄暮の富士山


この時間ならではの色合いが素晴らしい

11/28(木)

 道の駅から至近の登山口駐車場へと車を走らせる。

 ナビに従うも、やけに細い道を案内されおまけに悪路。床下が低いシャトルは時折こする音が聞こえるのでヒヤヒヤものだ。こういう道になると歩いたほうが早いくらいのスピードしか出せない。帰りに判明したのだが、ほんの少しだけ遠回りしたら広くて安全な道があった。勘弁してよ??>ホンダのナビ

 登山者用有料駐車場は朝早い時間故なのか、無人で料金収納係員は居ない。入口に鍵付きの郵便受けがあり、脇にある袋に車番を書いて500円同封で郵便受けに投入するという仕組みになっている。

 帰りに払おうと思って出発したが、下山時に他の車もおしなべて車番が記入された袋がリアワイパーに挟まれていた。皆が登山中にチェックしているのだろう。おつりが無い人はどうするのだろうと思ったが、幸いにして財布の中に500円玉があったので支払うことが出来た。


翌朝、有料Pからスタート


朝の陽光が山を燃やす


この時点で体力気力充分!


残り紅葉が綺麗だ

 駐車場からしばらく林道を進み登山口へ到達。シンプルな道標が良い雰囲気だ。

 登り始めると快適だったのは序盤の僅かだけ。合目の板が出てくると徐々に急登となり、なかなか辛い。高度があがると岩交じりになり、まったく足を休ませてくれない登りが延々と(気持ちのうえで)続く。


シンプルな登山口 良き!


これが九合目まで続く 休憩の目安になって良いのだが・・・


出ました!古のマツダランプ


不動滝


あえぐような容赦の無い登りはどこまでも続く


小広い場所があったが、ヘリのレスキューポイントということ


おーーー、ようやく五合目??でも・・・まだまだ五合目??


いや、もう勘弁してくれぇ??

 九合目手前に富士山展望台があった。そこに至る途中でも枝越しの眺望はあったが、ここは開放感のある富士山眺望だ。それまでの急登の溜飲を降ろすことが出来た。

 写真を撮ってしばし立ち止まるも、続く九合目ではやはりザックを降ろして水を飲んでいたら、五号目休憩中に追い越していった自分と同年代の方が丁度降りてきた。
 先方もこちらを覚えていたようで、「あと少しで尾根ですよ」と励ましてくれた。「そうなんですが、なかなか辛くて・・・」と返事するのがやっと。やはり鍛えている人は違うものだなと妙に感心しながら自分も腰を上げた。確かに、あっという間に尾根に到達してしまって、こりゃちょっと恥ずかしかったかな??

 稜線に乗ればあとはアップダウンも少なく、それまでの喘ぎが嘘のように元気な足取りになる。”ゲンキン”とはまさにこういうことだなとしみじみ実感だ??


あと少しで九合目という頃、ボーナスポイント??


岩の先には富士山ドーン


アップ


駿河湾も


遠く光る


毛無山を最高点とした天子山地が南へと続く


ポツポツしたものは・・・下山後に解ったがキャンプ場のテントと車だ


毛無山の山頂に到着 小数点切り捨てで1945、終戦の年


シンプル!でも「みのワン」良いね


山頂から

 山頂を後にしてなおもその先へと進む。富士山眺望はずっと見え続けている。なかなかご機嫌な稜線歩きだ。


毛無山~毛無山最高点のルート上は常に富士山が綺麗に見える


毛無山最高点、山名板の他に何もなし


今日の最終目的地の大見岳は1959、自分の生まれ年 地味な自分と同じで眺望は全くなし


帰りは毛無山最高点の山名板をパシャリ


途中の登山道脇に腰掛け、この景色で昼食をとる


下山ルートは序盤穏やかな明るい尾根歩き


途中でもサービスカットの富士山


分岐点の地蔵峠 


峠からの富士山


麓(実際の地名)へ向けてここより降下する

 地蔵峠から北東の谷に向けて高度を急に下げていく。途中から沢が見え隠れし、時に立派な滝もある。

 かつて金山があったということで、往時のルートが登山道として使われている雰囲気が濃い。日が差し込まないから暗い雰囲気を醸し出しているのかもしれないが、荒れ気味の登山道、渡渉後の不明瞭箇所も多数あった。また、大雨増水時はそもそも渡渉でさえ難しい可能性があるので、慣れない人はやめておいたほうが良いかもしれないと感じた。


急降下で始まり一気に雰囲気が変わる


登ってきたのは向こうの尾根


日の届かない登山道は岩混じりになり・・・


片側が落ちたトラバースを延々と・・・


渡渉後の登り返しはピンクテープが頼りだがなかなか険しい


向こうから一旦降りて手前に登る 写真だと伝わらないが高低差がありロープ無しだと難しいポイント


下山ルート最後の富士山

 下るに従い沢音も大きくなる。立派な渓谷が美しく流れるさまは素晴らしく、大小の滝も見ごたえがあった。ようやく往路ルートと合流すれば、やれやれ下山もほぼおしまい。


終盤は立派な沢沿いを下るが中でもこの滝は秀逸


下山終盤の残り紅葉


帰りの道路より左、毛無山、右は明日登る竜ヶ岳


食料調達で寄ったマックスバリュ富士河口湖店駐車場より 地元の人達にとって富士山は日常の風景

 二日目以降の泊地は三日間ともに「道の駅 かつやま」を選んだ。河口湖周辺には他にも道の駅があるが、どちらも車の出入りが多くトラックも入りがち。比べてこの道の駅はスペック上大型も駐車可能となっているものの、これまで四泊した実績から静かな夜が裏切られることは無かったからだ。

 車のリアハッチを上げれば、そこに河口湖畔が拡がるロケーションもなかなか良い。お気に入りの道の駅なのである。


今夜の泊地道の駅かつやまから河口湖に沈む夕日

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便石山と天狗倉山


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 いよいよ近畿遠征の最終登山日。本来ならば16日に予定していた便石山天狗倉山が今日登る山だ。

 今回の近畿遠征は天候に悩まされ二日間の停滞を余儀なくされたが、考えようによっては二日間で済んで良かったと思うのだ。今日の好天は数日前から予報もブレずに当日の朝を迎えることが出来、とても気持ちの良い朝を迎えることが出来たのは言うまでもない。

 車中泊をした「道の駅 熊野きのくに」から登山起点の「道の駅 海山」まで、まだ日が昇らぬ道を車で駆け抜ける。この国道42号は紀勢自動車道の無料期間が提供されていることで通行量が著しく少なく、国道に面する「道の駅 熊野きのくに」が静かななのはこれが大きな理由なのだ。

 「道の駅 海山」から登山開始。正確に言えばしばらくは車道歩きとなるが、風光明媚な旧海山町(みやまちょう)を歩くのも登山の一部と感じることの出来る上質の車道歩きであった。
 現在は紀北町に合併されてしまったが、海と山の織りなす町というネーミングはシンプルだが素晴らしい。その名の通り、山と渓谷、そして海が美しく煌めく町なのだ。


道の駅 海山からスタート


道の駅の目の前の高丸山も里山然としていて良い雰囲気


海抜10mたらずからこの山深さがたまらない


しばし車道歩き 紀勢本線の踏切を渡ってその先へ進む


朝日の輝きとガスが良いコントラスト


紀勢本線と朝日を受ける山


銚子川を渡る 河口から直線で2Kmも無い


この奇麗な水が急峻な山を物語っている


大津波が来たら冠水してしまうんではないかと心配になるほどだ


再び銚子川を渡り返す 右手にこれから向かう便石山が大きい


 


丈夫な床材だが下が丸見えなのでなんとなくヒヤヒヤ💦💦


ようやく道標が出てきた


1時間10分かかってようやく登山口へ到着


クマは10/14までとのこと😆 今は契約終了で本業(採餌)に戻ったのかな😁


山頂まで1時間半、頑張りましょう


序盤は石段でよく整備されている


尾鷲は植林が盛ん


昔は教室の入口にこんな風に書いてあったのを思い出した🤣小中通して2組は無かったなぁ


コツコツ登っていくと眺望がチラ見、風が通り抜けると涼しくて気持ち良い 


鉄塔通過


鉄塔から上は真新しい階段で極めてよく整備されている


そして山頂、眺望無し

 便石山の山頂は眺望がまったく無いが、山頂の少し先に「象の背」という大岩が突出しており、そこから眺める景色が素晴らしい。文字通り象の背中を想起させるようなその上に立つと、尾鷲湾をはじめとし、複雑に入り組んだ海岸線が見渡せる。海無し県の栃木県民としては至福の眺望である。


でも、お目当てはこちらの象の背中


慎重に先に進んでいくと・・・


 


入り組んだ海


突端部はこれ以上行くと危険 これから向かう天狗倉山が大きい


尾鷲湾と尾鷲市街地


地形図で調べると佐波留島と桃頭島という名前だ


山頂の少し下側に反射板があった 生活の為に役立つのも里山の使命だ


気持ちの良い稜線を進み・・・


若干の登り返しで熊野古道である馬越峠へ


立派な休憩小屋があった


茶屋跡ということだ


今回のルートをあますことなく表現した見事なルート図


馬越峠のベンチから見る風景 海抜ゼロメートルからの立ち上がりでこの山容は凄い


天狗倉山へと進む


こちらも階段で整備されているが木製だ


山頂直下でコースが分かれる マジックで書いてある通り南がお勧めだ 下山で通過したが、北は急峻かつ道不明


山頂手前で尾鷲港がよく見えた


ただの丸い岩に見えるオチョボ岩の脇がすぐ山頂


最後は鉄製階段を登って・・・


大きな平たい岩の上に山名板が置いてあった


天狗?の岩越に尾鷲市街地 


アップで


先ほど登った便石山 山頂の少し右下に反射板が白く見える


海沿いでこの山並みはホント凄いと思う


大台ケ原が見えている筈なのだがよくわからない


北側


眺望も楽しんだので梯子を降りる


奇麗に掃除されているお堂があった


お堂の裏手からは奇麗な海が見えた 象の背は長居できないがこちらは足場が良いので安心して見ていられる


 


 


 


下山路で杉の大木


 


ベンチの向こうに道の駅からもよく見えた高丸山


 


熊野古道の石畳 雰囲気あるね


 


顔の彫られていない石がなんとも不思議


車道へ


近畿遠征の山歩き終了!

11/19(火)

 朝、というよりも深夜かな。高速の深夜割引の適用を受けるため3時半に泊地の「道の駅 奥伊勢おおだい」を出発。紀勢自動車道の伊勢大台ICのETCゲートを通過して自宅に着いたのが午前11時40分。渋滞もなく順調に約8時間で帰ることが出来た。朝の内は若干眠い目をこすりながらのドライブだったが、富士山を左に、伊豆半島を右に見送ると、富士山を間近に眺めた山行や西伊豆の思い出が蘇ってくる。

 自ら運転して駆け回ると、日本はまだまだ広いと実感するがいかがであろうか。物理的な距離は物理的な移動手段の選択によっていかようにも縮まるが、人間が己の体で、己の目で見て感じることの出来る世界は思いのほか広大だ。まだまだ見ていない、感じていない日本が沢山あると思うと、今すぐにでも次の旅に出かけてしまいたくなるのだ。

山レコ掲載
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-7501884.html

YAMAP掲載
https://yamap.com/activities/36028147

撮影使用機材
・NIKON Z50
・NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR

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停滞日の二上山ふるさと公園、そして翌日の大和葛城山


-『スーパー地形』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成-

11/16(土)

 昨晩は「道の駅 吉野路大淀iセンター」にて車中泊。

 奈良市内にもいくつか道の駅があるが、この道の駅は比較的静かな場所で昨年も一度泊まっている。駅舎まえの広場に産直の野菜などが朝早くから並べられるため、生産者の方々の車が早朝から頻繁に出入りして活気がある。トイレ前の建物に近い位置は邪魔になるだろうと思い、早めに支度をして出発。今日も停滞日なのでまずはマックへ向かった。

 GoogleMapを眺めていると「二上山ふるさと公園」という場所があり、そこが二上山の登山口にもなっている。今日は登山の予定はないが、途中の展望台までの散策なら良いだろう。午前中は雨も無さそうなのでさっそく出発した。駐車場は隣接する「道の駅 ふたかみパーク當麻」である。

 カメラだけ提げて公園へ向かうと、そそり立つような階段が目に入ってきた。入口の案内図にもあったように、これを登れば展望台ということだ。昨日の登山の整理運動には丁度良いだろうと思い登る事にした。

 写真では閑散とした雰囲気だが、登る人がまったく居ないというわけでもなく、何度も往復してトレーニングしている方や、登り切った所で大の字でひっくり返って「あーあ、疲れた」と笑っている高齢のご婦人。自分も「なかなかじゃん」と思いながらうっすらと汗を浮かべて展望台に立った。今日も空模様はすっきりしない。


二上山へここから登ることが出来るが、今日は展望台まで散策をする


展望台(左下)まで直線の階段が描かれているが・・・


そいつがこれ、霧降高原の天空回廊を彷彿とさせる天国への階段だね


何往復もして鍛錬中の方


ゼーハーしながら階段を登りきると展望櫓あり


こんな感じで見えるというが


大和三山(畝傍山、耳成山、天乃香久山)だけは解った


帰りは階段を使わず巻道(こっちが恐らく登山道)でゆるゆると降りていく


丸太階段コースはコース不良の為通行止め


入り口の公園には子供たちの歓声が溢れていた

 「二上山ふるさと公園」を後にし、食事を挟んで博物館二か所を巡る。奈良は、古刹旧跡や歴史関連以外にもいろいろ博物館があって興味深い所だ。

 山の予報を再び眺める。未練たっぷりに明日の釈迦ヶ岳の予報を見るも、やはり改善せず。週明け月曜には晴れマークが見えるが、風が30m近くになっているのでとても登れたものではない。この時点で今回遠征での断念は確定した。

 明日は大阪から奈良北部周辺が比較的天気が良さそうなので、近場の大和葛城山に登る事に決めた。
 大和葛城山は飛鳥と大阪の間に南北に横たわる金剛山地にある山で、ロープウェイを使って簡単に山頂を踏むことも可能だが、今回は南側の大阪府千早赤坂村側から歩く事にした。

 午前中に訪れた「道の駅 ふたかみパーク當麻」が思いのほか良い感じだったので、今晩の泊地はこちらへ。2Kmほど先に新設のギラギラした感じの道の駅もあるが、賑やかな方はそちら、ゆっくり寝たい方はこちらといった感じのすみわけになるだろう。夜になると車中泊族が少なからずとも集まっていた。


明けて翌17日、葛城山へ向けて移動中

11/17(日)

 自宅での下調べをしていなかったので、駐車場情報に若干不安があった。こういうときはとにかく早発ちするに限る。いざ現地に着くと、GoogleMapの衛星写真で当たりを付けていた駐車場所はどこも無理やり路駐な感じ。「駐車するな」の掲示が多数ある。
 唯一駐車場として公認されている「水越川公共駐車場」に行ってみると、自分の後にほぼ満車という盛況ぶりだ。日曜日だからいたしかたないところだろう。


水越峠公共駐車場からしばし車道歩きの末、民家脇に入っていく


ランドマークの「農園てるじい」の案内石を左折


振り返ると里山の雰囲気が良い


まだ日が差さない登山道だが、気温も湿度もが高くて蒸し暑い。シャツの袖をまくった


沢沿いの道 何度か渡渉を繰り返しながら高度を上げていく

 時計回りのこのコースは登山者の姿が少ない。駐車場で見た沢山の車の登山者は水越峠からの半時計周りか、もしくは水越峠からのピストンのようである。それでも、若者一名、お嬢さん一名に、そよ風が走り去るかのように抜かれる。ロートルは慌てずコツコツと登るべし。


途中から立派な階段が始まる


尾根に乗り上げて別尾根に方向転換 やれやれ結構骨の折れる登りだな💦


またしても階段


いよいよ山頂付近かと思われる頃、突然林道に出た

 前述したように、この山はロープウェイを使えば10分足らずで山頂を踏める。頂上部は林道も整備されていて山荘や食堂もある。でも、下から登ると結構な登り応えだったのでいささか拍子抜けしたのは正直なところだ。


なんと😦自販機が


しかも、MAP付なのが笑える


極めつけは軽トラに人が沢山乗って通過していった この先の施設にお勤めする人たちなのかな

 山頂直下の最後の登りは幾筋もルートが出来ていたが、ヤマレコ地図で登った自分は笹薮の直登ルートを選択して大失敗。朝露をたっぷりと含んだ笹薮は容赦なくズボンを濡らす。カメラだけは手で覆い、登る事数分で山頂へ。後続の人たちは涼しい顔で別ルートを登って来るではないか🥹


でもって山頂到着!

 山頂には有名な現役ポストがあり、定点カメラに写ろうと興じている登山者も居てなかなか賑やかだ。


現役のポストがあることで有名だ

 基本的に曇り基調なので高い山はよく見えないが、麓や近くの山はよく見える。地元の人の話によると関西空港の滑走路も見えるとのことだが、自分は解らなかった。ただ、延々と続く麓の住宅や大阪方面を眺めていると「とうとうこんな西までやってきたのだな」という思いが深くなったのは言うまでもない。山の上から大阪を見下ろすなんていう状況は今まで想像すらできなかったから。


大阪南部?和歌山北部?


大和三山はすぐに判った


大台ケ原方面は雲の中のようだ


お!八経ヶ岳が頭を出しているぞ 今日登れば良かったのか


再び大阪方面 工業地帯の煙突が見える


住宅がいっぱい


大阪と和歌山の県境の山並み


おーい、そっちは何が見えるんだい


葛城山のお隣はこの金剛山だ


山頂から下山数分で公衆電話もあるよ


先ほどはこちらから登った。笹藪でズボンびしょ濡れになったのは山頂で自分だけだろう😂


本格的に下山、といってもなんか調子狂うなぁ


途中のつつじ園も眺望がすばらしかった そこから八経ヶ岳再びアップで


ガスの向こうに重畳する山々


金剛山も見る角度によって山体の広がりが大きく、かなり迫力がある


陽が射せばきっと鮮やかな筈だ


ススキと吉野方面の山並み


水越峠へ向かって下山を開始する


季節外れのツツジ 関東では見たことの無い色 とても奇麗だ


 


途中のパラグライダー広場より御所市方面


地味だが奇麗 


高度感があってこれもまた良し 


ところどころ、秋色が埋め尽くす登山道


水越峠到着 ロードバイクの人が沢山休憩中 路駐の車も多い


ついに大阪府まで足を延ばしたことになるな「♪思えば遠くに来たもんだぁ」


移動中の車から見た葛城山 市民の憩う山であった

 さて、明日は登山最終日。天気予報も快方に向かい予定していた山の状況も良好のようだ。
 再び紀伊半島を南下するのは大変だが、大淀町で食料調達後、国道169号をひた走る。今晩の泊地は山あいにある静かな道の駅「道の駅 熊野きのくに」だ。今回の遠征でも13日に続けて二回目となる、超が付くほどの静かな道の駅である。明朝は30分程度走って登山口である別の道の駅に向かうことになる。

山レコ掲載
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-7495013.html

YAMAP掲載
https://yamap.com/activities/35986859

撮影使用機材
・NIKON Z50
・NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR

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八経ヶ岳


-『スーパー地形』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成-

11/14(木)

 今日は終日雨予報だ。こういった日に無理をして登っても楽しくない。柔軟に予定を変えることが出来るところが車中泊旅の気ままさなのだ。

 まずは尾鷲のマクドナルドで朝マックを頬張る。無料WifiをつないでSurfaceで写真整理や情報収集。最近の停滞日の定番となっている。マクドナルドがある街、それも店によってはWifiが無かったりするので、これでも結構事前計画が必要なのだ。

 Wifiの一回の接続時間が一時間、その後10分くらいで再接続出来る。でやりくりすると数時間は粘れるが、さすがに後半は追加のドリンクで凌ぐ。でも飲みすぎは前立腺肥大症にキツイ😁
 なので、席はトイレ脇のところに陣取る。まったく、車中泊の駐車位置といい、トイレは人生の重大要素となっているところがなんとも情けないものだ😵

 マックで時間を潰したあとは「熊野古道センター」へ。

 熊野古道にまつわる文化や自然を紹介した興味深い展示が多数ある。平日故に閑散とする館内だが、英語字幕付きの紹介ビデをを熱心に見入る白人女性の姿が印象的であった。

 古道センターを出ると雨脚が強くなってきた。山に登ると昼食=行動食、そしてその余りを下山後の車の移動中に食べるのでなんとなく食事としての満足感に欠けるもの。こういう停滞日は格好の食事チャンスとなる。スマホで検索して比較的星の多いお店でランチをいただいた。スーパーで食料を調達して車の中で食べるとなると案外偏ったり飽きたりするのでこういう外食の機会は大変嬉しいものなのだ。

 明日の八経ヶ岳の天気は曇り基調だが辛うじて雨は無さそうだ。尾鷲市内で食料を求め、予定通りに今晩の泊地である「道の駅 吉野路上北山」へ向かう。尾鷲からこの道の駅まですら2時間近くかかるので紀伊半島の登山はアクセスが大変だ。

 「道の駅 吉野路上北山」はディリーヤマザキが主体で営業されている道の駅で、一般的な直売所や食事処などを備えていない。歩いて行ける距離に宿泊施設の「フォレストかみきた」があり、そこの温泉が日帰りで利用できる。ぬめり感のあるなかなか良い泉質で車中泊の疲れを癒してくれる。

 この道の駅は昨秋も利用しているが、ディリーヤマザキが20時で閉店すると至って静かな夜を過ごすことが出来るので、このエリアに泊まるならお勧めだ。駐車位置はディリーヤマザキ側とトイレ側(EV充電があるほう)に二つあり、道路を挟んだ高台の第二駐車場もあるが、そもそも利用者が少ないので高台のほうに止まっている車は見たことが無い。お勧めは地面が平らなトイレ側である。

11/15(金)

 道の駅から登山口までは約45分の予定だ。慌てる必要はないが、車中泊山行の場合は早立ちで下山後の移動等に余裕を持たせるのが基本。まだ真っ暗な車内でお湯を沸かして簡単な食事を摂る。暖房の無い車内では暖かいものが五臓六腑に沁みわたる。

 国道もとい、酷道309号は基本的に工事中規制が敷かれており、時間帯通行止めとなっている。だが、早朝は解除されており、前日、担当部署へ電話してみると常時交互通行となっているという返事をいただく。入口にある掲示板には時間帯による通行止めが大書してあるので知らない方は肝を冷やすだろう。

 すれ違い困難、問題の区間は路側が崩れかけているも路幅制限のおかげで無事通過。照明の全くない真っ暗な「行者還トンネル」を抜けるとそこが登山口の駐車場である。すでに数台の車があった。早速係員が駆けつけてきて駐車場代の千円を徴収していった。


行者還トンネル西口の有料駐車場からスタート


登山口からまずはゆるゆると沢沿いに進む


橋を渡った後に登山開始 序盤は急登が続く 味わいのある木製階段などもところどころに設置されている

 しばらくは急登を我慢する。やがて乗り上げた稜線が大峯奥駈道であり、軽い感動を感じた。空模様のほうは、どんよりと重く垂れこめる雲。とにかく雨だけ降らなければと思いながら先へと進む。

 先行する方、後続の方。着かず離れずで進む。山深いからと思い、百均ピストルをズボンのポケットに忍ばせ腰には熊スプレー装着。だが、クマ鈴も付けない人が多く、いささか場違いな気持ちになった。平日でもこれだけ入山者が多いなら、さもありなん。


ようやく稜線に乗ると・・・


立派な石柱道標に刻まれた大峯奥駈道の文字


思わずほっこり


朝焼けの残照、曇天だが雨は無いという予報に期待したい


通過点である三角点ピークの弁天の森 名前の通り一帯は穏やかな山頂平地になっている


向かう八経ヶ岳方面まではまだ標高差300m以上はある


今なら少しは眺望あるかな💦


修験道ならではのオブジェ


あとで判るのだが、弥山山頂まで750mとの道標らしい


綿々と続く山並みは晴れていれば壮大だろう


水墨画の如く雲間に続く山々


弥山小屋はすでに閉まっていた


脇の鳥居をくぐり弥山の山頂へ


更に鳥居


山頂は社殿があるのみ ガスに覆われて眺望は無し


弥山小屋から八経ヶ岳を目指す 一旦下って登り返す 途中に鹿柵が三か所あった

 到着した山頂はガスで眺望はほぼ無し。正直がっかり感はあるが、これも今日の天候を選択した自分の結果。何はともあれ近畿最高峰に立てた喜びを感じよう。

 途中でお会いした方数名と、山頂でもご一緒する。皆、眺望が無い事には落胆しているようだが、この山域の奥深さには大いに感じるものがあるだろう。自分もまた、静かな余韻の残る山頂を後にした。


そして近畿最高峰の八経ヶ岳山頂に到達 残念なことにガスで眺望は無かった


錫杖


明星ヶ岳方面にかろうじて至近眺望


心眼で見る麓の紅葉


下山の途につく


たまには苔も撮ってみよう


二日前に歩いた大台ケ原は左側の彼方だがいまいちよく判らない 向こうからこちらはバッチリ見えたのにね😣


「奥駈本道」という良い響き


この先にどんな風景が拡がっているのか またこの地を訪れた時の為にとっておこうと思うのだ


橋を渡れば下山もほぼ終了、沢の流れに癒される


秋の名残を味わいながら・・・


下山終了

 さてさて、明日も天気は芳しくない。

 次は釈迦ヶ岳に登る予定であった。釈迦ヶ岳は今日登った八経ヶ岳からの縦走も可能だが、距離的に厳しいので二回に分けるようになる。

 我が栃木の高原山にある釈迦ヶ岳にもお釈迦様は居るが、こちらの釈迦ヶ岳には立ち姿の立派なお釈迦様がいらっしゃるという。何よりも、大台ケ原から見た釈迦ヶ岳の山姿はなかなかよい。

 そんな釈迦ヶ岳だが、大峰山脈をベストコンディションで歩きたいという思いから今回の山旅からキャンセルすることにした。

 明日は再び停滞だ。尾鷲に南下しても良いが、今回はより街の大きな奈良南部の大淀町を目指し、再び山岳路を二時間ひた走った。

山レコ掲載
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-7486785.html

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撮影使用機材
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飛鳥、奈良観光と大台ヶ原山(日出ヶ岳)


-『スーパー地形』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成-

11/9~11/20、今年の近畿遠征に出かけてきた。

昨年同様に家内と共に車で出発し、今回は飛鳥奈良観光を終えた後に山旅へと移行した。

11/9(土)

 高速の休日割引が有効なのを良いことに、スロースタートする。ナビが首都高経由を指示していることに疑いを感じずに走っていくと、栃木県民には理解出来ないような渋滞に巻き込まれる。東名も集中工事期間なのでところどころ大渋滞。高速料金を割り引いて欲しいと思うも(笑)あとの祭り。ようやくスムースに走り出したが、目的地の奈良についたのは12時間後のことだった。
 今までの人生で12時間も運転したことは無かったのだが、首都高はみだりに通ってはいけないという事を身をもって学んだ次第である。

 昨年の三重は4時前に平日の深夜料金適用を受け、午前中に伊勢に到着。午後から観光に入れたが、さすがに今回はグロッキー。飛鳥の安ホテルに直行し、途中のスーパーで漁った食材を食べるのが精いっぱいであった。

11/10(日)

 一晩熟睡して元気を取り戻した後は明日香観光へ。

 高松塚古墳、キトラ古墳、石舞台へと散策。
 飛鳥寺の長閑な佇まいも楽しんだ。

 明日香は田園地帯が広がる中に見どころが点在するので気持ち良い。こんなところで余生をのんびりと過ごすのも悪くないかなと思うが、現実的には絵空事。せめて妄想だけはしたいところだ。

 飛鳥寺を見た後、奈良中心部へ移動した。連泊するホテルに荷物と車を置いて繁華街散策へ。明日香では少なかった外国人観光客がひしめいていた。瞬間的に自分たちのほうが外人となるようなインバウンド盛況ぶりに驚く。


飛鳥観光は高松塚古墳よりスタート 朝一番で観光客の姿もなく静かな雰囲気が良い


飛鳥の里から見る金剛山(左)と葛城山(右) あの山の向こうは大阪だ


お次は石舞台へ 里山が良く似合う


右端に人が映りこんでいるので大きさが判るだろう


日本最古の仏教寺院、飛鳥寺へやってきた


至近距離で見ることが出来て迫力がある 撮影も自由


阿弥陀如来 渋いね


よく見る聖徳太子と全然違うね😅


飛鳥寺伽藍 長閑な田園風景が広がる


蘇我入鹿首塚


ホテルへチェックイン後繁華街へ、猿沢の池前の通りはインバウンド多し


日本人は十人に一人いるかどうかといったところ


裏通りに入ると渋い看板あり


奈良といえば鹿だが・・・


とにかく押してくる


猿沢の池のほとりを歩きホテルへ戻った。泊まったのはキラキラしてるホテルでは無い🤣


古都の街並みにスタバがやけに輝いている あそこに居るのもインバンドなのか?

11/11(月)

 早めにホテルを出て春日大社を目指す。

 春日大社は広大な敷地を有し、一番外側の鳥居をくぐっても本殿まではかなりの距離がある。途中、公園内には鹿が沢山居たが、山に居る神経質な彼らと違って人間と見ると食べ物を貰える対象としか考えていない。街の中にも出没し、下手をすると車でバックするときなどに轢きかねないので注意が必要だ。

 奈良と言えば東大寺だ。関東で子供時代を過ごした人なら修学旅行で訪れた可能性はかなり高いだろう。自分も中学校の修学旅行で見学しているが、古刹仏像の類はある程度歳を重ねないとありがたみを感じないのではと実感。

 興福寺の宝物殿では、千手観音、阿修羅像などを見た。書籍やネットで写真を見る機会はあるが、実際に現物を間近で見ると言葉や知識を超えた迫力が伝わってくる。歳を重ね、また自ら死に近づいてからこそ感じ得るものなのだろうか。


翌朝、春日大社を目指してまずは一の鳥居をくぐる 朝は観光客が少ないから静寂


早速鹿がお出迎え、おはよう! キミ、なんか期待してない🍡


巫女さんが掃き清める山門をくぐり・・・


春日大社本殿


 


 


絵馬もインバンウドが幅を利かせているようだ


お次は東大寺 鹿が観光客に何気に入り込んでいるのが分かるかな❓


大仏殿はやはりデカい


お会いするのは中学校の修学旅行以来かな💦


虚空蔵菩薩


怖い顔


如意輪観音


どうじゃった?しっかり煩悩を落とされましたかな?と問うているような表情 なんせ神の使いだからね


二月堂へ 修学旅行の小学生が大挙していた


大仏殿と奈良の街並み

 午後は若草山へ車を走らせた。
 駐車場から山頂へ簡単に登れるので観光客に人気がある。

 ここにも沢山シカが居て、愛嬌を振りまくというよりもマイペースで生活する彼らの生活を見ることが出来た。


有料道路を使って若草山へ移動 「あんたらも観光か?暇なんだな」的な視線を浴びる そっちこそ暇なんだろう😜


いへいへ、これで結構忙しんですよ・・・って


威風堂々、角を切り落されていない雄鹿は珍しい


生駒山と奈良市街 左下が県庁


キミ、かっこいいね


親子なのだろうか、いつくしみあう姿が良き

11/12(火)

 観光最終日。
 斑鳩の里、法隆寺へ。五重塔と奈良の秋の空がよく似合う。
 広々とした敷地の放つ空気感が心地よい。

 昼食後に家内を奈良駅で降ろして紀伊半島中心部へと車を走らせた。


観光三日目は斑鳩の里、法隆寺にやってきた


本堂など内部はすべて撮影禁止だが、五重塔に青空と雲がよく似合う


これを見るといつも撮ってしまう🙄 調べたら「吐水龍」って言うらしい


昔の百円札に刷られていた夢殿


以上で観光は終了


夕暮れ近く、山深き道をひた走り大台ケ原へやってきた さぁ明日から山歩きが始まる

11/13(水)

 今回の近畿遠征初日の山は大台ケ原(日出ヶ岳)である。

 昨年の三重遠征時にも計画したが、すでに路面凍結の可能性があるため断念した経緯がある。今年は一週間予定を早め、また高温傾向にあり道路状況の心配は無い。

 昨日のうちに「大台ケ原ビジターセンター」入りした。ここに至るまでは大台ケ原ドライブウェイなる山岳道路を延々と走るが、途中に集落などまったくない深山故に携帯の電波が心配であった。夏頃、ビジターセンターに確認したところ駐車場には携帯電波ありとの情報をいただいていた為、安心して車中泊地とした。トイレと電波と静寂が車中泊の必須項目なのだ。

 今回の近畿遠征は天気予報が微妙で、観光から今日までが好天。明日(14日)から下り坂が数日続くという。宇都宮からの距離があるので一旦戻ることは考えられない。滞在期間を延長して粘るつもりだ。

 朝、目が覚めるとまばゆいばかり光に包まれる。周りの車中泊組も徐々に起きだし、日帰りの車も続々と上がってくる。自分もそそくさと準備をして登山道へ向かった。


翌朝、早い時間は雲が多い予報だったが良い方へ好転 半時計ルートで歩き始める

 流石は人気ルートだけあって登山道に危なげな所は皆無。道も明瞭で歩きやすい。シオカラ谷まではゆるゆると高度を下げて一旦登り返し。若干急登になるが、あとはなだらかな稜線歩きとなる。


シオカラ谷吊り橋までは一旦標高を下げ、ここから少し登り返す


少しだが急登


地域が変わればシャクナゲの種類も変わるものだ


稜線に出ると独特な雰囲気になる

 今日のルートでの最大の見どころである大蛇嵓へ到着。

 張り出した岩棚から見える景色は壮快の一言!
 周囲に柵と鎖が巡らされているのでそこを伝えば危険はないが、滑りやすい岩質なので真ん中を行って足を滑らせると危険だ。
 突端まで行ってみたが、かなりの迫力に圧倒された。


今日のコースのハイライト、大蛇嵓からの絶景


突端に行くとなかなかの迫力で高所恐怖症の方はキツイかも😱


良き


山影が大きく覆いかぶさる


綿々と連なる紀伊半島の深山

 西に目を向けると紀伊半島の屋台骨とも言える大峰山脈がよく見える。この稜線は大峯奥駆道と呼ばれ、何本かある熊野古道の中でも修験道として有名だ。今回登る予定(だった)特徴的な突起が釈迦ヶ岳、右手の八経ヶ岳は近畿最高峰だ。


大峰奥駆道と呼ばれる稜線が素晴らしい 左の特徴的な突起が釈迦ヶ岳、右手の八経ヶ岳は近畿最高峰


今回はその八経ヶ岳へ登る


釈迦ヶ岳は残念ながら天候で断念😣


ツツジも見慣れない種類がある


牛石ヶ原の広大な台地は大台ヶ原の名前の由来なのか


牛石ヶ原のはずれで神武天皇像が睨みを効かせていた


日出ヶ岳への登り途中、来た道を振り返るとやはり大峯奥駆道が素晴らしい


一旦下って山頂までもう一度登り返しだ💦


 


山頂の櫓は四面に避雷針あり


半時計周りだと終着点、時計回りだと最初のピーク


熊野灘が綺麗に見えてテンションアップ!


 


 


北側の山は、どこがどこやら全く分からず山座同定不可


こちらも🥹

 山頂には電波の中継施設があって携帯のアンテナは四本でバッチリ。これはまったくの想像だが、世界遺産に指定されている山域なので、至る所に自然保護の施設や装置が設置されていて、それらのデバイスと通信できるようになっているのではないかと。いずれにせよ山頂で中継施設があるのはアルプスのメジャーな山域でなければ珍しいとしか言いようがないと思うのだ。


山頂に電波中継施設があるのでスマホのアンテナも4本ばっちり 避雷針設置はこの為なのだろう


大台ケ原の海の入口ともいえる尾鷲も降雨量が多く植林が盛んで有名だ


下山途中に再び釈迦ヶ岳方面 良き!


周回最後は笹の道を降りてあっという間に下山


盛況の駐車場でお疲れさまでした 写っているのは大体車中泊組


帰路の大台ケ原ハイウェイからもなかなかの眺望だ


はっとさせられる赤も・・・


道路沿いも良いね 


紅葉の後ろに立派な山姿の大普賢岳が屹立、登山意欲を掻き立てられる


 


来年のターゲット決定!大普賢岳をアップで

 明日の予定は近畿最高峰の八経ヶ岳を予定しているが、山の天気予報を見ると終日雨となっている。雨具を着て無理して登っても仕方がない。ここは一旦停滞としよう。

 大台ケ原から市街地に至るには北の奈良南部か、南の熊野・尾鷲のどとらかになる。どちらも車で二時間以上走らなければならないのが奥深い山間部の辛いところ。その間にまったく何も無いわけではないが、スーパーなどの食料調達はやはり市街地頼りとなってしまう。このエリアの山を連続で登り歩くなら保存食で切り抜ける食料計画が必須だろう。あいにく今回はその備えは無い。それに、何も無い山中で日がな一日車の中で過ごせるほど自分はストイックではない。

 天気予報を見ていると更に一日の停滞は必要な感じがする。気落ちせずにまずは一旦熊野を目指し、残った日差しを楽しむべく散策を楽しんだ。食料調達後は尾鷲手前の「道の駅 熊野きのくに」を泊地とすることにした。


紀伊半島の南北を縦貫する奥深い山岳道路をひたすら南下し、昨年も立ち寄った鬼ヶ城へやってきた


去年パスした「鬼の見晴らし台」へ行ってみよう


遊歩道だが、けっこう登る登るで汗をかく


南に下れば紀伊勝浦へと続く七里御浜海岸、鈍色に美しく輝いていた


どん詰まり、岩の塊は鬼の住処か?


その先が見晴らし台だ


沖合に印象的な二つの岩礁が浮かぶ

 鬼の見晴らし台を後にして下山しようとすると、向こうから白人の若者がやってきた。日本人でさえも訪れる人の少ないこんな所へ・・・という気持ちは禁じ得ないが、昨今「日本の歩き方」のような書籍で意外なところが紹介されていると聞くから特段珍しいことでないかもしれない。

 だが、少し遅れた後ろから若者の母親のような高齢女性が杖を突きながらやってきた。「こんにちは」と挨拶をすると、声にはならなかったが満面の笑みを浮かべて返事をもらう。眼下に広がる絵葉書になりそうな入り江の写真を収めたばかりだろうか、カメラを革のケースにしまうところだった。
 今の時代、デジカメどころかスマホで写真を撮るのが一般的なのは異論のないところだろう。それなのに彼女のカメラがフィルム式のであったのは見逃さなかった。真似はできないが、想い出を収めるデバイスがアナログなんて今の時代結構素敵な事だ。

 スカーフをかぶり杖を突くその様は絵から飛び出した魔法使いといったら失礼だろうが、息子に連れられて日本の美しいところを心の底から楽しんでいる様子が感じられた。インバウンドがひしめくなか、こんな旅をして貰えれば日本人として大変嬉しいものである。


去年登った大蛇峰(真ん中の山)からは下の浜が奇麗に見えたなぁ


さて、降りましょう(撮影角度ミスで「さくらの道おり口」)


なんとも長閑な風景につい足を止めてしまう


小さなビーチだけど、夏は子供たちの歓声が聞こえてきそうだ


ついでに海岸沿いも少しだけ散歩した


印象的な二つ岩にはやはりそれなりの由来があったようだ

山レコ掲載
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-7480564.html

YAMAP掲載
https://yamap.com/activities/35905567

撮影使用機材
・NIKON Z50
・NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR

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高ジョッキと丸岩


-『スーパー地形』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成-

 群馬遠征プチ遠征最終日。登り残しの山シリーズ、今日は高ジョッキと丸岩に登る。

 丸岩は以前八ッ場ダム側からその見事な円柱形に見惚れた山であり、調べると登山対象となっていた。これはいつか登らねばならぬと心に決めた山である。今回は丸岩を見下ろすことが出来る高ジョッキにまず登り、そのあと丸岩の山頂を踏む。

 前泊は、今回の遠征初日に災害対応のリスクを考慮してパスをした「道の駅 くらぶち小栗の里」である。この道の駅の夜が静かなのは、自分が好んで何度も選択するくらいだから問題は無い。加えてもう一つのアドバンテージは近くに相間川温泉があることだ。

 相間川温泉は過去に三度入っている。あまりにも気に入ってそのうちの一回は家内を伴って一泊したほどのファンである。かつて「日本一濃い温泉」を謳っていたが、現在は公取的にまずいのかそういう表記は取り下げている。湯に入れば相変わらず濃厚な泉質は変わらない。体全体から温泉の成分が染み込んで癒してくれるようなそんな感じがたまらないのだ。今回、若干気になったのは湯温が低めに設定されていたことだが、日々の誤差であることを願うばかりだ。


道の駅 くらぶち小栗の里は高崎市役所倉渕支所に隣接 自分は定宿化しつつある


須賀尾峠の駐車スペース 平日なので流石に誰も居ない


峠上が登山口


反対側から菅峰にも登れるが往復3時間弱 またの機会に


まずは高ジョッキに向けて登山開始

 今回の遠征は大した標高差を歩いているわけではないのに、初日の歩きが結構足に来た。だが、昨日の歩きで幾らか筋肉痛がほぐれて楽になった。今日は調子がすこぶるよろしい。やはり一日の標高差を1000m以内に抑えれば連登も辛くないようだ。

 天気は曇り空だが、今日は眺望よりも歩き主体。眺望は高ジョッキから見る丸岩一択だ。
 
 登山道に入るとストレートな広尾根登りが淡々と続く。落ち葉が堆積していてグリップが効かず、やはりアキレス腱が伸びがち。無理をせずゆっくりと登る。


気持ちの良い尾根をじりじりと登る


突き当りの岩が露出したピークは須賀尾 ここは三角点だ


山名板は無い


北に眺望があるが雲に覆われていた


東の稜線に入ると八ッ場あがつま湖にかかる丸岩大橋が見える


地味ながらも奇麗な紅葉にはっとさせられる


最後は岩混じりをよじ登り・・・


高ジョッキへ到着

 山頂の南側にやや開けた展望台があり、そこから180度の眺望が得られた。すっきりとした青空が無かったの残念ではあったが、期待していなかっただけにちょっぴり嬉しい。東側には一昨日居た榛名山が見えた。


山頂南側に眺望地あり ここから榛名山


浅間隠山


浅間山は雲の中


菅峰の山体はどっしりとして良い感じ 次回は是非登ってみたい


北に目を移すと八ッ場ダム


遠く日光方面


下山途中で丸岩がよく見える 今からいくぞー


日が差した丸岩をもう一枚 奥は草津白根山


 

 高ジョッキ登山口から丸岩登山口までは車道歩き。途中に一台くらいなら車を停めることの出来るスペースが数か所あったので、車ごと移動する手もあったが、あくまで自己責任ということになるだろう。また、高ジョッキ登山口と丸岩登山口を結ぶバリエーションルートもあるようだ。ちょっと見た感じ藪っぽい雰囲気なので、車道を7分歩いたほうが結局コスパが良いように感じられた。


しばしの車道歩きで今度は丸岩登山口へ

 今年はどこの山を歩いても堅実類が豊作に感じられるが、実際のところどうなのだろうか。実りが豊かならばクマもリスクを冒して里に出てくる事もなかろうにと思うのだが、今回も念の為に腰には熊スプレーを携帯している。


めぐみの秋だね😊


須賀尾三角点の北西にある岩峰を巻くあたりは岩交じりのトラバース


丸岩手前になると再び気持ちの良い登りになった


読めない山名板 でも好きだなぁ


こちらは行政の山名板 山頂に眺望は皆無だ


下山の途中から見た高ジョッキ


季節間違ってるね😯


車道が見えてきてもうすぐフィニッシュ


車道を歩いて戻ってきた


帰り途中の車道から

 四日間の日程で、うち山行は三日と短い遠征であったが、登り残しと感じていた群馬の山を楽しむ静かな山旅を満喫することが出来た。しかし、そんな山々を歩きながらも再び登りたい山を見つけてしまい、「新たな登り残し」が果て無く出てくるのには困ったことだ。
 「どこの山もそんなに変わらないでしょう」と考える方もいるかもしれないが、人にも万物にも、その主体の持つ”味わい”というものがそれぞれの数だけあるもの。山もまたしかり。山歩きは実に楽しいものだと思うのだ。

山レコ掲載
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-7448850.html

YAMAP掲載
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撮影使用機材
・NIKON Z50
・NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR

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兜岩山と荒船山


-『スーパー地形』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成-

荒船山の過去の記事
    2021年10月29日  荒船山

 荒船山は下仁田から佐久に向かって国道254号を走っていると、いやがうえにも目に飛び込んでくる山容が印象的だ。広大な山頂台地を有し、その突端にある艫岩が艫綱を結ぶ船の舳先に似ているという説もある。山頂は台地の南端にある経塚山(行塚山)だ。

 艫岩は2009年に『クレヨンしんちゃん』の作者である臼井儀人さんが滑落事故で亡くなられた場所でもあるが、崖の上から下を覗き込まなければ落ちることはないように考えられるも、注意が必要なのは言うまでも無い。

 三年前のほぼ同時期に、スタンダードルートともいえる内山峠から登ったが、今回は荒船不動から兜岩山に登った後に周回するというルートにした。


道の駅オアシスなんもくの朝 静かで車中泊には最適


ここも二回目で定宿化かな 前回と同じポジション 若干前後傾斜あるけどね


荒船山の艫岩周囲の威容


真ん中の出っ張りが艫岩 あそこから落ちたらヤバイよね

 国道を離れ、荒船不動までの林道がなかなか厳しかった。すれ違い困難な道路幅、凹凸は深くこそないが低床のシャトルではひやひやものだ。フロントバンパー下センサーがこする音を度々聞きながら、登山が始まる前から気分的に消耗。

 駐車場に着けば早い時間なのにほぼ満車だ。RV車や四駆車はともかく、比較的低床の軽も頑張って上がってきたようである。我がシャトルは善戦したクチだろう。


荒船観音駐車場 ラスト一台にありつく 後からの車は手前側に適当に停めていく


一旦荒船観音側に進んだがこれは逆、気を取り直して駐車場奥から進む

 前日の五万石は標高差も距離もさほどでは無かったのだが、直登区間などが多く意外にアキレス腱が伸びて足に負担がかかっていたようだ。軽い筋肉痛のおまけ付きだが、歩きの疲れは歩きで直すべし。

 ほとんどの方は荒船不動から星尾峠に登り、そこから荒船山に向かうようだ。自分は反対方向に進み、御岳山、兜岩山を踏んだ後に星尾峠経由で荒船山へ向かう。帰路は星尾峠から荒船不動というルートとした。


まだ日が差し込まない道を行く

 稜線までは他に登山者もなく静かな山歩き。紅葉で鮮やかな稜線に近づくと時折登山者の声が聞こえるようになる。早立ちの人がすでに兜岩山あたりまで行ってきたようで、数組と交差した。


稜線に登り上げると鮮やかな道が待っていた


 


背後に荒船山(経塚山)が梢越しに見える石祠


御岳山のピークに到着、ん!誰ぞ!


目、怖いです😱


兜岩山に向かう途中、1380mPを巻くあたりで木製階段


兜岩山には眺望無し 周囲から見るとカッコいい山なんだけど山頂は地味


来た道を戻る


巻いてきた1368mP 尖ってるなぁ


兜岩山を振り返る こちら側からだと特徴がないが、帰りの車で北西方面から見ると立派な山容


 


 


梢こしに荒船山(経塚山)


下山時はここを左、まずは右の艫岩を目指す

 山頂台地は平坦なので歩くのは楽だが、紅葉もあまりなく、すでに初冬の雰囲気で寒々しい感じがした。

 食事は此処でと決めていたから、沢山の登山者が憩う艫岩でザックを下す。絶景を見ながらのカップラーメンとコーヒーが美味い。


山頂台地をてくてく歩いて艫岩到着


眼下のR254


浅間山と右端小浅間山


浅間隠山


西上州ってこういうのがあちこちに😯


槍ヶ岳も遠くに(トリミング)


山頂台地の真ん中あたりに荒船神社奥宮がある


最後に登り返して経塚山へ 樹に覆われていて眺望はほとんど無い


星尾峠から荒船観音へ向けて下山


途中何回も渡渉があったが、荒船観音から星尾峠までは村道となっている


道が穏やかになればゴールまでもう少し


最後の煌めきを楽しみながら


 荒船不動


帰り道の途中で艫岩にお別れ

山レコ掲載
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-7443514.html

YAMAP掲載
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撮影使用機材
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・NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR

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