避暑山行 最終日は横岳へ


-『GeoGraphica』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成-

 昨日は南八ヶ岳林道を通り登山口までやってきたが、実はここに来るのが結構難しく、ナビで目的地を指定しても違う道を案内されて最後は徒歩を強いられてしまう。

 この事については事前に情報を得ていたので、ナビで確実に案内して貰える八ヶ岳大自然郷碑をまず目指す。そこから先は分岐も無く、幾つかの案内情報に従って進めば特に迷う事もなかった。

 八ヶ岳大自然郷碑の手前でフラットダートとなり、約2Km先で手動開閉ゲート、さらに6km進んだ先が横岳の「杣添尾根登山口南八ヶ岳林道駐車場」だ。東側にある「横岳登山者駐車場」のほうが車でのアクセスは楽らしいし、ナビで一発案内される。だが別荘地のはずれにあるらしく、住民が路駐などに神経質になっているという情報もある。気兼ねなく車中泊をするために選択しなかった。

 標高は1900m近くもあるので気温は極めて低く、陽が落ちると寒くさえある。道の駅での車中泊は周囲の喧騒やトラックのアイドリング音に悩まされるが、この山奥の登山口駐車場だ。聞こえてくるのは沢音だけ。見渡すと自分の他にもう一台。夜半に一台加わって三台の静かな夜が過ぎて行く。今晩も熟睡確定である。

 翌朝、目覚めて車外に出ると車が一台増えていた。他の車にも人の影は無い。皆さんとうに出発されたようだ。今日の予定は余裕をもって組んでいるので慌てることはないが、それでもはやる気持ちを抑えながら準備に取り掛かった。

 今回のルートは杣添尾根をピストンして横岳のみを目標とする。距離的時間的に八ヶ岳の盟主である赤岳や硫黄岳まで足を延ばすことも可能だが、特に赤岳に至る稜線は危険度も高いらしい。体力気力に余裕がない状態で通過すべきでないと判断し、今回は遠慮することにした。八ヶ岳はルートも多彩であり、次の機会で体力が充分の初日に赤岳を持ってくれば登れない山でもないだろう。


駐車地脇より右奥の登山道へ進む


山頂まで標高差1000mを切るルート 日陰の樹林尾根を登るのでバテの心配も無さそうだ


この橋を渡った後は一本調子の尾根となる


苔蒸すせせらぎが美しい


ひたすらこんな感じの登り 途中緩急はあるが急がずコツコツと詰めていく 時折抜ける風が心地よい


2600m近くで森林限界を迎えると強烈な日差しがお出迎え あっという間に体力が奪われていく


2600m見晴台 正面の三叉峰、右奥が横岳(奥の院)






存在感が際立つ赤岳 「頂上山荘」ってマジでてっぺんにあるんだね


右上、三叉峰


無名峰(2826m)と右側が横岳(2830m)


何処に足を置いても挟まる難路 日差しで背中が焼ける思いなのに追い打ちをかけるような仕打ちだよ😫


三叉峰まであと少し(に見えるが)、とにかく暑くて一挙にペースダウンしてなかなか届かない😓


幾度も立ち止まった末、ようやく三叉峰に立つ うーーむ絶景哉


裏手のピークに登る 赤岳と阿弥陀岳の存在感は半端ない


山名が判らないが南アルプスの名峰も素晴らしい


延々と登ってきた杣添尾根


手前が無名峰(2826m)、奥が横岳(2830m)


山頂は岩峰になっている


短いが梯子が一本あった


そして山頂

  稜線にあがるとヘルメットを被る人が増えてくる。特に危険個所は無かったが、赤岳へ向かう場合は着用が好ましいということのようだ。以前、雲竜渓谷に行った時に買ったヘルメットがあったのでザックの奥に忍ばせるも着用には至らなかった。


改めて赤岳方面






北側の硫黄岳、二日前に歩いた天狗岳はこちらから見えない


無名峰まで戻って再び周囲を撮影、三叉峰から順番にカメラを右に振る












無名峰から降りる途中にて




三叉峰下にて


正面真ん中の白いところが2600mの展望台
あそこまで降りれば日陰に入ることが出来るので一気に降りていきたい


途中で部活登山のような高校生と大量に交差、三叉峰を目指し続々と登って行く


木陰の登山道に入れば一安心、渋い道標に時代を感じる


下りも長かったがようやく沢まで戻って来た 冷たい沢水で顔を洗って生き返った


下山終了!車が増えていた


林道途中の様子 道幅が広いから良いけど激しいね 車のリアウィンドウの砂埃が凄い


ゲート通過、このあと舗装になるまでまだ2kmのダートが続く

 本来は清里周辺でもう一泊してから下道で宇都宮まで戻る予定であった。しかし予定の場所に行ってみるも標高1500m程度ではとても暑くて車中泊どころではなさそうだ。やせ我慢しても楽しくない。時間もまだ早いしたまには高速を使うのも良いだろう。

 佐久穂まで北上すると無料の中部横断道へ入る。やがて上信越道へ接続し、北関東道、東北道と乗り継ぎ休憩を一時間くらい挟んでも5時間で帰宅。でやはり早いものだ。


 かくして夏の耐暑遠征は終わった。想像以上に首尾良しとも思うし、やはりこの程度という感もぬぐえない。何せ昨今の酷暑が相手だから、暑さに極めて弱い自分としては上出来と評価すべきなのかもしれない。

 それにしても八ヶ岳の素晴らしさに改めて魅了されたわけだが、まだまだアルプスなどの一流どころが沢山未踏だ。もちろん自分のポテンシャルでは不可能な山も多い。乗り物を多用して金にものを言わせて登るルートもあるが、それでもやはり行って見たいと思えるようになったのはここ数年の心境の変化である。人間一寸先は闇。悔いのないように生きていきたいものである。

概略コースタイム

駐車地発(05:35)-見晴台(08:02)-三叉峰(08:53)-無名峰(09:11)-横岳(09:17)-
三叉峰(09:56)-見晴台(10:28)-駐車地着(12:27)

カシミール3Dデータ

沿面距離:8.1Km
所要時間:6時間52分

撮影使用機材
・NIKON Z50
・NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR

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避暑山行 中休みの高原散策


-『GeoGraphica』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成-

美ヶ原の過去の記事
    2023年05月23日  天空散歩
    2020年08月19日  北八ヶ岳方面 三日目 美ヶ原

 天狗岳下山後は予定時間も押していたので下界で食料調達後、夕日が傾くビーナスラインをひた走った。考えようによってはこんな時間帯にビーナスラインを走れるなんてある意味贅沢な行為だ。

 車中泊者で人気が高い「道の駅美ヶ原高原」は平日なのに既に沢山のキャンピングカーやハイエースの類で埋め尽くされていた。道の駅が営業終了している時間だから周囲を歩き回る人は今晩車の中で過ごす人ばかり。老若男女を問わずとはまさにこの状況で、いつも自分が選択する泊地とは一線を画したカジュアルな雰囲気さえもある。

 それだけに車中泊者に対して厳しい目を向けられているのは確かだ。道の駅側やそこを利用する一般のお客さんの迷惑にならないよう節度を持った姿勢で利用させていただくという顕著な姿勢は、全ての車中泊者が肝に銘じなければならないことだ。

 中には常識はずれな行動で迷惑をかける輩もいる。そういう一部の人の心無い行為で自由なる車中泊が駆逐されるのはあまりにも忍び難いものがあると思うのだ。

 営業時間外のみの利用、決められた駐車枠外に物を出さない、車外をみだりに出歩かない、音は出さない、ゴミは持ち帰る。こんな基本的な事が守れない者は道の駅の車中泊はお断りだ。

 さてさて、今日は休養の中日。目論見は日の出時刻に道の駅の裏山にある牛臥山へ立ち、アルプスのモルゲンロート鑑賞の筈だったが・・・

 アラームの設定を間違えて寝坊。慌てて出発して辛うじて朝日の残る高原散策を満喫。下界へ降りて茅野市営温泉で汗を流し、標高1900mにある明日の登山口へ向け、深山ダート林道を移動と案外盛沢山な一日となった。


道の駅から15分で牛臥山の山頂へ モルゲンロート狙いだったが寝坊してしまった😥


木曽御嶽山がオレンジに染まる


穂高から槍 あのあたりは自分の脚力では一生無理なんだろうなぁ


良いね!


更に北側 もうどこがどこやら・・・


延々と続く高峰


雲海が美しい


インスタ映え写真を求める若者が随所に


つくづく寝坊が残念😭


雲海に浮かぶ島の如し


牧場に朝が訪れる


朝日を受け、ポニーもおはよう


今日もいつもの一日が始まったね


松本市街地もガスから目覚める


王ヶ頭を踏んで、更に西端の王ヶ鼻を目指す


雲に浮かぶ南アルプス


手前側武石峰の彼方は北アルプス北端だろう 武石峰も次回この地を訪れた際は踏みたい一座


王ヶ鼻より松本市街地と穂高




復路はアルプス展望コースへ


ひときわ目立つ蓼科山と八ヶ岳 正面のツノのような所が天狗岳っぽい
山本小屋のバスが丁度戻っていくところ


佳き眺め






やぁ、調子どう?


ぼちぼちでんな




夢のような避暑地から酷暑の下界へ降りて茅野市営温泉へ
市民は格安料金 平日昼間から市外者の訪問は珍しいようだ


エアコン無し 扇風機は数台あってご自由に利用可 暑くて地元の人も素通りの休憩室
窓から抜ける風は案外爽やか、扇風機を手繰り寄せて30分ほど昼寝をする


昨日の天狗岳が思いのほかハードで筋肉痛💥
立ち寄った地元系ドラッグストアで明日に備えるべく湿布を探すとバラ売りしていた


スイカも絶賛販売中 ドラッグストアでスイカ見たのは初めてかも


今晩の泊地へ向けて移動中 南側から編笠山と権現岳
 登山予定をしていたがルート内容が厳しそうなので断念🤔涼しくなってからトライしたい


東へ廻りこみ赤岳方面


今晩の涼しい泊地、明日の登山口へ向けダートの南八ヶ岳林道を延々と8Km走る 低床シャトルは20km/hで亀走行

概略コースタイム

道の駅美ヶ原発(05:02)-牛伏山(05:18)-王ヶ頭(06:20)-王ヶ鼻(06:40)-
アルプス展望コース入口(06:59)-塩くれ場(07:58)-道の駅美ヶ原着(08:45)

カシミール3Dデータ

沿面距離:12Km
所要時間:3時間43分

撮影使用機材
・NIKON Z50
・NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
・iPhone 13 Pro Max

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避暑山行 でもやっぱり暑かったのは自分だけ?


-『GeoGraphica』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成-

 連日40度にも届こうとする暑い夏。温暖化が進み、このまま高温の夏が定着、更なる高温化もあるのか?
 いずれにせよ暑いのが大の苦手な自分にとっては由々しきことである。

 登山SNSを見ると、皆さん暑い中でも低山高山を問わずに果敢に山歩きをされているようだ。
 そんな記録発信に触発され、自分も一念発起。

 目標地は八ヶ岳。
 というよりも、この時期車中泊する為には概ね標高が2000mを超えないと無理なのだ。
 泊地を考えると自ずと登る山も限られてくる。

 一泊目は麦草峠公共駐車場へやってきた。
 以前、北八ヶ岳に登った後に使ったことがあるが、休前日だったので満車近くであった。今回は平日なので車中泊は自分ともう一台だけであった。目の前の国道も往来するのは登山者の車くらいなので静かなものだ。

 夕方から雨が断続的に降り出したのもあるが、気温は15度まで下がり涼しいを通り越して寒い位だ。早々に設営を終えて車内に引きこもって快適な夜を過ごすことが出来た。

 明けて翌朝。午前中曇りだった予報を裏切る青空の元、車から数歩😊の登山口からいざ出発だ。

 今日登るのは天狗岳だ。八ヶ岳は国道299号を挟んで北側の北八ヶ岳と南八ヶ岳に分かれるが、天狗岳は南八ヶ岳の北部に位置する標高2646mの山である。標高なりの低い気温で自分にも登りやすいと踏んでの計画だ。


車を停めた脇からラクラク入山


朝の柔らかい光の中、麦草ヒュッテ脇の遊歩道を進む


麦草ヒュッテの裏手は国道を挟んで茶臼山、北八ヶ岳は縞枯山から南が未踏なのであちらも歩いてみたい


苔と岩、これぞ八ヶ岳な道を一旦登り詰めるとそこが丸山 山名板は無いが立派な道標の根元に控えめに・・・


行けども行けども苔と岩の殿堂 この岩が歩きづらくて地味に体力を奪っていく


ようやく眺望が開けた中山展望台 東西の天狗岳が見渡せるがまだ遠い


中山も眺望が無い静かな山頂


「見晴らし台」より ガスがかかってきた😥


流石は八ヶ岳 道標はどこも「超」が付くほど立派


岩のアスレチックゾーンを超えて行く ガスが・・・ 幾らか薄くなってきたかな


ホント、これ疲れます 岩の間に泥の水溜まりトラップ付き 足の置き場選択で消耗する


左手岩峰の先が東天狗岳、右のピークは西天狗岳


おぉ!ガスが抜けて来た ここで運を使い尽くさなければ良いが🙄


東天狗岳到着 彼方へ北八ヶ岳


南側、根石岳から天狗岳に向かう稜線を歩く登山者


一旦下って登り返した西天狗岳 地形図では三角点のあるこちらを天狗岳としている


根石岳小屋にヘリが物資搬入中 背後は特徴的な山容の硫黄岳が堂々と横たわる


硫黄岳の向こうに八ヶ岳主峰の赤岳と阿弥陀岳が並ぶ


西天狗岳から東天狗岳


アップで 山頂の登山者が米粒のように見える


茅野市方面 雲が多いので遠くの山は望めないのが残念!


西天狗岳からの北八ヶ岳


下り途中で八ヶ岳主峰再び


東天狗岳から根石岳までは一投足に見えるも暑くてバテそうなのでやめておきましょう


迫力あるのでついつい撮ってしまう


東天狗岳への登り返し 空と雲、夏の山だね


下山にかかる


垂直な崖地を持つ稲子岳 登山道の無い山 存在感がある


花はいろいろ咲いていた(と思うが)自分好みのやつを一枚


往路はガスガスだった「見晴らし台」から天狗岳へお別れ


下山路最後の山頂は変わった名前のニュウ、岩の重なるピークだった


三角点から眼下の白駒池と北八ヶ岳 雲が多くなってきたな


ニュウの頂部は岩が飛び出している 乳首のようなので乳なのかな


下山路も容赦の無い岩と泥に攻め抜かれていささか疲労困憊
ようやく白駒池のほとりまで降りてきた 木道歩きが楽ちんだ


いろいろ写り込んでうるさい構図だが白駒池 疲れてしまってちゃんと撮る気力が・・・


ソフトクリームに心揺れるも大幅に予定が押してしまったので先を急ごう


有料の白駒池駐車場から観光客が入るので道は超整備されている 極楽だぁ


沢山の人で賑わう白駒の池入口 ここから無料の麦草峠公共駐車場まで30分😆

 標準コースタイムより2時間近くオーバーしてしまったが、ルート全般の苔岩ゾーンや、昨晩の雨を溜めた泥道に翻弄された感もある今日の登山。稜線に出れば八ヶ岳南部を望む絶景に息を飲むも、やはり夏の強い日差しに照り付けられると足取りが重くなるもの。水の飲み方や休憩タイミングを工夫したつもりでも、自分の暑熱対応への道はエベレストより高しである。

概略コースタイム

麦草峠公共駐車場発(05:56)-丸山(07:02)-高見石小屋(07:17)-中山展望台(08:26)-
中山(08:35)-見晴らし台(08:56)-中山峠(09:01)-東天狗岳(10:10)-西天狗岳(10:35)-
西天狗(11:05)-中山峠(12:00)-ニュウ分岐(12:23)-ニュウ(13:16)-白駒荘(14:38)-
白駒池入口(14:50)-麦草峠公共駐車場着(15:18)

カシミール3Dデータ

沿面距離:15.3Km
所要時間:9時間22分

撮影使用機材
・NIKON Z50
・NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR

カテゴリー: 車中泊の旅, 長野県の山 | 2件のコメント

梅雨、あける


-『轍 Wadachi』にて作成-

 梅雨が明けたが暑くて外遊びをする気力がいまいち。
 ここのところ、スポーツクラブのクーラーの効いた室内で汗を流し、さっと風呂に入って帰宅する毎日だ。だがしかし・・・
 山SNSを見るに皆さん梅雨の間も巧みに好天を手繰り寄せ、暑さものともせずに行動を続けているではないか。

 せめてフィールドの空気を吸うべしと思い立ち、オフロードバイクを引っ張り出して塩谷方面の林道などを徘徊してきた。


東古屋湖西端より大滝へ向けて林道へ踏み込む
豊月平放牧場へ抜ける予定だが・・・

 林道入り口で通行止めの案内はあったが、仮設ゲートなら行けるだろうと思いきや、大滝の手前で屈強ゲートに阻まれる。見ると永続的閉鎖の雰囲気だ。以前は何度もバイクや軽四駆で走ったものだがそれも叶わなくなったと思うと少し残念。


屈強なゲートでここまで しかも監視カメラ(右上の木)付き


東古谷湖へ引き返す林道途中は崩落個所もあるので油断出来ない

 東荒川ダム方面へ北進し、途中にある路傍三角点「四等三角点:鳥羽新田」を探すが見当たらず。
 耕作放棄された畑地の中に不自然なポールがあったのでてっきりそこかと思ったが、あまりにも酷い藪地。そしてですぐ脇に民家もあったので確認はしなかった。

 帰宅後に基準点成果等閲覧サービスで遠景写真を調べたところ、道路の反対側だった。うーーん気づかなかったなぁ。というか下調べしろよ>自分

 気を取り直してもう一ヶ所の路傍三角点探し。「四等三角点:豆柿」はすぐに見つかった。


田んぼ脇にひっそりと鎮座


四等三角点:豆柿

 お次のポイント、箒根神社はGoogleMapで検索すると沢山出て来る。高原山神社から分祀されたという説もあるが、とにかくその数は半端ではない


お次は箒根神社 1615年-24年創建と伝わる 杉の巨木が周囲を護る


清められた階段を登る


狛犬は嘉永七年(1854年)


月山神社も祀られていた


喜佐美地蔵尊(詳細情報不明)綺麗に草刈りされていて信仰の篤さを感じる

 地蔵尊より北へ進むと急に道が細くなり草に覆われる難路となった。途中にあった手動ゲートを開閉し先へと進む。勾配のあるダートを行くと、苔で覆われた舗装路が急に出現。車両通行が絶えて久しい雰囲気だ。以前このタイプの林道で不用意にフロントブレーキを強めに掛けたら見事に転倒したことがあり、ガソリンタンクがへこんだトラウマがある。慎重に通過するも、少しラフにアクセル操作するとリヤもツルツル滑るのでヒヤヒヤだ。

 別の林道へ出会う箇所で二荒山神社の鳥居を見る。左手に進めば弓張へ続く道が地理院地図に書かれているが、そちらはまた日を改めて走ろう。


二荒山神社分祠


木製の階段を登り・・・


ひっそりと鎮座する

 塩田ダムに向けて南下する途中にある風穴湧水はその名前から想像するに、窟屋からコンコンと水が湧き出ているのかと思いきや、案外地味な湧き水でちょっとがっかり。


風穴湧水付近


あちこちに山ユリが咲いていた
このあと、宇都宮に向けて暑熱地獄 夏場は山間部オンリーで走りたいがそうもいかない😭

撮影使用機材

・iPhone 13 Pro Max

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白根隠山 敗退


-『スーパー地形図』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成-

白根山の過去の記事
    2011年10月09日  金精峠から白根山周回
関連山行
    2018年06月03日  再訪!白根隠山
    2016年05月29日  いやはや、実に遠かった錫ヶ岳


 まだまだ今年の梅雨はやってこない。だが暑い。
 暑熱順応の苦手な自分だが、2000mを超えた山域ならさぞ涼しかろう。ということで梅雨入り前の最後の山として白根山に登ることにした。

 本当は白錫尾根の途中にある白根隠山がゴールであった。だが、白根山を登りそして下ると思いのほかの疲れた。無理すれば白根隠山まで歩く事は可能だったが、復路の金精山からの激しい下りに備えて充分に体力を残したかった。白錫尾根を目前にしてスルーするのも残念だったため、すぐ先にある地震観測所跡地でゴールとした。

 白錫尾根を遥か錫ヶ岳まで歩く事はもうこの歳ではないだろうと思うが、次なる機会には白根隠山あるいはその先の白桧山あたりまでは再訪し、静かなる尾根を感じたいと思うのだ。


金精峠駐車場 朝五時半でほぼ満車 白線あり残り三台にありつく
準備をしているうちに満車


まずはあそこ(金精山)の尖がりを越えていきましょう


以前、恐る恐る通過していた崩落個所は橋がかけられていた これなら安心安全??


「うん またくるよ必ず」 コメントに思わずほっこり??


男体山ファミリーは眠りから覚めつつある


ふぅ~ まずは一息入れましょ


くねくね 道路はドライブ快走路


金精山を一旦下り、国境平から登りへ転じる
 写真を撮っていたら、後続の方を立ち止まらせてしまったので先行していただく


我が後続は登山道を行くシカ一頭 どちらまで行かれるんですか?


ようやく稜線に出た 吹き抜ける風が爽やかだ


男体山ファミリー勢ぞろい おはよう


やはり白根山ってカッコいいいね


嬉しい咲き残りのミネザクラ


ここまで行き交う登山者は僅かだったが、
弥陀ヶ池まで降りて来ると菅沼からの登山者が一気に増える
さぁ白根山へのラストスパート


急登でみるみる高度が上がる 正面の燧ケ岳が形の良い姿 
手前の四郎岳と燕巣山 ダブルヘッダで登った時はあの登り返しがきつかった💦


山頂まであと少しだが、振り返ってシャッターを切って一休み 遠く武尊山


到着! 狭い山頂は長居出来ない


沢山の登山者が憩う


遥かなる錫ヶ岳 かつて、気合だけで歩いた山 もう今の体力では無理かも


エメラルドブルーの五色沼が輝く バスクリン・・・ではない😅


山頂に別れを告げ避難小屋へ向けて下山


今日はあちら(白根隠山)が本命なのだが・・・


・・・結局気力切れ😅
時間と体力はまだ残ってはいたが、金精山の峻険な下山リスクを考えてここまで
観測所跡地は以前残っていた建物が綺麗に撤去されていた


白錫尾根をちょっぴり歩けただけだが満足しよう
次回は錫ヶ岳とはいわず、白桧岳あたりまで歩きたいところ


白根隠山からだと遮るもののない白根山ドーンだけど今日はこれがベスト
でも見られて良かった


前白根山まで、そして五色山、金精山にも登り返さないといけないので体力温存


本日のゴール、地震観測所跡でゆっくり昼食 この景色、なかなか良き哉


登り返して前白根山 左奥に白根隠山


アップで 正面真ん中あたりが避難小屋への降下地点で白錫尾根入口 
こうして見るとデカイ白根山を乗り越して再び外輪山に登り返しているのだから疲れるよね😓


正面真ん中の平坦地が観測所跡地 先ほどあそこで昼飯を食べた


白根隠山アップ ラスト、たった50mの標高差なのだが今日はパス 無理は禁物


男体山ファミリーもスッキリ 否、お母さんだけ機嫌悪そう 何があった💥




遠いぞ!五色山


本来はあそこ(湯元)から登るのが由緒正しいのだが 今回は楽をさせて貰った


定番の白根山と五色沼構図


金精山の登り返し、そして厳しい下りも終わり無事金精峠へ 
金精神社の日陰に腰掛けしばし休憩 朝とはうって変わって青空が美しい


さようなら、トンガリ金精山

概略コースタイム

金精平駐車場発(05:32)-金精峠(06:02)-金精山(06:41)-国境平(07:04)-五色山(07:34)-
弥陀ヶ池(08:19)-白根山(09:25)-避難小屋(10:20)-白錫尾根入口(10:39)-観測小屋跡地(10:49)-
昼食休憩-行動再開(11:01)-前白根山(11:24)-五色山(11:59)-国境平(12:23)-
金精山(12:45)-金精峠(13:21)-金精平駐車場着(13:49)

カシミール3Dデータ

沿面距離:13Km
所要時間:8時間17分

撮影使用機材
・NIKON Z50
・NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR

カテゴリー: 日光の山 | コメントする

散策ついでに佐貫観音

 今年は梅雨の入りが異常に遅い。そして既に真夏のような天気で夏が苦手な自分にとっては辛い日々が早くも訪れた感がある。救いはまだ湿気がそれほど高くないので風に吹かれれば涼しいということかな。

 5月になってバイクのバッテリーを二台更新したっきりで走っていなかったうちの一台。スクーターに乗って散歩に出かけてきた。


稲が青々と育つ風景っていいね


今日はスクーター(125cc)で出動


あちこちぐるぐる走り回った末、佐貫観音の先にある鬼怒川に面したベンチで昼ごはんを食べることにした。


川の流れる音が心地よい


このバイク買って13年経つが、袋かけフックを初めて使ったよ😁


近くのFMで買ったひやしたぬきうどんをいただく


正面に高へら山のぽっちりした山容、左に目を移せば半蔵山


夜とかライトで照らしたら怖そう😱


さて、ついでだからあの後ろに行ってみますか


明瞭な踏み跡を追うも・・・


途中から不明となり適当に登る


唯一の眺望 樹の間から鬼怒川が見えた


SHCカワスミさんの山名板が半分に割れていた。
以前来た時は割れる前だったが、ブログ記事にしなかったので日時不詳で写真が見つからず。


この岩を登ればトップだが、スニーカーの中で足が泳いでいるのでグリップが期待出来ない。無理はすまい。
40年前、20代の頃はまだ山登りをしなかったが、何かのきっかけで一度この上の岩に立ったことがあった。
怖いもの知らずとはこのことだ。


山頂から東へ穏やかな道が続く。こちらが参道だろう。


下っていくと琴平神社。ここから鬼怒川や日光方面が一望できる。












かつてはここの先に橋が架かっていた。古い面影をこうして残すのって良いと思う。


遠く雷鳴が聞こえてきた。観音岩にご挨拶して帰りましょう。


日光街道を走ってもつまらないので林道牛沢天王寺線へ。半蔵山直下を経て新里へと抜ける林道だ。


半蔵山登山口。山頂まで10分だが、今日はやめておこう。

撮影使用機材
・iPhone 13 Pro Max

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裁ち蕎麦を求めて南会津へ


 梅雨入り前のツーリング。この時期大抵北茨城方面へ走り、魚を食べて来るのが恒例。だが今回は南会津へとバイクを走らせた。

 天気予報に反して北に向かうほど雲が優勢の空となる。夏用のメッシュジャケットではいささか体が冷えるので中にウィンドブレーカーを着こんで凌ぐ。グローブもメッシュだからいささか手が冷たい。

 目的地のお店で裁ち蕎麦と季節の山菜ミニ天丼、デザートにはっとうまで付けて大満足な昼食をいただいたあとは、初めてのミニ尾瀬公園散策。ヒメサユリが綺麗に咲いていて嬉しい。

 下郷町を経て那須経由で帰れば300km超の下道ツーリング。心地よい疲れが残る一日であった。


思ったより雲が多くて寒い


いつもカメラを出す、いつもの橋からいつもの風景 見えているのは大杉岳だと思う


今日の目的地


裁ち蕎麦とミニ山菜天丼


はっとうも付けた


ミニ尾瀬公園へ寄り道 檜枝岐川の橋を渡る


鮮やかなピンクのヒメサユリ


ヒメサユリと大杉岳


水が綺麗な園内、レンゲツツジは終盤だ


ニッコウキスゲも


とにかく水が澄んでいて綺麗


道の駅しもごう ブルーベリーアイスでクールダウン


那須、八幡崎

撮影使用機材
・iPhone 13 Pro Max

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疲労困憊の黒檜岳


-『スーパー地形図』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成-
-※当コースには一般登山道でない箇所が含まれています。参考にされる場合は自己責任でお願いします。

黒檜岳の過去の記事
    2020年10月28日  9年ぶりの中禅寺湖南稜
    2011年09月16日  中禅寺湖南陵を歩く
関連山行
    2023年11月01日  社山周回
    2013年11月23日  中禅寺湖、大日尾根 上野島ルートで社山


 6月から基本的に山から遠ざかる生活を始めるつもりだ。特に差し迫った理由がある訳でもないのだが、まず暑いなかの行動が耐え難いのが一番だ。

 天気予報を見ると、台風一号がやってくる直前の晴れ間。5月の締めに歩いてこようと思い、春季は初めての中禅寺湖南稜を伝い黒檜岳を登ってきた。

 中禅寺湖南稜へのアプローチは社山経由ではなく、阿世潟北方にある尾根(巷ではショートカットルートと呼ばれている)から取り付く。

 社山北側の尾根に乗るには五つのルートがある。松ヶ崎から、大日崎から、上野島側岬から、そして比較的よく歩かれている今回の阿世潟北端から取り付くショートカット尾根、最後は社山を越える登山道だ。11年前は上野島側岬から登り、昨年はショートカット尾根を登っている。この取り付き尾根は大変な急登なのだが、二度目にも関わらずどうも学習していなかったようだ。

 ショートカット尾根は藪もなくすっきりとした気持ちの良い尾根だ。だが、とんでもなく急登でもある。この取り付き尾根を登りきり、黒檜岳へ走る稜線に乗り換えると、しばらくは緩やかな区間が訪れる。だが、二度目の急登で再び体力をそぎ落とされる。踏み跡も少なくグリップに力を使い、前傾で登り続けるので結構な体力消費となるのだ。

 社山を越えていくより楽かなと単純に考えてこのルートを選択したが、結果的には急登区間にアキレス腱が伸び切り、いつにもない疲労感を感じる歩きになった。


早朝の華厳の滝脇市営駐車場 帰りはここまでバスで戻る
停まっていた車数台は県外ナンバー 山か釣りか


社山、中央ピークと社山右手の小高いピークが今日の序盤ルート 社山は登らない


阿世潟手前地点から いつもの逆さ男体山 逆光で滲む光線 釣り人は阿世潟あたりまでも沢山いた


中禅寺湖の水も大分回復してきた様子 上野島の途中も水没復帰したようだ


尾根取り付き末端 さぁ、行きましょう

 先ほども掻いたが、この尾根は昨秋は紅葉の中登った。その時は周回して社山から下山するだけだったので、ゆっくり登ったからなのか、やはり急登はきついと記録していたが今回はやけに辛い。噴き出す汗、伸び切るアキレス腱。今日のこのあとの長丁場に耐えられるだろうか。


踏み跡無き急登急登!アキレス腱が伸び切った💦


ご褒美の緩やかな尾根に癒される


社山の山頂が左手に小高い

 今年はもう白ヤシオは諦めていた。僅かな花を求めて登ることも可能だろうが、潔く今年は諦めようと思っていた。ところが途中でちらほら咲くシロヤシオを発見。初めて山でシロヤシオを見た時のように感激。


シロヤシオ発見!今年初めて見る実物に感激


少し痛み始めているがそれでも充分綺麗だ

 三度目の中禅寺湖眺望点に到達する。ここは良いところだ。この先の稜線歩きでも何か所か中禅寺湖方面を見ることが出来る箇所はあるが、自分的にはここがベスト眺望だと思う。写真は掲載しなかったが、カメラを右に振ると大きく男体山。少し枝が邪魔するのが玉に瑕。


中禅寺湖眺望地点へ到達 今回が三回目だが眺望が素晴らしい 白錫尾根が悠々と横たわる


正面の逆さ高山


黒檜岳分岐通過 気分的に第一区間クリア


黒檜岳へと向かう稜線歩き開始


足尾煙害で荒廃した山にも樹が戻りつつあるが、豊かな山に戻るにはあとどのくらいの時間が必要なのだろうか

 以前と比べると格段に道型は濃くなり迷うことは無くなっていた。以前は時折深い笹薮に閉ざされ道を失い藪漕ぎを強いられることもあったが、今回はそういったことは全くない。笹を見ると全てシカに食べられた跡があり、煙害に苦しんだこの山域を次はシカの食害が蝕みつつあるという事実に悲しさを禁じえない。


13年前にここを歩いた時は腰高の笹薮で道を失い迷った 鹿の食害が新たな山の危機を呼び起こしている






振り返って社山


登山者発見(画像中央に二名) 後刻、黒檜岳で会った女性二名 この先にも単独者一名を視認


黒檜岳の山体が間近に見える 廻りこむようにしていくのでまだまだ遠い


突然シロヤシオの群落出現 先ほどの場所より沢山の木で咲いているではないか


白根山をバックにして


よくぞ咲いてくれていた!




南東方面


荒涼とした松木渓谷 中倉山


来た道を振り返る




右奥の黒檜岳に向かって稜線はまだまだ続く


袈裟丸山塊から皇海山への稜線 中倉山の先に庚申山が聳える


再度来た道を振り返る 社山からの距離感を感じるアングル




一旦、癒しの平坦地を通過


左奥、大平山は今日疲労の為パス

 稜線自体は大きな上り下りが無いが、序盤の取り付き尾根急登ですっかり消耗してしまった。最近にないレベルの疲労でちょっとした登りにもすぐ息があがる。山を始めた頃はしょっちゅうこんな感じで歩いていたなと、ちょっぴり懐かしくなった。だがこの稜線は眺望が終始良いので気持ち的には楽。吹き抜ける風も涼しいを通り越して少し寒い位だ。暑がりの自分には丁度良い。

 大平山を左に見て分岐まで到達すれば、あとは黒木の森の中にひっそりと佇む黒檜岳の山頂を踏んでと下山となる。ここまでくれば山頂までの僅かな部分以外登りはもう無い。ようやく、ほっと胸をなでおろした。


大平山へはここを直進するように進む
今はしっかりとした道型があるが、以前は腰高の笹薮漕ぎで進んだ ここもシカの食害だろう


黒木の森へ入ると眺望ともお別れ


一つ目の山頂(最高標高点)  黒檜岳は二か所に山名板がかかっている 共に眺望は無い


こちらは二つ目の山頂 最近失われつつある山部さんの山名板がよく似合っている 上の板も朱色が良い


森の中は目印を外さないように慎重に


下山路にシャクナゲがいくらか咲いていた ベストでこんな感じ


長い長い急な下りの末ようやく中禅寺湖に降り立つ まずはほっと肩の力を抜く


今日は疲れているので群生地はパス でも、周辺に咲いているクリンソウも充分に綺麗だ






台風接近の影響か? 徐々に天候は下り坂のようだ

 いつにもない疲労に傷心し、千手ヶ浜から低公害バスに乗ってしまおうかと悩む。だが、浜でしばらく男体山を眺めていたら幾らか元気が出てきた。さぁ、竜頭の滝バス停を目指そう。


歩いて来た稜線にもガスが掛かり始める


熊窪の砂浜も湖面の色が冴えないといま一つ


周遊道は元気なヤマツツジが色を添える



 中禅寺北岸周遊道は至って穏やかな道。時折、見事なヤマツツジがあたりぱっと照らすように現れる。すっかり疲れ果てた体に励ましを貰う。
 終盤、赤岩直前の登り返しは後からやってきた年配の方に追い抜かれた。もう無理はしない。あとはバス停までいけばそこがゴール。2024年春の歩き終いに相応しい、体はボロボロだが気持ちは爽やかになれた一日であった。

概略コースタイム

県営駐車場発(05:31)-歌ヶ浜駐車場(05:50)-阿世潟北の尾根取付(06:57)-一本目急登終了(07:37)-
二本目急登開始(07:57)-二本目急登終了(08:25)-中禅寺湖方面展望地(08:30)-社山黒檜岳分岐(08:42)-
シロヤシオ開花群生地(08:59)-大平山分岐(10:27)-黒檜岳最高標高点(10:47)-黒檜岳(10:51)-
中禅寺湖畔へ(12:37)-千手ヶ浜(12:52)-熊窪(13:26)-赤岩(14:04)-竜頭の滝バス停(14:34)

カシミール3Dデータ

沿面距離:22.8Km
所要時間:9時間3分

撮影使用機材
・NIKON Z50
・NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR

カテゴリー: 日光の山 | コメントする

猫魔ヶ岳と雄国山


-『スーパー地形』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成-

 東北遠征、というほど大がかりにはならなかったが、最後の山は磐梯山の西側に位置する猫魔ヶ岳と雄国山で締めることにした。雄国沼はあと一ケ月もするとニッコウキスゲが咲き誇るというから、本来ならその頃に行くべき場所だろう。でも、自分はその時期は既に耐暑的に無理だから諦めている。花はともかく眺望だけでも見られればヨシと思い計画した。

 天気予報はまぁまぁ当たりと言えば遠からじ。昨日の午後から悪化して今日の午前中にかけて回復する予定。もう一日停滞すれば明日あたりは好コンディションで歩ける筈なのだが、距離が長い行程なので後半の天気回復頼みで出発した。

 八方台駐車場は休日満車が常態らしく、あまり早い時間だと天気回復が見込めないし、遅いと停められない可能性が出てくるので時間の落としどころが難しい。

 駐車場へ着くと6時前だが結構な台数が停まっていた。中には車中泊組もいるようだが、ここは電波が圏外なので夜間の緊急連絡の受信が出来ない。自分的に車中泊はパスだ。

 車から降りて準備を始めると昨晩から吹き始めた風が強く、寒い。一枚羽織って出発した。 


八方台登山口より猫魔ヶ岳へ入山 ハードな熊がお出迎えだ


今日も露払いか? ”ほーいほぃ”と叫びながら進む

 先行者の三人グループいたが、途中で彼らが根曲がり竹のタケノコ堀りをしているそばを追い越してしまった。いよいよ露払いかと思えば、向こうから下山してくる人に会う。この時間帯でも案外人は歩いているようだが、ガスで幾らか視界が悪いので用心に越したことはない。磐梯山同様、ダブル熊鈴とホィッスル、奇声で進む。後から登ってきた人は自分の奇声のほうが気になったのでは😅


猫魔ヶ岳へ到着 右側の小さな山名板が良いね


眺望無しのガスガス 帰りに晴れることを期待しましょう


なんとも素朴な可愛さ

 次のピークの猫石もまたガスで何も見えず。風もまだ強く、流石に意気消沈する。猫石からひたすらに下り、渡渉を何か所か繰り返すとようやく雄国沼へと到達した。途中からヤマツツジが見えるようになるが、何故か栃木あたりで見るヤマツツジより花が大きいような気がする。レンゲツツジのようにも見えるが、通りかかった福島の方に尋ねたところ、やはりヤマツツジだということだ。

※当ブログをご覧いただいた、でんさんより教えていただきました。ツツジはレンゲツツジが正解です


レンゲツツジの大きな花が時折見られるようになる 朝露に濡れて綺麗


雄国沼のほとりを進む 空模様は未だ回復せず


いくらか青い部分が見えてきて期待に胸膨らむ


雄国沼休憩舎 中にトイレあり 誰も居なかったが広々として休憩には最適


雄国山への登りにかかるとレンゲツツジが続々と見られるようになる


今年はツツジ類が不調だったが、レンゲツツジは元気


山の名前も花の名前もよく知らない自分だが、この白い花は? 教えていただきました 正解はズミです


とても綺麗な花


背後に猫魔ヶ岳

 ツツジを見ながらゆるゆると登っていくと、あっという間に雄国山へ到着。見晴らし櫓は老朽化の為使用禁止になっていた。枝が邪魔な北側眺望は得られず。西側の喜多方市街地と飯豊山が見えた。


山頂の展望台は老朽化の為利用禁止 北側眺望は得られなかった


西側 喜多方市街地


飯豊山は雲の中


米どころだね


奥に櫛ヶ峰


雄国沼に向けて下山する




休憩舎から雄国山 ここからだとまるで裏山だね


大分青空が戻って来た


ブナの新緑が目に眩しい森


この時期咲くものはまだ無いが、それでも広々として気持ちの良い湿原を一周








金沢峠へ登り上げるとそこは車道 ここに車を停めて周回すれば雄国山と雄国沼もイージールートだろう


金沢峠から雄国沼俯瞰


車道を歩いているとやはり目に付く飯豊山にカメラを向けてしまう



 序盤は舗装だった林道もやがて舗装が切れ先へと続く。犬連れで散歩しながら山菜取りの人。肩に下げた袋に沢山の戦利品が詰まっている。更に進むと林道を塞いでトラックが停まっていた。脇の笹薮で盛んに声がしている。トラックの横に居た女性に聞くとタケノコ取りだという。「クマが怖いですね」と尋ねると、「御覧のように騒ぎながらやってます」とのこと。トラックの荷台を見ると大量の根曲がり竹のタケノコが積んであり、なんとなく趣味の域を超えているようにも見えた。このように随所で山菜取り、タケノコ取りの人が見られたが、彼らがクマに逢う可能性が高いのはやむを得ないだろうと思った。

 以前読んだクマに関する本にこんな事例があった。山菜取りに熱中していた人が腰に食料を下げていたところ、背後からクマが近づき、腰に下げた食料をなんとか取ろうと手でちょいちょいと触ろうとした。山菜取りの人が気づき、振り向いたらそこにクマが居たという背筋も凍る出来事だ。その時はクマも食べ物以外は見ていなかったようで、まさかの人間でドッキリ。慌てて一目散に逃げていったというのだから不幸中の幸いとしか言えない。クマは哺乳類最強の嗅覚なので食料をむやみに晒してはいけないという好例だろう。山の中で食べ残しを捨てるなどは厳に慎まなければならない。 

 最近は里に降りてくるクマの話題が絶えないが、クマの生態に変化が現れているのは間違いないだろう。基本的に強い個体は山の中で確たる餌場を独占出来るが、経験不足の若い個体や弱い個体は次第に麓に降りてくるしかなく、そこに限界集落があれば里の成り物に導引されるのは自然の理だろう。

 北海道のマタギの人が書いた本で読んだことがある。クマ(ヒグマ)は山の険しい所に居る訳ではなく、彼らとて移動に楽な、そして穏やかな所で生活する習性があるという。要は無駄な苦労はしないというごく当たり前のことで、そんなクマ達から山での行動の仕方や生き方を教わったという。今、クマ達は人里を生活の場としようとしているのだろう。

 山歩きをする者として会いたくないのは当然だが、単純に法改正をして予算を付けて頭数制限で駆除すれば良いという問題でもないし、そもそも保護獣でありながら危険な彼らとどう付き合っていくかというのは、なかなか難しいことだと思う。ハンターの高齢化やなりて不足。ハンターにとっても危険なクマ猟が敬遠される昨今、深刻な問題だと思う。


長い林道歩きの末登山道へ


ようやく道標を一枚見る

 厩岳山の山頂周辺は倒木や道の荒れが目立った。だが交差一名、山頂で休憩中一名と、それなりに人は歩いている。猫魔ヶ岳や雄国山周辺と比べれば圧倒的に地味だが、どことなくほっとする雰囲気の山だった。

 山頂からは控えめに雄国沼や磐梯山が見える。南に降りていく登山道があったが、途中に厩岳山神社があるのでこちらが参道になっているようだ。


厩岳山頂は静かなところ


雄国沼と飯豊山




磐梯山をほぼ真西から見る


左、猫石 右、猫魔ヶ岳  とりあえずあそこまで戻らなければならない


猫石アップ


そして戻ってきた たいした登りでは無いが終盤結構きつかった 朝とはうって変わって快晴に感謝


猫石から最後にもう一度雄国沼


厩岳山


帰路の猫魔ヶ岳より磐梯山


猪苗代湖


桧原湖


八方台駐車場へ帰着


猪苗代町から最後に磐梯山 さようなら 次は南から登るよ

 今日は麓の気温も低い。裏磐梯まで戻らなくてもよさそうだ。

 猪苗代町内で買い物、あまりコスパの良くないホテルの日帰り温泉で汗を流して「道の駅 猪苗代」へ車を停める。この道の駅も何度か利用しているが、とにかく広大でトイレも綺麗。夜は大量の車中泊の車で埋め尽くされる人気道の駅である。

 トイレ至近は大型駐車スペース側なのでいつも避けるが、今晩はアイドリングしているトラックどころかトラックの姿自体がほぼ見られなかった。物流2024年問題で長距離ドライバーにも休みが確保されるようになったのだろうか。思わぬところで状況の変化を感じた。


 さて、4月から始まった車中泊登山シリーズも一旦ここで終了。これから次のシーズンが始まる10月までは普通の初期高齢者(正確には今年12月が誕生日なのでそこから)生活が始まる。

 私事だが、5月に4人目の孫が産まれた。最後の孫が産まれてから数年経っていたので孫を抱く手もおぼつかなかったが、我が血を継ぐ新たな命を抱くことが出来た幸せに感謝したい。

 

 山の方は暑いのが苦手でしばらくお休み。
 でも、涼しい山なら月一くらいは・・・登るかもね😁

概略コースタイム

八方台駐車場発(06:10)-猫魔ヶ岳(07:12)-猫石(07:30)-雄国沼休憩舎(08:45)-雄国山(09:28)-
雄国沼休憩舎(10:05)-湿原入口(10:33)-金沢峠(10:54)-林道終点(11:44)-厩岳山(12:10)-
猫石(12:58)-猫魔ヶ岳(12:26)-八方台駐車場着(14:06)

カシミール3Dデータ

沿面距離:19.8Km
所要時間:7時間56分

撮影使用機材
・NIKON Z50
・NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR

カテゴリー: 車中泊の旅, 福島県の山 | 2件のコメント

東北遠征 停滞日

 本日休養日也。

 と言うほどは疲れていない。だが、流石に先週の群馬県境三連登は体に負担があったように感じた。特に19日の仙ノ倉山は結構疲れた。20日に宇都宮へ帰り、中一日で出発したので下道オンリーの車の運転も地味に効いているのだろう。

 以前のような筋肉痛は最近とんと感じなくなって、標高差1000mを超えても翌日多少のだるさだけで歩き始めるとすぐにコリがほぐれるような感じだ。だが決して強靭なわけではなく、要領よく歩けるようになっただけなのかもしれない。

 今年の2月からYAMAPとヤマレコを始めたが、自分のペースを見ると総じて平均程度だ。無理せず楽しく歩けば大体平均というのはある意味安心できる結果と言って良いだろう。

 山SNSの世界には自分と同じ世代、いやもっと上の世代にも遥かに高パフォーマンスな登山をこなしている人が沢山居る。自分の場合、若い頃は帰宅部で体を鍛えることなく、会社に入ればメタボに突入、やむなく50歳過ぎてから健康増進で始めた山登りで”平均”に到達出来るのだからヨシとしたいと思うのだ。

 改めて本日を停滞にしたのは山天気予報のせい。山に関する天気予報は課金している「お天気ナビゲータ」も含めて常に5種類(中には重複するデータソースあり)をチェックして翌日の行動可否を判断している。

 予報の的中率が必ずしも高いとはいえないが、今日の天気は青空は望めるも風が強そうなので行動中止とした。お馴染みのテンくらC判定というやつだ。テンくらの詳細版となる「お天気ナビゲータ」で山頂の見晴らし予想と風速を見て判断した。休みが限られた日帰り登山なら間違いなく強行するコンディションだが、そこはプータローの特権。一日停滞すれば良いさというやつだ。


今日は登山休養日 道の駅をのんびりと出発! まずは桧原湖を北上して米沢を目指す


磐梯山眺望箇所より 山頂はガスが掛かっている


桧原湖を疾走するボート


山神社へ寄り道してみる



  明治21年の磐梯山噴火で集落は湖底に沈み、高台にあった神社はそのまま残った。湖水の水が引くと参道にあった杉の根株や旧鳥居が見られ、その先約100mの湖底約15mに桧原宿があった。(案内板より転載)


湖底に旧鳥居などが今も沈んでいるという


厳島神社みたいだ


キラキラと輝く湖面 こんなに天気が良いなら登山出来たかな


山神社を後にする


米沢に抜ける西吾妻スカイバレー 途中の展望地より


ヘアピンカーブ


北側から見る桧原湖


脇を猿のグループが通過中


なんか用っすかね?


あー痒いったらありゃしない


あんた、さっきからこっち見てて暇なんだね


ボクラ忙しいんで んじゃ


白布峠から見る西吾妻山方面

 米沢市街地に入る直前、船坂峠展望台というのがGooglemapにあったので寄り道をしてみた。この地は支倉常長の生誕地であり、小さいながらも展示館がある。展示館は廃校になった関小学校のプール脇の更衣室棟を利用した簡素なもので、入ってみると筆ペンの記帳コーナーあり。とても達筆な方が筆を連ねており、悪筆の自分が帳面を汚すのは忍びない。やむなく未記帳とさせていただいた。

 館内の展示見学を終え、傍らの展望台入り口を登るとすぐに展望地へ至る。涼やかな風が吹き抜ける向こうには米沢盆地の風景が拡がっている。子供だった支倉常長もこの景色を見ながら、野山を駆け巡り日々暮らしていたという。


展望台を覗いてみることに


気持ちの良い林を抜けると・・・


美しい田の向こうに米沢の市街地が拡がっていた

 米沢市中心部にさしかかる。上杉神社は、三年前、コロナの緊急事態宣言が解除されて車中泊を再開、西吾妻山に登る前日に既に訪問済だ。市内には独り身では肩身が狭い観光しか無しと判断し、目的の赤湯ラーメンの店へと車を走らせる。

 「純上海」さんは実は米沢市内にもお店があるのだが、やはり赤湯にある”本店”に並んで食べるのが一興だろう・・・と、いつもなら並んでまで食べるなんて自分のの中ではありえない行動に出る。このあたりが車中泊の旅で少し感覚が麻痺しているのかもしれない😅

 11時半の開店20分前に列に並ぶと、金曜日なのに既に40番目くらい。開店すれば流れるだろうと軽い気持ちだったが、実はこれが大きな誤算であった。行列後尾は日差しを遮るものも無くじりじりと暑い。ようやく開店して列が流れるが、当然全員入りきれないので待機は継続することになる。

 ところがである。第一陣の客が会計を終えて店から出てきても次の客が呼ばれる気配がない。改めてスマホで状況を調べてみると、総入れ替え制で、満席にして全員食べ終わってから次の”回”の客を入れて廻すという仕組みになっている。注文を取る従業員が自分の直前で二回目の締め切りを告げ、「ごめんなさいね。”次の回“になってしまって」と一言。

 ワンサイクルが約30分。着席後5分後くらいから事前にとってあった注文品が堰を切ったように運ばれてくる。皆黙々と麺を啜る。窓の外で店内をチラ見する客の視線が痛いのだ。「早く食えよな」って。

 こうなると食べ遅れて後塵を拝する訳にはいかない。とはいえ、油(恐らくだが、山形お得意の冷やしラーメンでも使われている植物性油脂)が熱を帯びてスープの上面に浮かび熱々でなかなかペースが上がらないのだ。

 味のほうは、最初辛みそ玉を溶かずにスープを口に含むと甘めな濃厚な味わい。これだと最後まで食べ進めるのが少々辛いかなと思う。次に辛みそを溶くと味が激変する。ニンニクの味わいと辛みがスープに混ざり、一変して力強い味に変わる。

 喜多方ラーメンや白河ラーメン、佐野ラーメンなどのあっさり系が好みの人には厳しい味だが、自分はどちらかというと前者があまり好きでないので好感を持てる味であった。

 とにかく食べると体が温まるのは先ほど書いた油のせいなのは間違いない。それでも、第三回組の一番目のポジションにつけた以上、あまり遅いポジションでの会計は憚れる(爆)
 なんとか三番手くらいで会計を終え、登山の何倍もの大汗をかいて店を後にした。赤湯も米沢盆地の北端に位置し気温は高い。聞けば冷やしラーメンはまだシーズンインしていないので熱々のラーメンがデフォルト。山形っ子はこれしきの暑さに我慢できないと務まらないのか。

 熱いラーメンで内から温め、そして冷や汗も掻き、なかなかホットな赤湯訪問であった。車に戻り、エアコン全開で冷やし、自販機の冷たいお茶で内側から一気に冷やしたのは言うまでもない。


米沢を通り越して赤湯までやってきた お目当ては赤湯ラーメンで有名な「龍上海」さん


赤湯辛味噌ラーメンをいただく 好みは分かれるが自分は美味しかった

撮影使用機材

・NIKON Z50
・NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
・iPhone 13 Pro Max

カテゴリー: 昼飯, 車中泊の旅 | コメントする