-『GeoGraphica』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成-
-※当コースには一般登山道でない箇所が含まれています。参考にされる場合は自己責任でお願いします。
本山の過去の記事
2020年01月25日 腰ならし
2018年12月24日 手近な山だけど結構濃かったヨ
2010年12月19日 篠井富屋連峰縦走
2007年09月02日 良く歩かれた山の歩かれていない道
登山靴がいいかげんくたびれてきた。ソールもすり減ってグリップが著しく低下。流石に寿命を感じたので更新した。登山を始めて17年間で4足履いてきたが、現役と一世代前はキャラバンの靴だ。偏平足の自分にとっては欧米メーカーの靴はいま一つ窮屈なのだ。
ちなみに、現役靴は廉価版でゼビオスポーツ、一世代前靴はグランドキングという呼称の上位モデルで好日山荘で税込み3万ちょっとだったように記憶している。廉価版も履きやすくて良いのだが、ハードな局面でいま一つホールド感がないようにも感じる。グランドキングをネットで調べたら半値の1.5万だとな。入荷まで一週間かかったが全然問題無し。
試し履きせずに購入したのが唯一気がかりだった。今まで履いていたグランドキングが26.5cm(普段靴は25.5)で少し緩かったので、現役廉価版キャラバンと同じ26.0cmで注文した。で、本日履きおろしの慣熟山行となったわけだ。
歩き出しは・・・ん、なんとなくかかとが靴の中で少し遊びがち。斜度があれば問題無いが、平坦な場所では足を上げた時に若干気になる。靴全体がまだ足に馴染んでいないのと、タンが固いので充分に紐が締まっていないせいもある模様。紐を締め直してだいぶ改善したが、製品に同梱されていたインソールを試しても良いかもしれない。全体に堅牢に出来ているので岩場のグリップ感などは思った通りの良い感じだ。
さて、今日のルートは前半が新しい靴の慣熟歩行、後半はネタ帳から引っ張り出した本山の北尾根だ。山頂真東にある482mPも気になってはいるのだが、今日は北に延びる尾根を辿ることにした。
子供の森公園脇から登山道に入るもすぐに林道歩きへ。後ろから若い男性が結構なペースで追い抜いていった。自分もあんな体力があればなぁと思わずため息。
男山への直登コースが好きなのだが今日は順当に榛名山、男山、本山と繋ぐ。交差する人、後から来るハイカー数人。人気の山域だが、程なく到達した本山の頂は誰もいない独り占め。枝が多少煩いが男体山ファミリーと高原山の豪華お出迎えだ。今日は昼食フルコース(爆)なのでじっくり腰を降ろしてお湯を沸かす。
後から来た単独女性が食事を終え、入れ替わりに地元の方っぽい男性が登ってきたところで撤収。今日の核心部は北尾根だが、「この先登山道ではないがこういうふうに降ります」と地図を見せて説明した。間違えて降りてしまったと気を揉ませたり、あるいは後追いされてしまうと問題なので一応の弁明である。
山頂から北への降り口は少し道型があるも直ぐに急降下となり踏み跡は消える。山頂手前から東に振って尾根に乗ろうかとも思っていたが、急なのは始めだけで直接降下で正解であった。
植林地杭が見えるようになると赤テープが出てきた。だが、あくまで林業者のもの。暫くは自分の目指す方向と合致していた。
日溜りの尾根に気を良くして降りていくが、地図を確認すると予定進路より西に寄り過ぎていた。このままだと下に延びているであろう林道に早々に回収されてしまうので、北に向けてトラバース気味に修正した。
尾根末端にあるピークをどう処理するかでしばし逡巡する。予定では東からピークを越えて南西へ下り林道接合だが、重機道が手前にあり、これを少し辿ってみるも道が消失したあたりで激藪に掴まる。痛いトゲトゲの枝などの攻撃を受けてたまらず退散。少し南に振って谷に降りれば林道までは距離も僅かなのでそれも良いかもしれないが、リスキーな谷は歩かない主義なので基本に従いピーク越えに戻った。
ピークに到達すると、なんということだろう。立派な石鳥居がかかる石祠があった。山名板は見られなかったが、この後ピークが「愛宕山」と知ることになる。
石祠に刻まれた文字を読むと明治26年とあった。明治26年といえば1893年となり日清戦争開戦の前年である。勧進した講中世話人として、阿久津、手塚と地元でよくある人の名前が刻まれていた。周囲は荒れた様子もなく、今でもどなたかが管理されているのであろう。
階段があるなら下まで参道が続く筈である。進んでみるとやはり踏み跡が出てきた。道型もしっかりしてきた頃には舗装林道へ接合。木に何か掛かっているなと見てみると「愛宕山入り口」とある。
この愛宕山を目指す一般登山者はそうはいないだろう。やはり地元の方の信仰対象の聖地のような場所なのだと思うが、案内板がちょっと浮いているような気もした。
鬱蒼とした樹林から解放された。人家が見えだすと一気に明るい空が拡がりその向こうには男体山。田畑にはまだ色合いが無いが、農家の庭先の紅白の梅が綺麗だ。
右手に高へら山が見える。14年前に一度北側の林道から登っているが南東の尾根からスッキリ登ってみたいものだ。もう少し暖かくなったらオフロードバイクで取り付き地点の偵察に行こうと思う。
県道77号に合流すると後は消化歩きと思いきや、車ではせわしなく通り過ぎてしまう箇所に立ち寄りながらの小春日和の楽しい散策へと早変わり。ふと、甘酸っぱい香りに目を上げれば白梅が咲いている。しっかりと春は訪れているようだ。
概略コースタイム
駐車場発(09:19)-榛名山(10:21)-男山(10:41)-本山(11:03)-昼食休憩-
行動再開(11:39)-植林杭始まり(11:48)-作業重機道接合(12:22)-愛宕山(12:43)-
愛宕山入口(12:57)-やけみ地蔵(13:34)-加波山大権現(13:46)-大日如来権現(14:00)-駐車場着(14:11)
カシミール3Dデータ
沿面距離:8.8Km
所要時間:4時間52分
撮影使用機材
・NIKON Z50
・NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR
新しい靴はいかがですか?実際に山を歩いてみないとしっくりいくかいかないかわからないものですから、最初の時は不安がありますよね。
さて、今回歩かれた愛宕山はかつて高へら山から本山に縦走した時に、北に巻き道があって見事にスルーしてしまったところです。まっちゃんさんの記事を参考にして次の冬には歩いてみようかと思います。
慣れという面では今までのぼろ靴(爪先カバーはがれ、+小さな穴あき)のほうがやはり良いですが、その靴も初めは違和感があったわけなので、じきにピッタリになっていくと思っています。
ですが、絶対に合わない靴もあるもので、二代目の靴が最後まで駄目でした。やはり足形との相性ですね。
愛宕山は地図上でも特に特徴のないピークで、巻ければそれにこした事はない雰囲気。自分もまさかあそこに石祠があるとは夢にも思いませんでした。
南に巻けずに登ったピークでしたが、「犬も歩けば棒に当たる」でした。