赤薙山 ちょっと残念


-『GeoGraphica』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成-

赤薙山の過去の記事
    2017年03月05日  残雪の霧降高原を行く
    2012年02月19日  赤薙山
    2010年08月29日  女峰山を目指して
    2009年05月09日  快晴の赤薙山と丸山
    2008年09月13日  久々の山行にグロッキー
関連山行
    2020年01月30日  お久しぶりの丸山
    2015年02月28日  丸山から八平ヶ原へ
    2011年02月19日  雪の丸山に登る
    2007年07月08日  雨の丸山を登る

※過去の記録を見ると同じような場所で感動して同じような写真、同じ文章多数。御笑覧いただければ幸いです(笑)

 そろそろの雪の山。南岸低気圧がもたらした雪でようやく平地型の気候が支配する我が赤薙山は如何に。この時期、いくら雪が少ないとは言えその先の女峰山まで歩く度胸と体力は無い。軟弱中高年の自分にとっては赤薙山までが楽しい遊び場となるのだ。


女峰山モルゲンロート 隅っこのほうだけど赤薙山にいざ参らん

 本日の予定は2017年にすこぶる快感だったルート。赤薙山ピストンの後、焼石金剛からトレースの薄い(ノートレース希望)フィールドでダイレクトに丸山手前の降り立ち、丸山を超えて積雪状況次第では八平ヶ原へ降りる予定”だった“。

 自分の過去の雪の霧降高原はいつも階段を使わず直接斜面を登っていたが、今日は体力セーブで階段を使った。階段は除雪されていて、また人の往来が多いようでチェーンスパイクでさえ不要で楽々と歩ける。

 駐車場に沢山車が停まっていた。平日なのに、みな雪狙いで入山しているのかと思いきや、若者たちが大勢降りてきた。どうやらキスゲ平展望台が聖地らしくインスタなどに掲載するのが流行っているらしい。それにしても結構な標高差を上り下りするのだから大変なものだ。見ると靴からなにから街からそのまま飛び出してきたようないでたち。階段も最上部になると除雪も充分でなく滑りやすい。若者パワーに圧倒された。元気でよいことだ。キッチリ冬山仕様で登って行くおじさんはちょっと恥ずかしかったよ。

 若者たちがここを歩いてSNSで拡散してくれることを期待して、キスゲ平園地の職員が階段を除雪しているのではと推測。いやいや、雪が少ない状態で旧ゲレンデに登山者が踏み込むとニッコウキスゲが痛むので階段の使用を励行して欲しいという意図。こちらのほうが本命かも。


今日は天空階段で体力セーブとする


天気晴朗(この時点では)


張り出した展望台からゲレンデを覗く 雪は豊富
BCのシュプールや登山者のトレースも


今日はあちらにも寄り道する予定・・・なのだが


方角的に福島県境の山並なのだろうか


そして高原山


鳴虫山から夕日岳方面だろう


小丸山からいよいよスノーハイクスタート

 展望台最上部から先は流石に若者達も立ち入らない登山者のエリアとなる。YAMAPを見ると6日の降雪の後に昨日三人の方が歩かれている。改めて斜面を見ると、真新しい足跡二つ。今日もスノーシュー一名、ツボ足一名が赤薙山方面に登っている模様だ。

 昨晩、今日の装備をどうするか悩んだが、昨日のYAMAPの方の記録を見ると雪はそれなりにありそうなので基本はスノーシューで、最後の急登区間は状況に応じてチェーンスパイクで頑張るという作戦であった。

 小丸山までは何も着けずに登ってきたが、いよいよ背負ってきたスノーシューの出場だ。プラスチックのバンドが経年劣化で固くなると切れやすいというのは知っていたが、昨晩自宅で試した限りは問題なさそうに見えた。かかと側はともかく甲側は一本くらい切れても何とかなるだろうと思った。記録を遡ると最後にスノーシューを使ったのが三年前であった。

 装着を終え、小丸山のシカ避けネットに向けて歩き出すと10歩もしないうちに足からスノーシューが離れた。おや、締め付けがまずかったかなとよく見ると、かかとのバンドが切れているではないか。それも両足!

 念の為、応急修理用のインシュロックを一本持ってきたので片側ならなんとなるかもしれないが、流石に使用をあきらめざるを得ない。上に延びるトレースを見るとツボ足の方の足跡も頑張っている。これを追い、でチェーンスパイク履きでなんとか行けるところまで登ってみよう。何の役にも立たないスノーシューは小丸山の脇にデポした。帰りに回収しなければならないので焼石金剛からのノートレース下降は断念確定となりいささかモチベーションが低下する。


雪は程よい量 トレースを追えばチェーンスパイクでも問題無し


いつも撮ってしまう一本南の尾根


丸山が下に見えるようになってきた


弓なりの痩せ尾根が一応危険個所なのだが雪付きは良さそうだ


焼石金剛を通過


まだまだ天気は良かった




痩せ尾根へ突入 トレースバッチリで幅もあるので安心感があるが油断は出来ない

 無事痩せ尾根が終わると後は黒木の森を登っていく。斜度がきつくなるとせめてワカンでもあればと思うが、ここも先行者のトレースに合わせて頑張るが流石にきつくなってきた。救いは樹林の中なので滑落の可能性がないことだ。

 山頂から下山してくる単独女性とスライドした。たまたまギャップの大きな箇所でグリップに難渋している時に下の方から「こんにちは」と声を掛けられた。足元を見ると先行のスノーシューは彼女らしい。少し離れた箇所から廻りこむように降りてきたところ、上のほうでもがいている自分に気が付いたようだ。


黒木の森を登る 樹間より

 終盤はスリッピーな急斜面にかなり息が上がったが、なんとか山頂へ到達した。ふと気が付くとあたりはどんどんガスに覆われてしまった。もとより赤薙山には眺望が殆どないが、唯一見える黒岩方面も上部はガスに覆われて水墨画の如しだ。本日のガッカリその二。もっとも、登りは天気も良かったし終始風も無かったので良しとしよう。

 昼飯は丸山でと考えていたがスノーシュートラブルで今日はお預けとなった。まだ早い時間だが流石に寒さが堪えるので立ったままカップラーメンととコーヒーのいつものコースで体を温める。失敗したのはグローブをストックのグリップに差しっぱなしにしていたことだ。山頂の気温はゆうにマイナス10度以下だと思うのだが、下山開始時にはめて見ると内部が凍結しかかっていた。すぐに指先がしびれ始めた。こんなことで凍傷にでもなったらたまらない。グローブが内が温まるまで頻繁に指を抜き息をかけながら下っていった。低温下でグローブを外した時はウェアのポケット等に入れて保温しておかないとこうなってしまう。


最後はなかなかきつかったがようやく山頂へ


だが、みるみるまにガスに覆われてしまった


女峰山の黒岩方面はモノトーンの世界へ


下山にかかる 低い雲が平野に向かって蓋をするように伸びている


帰りの痩せ尾根 右に落ちると助からないぞ


北のほうは天気が良いのにねぇ


下山は避難小屋までゲレンデを下降 その先はキスゲ植生地なので階段を使った


高原山は晴れている 今日はあっちだったかなぁ

 久々の雪山を堪能出来たのは成果だったが、やはりスノーシューは残念だった。経年変化で硬化したベルトは常温ではさも問題なさそうに見えたが登山現場の寒冷フィールドでは可塑性を失いあっけなく寿命を終えてしまったのだ。

 さて、スノーシューをどうするかだ。MSRライトニングアッセントのサポートを行っているモチヅキのHPを見るとスペアバンドの販売は継続しているも、10年以上経過している製品はバインディング自体の劣化が疑われるので使用中止を勧告している。

 機動性の高いライトニングアッセントの最新モデルは六万円超えでとても手の出る代物ではない。モチヅキでバンドだけを購入しても8千円以上はかかる。丁度10年目を迎える本体の劣化を考えると適切な投資でないように思えるのだ。今期絶対外せないマウントジーンズゴンドラ利用の三本槍に向けて至急調達を考えなければならなくなった。雪のコンディションによってはワカンも有効だがあくまで結果論である。ヒールリフターを備えた登山用スノーシューに慣れてしまうとやはり欲しいアイテムなのだ。

概略コースタイム

駐車場発(07:45)-避難小屋(キスゲ平下)(08:24)-焼石金剛(09:27)-赤薙山(10:14)-昼食休憩-
行動再開(10:52)-焼石金剛(11:21)-避難小屋(キスゲ平下)(12:09)-駐車場着(12:25)

カシミール3Dデータ

沿面距離:5.1Km
所要時間:4時間40分

撮影使用機材
・NIKON Z50
・NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR
・iPhone 13 Pro Max

カテゴリー: 日光の山 パーマリンク

赤薙山 ちょっと残念 への6件のフィードバック

  1. 野球親爺 のコメント:

    スノーシューは残念でしたね。私のも10年以上経っていると思うので、明日辺りよく見てみます。実は昨年末に近くのワイルドワンに行ってスノーシューを見てみたら5万円はしないだろうと思っていたのが6万越えで購買意欲が消失した次第です。

    この時期でもあの辺りには若者がいるのですね。昨年10月に何も知らずに赤薙山に登るために霧降の駐車場まで行ったら満車に近く、何事かと思いましたけど、若者の人気のスポットになっていたと知りびっくりしました。上の展望台まで混雑してました。一時的なブームで終わってほしいと願ってます。

    • まっちゃん のコメント:

      確か野球親爺さんもMSRのライトニングアッセントだったように記憶しています。
      昨晩いろいろ調べたのですが、通常の注文消耗品としてのベルト以外に締め具のベース部分(前爪一体)を部品として供給することが出来るそうです。
      ベースとバンド込みで片足8千円程度で、修理は自分で簡単に出来るとか。
      新品購入時に国内正規販売でユーザー登録した場合限定とかそんなことがネットに散見していました。
      自分は国内正規販売ではなく併行輸入品を安く買ったので対象外のようです。

      ネットで調べてても値ごろな売れ筋は今期既に在庫切れで、買う事が出来る中でTubsのフレックスTRKというモデルがそこそこの性能ありそう、かつ値段も手ごろなので早速ポチっとしてしまいました。
      https://store.shopping.yahoo.co.jp/esports/6000000045464.html?sc_e=slga_pmax_02513&gclid=CjwKCAiAlJKuBhAdEiwAnZb7lajLusrFgciGg1rQo2FNO5KN8lnCXoUPEAp96MQ3jQn7X53DmbYVFBoC1m0QAvD_BwE

      ライトニングアッセントのフレーム一体ギザギザに比べると若干心もとない気がする製品ですが、そんなにハードな所に行くわけでもないし、また装着の手間はこちらの方が手軽そうかもと思いました。そもそも消耗品と捉えて5年位で買い替えたほうが結局コスパが良いのかもしれません。
      もっとも5年経つと自分のほうが消耗してしまうという問題のほうが大きそうですが(;^ω^)

      霧降の天空スポットですが、無雪期ならともかく、やはりこの時期はいくらなんでもといった感じはしました。
      昨日も下山時にカップル一組が上がってくるのに会いましたが、彼女のほうはロングコートに街用のブーツで息を切らしながら顔を真っ赤にして登っていました。事故とか起きなければ良いのにねと思うのは老婆心ですが・・・

      • 野球親爺 のコメント:

        はい、わたしもライトニングアッセントです。
        今夜早速シューの装着をしてみました。もう少し何とか持ちそうです。この連休に一度くらいは試してみようかと考えてます。
        現在のスノーシューが使えなくなるまで使うことになりそうです。

        • まっちゃん のコメント:

          ベルトが切れても汎用のアイゼンバンドで代用したりといといろ情報もありました。
          中には締め具ベースから別の素材で作っちゃう人なんかもいて、腕のある人は違うなと思いました。自分は工作が苦手分野なので程遠いです。

          野球親爺さんの連休中の山行。楽しみにしております。

          • 野球親爺 のコメント:

            こんばんは。
            今日は学校平から八海山神社へ行ってきました。
            まっちゃんさんと同じ状況になりましたのでご報告を。
            山道に入ってスノーシューを装着して歩きだしたら、緩んでなんかおかしいなと思い足元を見たところ左右のつま先側のベルトが見事に切れました。片方はもう一つ足首寄りのベルトも切れていました。幸いというか足首側とかかとのベルトは切れなかったので何とか歩き通しましたが、工作が大の不得意なので買い換えないといけませんね。トホホです。
            ちなみに学校平の駐車場でリンゴさんにお会いしました。パーティーでスッカン沢の氷筍を見に行かれるとのことでした。

          • まっちゃん のコメント:

            やはり経年劣化なんですね。
            プラスチックの宿命ですね。

            本体がいけるならアイゼンバンドで代用するのもありだと思います。
            こんな事例も
            http://www.ishidashiki.sakura.ne.jp/dougu/yamadougu/msr.html

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA