-『GPSmap60CSx』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成-
※赤薙山稜線から丸山周回は完璧なノートレースの深雪です。参考にされる場合は自己責任でお願いします。
文中で”ゲレンデ”という表現を多用していますが、正確にはスキー場跡地はキスゲ平園地として再整備されています。園地内は管理された区域ですが、積雪のあるこの時期は夏に日光キスゲが咲きそろう斜面を歩くことが出来ます。
丸山の過去の記事
2011年02月19日 雪の丸山に登る
2009年05月09日 快晴の赤薙山と丸山
2007年07月08日 雨の丸山を登る
関連山行
2012年02月19日 赤薙山
2010年08月29日 女峰山を目指して
2008年09月13日 久々の山行にグロッキー
まだ3月になっていないというのに日に日に暖かさが増してくる。今シーズンまだ充分にスノーフィールドを堪能していないという気持ちに少し焦りつつ、候補地選びに苦悩した。
自分の雪山レベルでは登山日の晴天は必須だが、とにかく風が強いのも避けたい。天気予報以外につたない予想天気図読みが加わるので余計悩ましいのである。
候補エリアは北の那須、霧降、奥日光と県内なら一般的なこの三箇所、加えて古峰ヶ原となるが、今回は北日本の低気圧通過の影響を考え県北の那須と奥日光は外す。古峰ヶ原は先日の偵察であまり期待が持てなかったのでパス。ということで消去法の霧降である。
雪の丸山は二度目なのでひと味付け加えたいものだ。懸案だった丸山から北側の八平ヶ原へと急降下する深雪ゾーンにチャレンジすることにした。夏道では一度歩いたことがあるが、この時期は往来も希少であろう。
今回は朝のうち強い風が残ることが想像出来たのでゆっくりの出発である。真新しく整備されたゲレンデ直下の駐車場に着いた時は既に5~6台車があり、支度中の人も多数。ゲレンデを見上げると今朝出来たトレースが上に伸びている。へっぽこ天気図読みは外れて風は無し。もう少し早い時間に出発したほうが良かったかなと思うも既に遅し。まぁ今日はのんびり行こうじゃないか。
駐車場脇の階段(天空階段と称し、キスゲ平付近まで延々と登れる)を一ブロック登るとそこからゲレンデへと出ることが出来るようになっている。随分整備されたものだが、2012年に赤薙山を目指した時は丁度工事中で、作業員の方の目を盗むようにして夏道からゲレンデに入ったのが懐かしい。
皆さん何故か踏み跡を外す人がいない。お行儀よく蟻の列が如く一糸乱れぬトレースだ。序盤は斜度も緩く体力の消耗も少ないからノートーレースを踏まなければ楽しく無いだろう。
ゲレンデはキスゲ平まで全範囲がスノーシュー公認になっていて、BC(スキー、スノボ)はゲレンデ最上部のみ許可されている模様。ちなみに朝の時点では登山者以外の姿を見ることは無かった。
斜度の緩いゲレンデはサクサクと登れるが、流石に奥のゲレンデに取り掛かるとキツイ。スノーシューのヒールリフターを上げると随分楽に対応できるが、何せ斜度が半端無い。登るほどに強風で削られた雪面が固くなってきた。一歩一歩蹴りこむようにして進むのでまさに牛歩である。ここでもトレースを嫌いながら登るが、MSRのライトニングアッセントの性能は遺憾なく発揮され、全方位グリップの謳い文句は伊達ではないことを実感する。もうこれを履いてしまうとワカン+アイゼンは機能的にあまり必要ないような気もするが、ワカンが楽しい山もある。それはまだ今季の登り残しなのだが・・・
キスゲ平(小丸山)に到着すると赤薙山へのトレースが綺麗に伸びている。今日は焼石金剛まで登り休憩の後丸山を目指そうと考えていたが、予想はしていたものの登山者が多い。見れば丸山方面へのトレースは未だ見当たらない。焼石金剛はあっさりパス。行くなら今がチャンスだ。
夏道の「丸山へ」の道標を見送り、途中で下げすぎないように少し高度を上げてマージンを取ってからトラバースへ突入する。一気に深雪ゾーンとなり、脛あたりまで潜り込む。上部に樹が無い地帯は流石に危険なので樹林の中に入り込み降下を続けた。
地形図には出ない軽い起伏が最後にあるが、雪が深くて真っ直ぐ進もうとしても腰まで潜って滑ってしまい登れない。ジグザグを切りながらようやく谷越え終了。振り返って、奥に伸びる赤薙稜線を眺めながら一息ついた。
この区間は以前丸山を訪れた時も苦労した区間だが、前回は先行者のトレースを追った。今回は自らトレースを刻んだのでやはり緊張感が格段に違う。帰宅してGPSのログを見て思ったのだがもう少し赤薙稜線を登り直線的に丸山鞍部を目指したほうが正解だなと思ったが、あまり樹がなかったような気もするので微妙なところだ。
右手奥に夏道で出会う特徴的な岩が見える。もう少し下げればとりあえず鞍部へ到着。写真はいきなり飛んで始めのテラスを登りきった所だが(下写真中)、実はこの始めのテラスが案外きつかった。夏道はこのテラスの右側を巻きながら付いているのは知っていたのだが、前回も岩つきのこのテラスを直登したので今回も同じルートを辿ることにした。前回はワカン+アイゼンでさほど苦労せず登った記憶があるのだが、足の置き場が狭小になるとテールが長いスノーシューは一気に不利になる。ということで標高差僅か30m程度であるが、この区間は登るのに必死で写真が無かったのである(^^;
テラスを登り切ると夏道に合流(下写真中)。夏道が途中どうなっていたかは不明だが、溝状になっていたこの辺りははっきり道と認識出来た。しかしここだけでこの先はもう道形は無い。
最後の登りは締まった感じの雪でトレースは無いが歩きやすい。何処をどう歩くかお好みしだい。箇所によっては風紋をも惜しみなく踏みしめてようやく山頂へ到着。今日はウサギに先を越されず無事一番乗りを果たすことが出来た。
朝食が遅かったので流石に此処で食事は早い。テルモスのお湯で甘いコーヒーを作りしばし風景を楽しんだ。赤薙山を目指す登山者の声が時折遠く聞こえてくる。今日も無風快晴。絶好のコンディションである。
休憩後は本日の核心部である八平ヶ原への降下である。夏道は、序盤に階段付きの急降下であったが今の時期当然階段の存在など見えるはずも無い。地形図を見るに明瞭な稜線が続く。迷うことは無いし、延々と樹林続きなので外さなければ雪崩も無いだろう。
この区間はとにかく雪が深い。下りということも手伝って、踏み出した足が場所によっては膝くらいまで埋まって中で足が滑るので、抵抗せずに尻セードで滑ったほうが楽な感じだが、所々雪庇もあり滑り過ぎてしまうと危険なので慎重に少しづつ確実に下げていく。六方沢の橋が眼下に見えると改めて方角の正しさを認識する。
緊張の尾根下りを終えて八平ヶ原へ降り立つと、向こうから空身の人がスノーシューでこちらへ向かってくる。双方まさか此処で人に合うとは思っていなかっただけに思わず立ち止まり会話をした。
聞けば、ツボ足で赤薙山を目指したが最後の黒木帯の登りで腰まで埋まって諦めて下山したとのこと。麓の高原ハウスでスノーシューをレンタルしてここまで歩いてきたのだという。暫くスノーシューのことで話し込んでしまい八平ヶ原の写真を撮り忘れてしまった。彼はもう少し先までということで丸山方面へ進んでいった。
八平ヶ原から先は先程の彼のトレースをつたいながら丸山の東側山腹をトラバースすることになる。夏道が何処かというのは全く不明であり、正直この区間はGPS頼りになるだろう。最悪は至近の車道に出れば良いと考えていた。したがって彼のトレースは渡りに舟だ。途中登り返しがキツイ箇所はわざと外してマイルートを拓くもやがて彼のルートに収束した。
ゲレンデにだいぶ近づいてきた。静かなこの森で食事としよう。眺望は勿論少ないが、枝越しに高原山も見えるので及第だ。食後のコーヒーを手にする頃先ほどの彼が戻ってきた。丸山への登りは滑ってしまって諦めたとのこと。さもありなん。レンタルのスノーシューは丸パイプフレームの散歩用。脱いだ自分のライトニングアッセントの頼もしいエッジをしげしげと眺めながら下山していった。それにしても羨ましい体力だ。山を始めて間もないと言っていたが、赤薙山までツボ足でピストンしたあと、散歩用のスノーシューでノートレースのこの区間をトラバースしまくってきたのだから、充分凄いと言わざるを得ない。きちんと装備すれば鬼に金棒だろう。
この後、ワカンの青年一名がが丸山方面から下山してきた。自分がトレースを付けたとはいえ、あの深雪でワカンではさぞ苦労したことだろう。だが彼は挨拶を交わしただけで黙して語らず。忙しそうに下山してしまった。
食事ポイントから軽く登り返すと夏道がある地点に合流。120m上方にゲレンデへのゲートがあるらいしいので少し登ってみたが、こちらを歩く人は皆無のようでノートレースの気持ち良い雪面が続く。
ゲートに到達する手前でネットが低い箇所があったのでこれをまたぎゲレンデへ。今日もヒップソリ持参だったが滑ることかなわず。上の斜度がキツイ所を一旦登り返し、あそこならきっと滑ることが出来る筈なのだが。それも酔狂かな。ままよ。今日はもう一つの行動予定アリなのだ。
車を大笹牧場へと走らせてソフトクリームにかぶりつく。嗚呼結局こうしてカロリーオーバーしてしまうのか。その後栗山まで降り、何処かで日帰り温泉でも・・・と探しながら結局鬼怒川温泉街へ。
途中で見かけた「日光市営浴場 鬼怒川公園岩風呂」の幟を目指した。内容口コミ等一切不明での訪問だったが、地味ではあるも岩風呂をモチーフにした良い雰囲気の温泉であった。室内は岩風呂一つに木枠の浴槽一つ。そして岩の露天風呂は背後に山が見えてなかなか良い風情。泉質はクセの無い単純泉で、掛け流しとは書いてないので循環であると思われが、湯温は比較的高めであった。座敷の休憩所もあって食事も出来る。東武鬼怒川公園駅から徒歩5分ということなので、紅葉の時期散策を兼ねて家内と電車で訪れ一杯やりながら温泉というのもアリかなと思った。
概略コースタイム
駐車場発(08:41)-ゲレンデ上部へとりかかる(09:07)-キスゲ平(09:35)-丸山鞍部(10:02)-丸山頂上(10:23)-
休憩-行動再開(10:43)-八平ヶ原(11:21)-昼食地点(11:42)-昼食休憩-行動再開(12:27)-
ゲレンデ合流(15:50)-駐車場着(13:05)
先週の赤面山に続いて快晴の霧降高原丸山スノーハイク。
好条件に恵まれて最高でしたね。
私も久しぶりに快心の遠征雪山ハイクを楽しむ事ができました。
3月残り少なくなったシーズンは日光、那須、高原山など近場で楽しみたいと思います。
二週連続でラッキー運を使い果たした感もありますが、欲張りなもので今シーズン未踏の高原山若しくは枡形山が気がかり。
もう一雪降って貰いたいところ。
今平地では雨が降っていますが、山はしっかり雪になっていればOKなのですが・・・
こればかりは現地に居ないとわかりませんね。
リンゴさんの遠征記。これから拝見にあがります。
こんばんは。
2週連続で雪山を征服! おめでとうございます。
しかもノートレースで丸山~八平ヶ原へ...
ケン坊は夏道なら何度か歩きましたが、流石に雪道は
食指が動きません(と言うより”動けません”)。
今回もまっちゃんのブログで満足するケン坊でした...
高原ハウスでは無料スノーシューの貸出もありますので、まずはゲレンデ下部の散策など如何でしょうか。
下部は危険も皆無と言い切れる程のセーフティーゾーンでありながら、雪面散歩を満喫出来る懐の深さがあります。晴れて風のない日ならウェアも軽装で充分OK。疲れたらすぐに高原ハウスに戻ってそこで休憩することが出来ます。まだまだ3月中は楽しめると思いますよ。
こんばんは。ちょっと風邪気味でようやくお邪魔することができました(もう元気ですが ^^;)
タイトルを拝見した途端、「わわ~~、丸山~~」と、心の中で雄叫び状態でした。
八平ヶ原へ下りられたんですね~ そっかぁ… トレース使いたかったなぁ… です(笑)
終盤はなるほどルート取りがしっかりしていないと、大幅に体力を消耗しますよね。
そこまで考えていなかったかも… 詳細なレポ、勉強および注意喚起になります(^^)
ところで、谷越えのところで雪の深さが「一気に深雪ゾーンとなり、脛あたりまで」になり、
さらに「腰まで潜って滑ってしまい」とありますが、そんなにまで深かったんですか??
ウチはトレースを使えたこともありますが、せめて膝上~大腿だったような。
雪の締まり方が違うということでしょうね。雪山の奥深さをつくづく感じます。
小丸山から丸山への谷越へは丁度V字の吹き溜まりになっているところが深雪ゾーンで、腰まで埋まったのは一瞬でしたが、進退極まる状況で斜め横しか移動出来ませんでした。
スノーシューを履いていても、雪の中で遊んでしまってしっかりトラクション(体重がかかってグリップする)がかからなくなると実に動けなくなるのを実感しました。
それからもう一つ油断出来ないのがスノーシュー履いてても踏み抜くような箇所。
前黒山でありましたが、普通に歩いていて突然片足だけ腿の付け根まですっぽり踏み抜いてしまうケース。
岩とか倒木のせいで恐らく下に空洞があるんでしょうね。これも結構焦ります。
表面から見るとわからない所は笹の深薮にも通じます。
(倒木が隠れていて痛い思いすること多々)
おはようございます^^ 2
雪の山
スノーシューで
青い空とのコラボの写真がキレイ
しかし
こうやって、拝見してると
わたし
山に行くことが
これからあるんだろうか??って思うほど
ご無沙汰期間が長くなってしまっています (^_^;)(^_^;)
暖かくなったら
と思ってますけど、、、
気分屋なんで
今年は、山はやめて
10年降りに
ゴルフ復活!なんて、、、ことになるかも 笑
そんなこと仰っしゃいずに…
なんて言いません。
亀三郎さんとコン様が健康で末永く幸せであれば良いだけだと思います。
本日ちょっと酔っ払いですが、ホント、そう思いますよ。
積雪の状況など、スノーシューの情報は貴重ですね。丸山やこの周辺も視野に入れておくことにします。
今後も、まっちゃんらしい、マイナーコースの紹介を期待しております。
丸山の北面は、この時期人跡稀感が濃厚で良いルートでした。
夏道なら樹林に覆われた下山路になるのに、かくも自由闊達に降りていけるのはちょっとした快感。
多少方角に誤りがあっても八平ケ原へ向かえば良し。その後もいざという時は車道へのエスケープが可能なので、スノーシューにちょっと慣れた方にバリルート紹介で歩くのも面白いと思いました。