-『GeoGraphica』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成-
富士見の山旅、二日目は精進湖に面する三方分山と人気のパノラマ台(という名前の山)を登る。富士山眺望のみならパノラマ台一択なのだが、折角登るなら周回のほうが楽しいだろうと思い三方分山を回るルートとした。
天気のほうは雨と風の心配はない。ただ、昨日に比べると若干空気中の水蒸気が濃いのでスッキリした眺望は期待出来ないかもしれないが、まずは歩きを楽しもう。
往来する旅人をあてにして商いをしていたのだろう。現在はほとんどが廃屋となっているが、瞼を閉じれば往年の賑わいが目に浮かぶようである。
砂防堰堤を巻くように道がついている これを左に渡るといよいよ登山道
三方分山へ到着 山頂より伸びる三本の尾根が村界になっていたというのが山名の由来らしい
山頂より南西の尾根を下る。眺望の無い精進山を通過すると途中に展望スポットを示す小さな板があった。どれどれと覗いてみると・・・山頂よりスッキリした富士山眺望ではないか。精進湖の映り込みもこちらのほうが素晴らしい。
精進峠を過ぎると馬酔木を沢山見るようになる 他に目立つ花は無かった
先ほどより右手に遠く南アルプスの姿が枝越しに見え隠れしている。スッキリと見ることが出来ないモヤモヤが続く。精進峠から登り返し、偉主山の手前で木が少ない場所があった。案内板は無かったが、登山道を外れて覗いてみるとこれが大当たり。昨日の釈迦ヶ岳からに比べればいま一つだが、それでもスッキリとした南アルプス眺望に留飲を下げることができた。
パノラマ台手前で休憩中の白人夫婦に逢った。挨拶が「コンニチハ」としっかり返ってきた。奥方は空身、ご主人が大きなザックを背負いながらお疲れの様子だ。「ワイフが登りたくてここまでキタヨ。でももう疲れたからここでオシマイにしたいヨ。」ってな感じ。
パノラマ台は1328mPの山頂台地の南東外れにあった。既に休憩中の先客二組。名前の通りパノラマ眺望が拡がる。残念ながら南アルプス方面への眺望は無いが、開放感があって良い山頂だ。
眺望を楽しんだ後、下山にかかる。精進湖からダイレクトに上がってくるこちら側のルートが一般的のようで、行き交う登山者は圧倒的に多い。
先ほどの白人夫婦が登ってきた。山頂はこちら、指でジェスチャーすれば奥様は笑顔で頷き、ズボンも脱いで短パン姿になっちゃったご主人はミラーのサングラスも外して臨戦態勢の模様。体がデカイから足も長くてピッチはあるが自重もあるからやはり疲れるんだろうね😁
下山中にスライドしたもう一組は中国人家族だ。先頭の坊やに続き父親母親、続けてもう一人の小さな坊やはその後ろの爺ちゃんばぁちゃんに教わりながら、覚えたての言葉を披露中。自分にも同じ年頃の孫が三人いるから一緒に山を歩ける楽しさはよく解る。
狭かったので道を譲った際、先頭の坊やに「こんにちは」と語りかけると、恥ずかし気に下を向いてコクっと頷くさまが可愛いらしい。母親は綺麗な発音でThankYou、爺ちゃんは谢谢(シェーシェー)。父親がザックで全員の荷物を背負い、残りは空身の普段着姿であった。
富士山界隈は御多分に漏れず外人観光客で溢れかえっている。しかし、最短ルートでも山歩きは山歩き。きっと外人向けのガイドブックにも、本当の富士山の風景を歩いて見に行こう、なんて紹介されているのかもしれない。いずれにせよ、言葉が判らなかったり案内板が読めなくても登ってくるその熱意が日本人として嬉しいではないか。どうか、彼らが山頂に着くまで富士山の機嫌が良い事を切に願うのであった。
概略コースタイム
駐車場発(07:15)-旧中道往還入口(07:25)-最後の堰堤(07:56)-阿難坂(08:28)-三方分山(09:12)-
精進山(09:28)-富士山展望地(09:46)-精進峠(09:59)-南アルプス眺望点(10:37)-偉主山(10:44)-
パノラマ台(11:07)-駐車地着(12:11)
カシミール3Dデータ
沿面距離:9.3Km
所要時間:4時間57分
撮影使用機材
・NIKON Z50
・NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
いやあ、この日も富士山が間近に見られて良き日でしたね。
パノラマ台という名のピークも珍しいですね。茨城の小町山の近くにパラボラ山というのがありましたが、こちらは地形図にはない地元名のようでした。こちらのパラボラ山は地形図に記載されているんですね。名前の通り、パノラマビューでしたか。
距離が近いので迫力ありますが、
やはり気温が上がってきて空気中のガスが多くていま一つクリア感に欠けました。(贅沢な感想ですね)
パノラマ台は360度ではないですが、180度はバッチリでした。