古賀志山界隈徘徊


-『GeoGraphica』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成-

 この時期、いろいろと登りたい山もあるのだが、今週は三回目(二回目の御亭山をカウントすると)なので、登山口までのアプローチが長いのもいまひとつ敬遠される。加えて気温の急上昇で遠景は期待出来ないから、無理して高い所に登るより、近場で歩きだけを楽しむ一日にしたいところだ。

※17日加筆 16日に釈迦ヶ岳に登った方の写真によると山頂からの眺望良好。空気中の水分が多いのは標高の低いところだけということであった。

 古賀志山界隈はあまたの登山ルートが開鑿されている。だが自分はまだ歩いていないところも多い。そんな中から今回は弁当岩から南西に下り富士見峠へと登り返すルートを歩く事にした。
 弁当岩は好きなポイントでいままで何回もここで食事をしている。いずれも斑根石山方面へ戻り中尾根で下るというのが定番だった。


今日は駐車場脇の北尾根コースより入山 途中で団体さんを追い越す


長倉山も立派な道標が設置された 以前は山名板一枚のみだった


長倉山北西の伐採地より 鞍掛山が大きく見える


シゲト山北面はゴツゴツしてるな


閉鎖された鶴CC跡に出来たメガソーラー 痛々しい風景だ


いにしえの道迷いポイントにも立派な道標

 道標の整備などが著しいこの山域、かつて訪れたことがある三角山も変化ありやと立ち寄る。北側は枝越し眺望だが男体山と高原山がよく見える。南側は以前とあまり変化無し。山名板は渋いのが一枚だけで地味なのが好ましい。
 それにしても山頂から道が三本も着いているとは。今登ってきた以外の二本は下の林道に繋がっているのだろうが、一本は「古賀志山を守ろう会」のマップにも記載されていないから、最近新たに開かれたのだろうか。


寄り道の三角山が今日踏んだ唯一の名前がある山頂


三角山より 霞む男体山


高原山

 540mPは、登山者が少ないこのピークから見える西側の景色が好きで足繁く通った時期があった。光線の加減か、いつも鹿沼の山並がけぶるように見え、その奥に日光連山が鎮座する風景。山歩きを初めて間もない頃、当時は道標が一枚も無いこの尾根を歩いて見つけた自分だけの秘境のような気持ちで眺めていたものだ。現在は立派な道標が建ち、往来する人も飛躍的に増えているようだ。今日も長倉山から先、登山者を一名追い越しただけの静かな山旅であったが、縦走路に入るとトレランの人二名、行き交う登山者数人と出会う。もう、かつての静かな尾根では無くなっているのだ。


540mPより再び高原山

 斑根石山(559mP)北西にほぼ垂直の6m位の岩場がある。垂れ下がっているのはタイヤチェーンを代替えで張った一本のみ。材質もさることながら支点にも全幅の信頼は出来ない。だがホールドは多く太い木も頼りになるので慎重にここをクライムする。登り切って僅かに下ればいつもの昼食ポイントである弁当岩へ到着だ。ここは滅多に人が入ってこない静かな場所なので、のんびりと昼食フルコースを過ごすには格好の場所なのだ。眼前の540mP、空気が澄んでいれば日光連山と高原山、麓の集落、景色は思いのまま。


いつも昼飯を食べる弁当岩 今日もここでフルコース

 弁当岩から南西に下降するのは今回が初めてだ。すぐに岩が張りめぐされた急下降が始まる。鎖やロープは一切無い。大きな一枚岩が斜めに張り付いている箇所などは慎重に降りないと危険。気が抜けない区間で本日の核心部であった。


弁当岩で昼食後、下降 内倉林道が下に見える

 右手に巨大な岩稜が見えた。これが有名な「松島」か。岩稜に松が張り付くさまはまさに名前の通り。「古賀志山を守ろう会」のマップを見ると松島コースというのがあり、登れるようになっているようだ。岩の頂部である「ふんぎり」という箇所では垂直の岩場があり古賀志山の一般登山道で難易度MAXだという。鎖はあるそうだが、記録を見るとロープを出して降りたということだ。ヘロヘロ三点支持の自分には手に負えるものではないだろう。


これが有名な松島か 近づきがたいな


ガチの岩下り 今日の核心部


植林帯になると穏やかになる

 内倉林道から繋がる作業道に出会い、これをそのまま登っていく。途中に重機が打ち捨てられていた。周囲の樹齢は若いが、あまり手入れされた様子もない。廃れ行く林業の一面を垣間見る。


作業道を進むと廃重機が道を塞いでいた


作業道が上へ延びる 枝打ちはされているようだ


宇都宮高校 学校林の案内板


作業道が終わると唯一の道標あり

 宇都宮高校の学校林に入ると一変して手入れされた美林となる。現在は学生が山の手入れに関与することはないが、昭和40年代後半まで学生が動員されて下草刈などをしていたということだ。




富士見峠に向けて植林地を谷詰めで急登

 額から噴き出す汗を拭いながらもようやく富士見峠へ到着した。このあと。古賀志山の山頂を踏み、東稜の岩場を降りて下山する予定であったが、意外とハードな歩きでいささか疲労した。おとなしく公式登山道(北登山道)で下山とした。登山者でごったがえす北登山道は通過したくなかったが、14時近くなると往来する人も居ない。駐車場まで二名交差のみ。今日も静かな山行を満喫することが出来た。


ジグザグ急登のすえ富士見峠へ到着 いやはや案外疲れた 古賀志山はパス


北登山道にて

概略コースタイム

駐車場発(09:07)-長倉山(09:38)-細野峠(09:50)-北主稜線(鞍掛尾根)へ接合(10:22)-
三角山(10:48)-540mP(11:28)-弁当岩(11:58)-昼食休憩-行動再開(12:34)-
廃重機(13:04)-これより宇高学校林(13:16)-道標(13:24)-富士見峠(13:38)-駐車場着(14:34)

カシミール3Dデータ

沿面距離:9.6Km
所要時間:5時間27分

撮影使用機材
・NIKON Z50

カテゴリー: 宇都宮の山 パーマリンク

古賀志山界隈徘徊 への2件のフィードバック

  1. 野球親爺 のコメント:

    弁当岩は久しく行ってないです。
    西側の下降は危なくなかったですか?行ってみたい気もしますが、年を取ると岩々したところが益々苦手になりました。
    古賀志山は色々なルートがあって飽きることがなさそうですね。近くにこのような山があって羨ましいですよ。こちらは御亭山くらいでもう食傷気味です。
    サクッと周回お疲れ様でした。

    • まっちゃん のコメント:

      西側の下降は注意すれば問題ないと思います。
      ただ、板状の岩が広く続くので箇所によってはホールドしづらい場面もありました。
      古賀志山はまだ歩いていないルートもあるので、ネタに困った時用にとっておこうと思います。

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