-『GeoGraphica』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成-
昨晩は栗駒山に一番近い「道の駅 厳美渓」に車中泊をした。大型騒音、トイレ問題も良好。快眠を得る筈だったが、どうにも明朝の動きが気になってしかたがない。というのも、登る栗駒山は東北でも屈指の紅葉メッカ。道の駅に車中泊している面々もウェアなど、どことなく山歩きっぽい支度。中にはシートを倒しただけでシェードもせずに寝ている人も居る。以前、会津駒ケ岳に前泊入りした時の「道の駅尾瀬檜枝岐」と同じだなと直感した。
登山口のいわかがみ平は紅葉繁忙期は手前の「いこいの村跡地臨時駐車場」からシャトルバス(協力金500円)で向かうのだが、「いこいの村跡地臨時駐車場」には簡易トイレしかなく関連HPにも車中泊は出来ればして欲しくない旨の記述がある。
そこで「道の駅 厳美渓」に車中泊して翌早朝に駐車場へ向かうというこになる。トイレが深刻でない方は直接駐車場に行くのも良いが、自分はそこがウィークポイントなのだ。
朝4時。周囲の車が一台また一台とエンジンをかけて道の駅を出発していく。これもアイコマの時と一緒だ。予想はしていたので最低限の用意(車が走行出来る状態に遷移)だけして自分も出発した。
まだ眠い頭と暗い山道に神経を尖らせる。やがて先行車に追いつきそして後続車も続く。そろそろ見頃を迎えた栗駒山。ここ数日の東北地方の悪天候から解放されたハイカー達は日曜日ということも手伝い、まだ陽も出ぬうちから続々と押しかけつつあるようだ。
駐車場に4:40に到着すると既に上部の舗装された場所は満車。下部の砂利スペースもほぼ埋まりつつある。もっと驚いたのは5時発のバス待ちの列が出来ているではないか。いや凄いなこれは。周りを見ると普通に車中泊している感じの車も多数で、簡易トイレだけで用が足りる方々がこの時ほど羨ましく感じた事は無い。寝るだけなら若干冷え込むだろうがここでも充分だ。
さて、このまま出発してしまうとあまりにも早過ぎる。まずは車内でお湯を沸かしてゆっくり食事だ。駐車スペースさえ確保すれば後はどうにでもなる。
食事をしながら外を眺めていると皆さんとにかく行動が早く、駐車場についたら一目散に出発している。気の短い人は車道を歩きだす人さえいる。そこまで皆を突き動かすほど素晴らしいのか、あるいは行く先に渋滞があるのか。初めての自分には未知の領域だ。
食後のコーヒーを飲み終えた頃ようやく朝日が昇ってきたが、その頃にはバス待ちの列は先ほどの倍以上になっていた。朝の一番寒い時間帯ながら辛抱強く待っている。
バスは7時頃になると大量増発されるアナウンスされている。ここで急いでも早い時間の朝焼けの景色を見るだけでつまらない。どうせなら陽が充分に上がった景色を見たいものだ。
読みかけの本を幾らか進めたところで7時少し前。トイレに行き準備を済ます。いざバス待ちの列に加わろうとするが、探す最後尾はどこまでも続いている。結局バス乗り場から300m位下ったところで列に加わることが出来た。後から降りて来る面々も「いや凄いねこの行列」と感想を口にせざるを得ない人が多かった。
増発のバスが投入されると長い行列もあっという間に進むようになった。駐車スペースは付近の数ヶ所も併せて可能な限り拡張させているようで、バス待ちの人はどんどん膨れて来るがそれなりにはけていく。5時の時間帯に頑張るよりは少し遅めのほうがコスパが良いと思った。
いわかがみ平の登山口からは栗駒山にストレートで登る中央ルートと東栗駒山経由の二ルートがある。今回は東栗駒山ルートの反時計回りとした。
東栗駒山ルートは明らかに入山する人が少ないが、やがて泥濘の山道となっていく。今日はスタートからスパッツを着けているのでそこは気楽だが、うっかり滑って転んだりしたら泥だらけになるので大変だ。
序盤はばらけていた登山道もやがて先行者が詰まり始めて渋滞が始まる。追い越すにも道幅が狭く、かつ足の置き場を考えないと通過が困難な泥水の道。段差がある所も多い。高齢者や小さな子供(場所によっては上から引っ張り上げていたりする)がいるとそこでしばらく順番待ちの停滞となる。入山者が少なければなんとかなりそうな光景だが、無理をして追い越してもまたその先があるのでここはおとなしく渋滞の列に加わるしかないのだ。
沢を登って平坦になる1380mあたりから左手に栗駒山の見事な山姿が現れた。ピーク時の状態を知る訳ではないが自分にとっては充分綺麗な見ごたえのある風景だ。このあとは東栗駒山からぐるっと栗駒山まで廻りこむルートだが、東北の低い森林限界を超えているので遮るものも無くずっとこの風景を楽しみながら登ることが出来る。中央ルートのピストンだとこのダイナミックさを感じる事が出来ないので東栗駒山ルートはお勧めだ(泥濘と渋滞を除く)。
山頂直下で中央コースと合流する。靴の汚れ方を見ただけでどちらを歩いて来たか一目瞭然。途中100%回避不可能な泥の水たまり通過(根性のある人はルートを外して藪漕ぎしていた)をしているのでもはや靴は泥と一体化している。比べて中央コースの人の靴は綺麗でピカピカしている。
山頂直下もまた渋滞の極み。あと僅かなのに道端で座り込んで動けなくなっている人もちらほら。そんなに大変な山ではない筈なのだが中央コースを登っている人の中には登山姿でない人も結構おり、那須のロープウェイから軽装で茶臼岳山頂を目指す人たちと同じパターンだ。
そして山頂。思わず絶句だ。座れる場所は何処にもない。山名板をバックに写真を撮る待ち行列まで出来ている。こんなに人口密度の高い山は人生で初めてだ。山頂奥に登山道が続くがそちらも両脇には人が鈴なりになっている。自分の場所を確保する事は絶望的だ。これはもはや休日のフードコート状態だな。山頂到着がまだ10時前だというのに、この後どうなっていくのか想像を絶するものがある。
栗駒山の風景が晴らしいのは間違いないが、流石にこの人の多さには興ざめだ。渋滞であまり疲れなかったので登山口から一度も休憩をしなかった。また人が多いので道端でキジ打ちなどしていると通報案件になりかねない。こんな時は森林限界が恨めしい。そんな訳で水も一滴も飲まずにやってきた。せめて山頂では僅かでもゆっくり過ごしたかったが、とてもそんな状況ではない。すぐに下山するしかない。
ガスが無ければもうちょっとダイナミックな景色が見られたのだが・・・
中央ルートはよく整備されているので泥濘などまったくなく歩きやすいことこの上ない。時折渋滞に掴まるがそれでも軽快に下山を終えいわかがみ平に着いた。速攻でトイレに寄ってホットする。お隣の便器に並んだ御仁もふぅと一息。強く共感できる一幕だ。そして、ようやく水を口に含むことができた。この時期だから良かったが、もうちょっと気温が高いと脱水症状に陥りかねない。家内に状況を相談したら「紙おむつ」と言われた。うーーん。こういうタイプの山の時は真剣に検討すべき装備なのかもしれない(*´Д`)
下山後は国道4号を南下するが途中にある「金成温泉 金成延年閣」で汗を流す。内湯のみであるが栗駒山の喧騒を癒すにはもってこい。お湯をいただきようやく寛ぐことが出来た。休憩室のロビーから栗駒山の山並が見えるが、こうして遠くから眺めているとあの場所で起きていたことが嘘のようだ。
概略コースタイム
いわかがみ平発(07:28)-東栗駒山(08:50)-栗駒山(09:53)-いわかがみ平着(11:16)
カシミール3Dデータ
沿面距離:6.9Km
所要時間:3時間48分
撮影使用機材
・NIKON Z50
・NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR
・AF-P DX NIKKOR 10-20mm 1:4.5-5.6G VR + FTZⅡ
・iPhone 13 Pro Max
とにかく凄いの「凄い」は紅葉の事かと思えば、人の波でしたか!
さすがに東北一の紅葉メッカ栗駒山ですね。
自分も1度は・・・と考えてはいるのですが、色んなことがネックになって計画出来ずにいます。
毎年通っている方のレポによると、栗駒山の紅葉は昨年よりは良かった様ですよ。
但し、やはり那須同様に近年は赤が少ないとの事です。
でも1度は神の絨毯と称される紅葉を観たいです。
いや、ほんとに凄い人の数でした。
よく登山道や山そのもののオーバーユーズという言葉を耳にしますが、
まさにその通りだと思いました。
紅葉はやはり素晴らしいですね。もうちょっと人が少ない状態で楽しめたらよかったというのは贅沢な望みなのかもしれません。
こちらの山も登られたのですね。むしろここがメインでしたか?
流石に名高い紅葉の名所だけあって人だらけのようですね。
リンゴさん同様、私も一度は行ってみたいと思ってますが、県北からでも片道4時間以上はかかりそうなので逡巡してしまいます。
トイレの件に関しては私もここ数年切実な状況で共感いたします。
この間の苗場山では山中で危なかったです。紙おむつも歩くのにかさばりそうです。
確かに栃木から日帰りだと辛い距離ですね。
でも最近の野球親爺さんの行動範囲を拝見していると充分圏内のような気もしますが、やはり遠いですね。
紙おむつはたまたま事情で手元にあったやつを試着してみましたが、案外コンパクトにフィットするので良い感じで歩くのには支障なさそうです。
問題は実際に”出した”場合の感じを経験しないと実用性があるかどうかですね。
手元の製品の場合、パッケージを見ると一回150mlで二回分対応とあります。頻尿だと一回の量は確かに超少ないですが実際に計っている訳でもないのでそこが不安。
山中で紙おむつがオーバーフローというのもかなりヤバイ話です(@_@)