リベンジの安達太良山


-『GeoGraphica』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成-
-※篭山周辺は一般登山道ではありません。参考にされる場合は自己責任でお願いします。

安達太良山の過去の記事
    2021年05月25日  安達太良山不発だがカモシカに出会えてラッキー

 安達太良山を前回初めて登った時はガスガスの頂稜部。山頂の通称乳首も直下でやっと見えた。沼ノ平も周辺の荒涼とした風景も殆ど見ることが出来なかった。ただただ風が強く視界も悪く周囲の状況がまったく掴めない。安全に歩くのが精一杯であり下山にかかりだしてようやくガスが引いてきたという残念な山行であった。

 今回は天気予報ヨシ、紅葉見頃ヨシで満を持した山行となったが、そこはそれ。平日なれど大混雑だ。朝6時半に自宅を出発、高速に乗り丁度2時間後の8時半には到着したが、一番上の駐車場はほぼ満杯で端のほうにありつくことが出来た。

 まずゴンドラチケット売り場で長蛇の列。まぁそれなりに進んでいるが窓口は現金のみという今時にしてはアナログ対応だ。昨今メジャーなロープウエイ等で一般的なカードや電子マネー、コード決済を導入すればもっと早く進むとは思う。売掛金回収手数料の数パーセントが営業利益を圧迫する懸念なのか。冬はスキー場になるのだから勝手ながら検討して欲しいと思った。


平日だというのに上のほうの駐車場はほぼ満車


平均年齢高そう(自分も含め)

 グループ客の中からお一人様を4人かき集めて一台のゴンドラに乗せられる。自分も含め各人白髪の似合う(かどうかは不明だが)お年頃。はにかみやなおじさま4人は山頂駅まで一声も発せず沈黙の旅。下向きに乗ってしまった自分は山腹の見事な紅葉を見ることが出来なかったのが残念だ。

 「智恵子抄」で有名なほんとの空碑。前回は見過ごしてしまったので登山前に立ち寄った。ここまではゴンドラ往復利用の観光客も多い。碑がある薬師岳から見る安達太良山の山腹の紅葉は素晴らしく、登山をしなくてもこの絶景を得ることが出来るのだ。


まず薬師岳でほんとの空を拝見


カメラの解像度が低くくて実物の素晴らしさを表現出来ない

 登山を開始すると入山者が多いため途中からやはり渋滞が始まる。登りつつある人が圧倒的に多く、たまに下山してくる人はなかなか進めない。中には大声で「ちょっと一旦止まってください。いつまでたっても降りられません。お願いします」という人もいたほどだ。


登り渋滞から解放されて一休み


今年は赤が少ないらしいが結構綺麗だと思う




そして山頂直下 前回はガスに覆われてベールに包まれたモンスターといった趣だった


人が映りこまいないようにするのに苦労するほど大量の登山者がいた


山頂の真西にある船明神山 今日はあそこまで歩く


山頂から南東方面

 山頂から降りて北の稜線を鉄山方面へと進む。左右の眺望も抜群だ。前回はここはガスと強風のエリア。見えたのは足もとの赤茶けた道だけであった。


前回パスした篭山 今回は登頂する


西に秋元湖

 船明神山へは鉄山に向けて北上する途中の南西に延びる細尾根を行く。稜線から沼ノ平が終始見えるが、矢筈森側から見るのと角度が違っているので雰囲気が異なる。また決定的にこちらに来る人が少ない(それでもちらほらは居た)。山名板も無い山頂には(正確には山頂手前の広場)沼ノ平の定点観測カメラとソーラー電源設備が鎮座していた。

 山頂より少し南に降りた箇所にスペースがあったので腰を降ろして食事休憩とした。周りに人が居ないところで食べる事が出来るのはやはり最高だ。人が多ければ多いほど単独者の食事は寂しく味気なく感じるものだ。


船明神山には沼ノ平定点観測用のカメラあり


眼下は沼尻高原 こちらからのロングルートもある


南西方向の石筵登山口まで6Kmの長丁場


三等三角点:沼尻 雪庇のような脆い感じの岩稜帯 ここを進み沼尻スキー場へのルートもある


再び沼尻高原方面


船明神山より戻る途中より沼ノ平


柱状節理よりなだらかに下がる尾根は紅葉が綺麗


沼ノ平アップ 何か構築物が対角線上に存在する 観測用の物なのか


船明神山の北東尾根から安達太良山頂の裏側 正面から見るのとイメージが違う


鉄山へ向かう途中 右下が工事中のくろがね小屋


鉄山から東に延びる台地 迫力満点だ


そして鉄山の頂


鉄山台地の先端に立つ人あり


磐梯山の山頂を覆っていたガスがようやく取れた


矢筈森眼下の岩峰


荒涼として地球上とは思えない景色だ

 下山路でヘリが飛来して登山道に向けて何か叫んでいる。しかしエンジンの爆音でよく聞き取れない。周りを歩いていた人の会話で判ったのだが、救助要請を出した人が見つからず「対象者は手を振ってください」と言っているようだ。しばらくあたりを周回していたが果たして無事救助出来たのだろうか。人が多いとこういう場面に出会うこともあるものだ。


救助ヘリ飛来

 篭山を正面に見ると登山道は北東へと谷沿いに進むが、今日は篭山を目指し直進する。先行者の男性が一名いる。時折こちらを向いてストックを空高く降るが自分と面識もないのにちょっと不思議。後で判ったのだが、かなり後方からお仲間が登ってきていた。
 最後の岩場手前はハイマツでルート不鮮明になった。先行者とトップを代わる。鎖やロープは無いが一つ一つの岩が大きいのでホールドは充分にある。だが油断は禁物だ。


今日の最後のピーク 篭山 先行者一名あり


篭山の頂上より東側


鉄山の東尾根末端 紅葉が素晴らしい


アップで

 先ほどの男性に続いてお仲間の女性が一名登ってきた。自分が先に降り始めると更にお仲間二名が山頂直下の岩で難渋している。「初心者をこんな所に連れてきちゃだめよ」と女性のほうがぼやいていた。上のほうから「下りる人に先に行ってもらって」と声が掛かるが、「そう言ったってどうすればよいの。この状態で」。急ぎませんのでゆっくりどうぞと声をかけた。四人とも自分よりは年配に見受けられたが皆さんお元気である。

 登山道への復帰は岩場を降りた箇所からショートカットした。砂礫が露出している箇所を繋ぐようにして進んだが、一部ハイマツ帯に足をとられる。先ほどの四人も自分の後をついてきているので今度はこちらからストックを大きく降った。

 くろがね小屋経由の道は土日を除き工事中で通行禁止となっているので旧登山道の泥濘を進む。事前情報を得ていたので今日も朝からスパッツを履いているので安心だ。一旦馬車道に接合するが再び旧道の泥濘を求め(もはや意地?)て下る。結局数回馬車道に出るも最後まで旧道を繋いで歩ききった。お陰で途中でキジ打ちが出来たのは収穫である(笑)


下山は泥濘 これは序の口

 今日は行動開始時間も遅かったので下山終了が既に4時近い。これから宇都宮に戻る事も可能ではあるが、帰りの高速代に500円程度追加で泊まれる素泊まり宿を確保してある。最寄りのスーパーは福島か二本松まで降りないと無いので、至近の岳温泉にあるファミマで食料調達した。部屋に電子レンジがあるという情報を事前察知していなかったので食材の選択にミスがあったのが唯一ミステイク。併設の日帰り温泉(宿泊者は無料)でゆっくり疲れを癒し、最近ハマっているサントリーのタコハイロング缶でつまみを頬張る。締めのカップラーメンで一日を終えた。

 翌朝、今日も天気が良いのでもう一座或いは観光も可能だが予定が入っているので午前中に帰宅しなければならない。それならばドライブだけでもと磐梯吾妻スカイライン経由で帰ることにした。
 この道路は二年前に一切経山に登った時に南半分を走った事がある。その時もコーナーを回るたびに目の前に現れる風景に感動したものだが、今回はその時より色も鮮やかだ。北半分の区間も見所が多い。来年は見頃を押さえてここだけ目当てで家内とドライブ、そしてちゃんとご飯が出る温泉旅館を予約しようと思った。


磐梯吾妻スカイラインの紅葉は今がピークのようだ


つくづくカメラ性能が・・・ フルサイズだと資金が桁違いだし・・・

概略コースタイム

ゴンドラ山頂駅発(09:33)-薬師岳展望台(09:40)-安達太良山(11:01)-船明神山(11:45)-
昼食休憩-行動再開(11:57)-鉄山(12:47)-矢筈森(13:22)-篭山(13:54)-馬車道接合(14:52)-
旧道へ(15:07)-駐車場着(15:52)

カシミール3Dデータ

沿面距離:12.8Km
所要時間:6時間19分

撮影使用機材
・NIKON Z50
・NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR

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リベンジの安達太良山 への4件のフィードバック

  1. リンゴ のコメント:

    紅葉ドンピシャの安達太良山でしたね。
    自分も行こうかどうか迷ったのですが、平日でも大混雑のイメージがあったので今年はやめました。
    元々安達太良山は黄色系の紅葉が特徴なので、これはこれで上出来ではなかったでしょうか。
    写真も十分に奇麗ですよ。

    • まっちゃん のコメント:

      よくよく考えると同じような緯度で同じ標高なら大体紅葉時期は一緒ですよね。違いは植生だけ。
      でもやはりメジャーな所はそれなりの事はあると再認識しました。
      ここのところ有名な山ばかりでたまには里山もと思いますが、麓に近い場所は熊が幅を利かせているようで脅威です。

      フルサイズセンサーの解像度の高さある画像を見た時鳥肌が立ちました。やはりAPS-Cセンサーだとその領域には程遠い感があります。
      被写体によるのでしょうね。
      紅葉の風景などはデジタルカメラの不得意分野なのかもしれません。

  2. 野球親爺 のコメント:

    リベンジ成功、おめでとうございます。

    安達太良山もこの時期は平日でも混雑しているのですね。
    紅葉の時期には沼尻からは歩いたことがあるのですが、その時は休日の朝6時頃で数台しか駐車場には停まってなかったように記憶してます。帰りには満車になってましたけど。
    篭山にも行かれたのですね。ここは一人でのんびりしたい所で団体さんがいたのではちょっと残念だったのではないでしょうか。

    • まっちゃん のコメント:

      前回は何も見えなかった稜線もなるほどこうなっていたのかと納得でした。
      沼尻ルートは距離があるので今回はパスしましたが、紅葉の時期は途中が綺麗そうですね。

      篭山は団体というほどでもなく、
      自分を除いて4人ですからまぁ許容範囲です。
      今回は前回残念だったことがクリアできて気持ちの良い山行でした。

      記事掲載は数日後になると思いますが、今日武尊山に登ってきました。
      最近半日コースの山ばかりだったので、ガッツリ登山で足が悲鳴をあげました。泥濘で岩とかもスリッピーで難渋しましたが達成感はありました。

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