三峰山(後閑峰)


-『GeoGraphica』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成-
地図が長くなってしまったので上下で分割しています

 群馬遠征最終日。今日は榛名湖から離れて沼田とみなかみの境界にある三峰山(後閑峰)を登る。三峰山という山名は全国に沢山存在するが、エリアを考慮して「上州三峰山」と呼ばれることもあるようだ。

 三峰山の姿を初めて見たのはバイクで望郷ラインという快走路を走った時だ。栃木から望郷ラインへのツーリングは金精峠を経由する場合が多く、標高差による寒暖差を体で感じながら走るのも楽しみだ。
 望郷ラインの国道120号の北側エリアは小高い山麓を縫うように付けられた道が続き、高規格道路で適度なコーナーが連続するワインディングロード。まさにバイク乗りの為の道路だ。一方、国道120号の南のエリアは片品川の河岸段丘から急に高度を上げるため、先ほどの北エリアがパノラマで一望できる見晴らしルートとなるのだ。帰りは南側にぐっと廻りこみ赤城山南面道路を経由して足尾から帰宅するというのが定番ルートだ。

 望郷ライン周辺を走っていて、いつも印象に残るのがテーブルマウンテンのような三峰山の姿であった。遠目にはどこがピークなのか判別出来ないが、何とはなしに心惹かれるものがあった。
 望郷ラインが三峰山を貫通する三峰トンネル入り口付近に登山口があったのは知っていた。だが今回はテーブルマウンテンの末端から山頂までの片道約5.5Kmのピストンをすることにした。


移動中に三峰山全景が見えた モチベーションが上がる

 登山口に着く前にいきなり核心部になった。というのも、ナビが設定ポイントに着く前に道無しになってしまったのだ。今来た道を引き返して反対側から登るように指示してくる。ここまで来る間も民家脇の軽トラ一台サイズの細い道をクネクネ走ってきたので流石にこれは参った。スマホで地形図を出すとちゃんと道は続いている。進んで行くと、ほどなく河内神社駐車場へ到着した。やれやれである。そのまま道路は続いていて望郷ラインに接続出来るようだがここで通行止めとなっている。ナビの指示に従って逆側から大回りしても此処に辿り着くことは出来なかったのでラッキーであった。

 駐車場で既に標高が770mもあるので、山頂までの標高差は350m、しかもこの上にある河内神社が既に900m、あとはひたすら200mの標高差をだらだらと登るだけなので楽ちん登山なのだ。


登山口から河内神社下まで軽舗装林道が伸びる


ここで熊鐘か まだ先は長いぞ 気休めなのだが一応鳴らしておいた


搬送用道路歩きだが、なにげに息があがる


林道終点 ハングライダー離陸所への荷揚げ索道がある


その脇からいよいよ登山道


岩に囲まれたダークトーンの登山道 一隅を照らすヤマツツジ


河内神社へ到着


真新しい鳥居が目に鮮やか


鳥居の向こうには子持山が見えた


社殿裏手からいよいよ本格的な登山道へ


とは言っても緩斜面が続く散策路のような趣き


長い歩きの終盤、ようやく登山道らしくなる

 標高差が無い登山道なので疲労は殆どないが、その分面白みにも欠ける。贅沢なものだ。急登などが出れば登るのが辛くて顎を上げる癖に誠に勝手なものである。前半から中盤にかけては松の自然林が続く。中には樹齢が古そうな木もあり、長い年月この台地状の山が姿を変えずに存在していた事を知る。終盤、植生が変わると幾らか山歩きらしくなり、ピークをいくつか超えた先でようやく山頂に到達した。


延々歩いた末に山頂


谷川岳方面 山座同定が出来ないのがつくづく残念


アップで


こちらは武尊山 夏になったら登りたい山だ

 谷川岳(もちろんロープウェイ利用)も武尊山も夏には登りたい山だ。問題は暑さ・・・というより強い日差しの中歩くのが苦手な自分には樹木に遮られる区間が少ない山は不得手。今年はなんとか頑張りたいところだ。

 下山を始めると一人また一人、登ってくる人とスライドした。しばらくすると急に後ろから人の声がした。びっくりして振り返るとMTBの若者が二名駆け下りてきた。どこから登って来たのか聞けば良かったが、下りにこのルートならMTBは全く問題無いだろう。猿のように素早く疾走していく彼らの姿を追っていくと「えいや」と掛け声が聞こえた。見ると、道を塞いだ倒木を二人かかりで寄せていた。オロナミン〇のCMに出て来るファイト一発!のようで面白かった。


緩斜面なのでMTBでも快走出来る

 変化の少ないピストンコースだが、三か所寄り道ポイントがある。そのうちの一つ、三峰沼に寄ってみた。静かな沼のほとりに立つと、驚いた魚たちが一斉に水面から潜っていく音があちこちに聞こえる。広さはさほど大きくないが水も澄んでいて良い雰囲気の沼である。農業用ため池として利用されており、取水口は護岸工事が施されていた。麓の集落にある田の水瓶なのだ。


帰路は三峰沼経由 まさに静かな池のほとり


静寂そのもの

 寄り道その2。949.3mP 三等三角点:三峰。地形図に描かれている登山道から僅かに外れているのですぐには見つからないと思っていたが、やはり登山道脇の藪を物色する事になった。とは言っても平坦な場所なので難しくは無い。こんなものを探す者もそうはいないだろうな。


復路にとっておいた三角点探し さぁどこでしょう


見つけた! 949.3m 三等三角点:三峰


そして寄り道その3 パラグライダー離陸場へ

 パラグライダー離陸場へ出ると幾人かのライダーが離陸待ちをしていた。腕組みして、まるで精神集中しているような方も居た。離陸前ってどんな気持ちなのだろう。経験のない自分には解らないが、やはり高揚しているには違いない。
 樹林の中の涼しい風の中を歩いてきたが、南にぱっと広がるこの場所では街から吹き上げてくる風は生暖かさも感じる。この吹き上げる風が離陸に適しているのは素人の自分にもよく解った。


離陸を待つ人達


左奥の子持山 裏手に榛名山が霞んで見える


朝は自分一台だった なかなか盛況

 今回の群馬遠征、あと数日逗留出来ればといった気もしないが、天気が長続きしない。そしてGWに突入してしまう。GWで人出が多くなれば静かな旅を楽しむ事も出来まい。ウィークデーの行動はプータローに与えられた特権なので享受させて頂こうじゃないか。計画していた山はまだ幾つか残っていたし、山だけでなく観光もしたい。車中泊の旅は今後も続くのだ。

概略コースタイム

駐車場発(07:13)-河内神社(07:34)-FM尾瀬電波塔(07:45)-吹返峠(08:39)-後閑方面分岐(08:47)-
三峰山(09:14)-三峰沼(10:36)-949.4m三角点(11:00)-パラグライダー離陸所(11:06)-駐車場着(11:27)

カシミール3Dデータ

沿面距離:11Km
所要時間:4時間14分

撮影使用機材
・NIKON D5600
・AF-P DX NIKKOR 18-55mm 1:3.5-5.6G VR
・AF-S DX NIKKOR 18-140mm 1:3.5-5.6G ED VR

カテゴリー: 車中泊の旅, 群馬県の山 パーマリンク

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