-『GeoGraphica』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成-
昨晩は道の駅桧枝岐で一泊。
燧ケ岳の疲れで深く睡眠に落ちた夜であった。ここも車中泊者にとって人気スポットであり、朝起き出すと周囲にはシェードを窓に張ったかなりの台数の車が停まっていた。また、休日前夜は会津駒ケ岳登山の為の前泊基地の様相を呈している。
さて、今月初旬から始まった福島の山旅。まだまだ予定のほんの一部しか歩けていないものの、まずは今日の大嵐山で一区切りとなる。
大嵐山は栃木福島の県境に近く、山頂からの眺望は360度素晴らしいものが期待できるという。分県版福島県の山に「会津の風格をもった渋い山である。何の翳りもない、洗練された印象の山に比べれば、はるかに地味な山であり。好みの分かれる山である。」とある。
ここのところ登り続けてきた福島の名峰たちはいずれも翳りのない洗練された山であると言って間違いない。だが、もともと栃木の渋い山で山歩きを覚えてきた自分にとって、たまには肩の力を抜いて静山を愉しむのもまた良し。そんな気持ちでこの山を区切りの一座として選んだのだ。
登山口に至る林道がまず探せなかった。おおよその当たりを付けてどうにか見つけ出すことが出来た。終点まで舗装はされていたが、左右や上から草が生い茂っているので車に傷が付かないように慎重に運転。終点の登山口には5~6台は停められそうなスペースだが、平日の今日は流石に一番乗りである。
一週間前の3日に山開きが行われたというが、やはり地味な山だから登山者も少ないのだろう。沢沿いに詰めていく登山道は時折踏み跡でさえも儚い。途中にあった「熊にご注意ください」の看板を思い出し、思わず腰に付けた鈴を振り鳴らし時折立ち止まってホイッスルを吹き鳴らす。里に近い山にある特徴としての急登がどこまでも続くが、今はコツコツと登っていくしかない。
沢音が消え、ようやく稜線に上がると下山時に湯ノ倉山へ向かう分岐がある
大嵐山へはまだまだ急登
北東に開けた稜線に出る まばゆいばかりの光に思わず一息入れた
登山口からの標高差は800mに満たないが水平距離が短いので平均斜度はなかなかなもの。途中のアクセントとなるような景色の変化が乏しいせいか非常にキツイ印象だったが、むしろ山登りってこういうものだよと改めて教わった一座である。
こちらは東側 左手の二岐山から右の方へ眼をやると那須の山並(たぶん)
大嵐山から下山を始めると下の方から熊鈴の音色が聞こえてきた。本日唯一の登山者に遭う。ここのところ人が一杯いる山ばかり歩いていて柄にもなく寂しくなってしまったのだろうか。珍しく自分のほうからキツイ山ですねと挨拶を交わした。
大嵐山から湯ノ倉山に至る登山道は勾配も緩く穏やかだ。ずっとこんな道が続くのなら登りに使っても良かったかなというのは単に妄想に過ぎなかったことを湯ノ倉山からの下山で知る。
湯ノ倉山は北側に僅かに開けた眺望を残すのみで、周囲の木が成長しやがて覆いつくされることだろう。
湯ノ倉山からの下りはやはり急斜面。地図をみれば判ることだ。そう、ルートは違えど登ってきた時とほぼ同じ斜度で下っていくからあっという間に高度が下がっていく。違いはこちらのルートのほうがどこまでもブナの優しい森を行く点かな。
結局下山までに出会ったのは一人だけ。温泉地の里山然とするも懐深い南会津の寂峰。実に渋い一座であったが、今回の福島の山旅を締めくくるには想像通りの味わいのある山であった。
概略コースタイム
駐車地発(07:55)-沢音消える(08:38)-谷詰め終了(09:06)-湯ノ倉山周回分岐(09:15)-明るい稜線(09:37)-
大嵐山(10:13)-湯ノ倉山周回分岐(10:56)-湯ノ倉山(11:25)-駐車地着(12:26)
カシミール3Dデータ
沿面距離:7.2Km
所要時間:4時間31分
燧ヶ岳の次はどこかと思っていましたが、大嵐山でしたか。
確かに最近は山開きなどのレポが上がっていますね。
登りがきつくて山頂に辿り着けなかった、なんて言う人もいる様です。
まだ未踏なので今後の参考にします。
大嵐山は急登の地味山でした。
ここのところ賑やかな有名どころばかり登っていたのでギャップが激しかったです(笑)
燧ケ岳の帰りに一座と考えていて立ち寄ったみたいな感じですが、
流石に燧ケ岳のの疲れが残る状態だったので急登にヤラレましたよ。
クマよけの意味も込めて誰も登山者いなかったので「疲れたぞぉー」って叫びながら登っていました。