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-『スーパー地形』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成-
東北遠征、というほど大がかりにはならなかったが、最後の山は磐梯山の西側に位置する猫魔ヶ岳と雄国山で締めることにした。雄国沼はあと一ケ月もするとニッコウキスゲが咲き誇るというから、本来ならその頃に行くべき場所だろう。でも、自分はその時期は既に耐暑的に無理だから諦めている。花はともかく眺望だけでも見られればヨシと思い計画した。
天気予報はまぁまぁ当たりと言えば遠からじ。昨日の午後から悪化して今日の午前中にかけて回復する予定。もう一日停滞すれば明日あたりは好コンディションで歩ける筈なのだが、距離が長い行程なので後半の天気回復頼みで出発した。
八方台駐車場は休日満車が常態らしく、あまり早い時間だと天気回復が見込めないし、遅いと停められない可能性が出てくるので時間の落としどころが難しい。
駐車場へ着くと6時前だが結構な台数が停まっていた。中には車中泊組もいるようだが、ここは電波が圏外なので夜間の緊急連絡の受信が出来ない。自分的に車中泊はパスだ。
車から降りて準備を始めると昨晩から吹き始めた風が強く、寒い。一枚羽織って出発した。
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八方台登山口より猫魔ヶ岳へ入山 ハードな熊がお出迎えだ
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今日も露払いか? ”ほーいほぃ”と叫びながら進む
先行者の三人グループいたが、途中で彼らが根曲がり竹のタケノコ堀りをしているそばを追い越してしまった。いよいよ露払いかと思えば、向こうから下山してくる人に会う。この時間帯でも案外人は歩いているようだが、ガスで幾らか視界が悪いので用心に越したことはない。磐梯山同様、ダブル熊鈴とホィッスル、奇声で進む。後から登ってきた人は自分の奇声のほうが気になったのでは😅
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猫魔ヶ岳へ到着 右側の小さな山名板が良いね
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眺望無しのガスガス 帰りに晴れることを期待しましょう
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なんとも素朴な可愛さ
次のピークの猫石もまたガスで何も見えず。風もまだ強く、流石に意気消沈する。猫石からひたすらに下り、渡渉を何か所か繰り返すとようやく雄国沼へと到達した。途中からヤマツツジが見えるようになるが、何故か栃木あたりで見るヤマツツジより花が大きいような気がする。レンゲツツジのようにも見えるが、通りかかった福島の方に尋ねたところ、やはりヤマツツジだということだ。
※当ブログをご覧いただいた、でんさんより教えていただきました。ツツジはレンゲツツジが正解です
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レンゲツツジの大きな花が時折見られるようになる 朝露に濡れて綺麗
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雄国沼のほとりを進む 空模様は未だ回復せず
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いくらか青い部分が見えてきて期待に胸膨らむ
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雄国沼休憩舎 中にトイレあり 誰も居なかったが広々として休憩には最適
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雄国山への登りにかかるとレンゲツツジが続々と見られるようになる
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今年はツツジ類が不調だったが、レンゲツツジは元気
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山の名前も花の名前もよく知らない自分だが、この白い花は? 教えていただきました 正解はズミです
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とても綺麗な花
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背後に猫魔ヶ岳
ツツジを見ながらゆるゆると登っていくと、あっという間に雄国山へ到着。見晴らし櫓は老朽化の為使用禁止になっていた。枝が邪魔な北側眺望は得られず。西側の喜多方市街地と飯豊山が見えた。
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山頂の展望台は老朽化の為利用禁止 北側眺望は得られなかった
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西側 喜多方市街地
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飯豊山は雲の中
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米どころだね
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奥に櫛ヶ峰
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雄国沼に向けて下山する
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休憩舎から雄国山 ここからだとまるで裏山だね
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大分青空が戻って来た
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ブナの新緑が目に眩しい森
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この時期咲くものはまだ無いが、それでも広々として気持ちの良い湿原を一周
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金沢峠へ登り上げるとそこは車道 ここに車を停めて周回すれば雄国山と雄国沼もイージールートだろう
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金沢峠から雄国沼俯瞰
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車道を歩いているとやはり目に付く飯豊山にカメラを向けてしまう
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序盤は舗装だった林道もやがて舗装が切れ先へと続く。犬連れで散歩しながら山菜取りの人。肩に下げた袋に沢山の戦利品が詰まっている。更に進むと林道を塞いでトラックが停まっていた。脇の笹薮で盛んに声がしている。トラックの横に居た女性に聞くとタケノコ取りだという。「クマが怖いですね」と尋ねると、「御覧のように騒ぎながらやってます」とのこと。トラックの荷台を見ると大量の根曲がり竹のタケノコが積んであり、なんとなく趣味の域を超えているようにも見えた。このように随所で山菜取り、タケノコ取りの人が見られたが、彼らがクマに逢う可能性が高いのはやむを得ないだろうと思った。
以前読んだクマに関する本にこんな事例があった。山菜取りに熱中していた人が腰に食料を下げていたところ、背後からクマが近づき、腰に下げた食料をなんとか取ろうと手でちょいちょいと触ろうとした。山菜取りの人が気づき、振り向いたらそこにクマが居たという背筋も凍る出来事だ。その時はクマも食べ物以外は見ていなかったようで、まさかの人間でドッキリ。慌てて一目散に逃げていったというのだから不幸中の幸いとしか言えない。クマは哺乳類最強の嗅覚なので食料をむやみに晒してはいけないという好例だろう。山の中で食べ残しを捨てるなどは厳に慎まなければならない。
最近は里に降りてくるクマの話題が絶えないが、クマの生態に変化が現れているのは間違いないだろう。基本的に強い個体は山の中で確たる餌場を独占出来るが、経験不足の若い個体や弱い個体は次第に麓に降りてくるしかなく、そこに限界集落があれば里の成り物に導引されるのは自然の理だろう。
北海道のマタギの人が書いた本で読んだことがある。クマ(ヒグマ)は山の険しい所に居る訳ではなく、彼らとて移動に楽な、そして穏やかな所で生活する習性があるという。要は無駄な苦労はしないというごく当たり前のことで、そんなクマ達から山での行動の仕方や生き方を教わったという。今、クマ達は人里を生活の場としようとしているのだろう。
山歩きをする者として会いたくないのは当然だが、単純に法改正をして予算を付けて頭数制限で駆除すれば良いという問題でもないし、そもそも保護獣でありながら危険な彼らとどう付き合っていくかというのは、なかなか難しいことだと思う。ハンターの高齢化やなりて不足。ハンターにとっても危険なクマ猟が敬遠される昨今、深刻な問題だと思う。
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長い林道歩きの末登山道へ
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ようやく道標を一枚見る
厩岳山の山頂周辺は倒木や道の荒れが目立った。だが交差一名、山頂で休憩中一名と、それなりに人は歩いている。猫魔ヶ岳や雄国山周辺と比べれば圧倒的に地味だが、どことなくほっとする雰囲気の山だった。
山頂からは控えめに雄国沼や磐梯山が見える。南に降りていく登山道があったが、途中に厩岳山神社があるのでこちらが参道になっているようだ。
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厩岳山頂は静かなところ
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雄国沼と飯豊山
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磐梯山をほぼ真西から見る
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左、猫石 右、猫魔ヶ岳 とりあえずあそこまで戻らなければならない
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猫石アップ
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そして戻ってきた たいした登りでは無いが終盤結構きつかった 朝とはうって変わって快晴に感謝
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猫石から最後にもう一度雄国沼
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厩岳山
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帰路の猫魔ヶ岳より磐梯山
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猪苗代湖
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桧原湖
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八方台駐車場へ帰着
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猪苗代町から最後に磐梯山 さようなら 次は南から登るよ
今日は麓の気温も低い。裏磐梯まで戻らなくてもよさそうだ。
猪苗代町内で買い物、あまりコスパの良くないホテルの日帰り温泉で汗を流して「道の駅 猪苗代」へ車を停める。この道の駅も何度か利用しているが、とにかく広大でトイレも綺麗。夜は大量の車中泊の車で埋め尽くされる人気道の駅である。
トイレ至近は大型駐車スペース側なのでいつも避けるが、今晩はアイドリングしているトラックどころかトラックの姿自体がほぼ見られなかった。物流2024年問題で長距離ドライバーにも休みが確保されるようになったのだろうか。思わぬところで状況の変化を感じた。
さて、4月から始まった車中泊登山シリーズも一旦ここで終了。これから次のシーズンが始まる10月までは普通の初期高齢者(正確には今年12月が誕生日なのでそこから)生活が始まる。
私事だが、5月に4人目の孫が産まれた。最後の孫が産まれてから数年経っていたので孫を抱く手もおぼつかなかったが、我が血を継ぐ新たな命を抱くことが出来た幸せに感謝したい。
山の方は暑いのが苦手でしばらくお休み。
でも、涼しい山なら月一くらいは・・・登るかもね😁
概略コースタイム
八方台駐車場発(06:10)-猫魔ヶ岳(07:12)-猫石(07:30)-雄国沼休憩舎(08:45)-雄国山(09:28)-
雄国沼休憩舎(10:05)-湿原入口(10:33)-金沢峠(10:54)-林道終点(11:44)-厩岳山(12:10)-
猫石(12:58)-猫魔ヶ岳(12:26)-八方台駐車場着(14:06)
カシミール3Dデータ
沿面距離:19.8Km
所要時間:7時間56分
撮影使用機材
・NIKON Z50
・NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR