社山周回


-『GeoGraphica』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成-
-※当コースには一般登山道でない箇所が含まれています。参考にされる場合は自己責任でお願いします。

社山の過去の記事
    2020年10月28日  9年ぶりの中禅寺湖南稜
    2019年02月17日  今シーズン初の雪歩き、相変わらず絶景の社山
    2013年11月23日  中禅寺湖、大日尾根 上野島ルートで社山
    2009年10月18日  中禅寺湖の展望台、社山

 中禅寺湖の紅葉がTVなどでも盛んに放映されている。今年はあちこち紅葉を求めて歩き回ったが、締めはやはり地元の日光だなということで社山詣でとなった。
 どうせ歩くなら通常ルートのピストンでは物足りない。10年前に上野島からの稜線を詰めて周回したことがあるが今回は割とポピュラーなバリエーションルートである阿世潟から北に登り上がる尾根を歩く事にした。松ヶ崎からの尾根も検討したが随分昔の記事で熊の気配が濃いというのを読んだことがあった。年数がたった情報だが昨今の熊騒動を鑑みるに少しでも歩かれているルートのほうがましだろうと思い今回の尾根を選択した。

 歌が浜駐車場や途中の道路の混雑に気を揉むも案外スムースに到着。6時過ぎに着いた時は駐車場はまだ1/3程度の埋まり具合。だが出発する7時前頃には半分くらい埋まっていた。土日に比べれば遥かに空いているが平日なのに流石奥日光だ。


朝の陽ざしを受ける社山と八丁出島 ガスが覆う


程なくガスは取れる おはよう八丁出島


こちらは小寺ヶ崎 帰りに立ち寄る




湖面に憩う水鳥


本日登る尾根が朝日を受けて輝いている


逆さ男体山はここからが定番

 今日登る尾根は阿世潟の北が取り付き。最近は地図を見なくても歩ける山ばかりだった為、すっかり脳内が概念図だけとなっていた。「阿世潟を過ぎたら北西の尾根に乗るんだったよな」てな感じで歩いていた。

 いざ取り付き、少し登っておかしいなと感じた時にマップを見るとOh!ミステイク。その後のリカバリも駄目。南に延びる作業道のようなものに引き込まれて下山で通る登山道の方に寄せて戻ってしまった。北にトラバースして降りれば良かったのだが・・・まぁ16分のロスと登り返しが無かったのがせめてもの救いであろう。

 ミステイクで登った尾根形は地形図の等高線と明らかに異なる急登(地図の略描にだまされた)だったのもあり、いわゆる錯誤の連続。鹿沼あたりの山で修行し直さないといかんなぁと思うも、里に近い山は最近クマが移動している可能性もあるしね。


紆余曲折あった(笑)が仕切り直しで尾根取り付き 紅葉でむせるようだ


紅葉のピークどんぴしゃ だが急登と落ち葉でグリップが効かないので案外体力が消耗する


そして立ち止まれば綺麗な紅葉に励まされる


やはりこういうルートは素晴らしい風景が待っているものだ


来年も紅葉期の社山に登るならこのルートで決まりだな



 写真ではホント伝わりづらいが、息を飲むような美しい紅葉の中一人行く稜線歩き。久々に感じるこの空気感。やはりこういうルートは良いなぁ。最近は何処に行ってもヒトに遭わずに登る事はなかっただけに。


急登を終えて大日崎からの尾根と合わせる 忽然とシャクナゲ群落がある


急登の後のご褒美 ゆる尾根が楽しい


社山はまだ遠いが静かな尾根歩きだから足取りも軽い


一つ目の眺望点 この木がアクセント


笹の急登で立ち止まり息を整える


再び笹尾根のご褒美


シカ道だ

 シカ道を追っていく。そして稜線の左右の谷、比較的近距離でシカの鳴き声がこだまする。なわばりを主張するお互いに呼び合うような力強い鳴き声。そして静かな稜線。あぁ本当に今日は良い山歩きだ。

 パノラマ眺望地へ到着。10年前はここで昼食とした。それだけの価値がある眺望だ。社山から北側を見た場合樹木に邪魔されてここまでのクリアな眺望は無い。加えて中禅寺湖は角度的に見えない。ここから見える眺望は黒檜岳への縦走ルートでも似た感じの箇所があるが、両方見た自分としてはこちらに軍配を上げたい。ここで食事にしてもよいが、重たくなった腹で社山への登り返しも辛いだろう。水分補給と行動食一口で出発した。


パノラマ展望地より(左)


パノラマ展望地より(中央)


パノラマ展望地より(右)


なおもシカ道を追う


やっと分岐へ到達 ここから一旦下降 社山は最後の登りが待っている


黒檜岳への稜線 またそのうち歩くべし

 相変わらず分かりづらい社山への登り。下の方は道形がしっかりしているが樹林帯になると不明瞭になる。下る場合は案外道を見つけやすいが、登りだと道形を外す事数度。最後は上の明るい所を目指して適当に登った。展望地にある下降点を示す赤テープがある場所から少し離れた箇所に出てしまったがまぁよしとしよう。

 展望地に着くと沢山のヒト。とは言っても10人くらいかな。今秋登った栗駒山と比べれば超が付くほど静かな山かもしれないが、歩いて来た静寂尾根の感傷を一気に吹き飛ばす騒々しさだ。会話する時は仲間に聞こえる声量で良いと思うのだがやたら大声のおじさん。こんな素晴らしい景色を見ながら今話すべきなのか下世話な話題。もっとみんな自然を楽しもうよ。そして他人に配慮しようよ。聞きたくなくてもあなた方の声は他の人の耳に入ってきてしまうのだよ。

 今日は久しぶりにガスと水をかついできたのでカップラーメンと食後のコーヒー付き。僅かだけど重かったザックを背負った自分へのご褒美だ。


社山の山頂西にて昼食休憩


山頂通過 男体山は頂上お隠れ

 下りにかかる。少し時間が早かったせいか続々と登ってくる人が居た。流石人気の山だ。今日は下山で好眺望を楽しませていただこうじゃないか。だが全体の絵面として紅葉のピークはいささか過ぎたように感じる。加えて雲量が多くて日が陰るタイミングが多いのも色鮮やかでない原因だと思う。


歩いてきた尾根筋を一望


奥から三本目(たぶん)を急登した


振り返ると社山手前のニセピーク


パッチワークも既にタイミングが遅く色が褪せている

 阿世潟へ降り立つ手前、朝方ミステイクで合流した地点に到達。思い起こすと、リカバリで間違って南に進んだ1300m等高線沿いに作業道の痕跡が認められた。あれはいったい何だったのだろう。周囲は植林帯ではないので林業用途ではない筈だ。雨量計ピークに建設資材を上げた時の名残なのか。あるいは古い登山道だったのか。謎は深まるばかり。


湖岸周遊道の紅葉も地味ながら素晴らしい

 八丁出島を探索した時に寺ケ崎が思いのほか趣のある場所だったことは3年前に知った。ならば小寺ケ崎もと思い今回は寄り道だ。軌跡を見て驚いた。湖面の中を70m程歩いている事になっているではないか。もちろんスマホのGPSセンサーの誤差もあるがそれは10m程度のもの。はたして地図が間違っているのか、あるいはGPSセンサーに何かがあったのか。今まで使っていてセンサーにここまでの誤差が出ることは無かっただけに・・・と思ってしまうのだった。国土地理院に申し入れしたら修正してくれるのかな(笑)

 で、くだんの小寺ケ崎。中禅寺湖のさざ波寄せる岩のほとり。ここで昼飯をゆっくり食べるのもありだなと思う。でも背後の視界が効かないから後ろからクマが様子を見に来たらそれはそれで嫌だなぁ。


小寺ヶ崎より


しばし湖岸をゆく


今年はあちこちの紅葉を見た 流石に見納めかな


さらば 中禅寺湖の紅葉

概略コースタイム

歌が浜駐車場発(06:55)-阿世潟(08:08)-コースミスから復帰(08:24)-尾根取り付き(08:32)-シャクナゲ群生(09:15)-
眺望点(09:36)-パノラマ眺望(10:14)-中禅寺湖南岸稜線離脱(10:24)-社山展望地(10:49)-昼食休憩-
行動再開(11:25)-阿世潟峠(12:18)-小寺ヶ崎突端(12:51)-歌が浜駐車場着(13:45)

カシミール3Dデータ

沿面距離:14.2Km
所要時間:6時間50分

撮影使用機材
・NIKON Z50
・NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR

カテゴリー: 日光の山 パーマリンク

社山周回 への2件のフィードバック

  1. リンゴ のコメント:

    足尾側の紅葉パッチワークは遅かった様ですが、尾根取り付き辺りは見事な彩でしたね。
    自分は社山から先の尾根は未踏なのですが、単独での行動は躊躇しています。
    と言うのも、やはり熊の存在ですね。
    2年前に半月山に登った際、同日に大日崎の尾根を登っていた女性が、尾根に取り付いて直ぐに親子熊と遭遇したとの情報を聞いてしまったのです。
    やはり人の歩かない所にはいるんだな、と・・・
    残雪期にトレースでもあれば歩けるかも?と思ってますが(笑)

    • まっちゃん のコメント:

      そうですね。
      やはり出没情報を耳にすると怖いですよね。
      大概は先方が先に気づいて回避してくれているのですが、(双方とも)不幸にして鉢合わせの場合バトルに勝てる可能性は低いですよね。
      最悪の状況なら戦うしかないのかなと思っています。とはいっても武器はストックくらいなので本気で熊スプレーの購入携帯を検討しています。

      黒檜岳への縦走はほぼ尾根の中心通しで、紛らわしいのは黒檜岳山頂周辺だけです。熊からは丸見えなので視認されやすいと思います。
      また、残雪期はヒトでないトレースも多くかえって危険かも。自分は無雪期に鹿トレースでてこずりました。
      このルートは帰りに千手ヶ浜からバスに乗れないと地獄かもしれません。

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