長野遠征初日、トラックに負ける

 梅雨に入る前のこの時期、まだ気温が高くならないこの時期が春季車中泊の一区切りと考えている。大体今までの経験から日没時の外気温が25度を超えるようだとかなり条件が悪くなる。とかく閉め切りがちな車内温度は夜間に20度を上回ると、とても暑くて寝られたものではない。ハンディ扇風機なども効果はあるがやはり安眠とはほど遠くなるだろう。
 窓を開ければ良いのだが、蚊や虫が入ってきて逃げ場の無い車内は修羅場になるのだ。特に蚊は絶望的だ。そこで窓にはめるネットが販売されているのでこれを付けると夜の冷たい外気が取り込めるので案外快適になるが、車内に照明が灯っていると外から丸見えになり恥ずかしい。また就寝時は治安上好ましくない。どうしても夜間はシェードで窓を覆った上で閉め切る必要があるのだ。

 そんなことから夏場は外気温が低い高地、真夏なら標高2000m程度の箇所に車中泊することが目安となるのだが、道の駅では「美ヶ原高原美術館」などがすぐに思いつくも、車中泊者が殺到して結果的にマナーの悪い人が引き起こす問題で”車中泊禁止”となっているのが現状だ。

 自分が過去に泊まったことのある場所でいずれも2000m超えの場所は登山者用駐車場にトイレが付いただけの場所だったが、停める人は目的が登山なので余計な時間滞留したりすることもなく、もとより環境意識も高いせいかゴミの放置は見ない。そもそも場所が場所だけに外にゴミを出すと熊などをおびき寄せる事にもなる。また夜遅くまで騒ぐ輩はいない。誰もが翌朝早立ちしたいので就寝は早いし、そして周りもそうであろうと声高に会話したり余計な音は出さないようにと気を遣い合うので快適だ。

 ただ一点だけ問題があるとすれば深山なのでトイレに電気がついていたとしてもそこに辿り着くまでが結構怖い場合がある。大河原峠で車中泊した時は深夜に小便がしたくなったが、周囲の漆黒の闇、もしかしたら何かが飛び出してくるのではないかというプレッシャーに負けて車を停めた裏の笹薮に向けて用を足したことを白状する。速攻で車に戻って施錠した。ライトで照らせる範囲を圧倒的に凌駕する闇と自然の圧には到底かなわない恐怖感におののいた思い出だ。大河原峠は突出して怖かっただけで他の場所はそこまでではなかったが、その点道の駅は完全にヒトのテリトリーなので万全の安心感だ。だが、やはり問題は気温とそして騒音だ。

 さて、前置きが長くなったが今回の車中泊の旅は5泊6日の長野方面。天気予報が読み切れず予定を組むのが難しかったが、柔軟に計画変更が可能な車中泊ならではのメリットがあるので気楽といえば気楽。

 初日は雨が降っていたので移動オンリーである。長野に向かう途中つい先日に行ったばかりの密岩神社に立ち寄った。雨にけぶる岩櫃山にご挨拶。ただでさえ威圧間のある山姿がガスを纏ってより厳かな感じとなっていた。


岩密神社から雨に煙る岩櫃山


流石にこんな日は山頂に立つ者もいないだろう

 本日の泊地である「道の駅 マルメロの駅ながと」についてはネットの評価も概ね良好だった為チョイスしたのだが、いざ実際に行って見るとトイレに近い場所は大型車スペースにかなり近い。一旦は設営して車内に収まったが、冷凍コンテナ車(エンジン+冷凍機)が大音量でやってきた。運転席はカーテンがかかっているので仮眠かあるいは明朝までそのまま停まっているかもしれない。耳栓は持っているがそんなものでは追いつかない音量だ。解決策は大型から遠い所に停めれば良いのだが、今度はトイレが超遠くなってしまう。寝る前に済ませて朝まで尿意が無い人にとってはまったく問題ないだろうが、夜間頻尿もちはこれが辛いところなのだ。

 近隣の道の駅を探すと「道の駅 和田宿ステーション」があり、やはり評判も悪くなさそうだ。本来は好ましくないのだがシェードなどを付けっぱなしでそちらへ移動する。

 さて到着して一旦落ち着きはするものの、今度は目の前の国道142号を疾走するトラックの走行音がかなりうるさい。道路と駐車スペースの距離が殆ど無いためだ。それでもトイレ位置と大型駐車位置が離れていて、現に2台ほどアイドリングしていたが気にならない。これは期待出来る。走行音は夜間になれば交通量も減るだろうと期待して一旦はシュラフに潜り込んだ。
 ところがである、後から入って来る大型車は規定場所が無いとみると普通車スペース数台分を使って停めだす始末。仕事で止めているドライバー達には死活問題で、空いているなら構わないだろうということだ。しかしこちらとしては、たまったものでは無い。あっというまにアイドリング音包囲網にとなってしまった。これは寝ている場合ではない。結局元の道の駅に戻ったが相変わらずトラック軍団のエンジン音は唸っていた。国道からの距離があるので走行音はマシだからもうここで我慢しようとしたら、とどめの一台。場所にありつけなかったトラックが普通車スペース5~6台分を横に使って停めてきた。それも自分の車の至近に。

 もうこうなると腹をくくるしかない。明日の予定は気象条件を鑑みて散歩のような山歩きに変更したので、睡眠不足による不完全状態でも構わないや・・・と悶々とする。睡眠出来たような出来ないようなそんな一夜を過ごす事になった。

撮影使用機材
・NIKON D5600
・AF-S DX NIKKOR 18-140mm 1:3.5-5.6G ED VR

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長野遠征初日、トラックに負ける への2件のフィードバック

  1. 野球親爺 のコメント:

    まっちゃんさん こんばんは。
    今度は長野遠征でしたか。どんな山旅になるのか楽しみです。

    車中泊は経験がないから分かりませんが、騒音・トイレ問題と色々あって大変そうです。私も音に敏感すぎるので厳しいかな。トイレのほうもご多分に漏れず、夜中に必ず1,2回起きるのでこちらも厳しいですね。

    • まっちゃん のコメント:

      予定していた5座のうち3座のみとなってしまいましたが、プータローとしてはまたの機会を・・・ということで今回は成果に乏しい歩きとなりました。でも後悔はしていません。どうなるか判らないのが気ままな車中泊の楽しみ。
      不自由さと番狂わせもすべて合わせて”味”だと思ってます。
      もっとも、トイレのほうはつくづく夜零回の人が羨ましい昨今です。

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