吾妻那山とみなかみ観光


-『GeoGraphica』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成-

 群馬遠征三日目は谷川岳の前衛エリアにある吾妻那山に登る。読みが判らなかったので調べると”あずまやさん”らしい。同じ読みの四阿山が同じ群馬県内にあるので紛らわしいが、吾妻那山は標高も低く手軽に登ることが出来る。GWに登った人のネット記事によるとシャクナゲが綺麗だと報告されていたが、一周間ほど経過しているので果たしてどうだろうか。

 登山口の仏岩ポケットパークは昨日の泊地である「道の駅 みなかみ水紀行館」から車で10分程度でアクセスできる。昨晩も思いのほか静かな夜だったので熟睡を確保。早朝から行動を開始したせいもあり駐車場に着いたのは7時頃、車中泊ならではのフットワークの良さだ。

 仏岩ポケットパークは立派な駐車場で綺麗な水洗トイレ(雨水使用)、さらには公衆電話ボックスまで備えてある。吾妻那山の登山口以外の用途がにわかに思い浮かばない山中の駐車場としては素晴らしい整備状況だ。


仏岩ポケットパークより出発 立派な駐車場だ


東屋の裏手から入山

 キツツキの木を叩く音がこだまする山中へ分け入る。見ての通り駐車している車は一台だから自分がトップバッターだ。いつもはそんな状況に特段プレッシャーを感じることもないが、なんとなく野生の中へ入っていく緊張感を感じた。腰にいつも付けているホイッスルを数回吹いてまずは山とそこに居る動物達にご挨拶。

 序盤は多種の植物が繁茂するジャングルのようなエリアだ。ラッパ状に拡がるシダは特に目を引いた。花、木、植物、全てにおいて知識不足の自分にとっても明らかにいつもとは違った植生であることに気づく。


ラッパ状の変わったシダを多数見かける

 倒木が二本重なる箇所あり。手前は下をくぐり、奥は跨いでクリア。帰路、手前はコブに掴まり馬乗りになって通過したが、皮剥ぎされた箇所で尻が滑ると1~2メートルは滑り落ちる可能性有り。もっとも落ちてもすぐ止まるので、まぁフィールドアスレチックだ。


倒木のとうせんぼ連荘


赤谷越で一旦登りは終了

 赤谷越までが登りの第一ステージで後はダラダラと水平移動になる。植生も広葉樹の森と変わる。少し進んだ所に巨大な仏岩があったが葉に覆われていて全貌を撮影することが出来ない。ぱっと見た感じボルダリング愛好者の餌食にもなりそうだが、自分などは怪我をする以外の結末は想像し得ない。


仏岩は巨大で頭しか写らなかった


所々道が痩せてくるが気を付ければ特に問題無し


お!やっと山頂部が見えてきたようだ

 滑落注意の看板を見ると岩交じりの稜線になり、ミツバツツジとシャクナゲが出始める。ただ残念な事に共にほぼ終わりを迎えており、残った花も痛んでいるのが殆どだ。ネットでシャクナゲ良しとの書き込みがあったのがGWだからやはりもう終わってしまっていたのだなと諦めて歩を進める。一旦はシャクナゲの株自体が途切れるも、1200mを超えたあたりからの急登区間からまた出始めたシャクナゲは終盤の雰囲気があるもののなかなか綺麗だ。ミツバツツジも頑張っている。期待はしていなかったがやはり一番好きなシャクナゲに出会えたのは嬉しいものだ。 


ミツバツツジはほぼ全滅だが標高を上げるといくらかマシに


大分痛んでいるが透過光でどうにか


シャクナゲも標高があがると徐々に元気に


つぼみも幾らか残っている

 山頂台地から北に落ちる枯れ沢に差し掛かると雰囲気が一変。巨岩が折り重なる光景に圧倒される。傍らの垂直に切り立った岩壁から剥がれ落ちた岩も多数。かつてこの山が形成された頃の営みが垣間見られる一幕だ。


三角点直下の沢で雰囲気一変


比較物が写っていないが右の岩は背丈をゆうに超える巨岩

 山頂台地へ乗り上げて平坦な登山道を進んで行くと大きな石祠が三基鎮座する山頂へ到着。山頂からは北側の眺望が素晴らしく拡がる。


見た事も無い巨大な石祠の並ぶ山頂へ到着


北の眺望が良い


枝に隠れて大源太山と平標山、仙ノ倉山


万太郎山


谷川岳の西稜線とトマノ耳


朝日岳


平ヶ岳


武尊山

 山頂台地の西端に三角点がある。吾妻那山自体には三角点はないのでここは表敬訪問しないわけにはいかないだろう。登山道から40m足らずの場所にあるので探すのはあっという間だったが、戻る時に見るとやはりものずきは多いらしく薄っすらと踏み跡がある。静かなる三角点の向こうに白い頂が見えていた。


三等三角点:吾妻山

 下山途中に登って来る三人パーティと交差する。”残念シャクナゲゾーン”より少し登ったあたりだったので、息が上がっている方に「この先またシャクナゲが出てきて綺麗ですよ」と伝えた。その先の急登の励みになれば良いが。

 無事下山終了。ガイドブックにある大峰山まで足を延ばすのもアリだったかもしれないが欲張らずに4時間程度の登山にとどめておくのが疲れが残らなくて翌日の登山が楽しい。余った時間は観光で暇つぶしだ。

 それにしても駐車場から見える尾瀬の贅沢な山姿よ。仏岩ポケットパーク、なかなかやるな。県道270号である奥利根ゆけむり街道沿いにあるこの駐車ポイント。ドライブの休憩ポイントとしても行政はもっとコマーシャルしても良いのではないかと思うのだ。


ポケットパークより至仏山と笠ヶ岳

 下山後は観光客に混じり谷川岳ドライブインでベタに「谷川そば」をいただく。今年こそはの谷川岳登山(勿論ロープウェイ使用前提)に向けて予習でロープウェイ駅まで(行っただけ)。


谷川岳ロープウェイを下見


その後土合駅にも寄ってみた


いざ地下空間へ かなり下るな 一応山歩きした後なんだけどな


地下土合駅のホーム シェルターのようだ


で、また登り返し 標高差70mかぁ


結構あるね(;^ω^)

 登り途中の人と下りで交差した後、復路でもう一度その人を追い越してようやく車の所へ戻ったら大汗。登山着から着替えてしまっているので手ぬぐいで汗を拭っていたら、既に往復してマイクロバスに収まっている観光客に笑われる始末。いぁやちょっと張り切って歩き過ぎたかな(笑)


湯檜曽川の向こう谷川岳の雄姿


トマノ耳、オキノ耳 今年こそは

 みなかみの温泉街にある無料駐車場に車を置いて散策。温泉街は平日ということも手伝ってか閑古鳥の泣く寂しさよ。もっともコロナ禍で実際に廃業したホテルなども沢山ありどこも厳しい状況である事を垣間見る。変わらないのは谷川岳の風景だけのようだ。


こちらは水上市街地より


こういう景色が見える生活って憧れるな


温泉街も平日は閑古鳥が鳴く


水上駅SL転車台広場


このレバー 懐かしいなぁ 半世紀前(子供の頃)近くの線路でよく見たな

 今晩の泊地、道の駅 中山盆地へ着く。温泉は勿論併設の「高山温泉 ふれあいプラザ」。道の駅倉渕と並ぶ自分の定宿と化しているが、いつ来ても気持ちの良い道の駅だ。


道の駅中山盆地 定番の夕暮れ小野子山、十二ヶ岳


車中泊の車もそろそろ集まり始めた

概略コースタイム

仏岩ポケットパーク発(07:14)-赤谷越(07:43)-仏岩(07:50)-吾妻那山(09:13)-
三等三角点:吾妻山(09:44)-赤谷越(10:34)-仏岩ポケットパーク着(10:50)

カシミール3Dデータ

沿面距離:5.6Km
所要時間:3時間36分

撮影使用機材
・NIKON D5600
・AF-P DX NIKKOR 18-55mm 1:3.5-5.6G VR
・AF-S DX NIKKOR 18-140mm 1:3.5-5.6G ED VR
・iPhone 13 Pro Max

カテゴリー: 車中泊の旅, 群馬県の山 パーマリンク

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