ツツジの熊鷹山


-『GeoGraphica』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成-

熊鷹山の過去の記事
    2011年05月15日  大戸川源流を詰め熊鷹山系5座縦走
    2008年05月04日  県境の山 熊鷹山

 4月の群馬遠征続編である。白状すると本当は福島の山を予定していたのだが、予報を見ると山頂気温が2~3度、風速が10mを超える厳しい状況。ウェアを揃えていけば何とかはなるが車中泊の場合はなるべく荷物を少なくしたいのだ。また、花の便りがあちこちから聞こえてくるのに雪こそないものの、モノトーンの寒い山に行くのも憚れる。ということで群馬再訪となったのだ。

 初日は移動メインだが群馬はさほど遠くも無い。途中での寄り道はネットでツツジが綺麗とあった熊鷹山とした。ルートは草木ダムの沢入側から林道を進み群馬と栃木県境にあるゲートの峠からの出発とした。なお、峠から栃木側は土砂崩れの為ここ数年通行止めとなっている。
 この林道があるお陰で以前は大変だった氷室山~熊鷹山エリアも手軽に歩けるようになったが、栃木県側は予算が付かないらしくなかなか整備開通してくれない。草木ダム経由でなければアプローチ出来ないのは、丸沼に行くためには冬季閉鎖の金精峠が使えず群馬側から大回りして行くのに等しい状況だ。

 車のナビのデータが古いせいもあるが、目的地を設定しても栃木側ルートしか案内してくれない。だが構わず進む。先に作られた群馬県側は何故か道路が途中までしか存在しない事になっている。
 林道自体は所々落石が見られるが決定的に荒れた感じはしない。全区間舗装なのは心強いが運転に気を遣う区間もたまにある。荒天時などは細心の注意が必要だろう。また、黒坂石バンガローテント村脇の林道入り口は半ゲートとなっており「この先通り抜け出来ません」とある。当然栃木県側にはということなので、何も情報が無い場合はここで引き返してしまうかもしれない。峠まで行けるという情報を得ていればこそ安心して進めるのだ。
 ゲートのある峠に到着すると停めやすいスペース(4~5台分)はすべて埋まっていた。朝早い時間なのになかなかな盛況ぶりだ。


登り始めてすぐ袈裟丸山塊から皇海山への県境稜線

 峠から十二山を経て熊鷹山に至るルートは殆どのピークを巻いていく足に優しいルートだ。落葉樹の続く道は明るい雰囲気で日差しが充分に届かなくとも気持ちが良い。肝心なツツジはというと、ミツバツツジが丁度終わりかけ。というよりも前日の雨風で一気に落花してしまったようだ。地面には散りたての鮮やかな花弁が敷き詰められていた。まさにタッチの差であった。

 タイミング的にお次の出番のヤマツツジとシロヤシオはまずまずの咲きっぷり。肉眼では日陰も美しいが写真にするとやはりちょっと地味かな。


一応三色揃い

 熊鷹山の山頂直下で空が拡がるとツツジ達の色合いが輝き始める。ミツバツツジの終了でいささか気持ち的にトーンダウンしていたのも一気に晴れ上がる山頂だ。


熊鷹山山頂直下


シロヤシオはまさに旬


ヤマツツジもフレッシュ


熊鷹山の山頂櫓より


山頂はシロヤシオもヤマツツジも若干痛み気味


それでも遠目には綺麗


厳選!ミツバツツジ

 山頂を堪能した後は来た道を戻る。平日とはいえ多数の登山者と行き交う。数人の方と会話したが、皆さん結構遠隔地から訪れているようで、改めてネットの情報力に感心する。ロケーションはともかくタイミング的には自分もその一人である。


登山道を彩るヤマツツジ


なんとなく愁いを感じるミツバツツジの枝ぶり

 一旦駐車地まで戻り、後半は氷室山までのピストンだ。氷室山は植生ががらりと変わり針葉樹の森。色合いの道から一気にモノトーン(実際には多色なのだが)の世界にワープした気分になる。山頂を踏んで踵を返した宝生山シロヤシオの群落がいまや時期到来とばかりに咲き誇っていた。


雰囲気のある山名板


宝生山はシロヤシオが濃密


ミツバツツジも頑張る

 ツツジの山を堪能して下山するとまだ時間は早い。草木ダムドライブインで食事をしたあと本格的に移動開始だ。本日の泊地付近にある温泉を検索していて出てきたのが「みなかみ温泉 三峰の湯」だ。前回の群馬遠征で登った三峰山の名前を冠した文字通り三峰山の麓にあるみなかみ町営温泉である。バイクでよく訪れる快走路の「望郷ライン」の途中にある。


月夜野の「望郷ライン」へやってきた


先般歩いた三峰山

 温泉は見ての通りプレハブ造りの簡易な施設。湯舟は内湯だけだが、外とはサッシ窓一枚でほぼ露天のような雰囲気だ。泉質は突出したものはないがしっとりとした良い感じである。
 カランが三つしかなく、たった一つのシャワーが付いたところは先客のおじさんが使用中だ。しかたがないのでお湯と水を蛇口から出しながら適温にして頭からかぶるといった塩梅になるのだが、お湯の出る量が少なくて溜まるのに時間が掛かる。どうやらこの温泉の作法はゆったりと湯につかりながらたった一つのシャワー付きカランの順番を待つことにあるようだ。せっかちな旅人はせわしなくお湯を埋めてはかぶるのくり返し(笑)
 また、女風呂との仕切りが薄い塩ビ板一枚なので、おばちゃん達の話し声がすぐ隣で話しているようによく聞こえる。まるで混浴にでも入っているような雰囲気だ。近代的なキッチリした設備のところも良いが、たまにはこういった温泉も味わいだなと思うのであった。


激シブだった三峰の湯

 今晩の泊地である「道の駅 月夜野矢瀬親水公園」へやってきた。事前調査が不十分だったのだが行ってみて愕然とする。駐車スペースからトイレの間に普通の車道があって渡らないといけないのだ。一般的な道の駅使用としては致し方ないかもしれないが、自分のように夜間に複数回トイレに行く車中泊者にとっては由々しき問題だ。急遽予定変更で近くにある「道の駅 たくみの里」に移動した。

 個性的な道の駅で、一帯が小さな集落の様相を呈したエリアとなっている。駐車スペースが三か所に分散しており、24時間トイレのある小ぶりな駐車場にベストポジションを得る。車中泊者にとっての人気道の駅にあがっていないせいか、営業終了時間以降は閑散としており実に静かなもの。とはいえ住宅街の中にあるので治安的にも安心なので案外穴場かもしれない。大型も入ってこれない駐車場なので夜も静かに熟睡することが出来た。唯一難を言えば古いトイレが思いのほか匂っていてトイレの洗面台で歯を磨くのがためらわれたくらいだ。朝目覚めると自分を含めて三台が一夜を過ごしたようだ。

概略コースタイム

駐車地発(08:14)-十二山(08:51)-熊鷹山(09:23)-氷室山(11:13)-宝生山(11:29)-駐車地着(11:42)

カシミール3Dデータ

沿面距離:8.5Km
所要時間:3時間28分

撮影使用機材
・NIKON D5600
・AF-P DX NIKKOR 18-55mm 1:3.5-5.6G VR
・AF-S DX NIKKOR 18-140mm 1:3.5-5.6G ED VR

カテゴリー: 車中泊の旅, 県南・両毛の山 パーマリンク

ツツジの熊鷹山 への2件のフィードバック

  1. 野球親爺 のコメント:

    宝生峠。あまり耳にしたことがないです。この辺りは最近検索する機会がありませんでしたので、ここまで林道が延びているとは知りませんでした。以前に十二山から氷室山に行った時には道があった記憶はないように思います。いつの間にかできていたのですね。
    この界隈のシロヤシオも綺麗ですね。今年はツツジ類はどこでもいいですね。

    • まっちゃん のコメント:

      2014年の12月に陣地を歩いた時に、三滝へ降りる登山道が建設中の車道で消失してしまいあやうく遭難という状況に見舞われたことがありました。
      https://mattyan.me/2014/12/14/jint/
      建設中区間は当然地形図に記載が無かった為対処に苦労した思い出です。

      開通後はバイクでと栃木側から群馬へ走りました。
      https://mattyan.me/2018/05/12/sakuharasourisen/

      その時に思ったのは「宝生山は車から降りて散歩コースだな」と。
      いつかここから登ってみようと思っていました。
      宝生峠という名前はグーグルマップに載っていましたが正式名称であるかは不明です。

      今年のツツジは凄いですね。皆さんの記事を見ていると何処にでも行ってしまいたくなりますが体は一つ、天気は限られているので悩ましい限りです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA