荒船山


-『GeoGraphica』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成-

 金曜土曜と好天予報が出た。木曜日も良さそうだが既に半日仕事を入れてしまったので、午後から出発。
 ここのところ福島を攻めていたが、なかなか好成績が得られなかったので群馬へ転進である。

 前泊は道の駅しもにたを予定していた。いざ現地に入ると自分の希望するタイプの道の駅でなく却下。
 新しいのだが、トイレがあまりにも駐車スペースから離れている。傾斜がある。大きな通りに面していてうるさい。というのが理由である。

 次案として考えていた道の駅オアシスなんもくへ向かって車を走らせると、あれよあれよという間に街を離れ暗闇の道を突き進む。少し寂れた感じはするが、静かでありながら周囲に人家もある良い雰囲気の道の駅だ。

 猪苗代の道の駅のようにハイセンスな所も良いが、中途半端に街中にあると騒々しくて駄目。また郊外でもあまり繁盛してなさそうな場所も維持管理にお金が掛かっていないので駄目。まぁ、本来の道の駅の役目はドライバーが安全に休憩することが出来る場所として提供されているので、車中泊者の我儘は聞いて貰えないのは当たり前。嫌なら他を当たりな!ってな感じで、我々としては有難く一晩休ませていただいている事に感謝しなければならない。


早朝の道の駅にまだ日差しは届かない 野菜などの納品の軽トラがたまにやってくる

 先週泊まった道の駅しもごうは朝が寒かったので今回は対策をしてきた。最低気温は5度としもごうに比べれば2度高い。それでもやはり明け方に首や顔周りが冷たかった為、用意してきたニット帽とブランケットを首に巻いて対応が出来た。なんとか零度くらいまではこれでいけそうかなと自信を持つ。


R254より荒船山 大海原へ漕ぎだしそうな勢いだ

 下仁田から南牧に泊地を変更した影響で若干移動時間が多くなったが、ここまで来たらその差15分など、一晩快適な睡眠をとれるかどうかを天秤にかければ充分元が取れる範囲だ。


廻りこんだ場所から こちらも迫力 ぱっと見登路は果たしてあるのかと思ってしまう


まずは穏やかな登山道を出発

 駐車場に着くともうスペースがほぼ埋まっていて場所確保に苦慮する。皆さん、金曜日なれど好天逃すまじということなのだろう。結局自分の後に三台が強引に滑り込んで満車となった。その後は路駐組である。


まだ朝日が充分に届かず 影が作り出す迫力に圧倒される

 登山道は小ピークを巻きながらだらだらと奥へ奥へと続く。標高は遅々として上がらない。デジャブのように何度も山の襞を蛇行しながら縫う道も、時折陽が差せば鮮やかな黄葉の森が楽しいものだ。

 それにしても今日は本当に天気が良いではないか。
 先般の福島遠征で曇天優勢にたたられた残念な山行の留飲を下げるが如しだ。冷たい風が頬を冷やすが、それとてこの日差しの中では大きな問題ではない。


今日の天気は死角無しの好天 日差しが明るい


岩陵部に大夫近づいてきた

 登りらしい登りは艫岩の台地に登り上げる直前の標高差50mほどの急登だけで、この登りを終えてしまえばあとは延々と平らな台地となる。なかなか風変わりな山歩きだ。最近急登で責められる山が多かったせいか、今日は凄く楽に感じる。その分樹々の色づきを楽しむ余裕があるというものだ。


覗けば確かに落ちるゾ!

 台地に上がって最初に南側に切れている場所に「のぞくな」の警告あり。下から見た時に艫岩はヤバイ所だよなと思っていたが、こんなリスキーな場所なのにマジで誰でも覗きこむことが不可能ではないのだ。自殺したい人はどうぞ的なヤバさである。だが、ここから覗くのは「してはいけない事」だって誰でも本能的に思うよね。

 艫岩はクレヨンしんちゃんの作者である臼井儀人さんが2009年に墜落死した場所だが、きっと「覗き」の魔力に勝てなかったのだろう。


ここまでだね その横になった木から先を覗いちゃいかん


絶壁展望台より

 最初の崖地から程なくして広々と眺望が開けた絶壁展望台へと到着。胸をすく西から東へ180度の眺望だ。墜ちた人はこの景色が人生の最後の想い出だったのだろうか。いや、自分は今日は墜ちないで帰るのだから大丈夫。


左奥が佐久の市街地


浅間山は雲に隠れている 右下にちょこんと小浅間山


左手奥は明日登る鼻曲山 その裏に浅間隠山 右手奥は榛名山


眼下のR254 艫岩の影が不気味に写る

 艫岩を過ぎると後は台地状の殆ど起伏が無い平原を延々と南へ進む。今までにない新鮮な雰囲気に包まれながら歩いていくと突然石碑の案内があった。


石碑の案内あり


碑文は難しくて読めなかった


経(行)塚山の山頂はあまり眺望は良くない

 山頂直下の標高差僅か70m程で最後の一汗を絞られると、眺望の無い静かな荒船山最高峰である経塚山の頂へ。暖かな日差しを受けたシーサー達がお出迎えだ。


シーサーの居る石祠

 山頂でカロリー補給ゼリーを流し込むだけ。これだけ空気が冷たいと暖かなものが食べたいところだが、最近の一連の山行はザックの中身の軽量化の為持ってきていない。だが今日だけはちょっぴり残念であった。


来た道を戻る むせるような黄葉が美しい


そして紅葉も


行きに見過ごしがあれが経塚山 西上州の山はどこもなんとなく尖がってるなぁ


岩稜下の赤や黄色に日が照っていて鮮やか

 この山も人気の山で、朝の駐車場争奪合戦はもとより、自分がほぼ下山が終わりつつある頃にまだ下から登ってくる人が後を絶たなかった。艫岩の外見の凄さとは裏腹な穏やかな歩きが出来るルート。それでいて艫岩からのダイナミックな眺望。人気が出るのも頷ける。経塚山まで行かなくても艫岩まで登れば充分達成感があるだろう。


遠く妙義山 いやはやあそこはどうなっているのやら

 車もまた朝来た道を引き返すが、妙義山など絶景を見つけると途中の駐車場に停めながら写真を撮り進むのでなかなか先に進まないのが悩み(笑)


国道から荒船山絶壁眺望地をズームで あそこは落ちたらいかん場所だわ


そして妙義山までやってきた

 今日の温泉はというと、途中荒船の湯という温泉があったが、そこはスルー。
 妙義ふれあいプラザ妙義温泉「もみじの湯」を計画していた。ずばり、露天風呂から間近に妙義山のゴツゴツした姿を眺められる最高のロケーション。併設される道の駅みょうぎに泊まるのもアリかなと思ったが、明日の事を考えるともう少し登山口に寄せたほうが良いと考え、風呂上がりの体を休憩室で冷ましてから更に車を走らせた。

概略コースタイム

内山峠駐車場発(08:27)-1158.6m三角点(08:56)-艫岩絶壁(10:00)-皇朝最古修武之地(10:19)-
経塚山(10:45)-艫岩絶壁(11:25)-修行岩末端(12:12)-内山峠駐車場着(12:54)

カシミール3Dデータ

沿面距離:11.5Km
所要時間:4時間27分

カテゴリー: 車中泊の旅, 群馬県の山 パーマリンク

荒船山 への2件のフィードバック

  1. リンゴ のコメント:

    荒船山と言えばクレヨンしんちゃんの作家を思い浮かべますね。
    確かにこれは覗いたらヤバそう・・・ゾクゾク

    • まっちゃん のコメント:

      いや、ホントゾクゾクでしたよ。
      自殺には良いかもしれませんが、遺体回収で皆さんにご迷惑をかけるのでお勧めできません・・・
      って、そういう問題じゃないか(;^ω^)

      それにしても西上州はこういう荒っぽい山が多くて面白いです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA