-『GeoGraphica』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成-
※当コースには一般登山道でない箇所が含まれています。参考にされる場合は自己責任でお願いします。
関連山行
2015年10月18日 西平岳を目指して釈迦ヶ岳
2016年02月27日 冬期釈迦ヶ岳登頂 だが雪は少なくちょっと残念
5時にセットした目覚まし時計だが、どうも天気予報がスッキリしていなかったので珍しく布団の中で逡巡する。守子登山口から釈迦ヶ岳に登り、権現沢左岸尾根で周回するこのルートは腹案であった。どうせなら花が咲いているいる時期が良かろうと、それも好天の空に映える鮮やかな花をと思っていたのだ。諸般の事情で、今日を逃すと次の山行可能な日にはもはや花期も過ぎてしまうことが考えられた。見上げる空の鉛色には正直残念な気持ちでもあるが、今日は歩き重視と自分に言い聞かせて出発した。
昨秋から三度目の守子神社登山口だが、今日は先客の車が2台あった。いつもは自分のほうが早いものだが、今日はグズグズしていたのでどうやらビリのようだ。
登り始めて程なくすると、ヤマツツジが新緑の森に色を添える。更に進み、登山道に落花した花弁を見るようになればその先はシロヤシオとミツバツツジの競演となる。つくづく青空が無いのが残念。肉眼ではそれなりに美しいのだが、写真に撮るとご覧のようにまったく精細に欠ける。『今日は天気が良いから山に花を見に行くか』なんていう身分に憧れるが、何時になったらそんな日が自分に訪れるやらと溜息をつく。
前山までは結構急登、そのあとダラダラで釈迦ヶ岳手前で再び急登。空の具合を反映してか今日は調子が今ひとつ上がらない。体が重いような気がする。今週は水曜木曜とスポーツクラブでいつもよりきついレッスンがあったせいと、せいぜい言い訳にしておこう。
天気のほうは、本州が高気圧に覆われているとはいえ、弱い高気圧で等圧線が広めとなっている。周囲に低気圧もあるので湿った空気が入り込む典型的な高気圧曇りのパターンだ。だが雨の心配はあまりなさそうだ。
下界は雲間から青空が覗いているのできっと好天だろう。だが山側はガスが常に支配を続けている。時折日差しが覗くもごく一瞬である。
もっとも、今日のバテバテコンディションで陽がガンガン当たったらそれはそれで辛そうだ。ひんやりしたこのぐらいのほうが自分は好みだな。山登りは雪があっても無くても冬が一番快適だと感じる自分の登山シーズンはもう秋までお休みになりそうだ。あ、その前に奥日光の”あの一座”だけはなんとかしたいところだが。
ここまで登山者には一名も会わなかったが、釈迦ヶ岳の山頂には沢山の人が休憩中であった。眺望はガスでまったく無く、遠く大佐飛山方面が雲の上に微かに浮かんでいた。時間が早いから食事は八海山神社あたりでと考えている。シャリバテ防止で小さなパンをひとかじりして次へと急いだ。
大間々方面へと進むと次から次へと登山者が登ってくる。いったい何組(何人)と交差したのか記憶に無いほど上がってくる。かように天気が悪くても皆さん目指してくるのはやはりメジャーな山の証拠と痛感した。
山頂から暫くは急な斜面を時にはロープを頼りに下っていく。雪のある時期にここを通過する記事を見たことがあるが、流石にこれは危険過ぎる。やはり冬季釈迦ヶ岳は守子神社ルートしかないなと再認識。
剣ヶ峰手前の1540mpにはアカヤシオが唯一残っていた。期せずして見ることが出来たので嬉しいものだ。そして、下った鞍部から見える矢板市最高地点。なかなか大きくどっしりしている。僅か標高差100m程度だとはいえ、あそこまで登り返すと思うと若干気後れしてしまうのはやはり今日の不調の証。
やれやれ、ここまで来ればもう後は登りは無し、順調に下り八海山神社に着くと丁度時間もピタリでお昼になった。今ひとつさっぱりしない空模様だが、それでも明るく開けていて気持ちが良い。釈迦ヶ岳は濃いガスに覆われているから、先ほど急登を喘ぎながら登っていった人達が気の毒である。
山頂から戻ってきた人達も、今日の様子では・・・と心得がある方は敢えてこちらで食事と考えているようだ。自分も何回か八海山神社には来ているが、ここで沢山の人に混じって食事をしたのは初めてである。
食事を終えて青空コースで下降開始。スッキリ晴れていれば爽快な下りだが、今の時期このくらいの標高になると遠望は霞んでしまう。空気の済んだ秋のコンディションの良い日か冬場がここを歩く適期ではないかと思う。
尾根末端まで行き、大間々へと北には降りずそのまま直進する。以前からミツモチ山方面は此処のショートカットが早いと思っていたが、登山道は無いと思い込んでいた。以前通過した時は気付かなかったが、今回改めて見ると小さな道標があり、踏み跡が続いている。藪漕ぎで強引に降りてしまおうと考えていたのでちょっと拍子抜けだ。なお、下の写真右は降りきって林道に出た所の道標。林道からこのショートカットを登るには少し奥まった所にあるこの小さな道標を見落とさないようにしたい。
砂利の林道を歩くことしばし。ミツモチ山まで400mの道標地点から尾根へいよいよ突入する。笹薮の丈が心配だったが、見渡すかぎり膝丈程度。歩くにはまったく支障がない。出だしは緩斜面の広尾根なので進路角を確認しながら進むが、やがて尾根形もはっきりしてきた。そして、突然笹が途切れて林相が変わると・・・
そこだけ、鹿に皮剥ぎされた木が目立つ異様な光景。山の中を歩いているとたまに見かけるものだが、ここまでのものは初めて見た。それも一本だけでなく、辺りの木がことごとくやられている。鹿にとっては皮むきの溜まり場なのかもしれない。
皮むき場から暫く進むと再び笹が出てくるも時折薄くなると鹿の踏み跡がはっきりと見分けられるようになった。此処を歩く人は少ないようで、靴による踏跡にはまったく気づかなかったが鹿の足跡は明瞭なものが幾筋もあった。
1001mPには標柱あり。ミツモチ山の林道から此処まで人造物は皆無だったのでちょっと突拍子な感じがしたが、このルートを歩いた先人の記録にも出てくる陸軍の軍用地を示す標柱である。
ミツモチ山から下る今回のルートは実は地形図に破線道として記載されている。かっては道が存在していたのかもしれないが、今やその面影すらなく全てが自然に還ろうとしている中、この標柱の存在のみが歴史を物語っているようであった。
この前後には木に赤ペンキも見られたが、自分の考えたルートとは離れていくので途中で追うのをやめた。ペンキルートは西側の沢寄りを進むような感じになっていた。
途中シロヤシオの群生地があった。残念なことに空の色が芳しくなかったので写真の出来は散々だったが、特に権現沢寄りの西側は遠目にも見事な咲きっぷりであった。来年の花期に再訪し、もう少し小回りのルートでこの自然豊かな尾根をじっくり時間をかけて楽しみたいものだ。
大きめのヌタ場脇を過ぎるとヤマツツジが出てくる。この辺りから地形が少し複雑になってきて、地形図だけでは読み切れない起伏などが出てくる。斜度が緩くなると広尾根になりGPSで進路を探る。真っ直ぐ行くと林道に突き当たるのは間違いないが、崖地記号が気になるので破線道跡を辿るように進んだ。
最後は平坦な笹原を進み林道尚仁沢線へ接合。やれやれである。
あとは林道をひたすら進むのみ。序盤砂利道だった林道には車の轍や比較的新しいオフロードバイクのタイヤ痕も見られる。道路の崩落も無いので現役林道のようだ。やがて舗装に変わると今度は林道守子線に接続する。その先で尚仁沢を渡る橋の名が精進橋となっている。なぜ素直に尚仁橋としなかったのは不明だが、何かこだわりでもあったのだろうか。面白いものである。
概略コースタイム
駐車地発(07:28)-守子神社(07:54)-前山(09:12)-釈迦ヶ岳(10:27)-剣ヶ峰直下(11:35)-
矢板市最高地点(11:51)-八海山神社(11:58)-昼食休憩-行動再開(12:35)-
ミツモチへのショートカット入口(12:51)-林道へ接合(13:05)-
権現沢左岸尾根突入地点(13:25)-陸軍標柱(13:58)-林道尚仁沢線へ接合(14:22)-
林道守子線へ合流(14:37)-精進橋(14:39)-駐車地着(14:53)
カシミール3Dデータ
沿面距離:14.7Km
累積標高差:(±)1,283m
所要時間:7時間25分
権現沢周回お疲れ様でした。
今ひとつ天候がすぐれないご様子で残念だったと思いますが、いろいろなツツジを愛でることができて良かったのではないでしょうか。
釈迦ヶ岳へのメインルートはかつては日塩道路からだったと思いますが、今は大間々からのようですね。
守子ルートの静けさは今後も続くように願っています。(自分勝手な思いですね。)
梅雨が来る前に懸案のあのお山に行かれるような気がします。
最近のまっちゃんさんの歩きは充実していますからね。
野球親爺さんの権現沢左岸尾根記事を見て深く同感したのは谷沿いのシロヤシオの見事さです。
この尾根は難しい所や危険箇所も無いですが、自然の深さを感じることが出来た良い尾根ですね。
釈迦ヶ岳の南面エリアはこれからもこの状態で静かであり続けて欲しいと自分も願っています。
守子神社ルートはグリーンシーズンも想像通り素敵な雰囲気ですね。
ミツモチ山から権現沢左岸ルートは今の自分には難しそうですが、かつては道があったという辺りに興味がそそられました。
今度行ったときに尾根取り付きだけでも偵察してみましょう。
今回は自分も秘密の花園みっけ。
といった感じでしたが、空模様が生憎。
そうはうまくいかないものですね(^_^;)
会心の・・・
という花山行を目指してまた修行します。
おはようございます。
相変わらずまっちゃんの縦走(周回を含む)レポには
驚かされます。
特に年が明けてからは凄い!!!
今回は晴天にはならなかったものの、随所に花園が
見られての山行 満足なさっているように思えます。
ケン坊は外野席から観戦し、時に臨場感を感じさせて
頂いてます。ありがとうございます。
いつまで元気に歩けることかまったくわかりませんが、
出来るうちにこんな歩きをと、思っています。
今回歩いた尾根は手付かずの自然が豊かな静かな趣ある場所でした。
機会があったら再訪したいと考えてます。
去年、シロヤシオオフ会で、何となく勢いで登ってしまった釈迦ヶ岳。
八海山神社回りでも、もうダメ~。だった私。(^^;(^^;
やー、ちょっとの歩きで、大展望。大満足が得意なので。(笑)
静かな尾根歩きを楽しまれたことと思います。
新緑の中にツツジの色が鮮やかですね~。
南からのルートはじんわり上がっていきますが、八海山神社からだと
終盤ズドーンと高度を上げるのでかなりキツイと思いますよ。
もうすぐ大入道のシロヤシオが盛になると、リンゴさんやお仲間達も高原山へ集結ですね。
chikoやんさんは今年も参加されますか?
やはり花は晴れた日に見たいなぁと今回は自分も痛感しました。
こんばんは⌒o⌒*
ううっう~ん。どこを基点に周回?と地図で確認してしまいました~!
こうつなげる案が凄いなぁと思います。
鹿の皮剥き後、枯れないといいですね。。。
このルートは、拙ブログでいつもコメント頂いている野球親爺さんはじめ、
何名かの方の記録がネットにも掲載されています。
地図を見ていて、此処はこう歩けるじゃないかと思って計画すると、
皆さん考えることは一緒のようで、ネットで初出のルートを歩くのはなかなか
難しい状況になっていますが、こういう所をわざわざ歩くって楽しくて病みつきになります。
鹿の皮むき、ワイルド感が一杯でしたね。