かまど倉の洞穴


-『GeoGraphica』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成-

かまど倉の過去の記事
    2008年12月13日  かまど倉と川化山

関連山行
    2020年02月15日  久々に里山徘徊
    2009年12月23日  紫雲山縦走
    2007年02月25日  かまど倉はどこかいな


 この冬は近場の山を復習しようと思いYAMAPを見ていたら、かまど倉に洞穴があって皆さんそこを歩いている様子。かまど倉は過去に三度計画して一回目と三回目は失敗という因縁の山。一回目はビギナーズロストコース。三回目はバリルート故の安全確保撤退。四度目の今回は通常コースを登り下山は最近開かれた新道を下る。

 東武線板荷駅南方にある川化集落より林道川化線に入る。墓地まで進みそこが駐車地となる。以前(2008年)はパジェロミニに乗っていたので林道終点まで車で入ることが出来たが今回はここまでとする。

 しばらく林道を進む。低床のシャトルでも上がってこれそうだが左右の枝が張り出すようになるともはや難しいだろう。パジェロミニ停めた記憶がある林道終点からいよいよ登山道となる。登山道と言っても恐らく廃作業道のような沢詰めのルートで結構荒れている。


林道最奥地点から山道へ


古い杣道を登る

 沢道から外れていよいよジグザグの急登にかかる。ほどなく上の方にぽっかりと明るい空が見えた。飛び出した伐採地の上には青空をバックにして鉄塔が屹立していた。


ジグザグを登り詰めた先に鉄塔


鉄塔下より


幾何学模様の美しさ

 鉄塔基部端の笹薮をかいくぐるとしばし植林帯の稜線になる。かつて数多の三角点つなぎ歩きをしてきたが、その頃を彷彿させる雰囲気の尾根歩きが懐かしくなった。直下の急登をこなすと15年ぶりの山頂に到達。相変らず眺望の無い静かな頂である。最近この山域でよくみられる小さな山名板とお地蔵様が静かに迎えてくれた。


眺望が無いかまど倉山頂

 2008年に登った時は山頂から南に下り洞穴の真上までのルートを歩いた記録がある。当時は洞穴へのルートは案内が無かった気がするが、かなり古くから西側の引田から山頂へのルートは存在していたので洞穴は知られていた筈。だが当時のネット情報には露出していなかったようだ。


洞穴へ向かう

 標高差70mの急降下で小洞穴、そこから30m登り返して洞穴へ到着。洞穴の中から物音がしたので仰ぎ見ると先客の女性が丁度撤収するところ。入れ替わりで洞穴内部に入りザックを降ろした。


こちらは洞穴というか割れ目かな


右下に梯子あり あとはロープ頼りで洞穴内部へと登り上げる


洞穴内部より


正面は二股山

 今日は天気が良く気温も高い。日差しの届かない樹林帯とはいえ登り返しに汗が噴き出す。本日二度目の山頂を経て東端の展望岩で昼飯にした。


かまど倉山頂稜線東端で食事休憩

 展望岩からは好眺望。古賀志山稜のゴツゴツした姿、手前の紫雲山(次石山稜)が全貌を晒している。食後のコーヒーを飲んでいると山体の右端から取り付き左端の小倉城山まで歩いた記憶が蘇ってきた。


奥、古賀志山 手前、紫雲山


雲に浮かぶ加波山と筑波山


二股山もこちらからだと南峰が隠れていて宇都宮方面から見た姿と違って見える

 往路を戻り鉄塔下から分岐して川化山への穏やかな尾根へと入る。今でも歩く人は少ないようで踏み跡は一気に薄くなるが、静かな尾根歩きが実に心地よい。


稜線を川化山へと進む 静かな良いルートだ


440mP手前鞍部より高原山


そして日光方面 手前は羽賀場山


440mPから川化山

 川化山直下は岩の要塞。右手に向かうトラバースで岩を回避して山頂尾根の肩に乗り、僅かに進めばこちらも相変わらず眺望の無い山頂に到達だ。山名板の後ろ、樹間越に羽賀場山が大きい。


眺望に乏しい山頂 後ろに羽賀場山


遠く白根山と男体山


さぁ、下山だ

 今回の下山ルートはYAMAPでも最近歩かれている先月開設された渡辺新道を辿る。


先月開設という渡辺新道を下る


ステップが切られていたりする

 序盤の急斜面はジグザグに作られた真新しい道。途中で付けられた掘っただけのステップも歩く人が増えればやがてならされていくのだろう。谷沿いに降りていくのでルートが作られていなければ自分は直下降してしまうところだ。だが敢えてルート開鑿されているのだから素直に黄色テープを追っていく。

 ふと動物の走り出す音。鹿が三頭食事中の所に踏み込んでしまったようだ。急斜面を見事な跳躍で慌てて逃げて行く。こちらは危害を加えるつもりゼロなので対面を楽しみたかったが彼女ら(角が無いので雌)には届かなったようだ。否、むしろその方が良い。奥日光の鹿などは登山者が多いため、心ないハイカーの弁当目当てで人馴れしている個体も多く、カメラを向けても逃げない事が多い。野生はありのままで気高くあって欲しい。人間との距離をみだりに縮めるべきでは無いと思うのだ。


おっと、鹿三頭に遭遇


見事な跳躍

 車に戻り帰路の林道出口ゲート。往路は開いていたので案内に気づかずそのまま通過したが、帰りは施錠した。墓参の地元の人と登山者、鉄塔巡視作業員や林業関係者以外は通過する事の無い林道だ。たぶん本日最後の利用者である自分の責務であろう。


川化林道入り口は車道もゲートあり


朝は開いていたのでそのままにしてしまった

概略コースタイム

駐車地発(09:56)-鉄塔(10:59)-かまど倉山頂(11:16)-洞穴(11:46)-食事地点(12:07)-
昼食休憩-行動再開(12:45)-鉄塔(12:57)-川化山(13:36)-渡辺新道分岐(13:43)-
鹿に遭遇(13:56)-往路に復帰(14:03)-駐車地着(14:20)

カシミール3Dデータ

沿面距離:6.8Km
所要時間:4時間24分

撮影使用機材
・NIKON Z50
・AF-P DX NIKKOR 10-20mm 1:4.5-5.6G VR + FTZⅡ
・NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR

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かまど倉の洞穴 への2件のフィードバック

  1. 野球親爺 のコメント:

    かまど倉と川化山はルートを変えて三度ほど歩いた記憶があります。最後は10年以上前だったでしょうか。
    洞穴は気がつかなかったのか見ていても認識していなかったのかとんと記憶がありません。最近は県外ばかりだったのでこの界隈を洞穴を含めて歩いてみようかと思いました。有難うございました。

    • まっちゃん のコメント:

      次は今回の駐車地である墓地裏の尾根から取り付き、400mP経由で歩こうかと考えています。

      また、以前考えていた大関集落からのロングコースも今回洞穴周辺が判ったので可能性が出てきました。
      以前はこの洞穴に突き当たって山頂を諦めた記録が多かったので朗報だと思います。

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