三重の旅 異郷の釈迦ヶ岳


-『GeoGraphica』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成-

 昨晩の泊地、「道の駅 菰野」は住宅地の中にあり大変静かな場所であった。大型車の駐車スペースは数台だが、そこに「夜間アイドリングは通報します」と掲示されていた。トイレの窓から見える裏の民家に洗濯物が干してあるのが確認出来るほどだから至極当然。大型ドライバーも心得ているのか一台も入ってこなかった。

 道の駅の営業自体も食事の提供が無くなっており、どちらかというと寂れた感じだ。だが車中泊者にとってはまったく問題無い。むしろ周囲に民家があるお陰で静かで治安が良く、歩いて行ける所にスーパーコンビニ飲食店があるところは大いにプラス評価だ。

 24日を休みにすれば4連休という可能性もあり、そのせいかもしれないがこの小さな道の駅の車中泊者はかなり多いと思った。鈴鹿セブンマウンテン狙いとおぼしき若者がエンジンをかけっぱなしで、シートを倒しただけで寝ている姿も見られた。登山基地としての利用価値が高いのかもしれない。そんな車は明け方にロケットのように出発していったから、熾烈な登山口駐車場確保に賭けているのだろう。

 昨日の鎌ヶ岳でも思ったのだが、鈴鹿山脈の登山者は圧倒的に若者比率が高い。一般的な山では圧倒的に中高年というのはもはや普遍的な事実。だがここはまたっく違っている。右を見ても左を見ても山ガールと山ボーイ。色彩に乏しいウェアの自分は気後れしてしまう。

 今日登る山は鈴鹿セブンマウンテンを構成する釈迦ヶ岳である。その名前から、栃木県民としては矢板市西方の高原山にある釈迦ヶ岳がピンとくる。だが同名の山は結構多く、ざっと数えたところ栃木・山梨・三重・奈良・福岡・宮崎の各県にあるようだ。

 登山口のある朝明渓谷駐車場(有料500円)へ着くと平日の割には半分近く埋まっていた。ナンバーを見るとほとんどが近県で、一番遠いのが神奈川県。当然宇都宮ナンバーなんていうのは見当たらない。自分の車を見た人は一体どうしてこんなところまで山登りに来たのだろうか、いやいや転勤でまだ車の登録が済んでいないんだよ・・・等々思っているに違いないだろう。


登山口


岩が露出している道 しばらくは急登に喘ぐ


眺望が開けると猫岳が大きく見えはじめる


この山の正体が見え隠れ


御在所山方面はガスに覆われていた

 岩場をクリアすると眼前に痩せ尾根のピークが出現した。今日のルートの核心部だ。キレット(鞍部)まで一旦急降下して眼前のピークへ登り返す。キレット部は痩せており東の谷側に滑落すると急峻な谷に吸い込まれてまず助かる事はないだろう。


釈迦ヶ岳最高点への痩せ尾根 キレットから登り返すが案外道はしっかりしている


キレットから見た手前側の下降ルート


最高点には道標一枚のみ 眺望は東側の市街地方面がある


そして山頂へ 鈴鹿セブンマウンテン二座目


こちらも東側の山麓市街地眺望がメイン




下山路は幾つかの穏やかなピーク越え


真ん中が最高点 その右側が通過してきたキレットだ


下山路の二つ目小ピークが猫岳


ネコの顔を模した岩にプレート道標が埋め込まれている




登りのハードなルートに比べると至って穏やか 稜線歩きが楽しい


ところどころ露出した花崗岩が目を引く




羽鳥峰到着 下を見ると・・・


ネコの地上絵が


石を並べて描いている 日付が昨日になっているので日々更新しているようだ

 下山する頃から天気がくだり気味で空が暗くなってきてしまったが、全般的に変化のあるルートでなかなか楽しい歩きであった。地上絵の所には役所の掲示があって「自然物の石を移動して絵などを描かないようにしてください」とあった。この程度のお遊びなら許されるのではと思うのだが。さて如何に。

 下山後は菰野に戻り「アクアイグニス」というちょっとお洒落な温泉(値段はリーズナブル)で汗を流して休憩。「道の駅 菰野」がことのほか良かったので今晩の泊地を変更して連泊することにした。夕食は久々にスーパーの総菜ではなく道の駅から歩いて数分の中華料理屋に行き定食を食す。ビールでも付ければ最高なんだけど車中泊の時は万が一の車移動に備えて飲まないというポリシーは崩さないでいる。

概略コースタイム

駐車場発(07:42)-展望岩(09:08)-釈迦ヶ岳最高点(09:44)-釈迦ヶ岳(09:51)-
猫岳(10:25)-二子山分岐(11:05)-羽鳥峰(11:14)-朝明渓谷(11:56)-駐車場着(12:14)

カシミール3Dデータ

沿面距離:8.6Km
所要時間:4時間32分

撮影使用機材
・NIKON Z50
・NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR

カテゴリー: 車中泊の旅, 三重県の山 パーマリンク

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