山梨より富士見2023 大菩薩嶺


-『GeoGraphica』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成-

 昨晩は塩山郊外にある『道の駅 花かげの郷 まきおか』に車中泊した。大型が一台、少し離れた場所に停まって一晩中アイドリングしていたがさほど気にならないレベルだった。ちょっと残念だったのは最短箇所でも階段を登って割と長い距離を歩かないとトイレに辿り着かなかった事。深夜と未明の二回ここを歩いたが寝ぼけまなこにとっては結構キツイ。実はトイレに一番近いのは大型の真横。これは絶対ない。従って自分がこの道の駅を今後利用する可能性はかなり低そうだ。

 今日登る大菩薩嶺は昨日まで居た富士五湖とは少し離れている。むしろ宇都宮に帰るルート上にある山といった感じではあるが、日本百名山なので超人気の山だ。それだけだったら選ばなかったかもしれないが、今回の山旅のテーマである富士見ということでは知られた山でもあるのだ。登るルートは上日川峠から唐松尾根を登る時計回りコース。標準コースタイムでも3時間半程度のお手軽コースである。 


上日川峠の登山口に明瞭な案内板 流石日本百名山


登り始めは登山道を行くが・・・

 登り始めは登山道を歩いた。ところが登山者の皆さんは並走している車道(駐車場が奥にないので車は滅多に入ってこない)のほうを一様に歩いているではないか。もう一度地図を見直すと車道は福ちゃん荘まで伸びているのでそちらを歩いたほうが効率が良いということだ。登山道は下山の時に歩けばいいやと自分も舗装道歩きに混じる。


皆さん車道をちゃっちゃっと行くのでそれに倣う


周回ルート分岐点にある福ちゃん荘 売店+宿泊(風呂付)


福ちゃん荘前は大きな広場となっている


ここにも明瞭な案内板あり

 その名の通り、唐松が並ぶ尾根をじりじりと高度を上げる。次第に後方の風景の抜けが良くなり富士山の雄姿、南アルプスの山並、塩山の市街地が、どんどん明瞭な眺望を繰り広げていく。あまりアングルに変化は無いが、それでも立ち止まってはシャッターを切る連続。お陰で登りの疲れなどまったく感じない快適な登路だ。


唐松尾根は背に富士山を背負いながら登る快適ルート


南アルプスの山並と塩山市街地


こんな感じの所を登るので景色はすこぶる良い

 大菩薩嶺の主稜線に乗り上げた所が雷岩。ここからの眺望も素晴らしいがまずは黒木の森を進み大菩薩嶺へ。山頂は木に覆われていて眺望は全く無し。先ほどまで登りの汗をクールダウンした風もいささか寒く感じる。ウィンドウブレーカーを羽織り小粒パンを齧って即出発した。


大菩薩嶺は木に覆われていて眺望無し

 雷岩からの眺望は登路と大差は無いが写り込むものが多いのでまた違った味わいとなる。それにしてもこの三日間富士山がよく見えたが、タイミングによっては晴れていてもガスに覆われていて見えないことも多いらしい。富士山は見るのも難しい山のようだ。


雷岩からは好眺望


眼下の福ちゃん荘


抜けの良い景色がしばらく続く

 スマホアプリの「AR山ナビ」をインストールしてあるのでたまに山で使う事があるが、なかなかキッチリと合わせて調べる事が難しい。今回は案外うまく行ったので掲載したが、左端のほうにいくに従って少しずれているのが残念。手持ちだとシャッターを押す瞬間にもずれてしまうのでスマホ三脚に固定して撮るのが良いかもしれない。


スマホアプリで調べるとこんな感じ

 雷岩からは終始気持ちの良い稜線下り。富士山と南アルプスはいつでも見ることが出来るし本当に気持ちの良い歩きだ。人気ルートなのが納得できる。


語呂合わせの標柱


大菩薩峠へ向かう稜線が気持ち良い


振り返って大菩薩嶺




親不知ノ頭先にある岩場から




登山者も多いが耐え難いほどの数では無い


大菩薩峠はすぐそこ



 大菩薩峠には介山荘があり、福ちゃん荘同様に飲食宿泊が可能。全区間歩いても3時間程度なのにここに宿泊するのはある意味贅沢な行為だなと思う。もう少し歳をとったら家内と一緒に泊まりに来るのもよかろう。

 大菩薩峠から福ちゃん荘への下山路は斜度も緩く歩きやすい道だ。何組かの超高齢者グループ(ざっとみたところ80代以上)が登ってくる。なるほど、危険も無いし体力と相談して親不知ノ頭あたりまででも良いルートだと思う。


峠からの時計廻り下山区間は終始斜度も穏やかな道


中里介山が「大菩薩峠」を執筆したという勝縁荘 人の姿は無かった

 下山後に予定していた道の駅の併設温泉が定休日であった為、僅かに塩山寄りにあるその名もずばり「大菩薩の湯」に立ち寄る。無色無臭、さらりとした泉質だが僅かに肌にぬめりを感じる高アルカリ性泉質が心地よい。源泉を加温しているが、露天内湯共に恐らく41度くらいか。決して高くないので自分好みで長時間入っていられる。泊地まで食料調達箇所が無いので今晩は手持ち食料で凌ぐことになる。移動以外の時間を必要としないので長めの風呂と休憩室での昼寝。明日の帰宅がまだ一日残っているが温泉で旅の疲れを癒すことが出来た。


ネーミングがいかにも だが良いお湯だった

 国道411号を北上する。高規格のこの道路はよくぞこの山奥に作られたものと感動レベルの道だ。ループ状に作られた道も太い橋脚が谷深くより突き出し道を支えている様子は圧巻。上日川峠から戻る時、車窓からあちら側の山の合間に白く光る構築物が気になっていた。一体何だろうと思っていたが正体はこの橋脚であった。三桁400番台とはいえ相当金のかかっていることは一目瞭然だ。
 最近工事でルートを変更した箇所が何か所かあり、そのうちの一ヶ所が『富士山の見える展望台』として再利用されていた。車を降りると、夕方の弱い光に照らされる富士山とのお別れである。


夕方の光が差し込む 既に遠くなった富士山に別れを告げる

概略コースタイム

駐車場発(08:27)-福ちゃん荘(08:58)-雷岩(10:06)-大菩薩嶺(10:17)-
親不知ノ頭(11:03)-大菩薩峠(11:30)-勝縁荘(11:56)-福ちゃん荘(12:10)-駐車場着(12:35)

カシミール3Dデータ

沿面距離:8.1Km
所要時間:4時間8分

撮影使用機材
・NIKON Z50
・NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR
・iPhone 13 Pro Max

カテゴリー: 車中泊の旅, 山梨県の山 パーマリンク

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