山梨より富士見2023 毛無山、十二ヶ岳


-『GeoGraphica』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成-

 今日は最高の天気予報日。今回の予定山行では一番大変そうなルートを歩く。昨晩の「道の駅 かつやま」は河口湖のほとりにあり静かなことこの上無い。大型の停車もない静かな夜。深夜、トイレに向かう時、頭の上に降り注ぐ星空が拡がっていた。

 毛無山登山者用駐車場までは車で10分程だ。非常にわかりづらい場所だが昨日既に偵察済だから迷わず一発で行くことが出来た。先客のナンバーを見ると地元の車が多い。天気の良いこの日に歩かずしてどうしようという地元っ子達が集まっているようだ。


登山者用駐車場 7時前で片側は満車

 YAMAPのログを落としてきたのでGeoGraphicaを見るが、登山道の案内が一切無い。ログ通りに進むのが下の写真で左上に登っていくルートとなる。下山後に知ったのだが正しいルートは一旦県道まで降りてトンネルを超えた先にあるという。近道なので皆さんこちらを歩いているようだ。


ここから登山開始だが道標無し

 暫くすると斜面の上や下に墓地が拡がる。どうやらこの道は墓参の為に作られた道のようだ。それにしても斜面の上に拡がる箇所は、ご高齢な方はよほど足が丈夫でないとお参りにいくのが大変だろう。

 なおも進むと旧日本陸軍の忠魂碑があり、ここで正規登山道と合わせる。


陸軍忠魂碑


忠魂碑脇の植林帯を登っていく

 北向きの植林帯。日が差さないので肌寒い。地味な感じの尾根詰めは久しぶりだな。冬の鹿沼あたりの里山徘徊が懐かしい雰囲気だ。標高差300mを獲得して三角点標石と落ちた山名板しか無いミネ山で一休み。


ミネ山 点名も『峰山』

 標高が1400mを超える頃から眺望が拡がった。今日も富士山がよく見える。手前は昨日歩いた三湖台から足和田山への稜線だ。昨日はあちらに立ち、間に何も置かない富士山を眺めた。今日はほぼ同じ角度で、間に足和田山を挟んだアングルとなる。


毛無山の山頂下あたりで眺望が開ける 手前に足和田山の稜線

 富士山より右側に目をやると大きな山塊が目に入る。手前の小ぶりな三角錐は竜ヶ岳。今回計画していたが日程調整で落とした山だ。その先、雨ヶ岳から毛無山(1945m)に延びる稜線が登高意欲をかきたてる。だが雨ヶ岳~毛無山は笹薮に覆われているという。体力が要りそうだな。

 あちら側の毛無山の記録を見ると朝霧高原からのピストンが多い。それでも次に機会があったら歩いてみたい山だ。ちなみに竜ヶ岳からの県境尾根は「天守山地」と呼ばれており、地元登山者に愛されるルートらしい。自分もこの地に住んでいればきっと通い込んだに違いないだろう。


向かい側も毛無山だが標高が400m以上高い


山頂へ到着 登山口から標高差580mを一気に登った


金属看板と富士山


反対側は渋い山名板 こちらも佳き哉


一~十二まで山名板が続く(十だけ見落とし)


四ヶ岳からはとりわけ眺望良し




あそこが十二ヶ岳か(実際には右手奥のなだらかな所)


断層で岩が剥きだしている 迫力あるな

 十二ヶ岳に向かう岩稜は所々にロープ場鎖場が出現する。いずれも規模や難しさがさほどでもないが、十一ヶ岳から鞍部に降りる標高差50mの下降は結構厳しい。下降前に眼前に見えるのが十二ヶ岳か?あの急峻な岩稜にどうやって登るというのだ。その前に、まずは地獄に降りていくような急降下だ。


ラスボスピーク 真ん中の暗い箇所がルートだ 登れるのか?


鞍部は吊り橋 岩峰間を繋ぐ

 吊り橋はしっかりと作られているが、若干揺れもあり足もとは結構な高度差がある。高所恐怖症の方は難所となるだろうが、そもそもここまで岩場を歩いて来たのだから今更感もある。

 橋を渡った後は鎖場連続の140m標高差の急登。これがなかなかに堪える。両手をしっかり使いたかったので、カメラをザックにしまいストックを畳んだ。特に難しい岩場ではないが、とにかく登っても登っても次の鎖が出て来るといった感じ。気を抜けば事故になりかねないのでそこもまた疲労に拍車をかける。

 ようやく斜度が緩んだ1683mPは十二ヶ岳ではなく南への下山道分岐となっている。雰囲気的にはここが最高点なので十二ヶ岳としたいところだが、山頂は少し先のほぼ同標高の箇所にあった。こちらには真紅に塗られた小さな社と最後の”十二”ヶ岳山名板。そしてお約束の富士山。


最後のピークへの鎖場急登にヘロヘロになりながらもようやく十二ヶ岳


ここも富士山が見守ってくれている


薄い雲のベールが綺麗だ


反射する湖面のさざ波が美しい


“ひとり”の部分が欠けて無くなっているが、特に危険個所でないように感じた


お地蔵様がぽつり ルートより少し離れている このあとプチロストルート


岩盤を惜しげもなく露出させている この山域の正体だ

 登山道が西湖沿いにトラバースしながら徐々に高度を下げて行く。途中にあった道標は「通学路」を示していた。通学路と言われても初めて歩く登山者にとっては何のことやらだ。


おや、通学路と言われても初見のハイカーは困っちゃうな

 下山後に調べて納得したが、実際に通学路として使われていたらしい。今でこそ湖岸に舗装路があるが、昔はこういった道が生活に欠かせない道路であったのだ。そういう事を知ってしまうと、再訪して未踏の区間も含めて丁寧に歩いてみたいと思うのだ。ちなみに全区間を歩いた記録がYAMAPにあったので参考にしたいところだ。


昭和36年まで実際に子供が通学に使用していた


登山に関する情報は無い


麓の薬明神社はイチョウが綺麗に黄葉


こちらがパブリックな登山口 下山してから知る


歩いて来た岩稜を振り返る

概略コースタイム

駐車場発(07:10)-忠魂碑(07:26)-ミネ山(08:08)-毛無山(08:58)-十一ヶ岳(10:01)-
十二ヶ岳(10:36)-お地蔵様(11:26)-三角点:大久保山(12:01)-通学路分岐(12:33)-
旧根場通学路入口(12:42)-駐車場着(12:54)

カシミール3Dデータ

沿面距離:8Km
所要時間:5時間44分

撮影使用機材
・NIKON Z50
・NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR

カテゴリー: 車中泊の旅, 山梨県の山 パーマリンク

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