三国山


-『GeoGraphica』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成-

 早朝のまだ利用者のない道の駅を散歩した。今日もよく晴れた清々しい青空だ。水上付近までやってくると至る所から谷川連峰の白い頂を見ることが出来る。我が地元の宇都宮で言えば見慣れた男体山や女峰山といったところだろう。ただ、この地にたまにしか足を運ばない者にとってはことさら新鮮に感じるものなのだ。


道の駅から 南側には破風山のたおやかな稜線が横たわる


万太郎山が頭をのぞかせる日常


さぁ、今日も出発

 三国山の登山口は国道17号の三国トンネルを挟み群馬県側と新潟県側にそれぞれある。どちらを選んでも三国峠で合流するので大差はないが今回は新潟側から登る事にした。三国トンネルは2022年3月に新トンネルが開通しており、登山道は入り口が閉鎖されている旧トンネル脇から進む。


三国トンネルの新潟県側出口


旧トンネル脇が登山口


変わり地蔵がお出迎え

 ジグザクに付けられた道を登っていく。次のコーナーが見えた時に鳥や猿がこちらに気づき去っていく姿が多数。特に猿は沢の対岸にも多く見られた。茂みの中で鋭い鳴き声の後に数秒の争う雰囲気。猿同士でもめ事でもあったのだろうか。とばっちりを受けたくないので足早に先へと進む。


登るにしたがい穏やかな登山道となる

 ジグザグを登りきるとそこが三国峠。幾らか冷たい風が吹き抜ける静かな鳥居の前でザックを降ろした。眼前に鎮座するピークがこれから登るべき方向であるのは解るが、あそこはまだ山頂ではない。


三国峠の御坂三社神社


ここから階段登りが始まる


急登なのでみるみる高度を稼ぐ 眼下はトンネル出口群馬県側


手前の三峰山、奥に沼田市街、右奥は赤城山


県境の上ノ倉山~白砂山への冠雪稜線

 先ほどの御坂三社神社から見えた高みまで一旦登りきるとお花畑へ出る。キスゲが咲くらしいが今はまだ花も無し。代わりに奥の方に苗場山の台形がはっきりと見える良い休憩ポイントだ。


一旦登り切った箇所 傍らのお花畑からもう一段上へ


特徴的な苗場山

 木製の階段は風雨による痛みが激しいようで頻繁に付け替えが行われているようだ。古い階段が残置されており結果的にあみだくじのようになっているのが面白い。砂礫の斜面なので下を歩くとかなり歩きづらいだろうし、砂礫が落下して登山道が痛むのは必至。従ってこういう措置をしているのだろう。有難く通過させていただく。


ラストの階段攻め


山頂へ着いた


熊に逢いませんように(趣旨違い)と鐘を鳴らすこと三回


山頂から再び県境稜線

 山頂から見える景色は登路とほぼ同じなので新たな感動は無いが、南側に抜けた素晴らしい景色であることは間違いない。また、北側は冠雪の山嶺が見えるが枝に邪魔されよく見えない。予定通りに県境沿いに北に少し進んだワラジカケマツノ頭まで足を延ばす。本当はこの先にある大源太山まで登りたかったのだが、標高差100m程度のアップダウンが幾つか控えていることと水平距離ではここまでの倍近くあることから今回は途中までとした。明日一日を休養日とするなら大源太山までは可能だとは思うが、連登なので体力に余力を残しながらの行動が基本だ。

 ワラジカケマツノ頭は一旦下って僅かに登り返せば到着。特に山名板などは見つからなかったが、平標山から千ノ倉山、万太郎山へかけての雄大な稜線が見渡せる。三国山でピストン下山してしまうと得られない眺望だ。樹が若干邪魔なので大源太山ならもう少しスッキリしたのかなと思うとちょっと残念な気持ちにもなった。次回の課題に取っておこうではないか。


ワラジカケマツノ頭より平標山


左、仙ノ倉山 右、万太郎山


万太郎山から谷川岳方面にかけて


振り返ると先ほど居た三国山


武尊山は遠い


巻道で戻って来た さぁ下山しましょ


三国権現御神水周辺に咲くニリンソウの群生

 登山口に掲示してある「緑の回廊」が興味深かった。動物達が相互交流出来るような住みやすい環境を整備するための取り組みらしい。総延長160kmにも及ぶ範囲が管理されており、福島、新潟、群馬、栃木を跨ぐ高地帯を接続する広大なエリアとなっている。狭い日本の国土でこうした取り組みは重要な事であると改めて認識する。


「緑の回廊」動物の為の環境整備


たいへん広範囲に及ぶ

 下山後は車で新潟側に一旦進むもスキー場街になるとなんとなくお洒落な雰囲気に包まれてくるので自分の好みに合わない。湯沢まで行ってしまうと戻るのに時間がかかるので「道の駅 みつまた」で昼食をとり群馬側へ引き返した。

 鯉のぼりがはためく赤谷湖でしばし休憩。リアハッチを上げてのコーヒータイムだ。幾らか風が強いが心地よい疲労から眠りこけてしまいそう。相俣ダムへ行き資料館など見学。


赤谷湖


相俣ダムより

 そして本日の日帰り温泉だが、途中にある老舗っぽい某旅館の日帰り入浴とした。温泉が決定的に駄目だったとかそういうことでは無いのだが、自分としてはネガティブな事しか書けないので敢えて場所と名称は伏せておく。

 旅館の日帰り入浴という事を考慮出来なかった自分にも非はあるが、休憩室が無い。これは自分にとっては致命的。次に日帰りに供されているのが内湯のみ。これがまた温度が高くて恐らく44度以上はあったかもしれない。ぬる湯好きの自分にとっては熱湯風呂だ。他にも風呂はあるらしいが宿泊客専用だ。とまぁ、文句は出るがリサーチ不足故に仕方がない。周辺には共同浴場が多数あるが、ネット情報によるとコロナの為地元民以外は入場不可とあったのが大変残念であった。

概略コースタイム

駐車場発(07:35)-三国峠(08:18)-三国山(09:14)-ワラジカケマツノ頭(09:38)-
三国峠(10:30)-三国権現御神水(10:51)-駐車場着(11:09)

カシミール3Dデータ

沿面距離:5.8Km
所要時間:3時間34分

撮影使用機材
・NIKON D5600
・AF-P DX NIKKOR 18-55mm 1:3.5-5.6G VR
・AF-S DX NIKKOR 18-140mm 1:3.5-5.6G ED VR

カテゴリー: 車中泊の旅, 群馬県の山 パーマリンク

三国山 への2件のフィードバック

  1. リンゴ のコメント:

    群馬の旅第2弾は熊鷹山から~の三国山と来ましたか。
    自分は未踏ですが、今年は熊鷹山のツツジも例にもれず凄かったらしいですね。
    三国山は昨年5月末に群馬県側の登山口から大源太山までのピストンをしました。
    兎に角暑くて、飲料水が足らず脱水症状になりかけました。
    多分、このコースは最初で最後になると思うので、良い思い出となりました(笑)
    まっちゃんはもう1座?あるんですね。

    • まっちゃん のコメント:

      リンゴさんの記事拝見しました。
      三国峠から上は日差しを遮るものが無いので
      気温が上がると辛そうですね。
      今回はまだ気温も低くなんとかなりましたが、暑さに弱い自分は夏場は三国山まですら届きそうも無いです。

      群馬遠征はあと二座続きます。
      車移動を入れて効率よく一日二座というのもアリですが、体力に自信が無いので、基本的に一日一座のペースにしています。

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