-『GeoGraphica』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成-
新潟遠征最終日(といっても3日間だが)は、花で有名な坂戸山へ登る。リンゴさんを始めブログでその素晴らしさを拝見していて、自分もいつかはと思っていた。ただこの一座を登る為だけに新潟を目指すのは結構なアプローチ距離。故に今まで機会を得ることが無かった。だが今回は角田山とセットとすることによりやっと実現することが出来た。
道の駅の朝は早い。駅自体が早いということでなくそこで車中泊している自分がということだ。あたりが明るくなってくるとシェードの縁から漏れてくる朝日が気になってしょうがない。また、夜やることが無いので早く寝るから結果的に早起きになる。シュラフから這い出すとまだまだ寒いこの時期。さっさと着替えや支度をしてお湯を沸かせば車内もそれなりに温まるのだ。
今日もそんな感じで朝早く出発した。薬師尾根の登山口である鳥坂神社駐車場についたのが7時前位だが、既に5台程停まっていた。ちょっと歩き出すのには早過ぎなので再びお湯を沸かしてコーヒーを一杯飲んで時間調整だ。
隣に車を停めた方と会話すると埼玉から暗いうちに出発したという。去年は駐車場確保に難儀したらしく、今年はなんとかありつけたということを話されていた。なるほど、この時期は平日でも混雑必至の山なのだなと改めて認識。自分もある程度の情報は得ていたので早立ちは正解だったようだ。もっとも薬師尾根直下にこだわらなければ駐車場は他にもあるようだ。
途中のカタクリ群生も見事(下山ルートはもっと凄かった)であったが、イワウチワの群落も途中からどこまでも続いていく素晴らしい山だ。花好きの人が推す理由がよく解る。
また、薬師尾根は序盤から後方が開け六日町の市街地を背負うようなかたちの登り。ふと足を止めると右手に見える南方の白い山並が目を楽しませてくれる。花だけでなく眺望も抜群なのだ。
まだ時間が早いので一般登山者には逢わなかったが、スライドする人、追い越していく人は皆空身で、よくてもヒップバッグに水一本が入っているかどうか。地元の日参登山者のような雰囲気があるが、比較的年齢が高そうな方でもかなりハイペースで歩かれていた。登山口からの標高差が450m程度だから決して軽い登山では無いと思うのだが、毎日ここを駆けるように歩いていればさぞ足腰が鍛錬されることだろう。
山頂の南西尾根に乗り、進行方向が変わると南南東に見える金城山が大きくなる。実は車で麓を走った時にこの金城山を坂戸山と勘違いして「あんなに雪があるんじゃとても登れない」と憂慮していた。だが他の人の記事を見てもここ数日雪で難儀した情報はないし・・・。
登山口直下まで走ってきてようやく間違いに気づき一安心だ。金城山は標高が1400m弱あり、我が故郷の釈迦が岳レベルだから北国のこの地、ましてや9日に降雪があったのなら理解できる状況である。
金城山は南北面がそれぞれ衝立のような形状で岩の露出した荒々しい山である。紅葉の時期は素晴らしいとのことなので是非登ってみたい一座だ。
南西尾根の肩から山頂までは更に標高差150mだが、途中の花の美しさ、景色の素晴らしさに足を止めることしばし。軽やかな気持ちでこんなに歩きが楽な登山も久しぶりだ。
会社から丁度トラブルのメッセージが入った。なんでこんな時に・・・ちょっと凹んでスマホを弄っていた。ふと顔を上げるとなんとまさかのバッタリ。向こうから歩いてくる方は、うーーんリンゴさんじゃないですか。
この天気、この花コンディション。リンゴさんならもしかしたら歩いているかもなぁとは思っていたのだがズバリ正解。聞けば昨晩はやはり道の駅南魚沼に車中泊とのこと。気が付かなかったなぁ。別れ際に白いカタクリ情報をお聞きした。
仕事の方は電話では対応不可案件だ。即時に下山して車中からタブレットPCで何とかならないものでもないのだが、一旦応急処置だけ説明して登山継続させていただいた。まぁ社員じゃないからそこは勘弁してね>社員の皆様
下山は半時計周りの北側の谷沿いにジグザグに付けられた城坂コースを下る。しばらくの間はカタクリが密生していて圧巻。自分の数少ないカタクリ山行の中では断トツの一番だ。
ずっと気になっていた真正面の高み 下山後はあそこで昼食にしようかな
下山途中、というか登りの薬師尾根からも良く見えた六日町の北西にある電波塔のある高み。地形図で調べると八箇峠見晴台という場所がありそこから六日町を挟み坂戸山が見えるらしい。また電波塔のあるあたりは桝形山という。我が高原山にもあるその名前に親近感が湧くではないか。車道から標高20~30m登れば三角点があるし、電波塔もあるから必ず作業道が着いているはずだ。万が一立入禁止ならその時は諦めれば良い。
ナビにセットして車を進めると残念なことにムイカスノーリゾート駐車場先で冬季通行止めのゲートとなった。この先の魚沼スカイラインに入り八箇トンネルを抜けると十日町への最短ルートとなっている。少し北側にあるR253へ大回りしても十日町に行く事は出来るので整備予算を考えれば仕方がないことだろう。ちょっと恨めしい気持ちですっかり雪が無くなっているスキー場の斜面を眺めた。
八箇峠で食すべく先ほどコンビニで調達したカップラーメンをどうしようと思いながらUターンすると、目に入ってきたのは綺麗な桜の樹々と八海山の雄姿。遠くにいた先客が帰ってしまうと独り占めの景色ではないか。うん。ここが今回の旅の終着点だな。
リアハッチを開けて腰を掛けて食事の準備、といってもお湯を沸かすだけ。狭い車内で電気を使って湯をちまちま沸かすのもなんとなく秘儀っぽくて良いが、やはり車外でガスバーナーを使ってごうごうの音を聞きながら沸かすのは開放感があって良い。
コンビニスィーツとコーヒーと、一枚また一枚と品よくに車内に舞い込む桜の花びら。そんな贅沢な風景が最高のお品書き。時間はたっぷりあるさ。心いくまで新潟の春を楽しむことが出来た。
概略コースタイム
駐車場発(07:25)-240.4m三角点(07:42)-山頂(08:57)-大城(09:21)-山頂(09:43)-
駐車場着(10:41)
使用機材
・NIKON D5600
・AF-S DX NIKKOR 18-140mm 1:3.5-5.6G ED VR