案外疲れた半月山


-『GeoGraphica』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成-

半月山の過去の記事
    2015年03月15日  今季最後の雪山
    2007年09月16日  半月山から茶の木平まで
関連山行
    2013年11月23日  中禅寺湖、大日尾根 上野島ルートで社山
    2011年09月16日  中禅寺湖南陵を歩く
    2009年10月18日  中禅寺湖の展望台、社山

 先週末は不覚にも風邪をひいてしまい、ここ数年無かった発熱で寝込んでしまった。
 月曜火曜で予定していた出張を一日順延してなんとか一週間を乗り切ったが、なんとなく症状が抜けきっていない感もある。
 歳とともに風邪の直りが遅くなってきているのがなんとも残念であるが、だからと言って自宅でゴロゴロしていると余計悪循環な気もするのだ。

 実は四月の中旬に、1400ccのバイクのセンタースタンドを引き上げた時に軽く腰を痛めてしまって、スポーツクラブを一週間お休みした。そしてGWの夕方はクラブ自体がお休み。次週は通って先週はまた出張と風邪で大事をとってお休み。この一か月間で二回しか行っていないのである。これはちょっと黄色信号以上だな。

 一度落ちた体力は、また時間をかけてコツコツ戻していかないとならない。油断して食べてしまった体重もまた然り。お腹の周りをつまんだ時の”確かな存在”にちょっとがっかりである(笑)

 長い前振りであったが、要は社山を目指したかったが、ピストンも勿体ないし、周回するにしても万全のコンディションで無いが故に掲載のルートとなった訳である。

 このルートは十年前の夏、まだ山を歩き始めて脚力の無かった頃にヘロヘロになりながら回った。確か、狸山手前でふくらはぎが攣って難渋したり、茶ノ木平への登りはそれはもう悲壮感漂う歩きだったのを記憶している。
 病み上がりとは言え、社山を登らなければ流石にこのルートは今の自分なら楽勝だろうと思っていたが、フタを開けてみると暑さに弱い自分にとっては結構大変だったことも付け加えましょう。(下界もこの日は夏日だったそうな)


 立ち木観音駐車場に着くとびっくりだ。朝の7時前だというのに既に満車っぽい。なんとかスペースを得て駐車するも、あとから来た人はすでに白線が引かれていない所にどんどん停め始めていた。
 こんなに山歩きをする人がいるのかと思いきや、どうも大部分が釣り人のようである。支度を終えて歩き始めると、いつもの光景で胴長で水に入って竿を出す人の姿。駐車場から離れると大抵はその姿もまばらとなるが、今日は何処まで進んでもその姿が絶えることは無い。登山口である阿世潟に到着しても、その先にも見渡す限り釣り人が点在していた。
 釣りについては興味も知識もまったくないが、雄大な景色を見ながら釣り糸を垂らして時間を過ごすのも悪くはないかなとちょびっと思った。だが、日々遊ぶ時間の捻出に苦労している自分にとってはある意味究極の贅沢な過ごし方だなとも思う。


こんな感じなら釣りもよいかな


定番の逆さ男体山

 新緑で心地よい湖岸の道を進み、阿世潟より登りにかかる。十年前にこのルートを歩いた時は、阿世潟峠に上がるのに既にフーフーゼーゼーしていたのが懐かしいが、恐らくあの頃は体力云々では無くてペース配分とかがまったくなっていなかったのではと思う。歩き慣れたと思っている昨今でさえ、団体さんを追い越したりしてオーバーペースになるとやはりバテるのだから当然なのかもしれない。

緑あふれる中禅寺湖南岸 高度を上げる 穏やかな笹尾根

 今日は徹底的に登山道キープで行く予定であったが、阿世潟峠より東の尾根手前に巻道のようなトレースあり。
 スケベ心を出してちょっと追ってみたが、やがて途切れていった。行く手には薄い踏み跡があるがどうやら獣道のようだ。
 四つ足で斜面にかじりつき登山道へ復帰したが、本日唯一のバリエーションルート?であった。

 尾根が南へ進路を替え、登り詰めたピークから眺望が一気に開ける。社山は形の良い姿を見せ、そこに登っていく道筋もまた地形図をもって知りえるものと一致している。この晴天の下、日差しに照らされながら登るのはいかにも辛そうである。

振り返ると社山 Take2 白根山は春まだ遠し


日差しの中登るのは辛そうだなぁ


松木渓谷の荒々しさよ


 とりあえずの目標地点のような中禅寺山へ到着して一休み。ここまでの間で随分沢山の登山者と交差したが、皆さん社山を目指しているようで、思わず心の中でこの先登り返しご苦労様ですとつぶやいた。もっとも、社山を目指すには中禅寺山からの下りの景色で社山を見て、社山からの下りで中禅寺湖を眺めるというのがやはり一般的なのだろう。それに比べて自分の天邪鬼なことよ。

 暑さに弱い自分は既に今日位の強い日差しだと、さながら塩を振りかけたナメクジが如しである。中禅寺山から一旦下って半月峠まではちょっと元気が出たものの、半月山への登り返しはななかに辛い。足腰がというより暑さへの体の反応がキツイのだ。頭の中は半分、「早く下山して自販機のコーラゼロ」、挙句に「帰宅してビール」というていたらくである。

  笹の中を更に進む 半月峠

 振り返った好眺望や咲き残りのアカヤシオに励まされながら、どうにか半月山展望台へ届いた。展望台もまたピーカンの好天に照り付けられ暑さMAX。でも流石!景色は良いね。

社山から黒檜岳への稜線 咲き残りのアカヤシオ


半月山展望台より定番眺望

     

 眺望の無い半月山の三角点をすたこらと通過して、展望駐車場まで一気に下る。こちら側は樹林の中を巻くようにして下っていく日隠道なので非常に助かった。また、半月山から北東に下る区間は、前日光の山やお馴染みの鹿沼の山なども見えるようになり雰囲気も変わる。

 駐車場では木陰を選び休憩。鋭気を養い狸山へと取り付く。あっという間に着いちゃったけど、山頂も木陰たっぷりなのでここで昼飯とした。

 二年前に降りた積雪の北北西尾根を思い出し、そちらを見るとなるほど、微かな踏み跡アリ。たまに物好きが下っていくのだろう。今回は登山道を一気に車道へ降り、そこから最後の登り返しで茶ノ木平を目指す。あー暑い暑い。

駐車場より狸山へ 狸山 こちらにも残りアカヤシオが


夕日岳と地蔵岳


爽やか眺望


 ブツブツ文句を言っても仕方がない。コツコツ歩きましょう。やがて平坦な茶ノ木平に着けばもう安心。あとは下るだけ。このまま山行が終わりになるのも悔しいので、ベンチに腰掛けしばし鶯の鳴き声に聞き入りつつテルモスの冷たいお茶で喉を鳴らした。至福の時間だね。

茶ノ木平への登りが地味に堪える 索道跡の広場より さぁ、あとは下るのみ

 最後は淡々と下るのみ。ここまでの間、姿を現せば惜しみなくその全身を見せつけていた男体山も枝の合間からのシルエットとなる。それでも大きな男体山に今日は一日見守って貰ったおかげでこの暑さの中歩き通せたのかな。
 富士山と同様、その頂を踏むことにはあまり興味がないが、我が栃木の山歩きにはいつも一緒の一座なのである。

こんな若葉もよいね さようなら、男体山 下山終了!

概略コースタイム

駐車場発(07:10)-阿世潟(08:01)-阿世潟峠(08:15)-中禅寺山(09:15)-半月山展望台(09:50)-半月山(10:04)-
狸山(10:55)-昼食休憩-行動再開(11:09)-車道接合(11:32)-茶ノ木平(12:05)-下山終了(13:01)-駐車場着(13:18)

カシミール3Dデータ

沿面距離:13.8Km
累積標高差:(±)1,112m
所要時間:6時間8分
※累積標高差は、『国土地理院基盤地図情報数値標高モデル10mメッシュデータ』よりカシミール3Dにて算出した値

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案外疲れた半月山 への12件のフィードバック

  1. 亀三郎 のコメント:

    亀母が 大好きだった日光
    半月山は 一緒に駐車場まで行ったので
    思い出のひとつです。
    それはそうと
    寝っ転がりでパソコンやってると
    体重は 時間なりに 減るみたいですが
    筋肉量が落ちるんですよね (^_^;)(^_^;)
    筋肉量を落とさずに
    体重を落とすには
    運動して なおかつ 食べない、、、って いうのが
    やはり 必要なんでしょうね
    食べないっていうのが、、、、加減が、、、、難しい、、、、けど、、、、

    ちょっとだけよのつもりで はじめても

    はずみがついてしまうと、、、、

    もう

    抑えきれない、、、、(^_^;)(^_^;)

    • まっちゃん のコメント:

      筋肉量を維持して脂肪を落とすのは究極のダイエットです。
      自分のように肉が嫌いだとこれがなかなか難しいです。

      >ちょっとだけよのつもりで はじめても

      そうなんですよね。ついつい手が出てしまって・・・
      だって人間なんですもの(相田みつお風)

  2. ケン坊 のコメント:

    こんばんは
    まっちゃんの今回歩かれたルート...凄い周回ですね
    ケン坊はこれまで4回に分けて歩いたルートを全部
    足し算(繋ぐ)したら、やっと”まっちゃん”と同じ>笑<
    体調が万全じゃ無いと言いながら...歩いちゃう
    何とも素晴らしい体力(能力)の持ち主なんですね~
    今に知った訳ではないですが改めて納得!

    • まっちゃん のコメント:

      いえいえ、そんなに大したものではないです。
      気ままに自分のペースで歩けばそんなに大変なルートではないのですが、
      何せ暑さが大敵で今回は結構疲れました。

      今年の夏は念願の尾瀬デビューを果たしたいところなのですが、
      気温ってどのくらいなんだろうなぁと、心配の種です。

  3. リンゴ のコメント:

    トップの画像を見て思い出したのですが、もう30年以上も前に勤務先のお仲間らと中禅寺湖に釣りに行きました。
    魚は全く釣れずにその後華厳の滝見物、場所を移動して塩谷町の方へ(笑)
    それにしても半月山界隈はまだアカヤシオが見頃なんですね。
    青空の下、新緑に包まれた山行も爽やかで楽しいものです。

    • まっちゃん のコメント:

      朝の湖畔はひんやり爽やかでしたが、そのあと尾根に上がると真夏(自分的に)の日差しがかぁーっと。
      今回はコテンパンにやられちゃった感じです。
      こうなると次の山は金精峠スタートくらいじゃないと無理かななんて。
      それに比べてリンゴさんは残雪山行。涼しげで羨ましい(^^♪

  4. とくちゃん のコメント:

    何年振りかに熱がでると・・・とっても辛くなかったですか?
    私は、10年以上ぶりの発熱寝込みにヤバかったです~!

    風がなく穏やかな湖面に写る景色はいいですねぇ^^* 絵になる~!
    ピンクのヤシオ好きです!

    • まっちゃん のコメント:

      8年くらい前にインフルエンザで高熱が出た時は流石に人生でMaxの発熱で参りましたが、
      そのあとは出ても大して高熱にならない=基礎体力が落ちてきたということで、
      なんとなく寂しくもあります。
      若い頃はかぁっと熱が上がって一晩で終了なんて感じでしたけどね。

      中禅寺湖南岸の美しさは四季を通して鉄板ですね。

  5. chikoやん のコメント:

    そりゃぁ、そんだけ歩けば疲れるでしょぉぉぉ。
    ・・・と、何気に突っ込みを入れてみたりして。(^^;
    絶好の山日和、とりあえずお出かけできてよかったですね。
    何年か前、バス利用で半月山からアカヤシオ稜線を歩いて社山まで。
    それでも、もう、十分へとへとでした。アカヤシオ越しの白根山は
    素敵だったなぁ。って、今でもこの時期になると思いだしますが、
    社山への偽ピークに、心折れるしなぁ。と、つい思ってしまうへたれちゃんです。私。(^^;
    見える景色、一つ一つがみんな爽やかですね~。
    そして、中禅寺湖。見事な水鏡!

    で、尾瀬の暑さですか??
    気温は平地マイナス8度くらいでしょうけど、日陰がないからジリジリですよ~(笑)
    まぁ、それを差っ引いても素敵な景色が待ってますので、ぜひ楽しんできてくださいね~。

    • まっちゃん のコメント:

      実は前日に、このコースで社山に登り、茶ノ木平から明智平まで降りた人の記録を読んで触発されたのでした。
      冬場だったらチャレンジしたでしょうが、この暑さでは正解でした。

      尾瀬は平地マイナス8度ですかぁ。
      日陰無しですね。
      うーーーーーーーーん。厳しいなぁ(;´∀`)

  6. 野球親爺 のコメント:

    chikoやんさんと同意見。
    累積標高差1,000m超えてますよ。案外でなく疲れて当然かと思いますけど。

    茶ノ木平って20年くらい前に初めて半月山に登った時にロープウェイで行ったのを思い出しました。

    日本人にとっての富士山、栃木県民にとっての男体山と言ったところでしょうか。
    私も男体山に登ることに興味はないのですが、たまに登ろうかと思っちゃうんですよね。
    何か変です。

    • まっちゃん のコメント:

      日差しが強くなってくるといよいよ自分の山歩きシーズンも終盤間近と感じます。
      やはり初冬からの冷たい空気の中を歩くのが最高だなぁと思う自分です。
      花咲き、緑あふれるこの時期の美しさは大いに楽しみたいところなのですが、
      やはり暑さが・・・

      あ、20年前はまだロープウェイがあったのですね。
      あの山頂駅跡地の平坦な所に佇むとかつての賑わいが目に浮かぶようでした。

      男体山は、正面からだと、疲れる・人が多い・歩きづらい。
      志津には車が置きづらい。
      で、結局残されたのは三本松ということになりそうですね(笑)

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