-『GeoGraphica』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成-
冬の好眺望、春はアカヤシオ、またカッコソウの希少な自生地でも有名な鳴神山はもっぱら栃木県内をターゲットに歩いている自分の耳にも度々その噂が聞こえてくる。
桐生という街の名前を思い浮かべた途端、移動に時間がかかるので・・・と二の足を踏んでいたが、宇都宮から梅田湖経由で行くと案外遠くないことが最近解った。
Googleマップ曰く。高速を繋いで行けば1時間半もあれば充分。だが30分位しか時間が違わないので、ここは費用対効果で下道を選択することにした。
自宅を4時に出発した。暗闇の中をひた走り、葛生から老越路峠を超えて梅田湖へと抜ける。一旦下山地へ回り自転車をデポする。闇に包まれながらの自転車の係留作業も、車のヘッドライトの明かりが大いに助けになる。
桐生市街地へと南下し、吾妻公園へ車を駐めて準備を始めるとようやく朝がやってきた。駐車場は既に結構な台数の車がある。やたら県外ナンバーが多いので、中には正月帰省の無料駐車場として駐めている輩が居る可能性も否定出来ないが、一方準備を済ませて出発していくハイカーもなかなか多い。こんな早朝のスタートだとすると、皆さん桐生アルプスの縦走に出かけるのであろうか。
吾妻公園内を進み、公園敷地を抜けたあたりにある登山口からまずは吾妻山を目指す。程なくコースは二択となるが、先も長いことなので、呼び名も勇ましき男坂で体力を消耗する必要もなかろう。ここは女坂を選択だ。
周囲を包む光がいよいよ赤みを増す。振り返ると南東に横たわる山影から朝日が丁度顔を出すところであった。
再び二択のコースが出現する。ここも同じ理由で女坂。いや、今回はミラーレスカメラを携帯しながらの不慣れな初登山なので、不用意に岩角にカメラをぶつけたくないという理由も言い訳っぽいが付け加えておこう。
岩混じりの登山道を登っていくと、気温が思いのほか高いのであっという間に汗だくとなった。ダウンジャケットは流石に歩き出し早々に脱いだが、続いてフリースを脱ぐのにそう時間はかからなかった。
それにしても、12月中旬から全く運動していなかったせいで全くもって体が重い。年末年始を食っちゃ寝で過ごしたのも響いている。後ろから追い抜いて行く人、もう下山してくる人。歳の頃は自分より上の人もちらほら。そんな早朝登山にいそしむ桐生っ子達の足の達者なことよ。山頂までに何人に抜かれたか既に覚えていない。
下山してくる日参登山のおばちゃんおじちゃん、現役山ガールのお姉さん達も、こんな早朝にこれだけ多くの人が入山しているのだから、駐車場の混雑も思い返すと理解出来るというものだ。
山頂では、先ほど自分を追い抜いていった人達が休憩中。そして傍らにはベンチを囲んでグループが和気あいあいとお湯を沸かして何やら調理中である。
続々と山頂へ到着する人々。街から至近という意味で宇都宮で例えるなら八幡山(一応一等三角点)位のロケーションで、しかも標高490mの山に登れるとなればお手軽で日参したくなるのも頷けよう。
朝日が降り注ぎ始めたとはいえ、早朝の空気は冷たい。立ち止まると汗ばんだ体があっという間に冷えてくる。先が長いので早々に山頂を辞して北へと進む。ハイカーの数は激減するが、日課で歩いているような人もたまに居て、反射板が設置されている吾妻山の次のピークで踵を返していく人も何人か見た。
更に進んでいくと、西側の枝越しにちらちらと見えていた赤城山がよく見えるようになってくる。宇都宮付近の山を歩けば西に見えるのは男体山と相場が決まっているが、此処では赤城山が眼前に大きく横たわり、周囲の風景を支配しているかのようである。
混合林の心地よい尾根を進むとやがて伐採地へと出た。へり沿いに登っていくと眼下の眺望は段々と拡がり、彼方には冠雪の浅間山が神々しくも存在感を示す。遠く浮かぶ白い山といえば宇都宮からだと富士山以外に無いので実に新鮮な風景だ。
今しがた歩いてきた吾妻山方面を振り返り、少し進むと暫くは眺望ともお別れの山旅となる。
途中にあった極楽とんぼの碑について帰宅後に調べてみると、2007年にこの先の尾根で滑落死した「極楽とんぼ」さんの慰霊碑を山仲間と奥様が設置したようである。山岳部の遭難碑などを見る山はたまにあるが、かくも私的な慰霊碑があるのもこの山域が如何に身近に歩かれ愛されていたのかを物語るにして簡潔であろう。
吾妻山から幾度も登ったり下ったりしながら、標高を更に200m程稼いで大形山へ到着した。疎林から光差す山頂だが、眺望は殆ど無し。一転し、山頂を過ぎて北へ一気に降下する寒々しとした斜面には未だ朝日も充分に届いていない。
鞍部から見返す大形山は、その名の通りシルエットのはっきりした山であった。そんな大形山に別れを告げて植林地歩きなども交えながら到着したピークには三峰山の山名板が架かっていた。
石祠を守る菅原道真公? 気難しそうなお顔に青いバンダナが”いなせ”じゃないか。
花台沢ノ頭を過ぎると、今度は東側のうねうねした山稜がちらちらと見え出して鼻歌混じりの歩き・・・といきたいところだが、今日はちょっと何かが違う。
大形山から高度を下げた鞍部より、三峰山への登り返し辺りから疲れが出てきてペースが上がらなくなってきた。シャリバテ気味なのもあるので、立ち止まってパンをひと噛りする。小ぶりのピークを幾つも超えていくも、なかなか鳴神山の本体を見るに至らずに精神的にも疲れが増してきた。
12月中旬から僅か半月程度体を動かすことを中断しただけなのに、かくも持久力が低下してしまうのだろうか。ちょっとがっかりな気分だが、やはり運動はコツコツと継続するのが重要である事を痛感した。
行く手を塞ぐ大岩を巻くようにして降りていくと、山頂下を守る、鮮やかな色のマフラーを纏った狛犬が個性的な表情で迎えてくれた。
疲れた体にムチ打つような最後の急登はいささか骨が折れるも、山頂に到着すれば360度の胸すく眺望だ。これは素晴らしい!!
山頂でのんびり食事をし、時間をかけてコーヒーと景色を楽しんだ。見える山の名はよくわからないが、桐生アルプス初踏破のクライマックスでこの景色はご褒美と言っても良いだろう。
木品への下山路は谷筋を下る道だ。未だ日は空高くとも、そこは既に日差しが届かぬ世界となっている。終盤は植林帯となってしまうが、上部は落葉樹の森なので紅葉の時期なら気持よく歩けるのではなかろうか。葉が落ちてしまったこの時期は、光量の少なさも手伝っていささか淋しげだ。
古い作業道が所々朽ちて涸れ沢へと変遷しつつある、そんなルートを下っていくとやがて車道へ飛び出した。無事下山終了したようである。
早朝、自転車をデポしたあと、駐車場までの区間が殆ど下りだった事に胸を撫で下ろした。だが、油断していると、車では平坦に見えても僅かに登りというのも過去に経験している。
スタートしてみれば何処までも下りの連続で快適この上なし。思いがけない速さで桐生市街へと自転車を走らせることが出来た。ふと、ペダルを漕ぐ足を止めて仰ぎ見れば、桐生アルプスの稜線が冬の午後の弱い日差しに輝いていた。
概略コースタイム
駐車場発(06:43)-吾妻山(07:33)-極楽とんぼの碑(09:23)-大形山(09:42)-三峰山(10:35)-花台ノ沢頭(11:11)-
鳴神山(12:27)-昼食休憩-行動再開(13:15)-不動の滝(14:18)-木品登山口(14:28)-自転車デポ地(14:32)-
以降自転車-駐車場着(15:35)
カシミール3Dデータ
歩行
沿面距離:14.2Km
所要時間:8時間5分
沿面距離:10.3Km
所要時間:47分
矢板から下道で桐生に行く場合、ルート検索すると足尾経由で104km位になります。
葛生から老越路峠~梅田湖経由だと、随分時間短縮になりそうです。
それにしても14km超の桐生アルプス縦走、ピーク越えのアップダウンもありタフなコースでしたね。
下道で片道100km超えというのは結構キツイですね。
早朝などの交通量が少ない時に飛ばしても二時間以上はかかりそう。
老越路峠超えはちょっと狭い山道になりますが、何となくショートカットしてる気分になれる分、楽に感じました(*^^*)
今回自分は片道だけの歩きでしたが、吾妻公園からのピストンの人も結構見かけました。
帰りは下り基調とは言え登り返しがまったく無いわけじゃないので、凄い人達だなぁと思いました。
レッツ トレッキング! いいなぁ 2016年山歩きのスタートが
切れていない亀家には、、、羨ましい「響き」です~~~
うちの場合は こんな長いルートは無理なので
吾妻山 鳴神山も それぞれ、、、で、、、2日かけて
山歩きになると思いますが、
来る日に向けて このlogを参考にさせて頂きますね!!
それはそうと
コーヒーは 山頂でお湯を沸かして飲まれてるんですよね
じつは
ワイルドワンで
道具を見たんですが、、、、
プリモスのガス それと 五徳??のような器具
そして、、、コッヘル?
この3つあれば 出来るですよね
もし購入した場合は
練習してったほうがいいでしょうか??
鳴神山は折々の花も楽しめるし、山頂は360度眺望で人気の程が頷けました。
吾妻山はあっという間に登れちゃうので桐生観光のついでにどうぞ。といった感じです。
市民の山として親しまれているこんな山が超身近にある桐生っ子は羨ましいと思いました。
(古賀志山なんかよりよっぽど街中にあります)
冬場はお湯を沸かしてカップラーメンとドリップコーヒーが定番です。
その分の水と、ガスと器具を持ち歩くのでザックの重さは幾らか増えますが、
やはり冬は外せません。
逆に春先になって汗ばむ陽気になると、もう暑がりの自分としてはお湯は不要。
ザックを小さいサイズに替えてこれらを持たなくなります。
衣替えみたいですね(笑)
必要なものはガスとバーナー本体(五徳はこれについてます)と自分の場合はトランギアのアルミ製小型のヤカン(600ml)を持っていきます。
家内と二人の場合はワンサイズ大きい900mlが出動です。
600mlだとカップラーメン2杯が厳しいので。
コッヘルも持っていますが、基本的に山でお湯を沸かす以外はしないので滅多に持っていきません。
スパゲッティ(早ゆでタイプ)を茹でて混ぜるだけのペペロンチーノとか、袋ラーメンに僅かな具材を入れて作ったりしたことがありますが、そのうちいろいろやって見たいとは思いつつ、またカップラーメンに手が出ちゃうんですよ。
練習は特にしなくても大丈夫だと思いますが、山に登っていざ使時に何かあるのもいただけないので、一回自宅で使うのがよろしいかと。
こんばんは。
う~ん、暗い山道を車を走らせるのは辛いですね~
でも桐生経由よりも近いのはダンゼン魅力です
まぁ 鳴神山だけだったら、明るい時間に通っても
十分かな?>笑<
一般的な鳴神山登山口は自転車をデポった場所
から、もう少し上なんでしょうか?
それにしても、まっちゃんの山歩きには縦走がベース
なのでケン坊の歩きとは異次元ですが...
今年は素晴らしい新年のスタートでしたね
年々早起きが得意な年齢になってきたなと思いきや、
最近は夜中にトイレに行く回数が多いのでそれはそれで睡眠時間が短くなってきて朝起きるのが
辛い・・・
なんてしみったれた話は抜きにしても、
まぁ早朝は空いていてスイスイ走れるので良いですね。
気をつけなくちゃならないのは、早朝に酔っ払い運転している輩とか無理して徹夜で走ってる長距離ドライバーなんかに事故られる可能性が否定出来ない所ですね。
自分だってもう若くないので、咄嗟の反射神経は落ちてるので、視界の悪い夜間走行はスピード控えめにしてます。
鳴神山の登山口は沢山あるようで、今回自分が下山した木品の登山口は、樹徳高校という学校の施設(大滝山荘)があるところで、駐車場は関係者オンリーとなってます。車は路側に駐めることになります。
登山口から数百メートル下った所の路側に数台駐車可。そのちょっと先のガードレールに自転車をデポしました。
木品からのルートは結構地味な感じがするので他のルートでもまた登ってみたいと思ってます。
山頂から武尊山や谷川連峰が見られるお天気だったんですね~。
仙ノ倉から万太郎山付近の稜線がちょろっと見えた日は、いよっしゃぁ~!!
って気分になってしまいます。(*^^*)
いつか歩いてみたい。と思っていた、吾妻-鳴神山の縦走ですが・・・
まっちゃんの記事を拝見して、絶対、最初に梅田までバスで行って、
鳴神山から延々と下っていくルートにしよう。。と思ってしまいました。(笑)
お疲れ様でした。(^^)/
山頂から見える白い山は武尊山や谷川連峰だったんですね。
自分にとっては永遠の憧れだなぁ。
行きたくてもとても遠くて、文字通り遙かなる山々です。
吾妻山から鳴神山へのピストンをされている方もちらほら居て、その体力持久力に頭が下がりますが、
自分もやはり先に梅田や駒形までバスで行って後は下り基調の尾根歩きを愉しむのがよいなぁと思いました。
あと、地図を見ていて思ったのですが、北側の座間峠を経由して時計回りで尾根を伝い、
木品の東側の稜線から降下するなんてのも良いなぁなどと。
桐生の薮好きさん達はきっともう歩いているんでしょうけど。