富士山三昧の静岡の旅

静岡の旅三日目 11月20日(土)

 「川の駅」の夜はとても静かだったし、沼津アルプスの疲れも加わり車中泊とは思えないほどの熟睡を貪ることが出来た。朝の最低気温も6度程度とさほど下がらず、夜半に顔が冷たくて目が覚めるということも無く安眠に繋がったのだろう。

 「道の駅ゲートウェイ函南」は大好きな沼津を歩く為の基地としてロケーション的にも適していると思う。是非次回以降も「川の駅」をねじろとしたいところだ。

 目が覚めて車から出ると、狩野川に川霧が浮かんでいた。気温が高い証拠だ。付近を一通り撮り終えた後にお湯を沸かしてゆっくりと朝食を摂る。今日からは観光の毎日だから気が楽だ。


狩野川に浮かぶ川霧


朝練ランナー 背後は沼津アルプス徳倉山の麓

 二日間お世話になった道の駅を後にして、まずは痛恨の地であるバック事故現場へと向かう。


沼津港の”例の事故現場”にやってきた

 写真では海しか写していないが、問題の箇所はこの反対側だ。
 ぶつけた構築物の写真を撮り、「帰って来たぜ」と息巻く。どうやら、やっと留飲を下げることが出来たようだ。


車を進めて千本浜へ

 事故現場の隣は有名な千本浜である。防風林の松並木が延々と続く千本松原だ。
 また井上靖の話に戻ってしまって恐縮だが、洪作少年達が泳いだ千本浜海岸。青春時代の甘くも儚くまた脆い気持ちに揺れながら歩いた松林。あぁ、なんとも良い雰囲気だなぁ。


海を眺める愁いのポーズを所望

 海を眺める姿になんとなく深い哀愁を感じるワンコが居た。当の本人(犬)は特に哀愁は感じていないとは思うのだが、はたから見ると実に様になっている。飼い主さんに声を掛けて写真を撮らせて貰ったが、なかなか先ほどのポーズが出なくてベストが上の一枚。


沼津には井上靖の観光ポイントが多数


こちらは松林の中にある文学碑

 夏草冬濤の舞台になった頃の沼津と現在の沼津には当然隔たりがあろうが、作品をもう一度読み直してから沼津をじっくり歩くのが次回以降のテーマになったような気がする。


日本一富士山に近い漁港 田子の浦 製紙工場も多く工業港でもある

 千本浜からはしばらく海沿いの道を走る。どこまでも続く松林がやがて途切れ、市街地に差し掛かる。

 有名な新古今集の山部赤人の句、 

 『田子の浦に うち出でてみれば 白妙の 富士の高嶺に雪は降りつつ』

 田子の浦へやってきた。


田子の浦みなと公園にて 後ろボケで一枚


前ボケも


浜石岳の山頂直下駐車場 既に反則的な富士山絶景

 国道1号を西走しJR蒲原駅付近から徐々に山間部へと乗り込む。
 標高が上がってくると、周囲の斜面にミカン畑が広がる光景が続く。あまりにも見事だったが、車を停めることが出来なかったので写真が撮れなかったのが心残りだ。

 当初の予定では浜石岳登山者駐車場から標高差200m程を登る予定であった。道は更に上に続いているので車を進めてみると、突き当りゲート手前に数台は停められそうな駐車スペースがあった。案内板を見ると山頂まで5分とある。早速カメラだけを手にして山頂へ。


五分で絶景山頂へ


宝永火口が右手に見えるとまた違った雰囲気に 山体すべてがスッキリと見渡せた


南東側


清水港と三保半島 半島の左奥が三保の松原


駿河湾を挟んで 伊豆半島西側基部の大瀬崎 金冠山、達磨山方面


鈍色の海原を行く船


南アルプスが見えているというが、どこがどこやら


沢山の人達が憩う浜石岳山頂

 当初停めようとした登山者用駐車場から登ってくる人もさることながら、由比駅から車道を延々と登って3時間近くかけて来る登山者も多数居る。登山者用駐車場からでも40分程度、自分のように5分で山頂に着けてしまう者がいるのに電車組の登山意欲の高さには改めて驚かされた。
 登山ウェアに身を包み、息を切らせながら達成感に包まれて山頂を踏むハイカーに混ざり、普段着にスニーカー、手にはカメラいっちょのオヤジは不労収入者みたいでうしろめたい気持ちもチラリ。


浜石岳を後にして由比へ下っていく 周囲はいずこもミカンの木で一杯だ


富士山撮影の名所である薩った峠へやってきた


ミカンの樹の脇を通り散策路へ


国道1号(左)と東名高速(右)が交差し真上に富士山 定番眺望らしい


商業施設が充実している清水港へ


ここからもやはり富士山


テイクアウトのお店でちらし寿司を入手 海沿いの席でいただく


バスの大きさと比較すると巨大さが判る

 清水港に立ち寄った。清水といえば清水エスパルスのお膝元。エスパルスドリームプラザという商業施設にはちびまる子ちゃんランドなんていうのもあったりして、地元のレジャー施設として有名。マリンターミナルの方へ散歩していくと、クルーズ船飛鳥の巨体が横たわっていた。あまりに大きくて一枚の写真に収まらない。こんなデカイものが海に浮かぶとは、飛行機が空を飛ぶのに続いて謎な話だ(笑)


お次は日本平へ ロープウェイを”下る”と久能山東照宮へ通じるが今回はパス


日本平夢テラスからの風景は清水港と富士山 きっと夜景は綺麗だろう

 日本平は静岡市中心部の東方、清水の南西に位置する。南は急峻に切れ落ち、北側は穏やかな斜面に茶畑などを有する台地状の高地である。

 夢テラスからの眺望は・・・ここまで富士山を沢山見てきたせいか、いささか感動のトーンも低め。というよりも観光客が多すぎて視界に人の波が入らないことがないからだ。

 ロープウェイで南へ下ると久能山東照宮へ行くことが出来るが、どうせ行くなら南側から自分の足で登りたいところ。だが今回は東照宮自体をスケジュールから外していたので次回に期待である。


三保の松原にて 三代目羽衣の松 現在接ぎ木で四代目育成中とか

 三保の松原もまた沢山の観光客で溢れていた。コロナから復調しつつある観光関係の方には福音であろう。
 自分もそんな観光収入に一助。軽く汗ばむほどの陽気に誘われて、静岡茶ソフトを頂いた。


三保の松原海岸からの富士山 頂部だけが浮き上がって見えて面白い


泊地の隣にある三保飛行場の滑走路

 今晩の泊地は清水三保海浜公園駐車場だ。静岡市近辺で車中泊地として評判が高いこの駐車場は、目の前の浜が人気釣りスポット故に釣り師の車が多い。だが車中泊者は少なく、なかなか静かな泊地であった。

 駐車場から隣の三保飛行場滑走路方面へ行く踏み跡があり、これを追うと滑走路の真ん中へ飛び出した。
 三保飛行場は「静岡県と赤十字飛行隊の訓練飛行場として位置づけられている」とWikiにある。管制塔とかそういった施設は一切無く、そもそも500m足らずの滑走路では小型機しか飛べないような気がする。実際に飛行機が離発着する時はそれなりの体制を敷くのだろうが、こうも自由に出入りできるのもちょっと安全管理からして如何なものかと思った。


滑走路より海岸へ出ると釣り人が沢山糸を繰り出していた

カテゴリー: 車中泊の旅, 静岡県の山 パーマリンク

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