昨晩は夜中の2時頃に大きなトラックがやってきてエンジンをかけたまま休憩を始めた。
すぐ近くだったので流石に気になって眠ることが出来なくなった。
トイレの近くという好位置を捨て場所移動する。こういったケースがあるので車中泊の間は酒を飲めないのが辛いのだ。
さて、今日の予定は西伊豆の岬巡りをと考えていたのだが、朝目が覚めてみるとしとしとと小雨が降っているではないか。
予報を見ると10時頃迄雨はあがりそうもない。こういう時の為にと考えていたのが、地元の図書館で郷土資料を眺めることである。気ままな旅ならではのプランだ。早速スマホで調べてみると、がっくり、なんと暫く休館だそうだ。
仕方がないので下田市内をあちこち走り廻り幾つかの観光スポットを巡るも、どうにも観光客の受け狙い的な所ばかりでちっとも楽しく無い。そのうち雨も霧雨程度になってきたので、地図で気になっていた下田公園を散策してみることにした。
稲生沢川 といってもほぼ運河かな 左手の下田市街地 右手奥がロープウェイのある寝姿山
昨日は下田バーガーを食べて早々に去ってしまった道の駅周辺をもういちど探索。
閉まっていた市場食堂が今日は営業しているじゃない。後ろ髪惹かれる思いがあったが、昼にはまだ早い。
それに、少しづつではあるが青空が見え隠れし始めた。ならば、本来の予定である岬へ出発!
石廊崎へ着いた頃には晴れ。駐車場のおじさんも「もうちょっと前だったら土砂降りだったよ。ツイてるねぇ」。
若干の雲は残るも、ぐんぐんと青空が拡がっていく中、岬の先端を目指す。
最先端には事実上独立した神社として扱われる熊野神社の祠がある
急な好天に追いつかず、陸側は未だガスが抜けきれていないようだ
石廊崎のダイナミックさを堪能したあとは更に西にある奥石廊崎へと巡っていく。複雑な地形が入り組んだ様子は絶好のビューポイントでなかろうか。南伊豆では是非訪れたい場所だ。
南伊豆のもう一つの名所である奥石廊崎 複雑な地形が素晴らしい
車は国道136号を辿り西伊豆へと進む。このあたりは店も街も殆ど無くなり、小さな入り江の漁村から漁村を繋ぐルートとなる。昼時なので腹が減ってきた。飛び込んだ古びた食堂では「ごめんなさい、今は食堂はもうやっていないの」との事。
西伊豆も南半分になるとなかなか観光資源も見いだせず、好景気の頃に営業していた店もほぼ看板を降ろしてしまっているようだ。
松崎の街に入ると食事が出来そうな店が幾つか見られるようになった。地魚料理を謳う「さくら」というお店へ。
メギスという深海魚がこの辺では採れるようで、このメギスが5匹とアジ一匹、他に野菜、超大盛天ぷらに小かまど飯とあら汁と小鉢がついた天ぷら定食1,650円なり。
いや、とにかく盛が凄いのなんの。食事が出てくるまで周囲の人の食べているところを見て、なんで皆あんなに食べきれない程頼んでいるのだろうと真剣に悩んでいたのだが、いざ自分の番になってびっくり。よくテレビで大食いなんちゃらって番組があるけれど、まさにそのノリなのだ。
「食の暴力」と表現して賞賛している方のブログ記事も参考にして頂きたい。というか、あますことなくこのお店の魅力を語ったそちらの記事を是非精読して頂きたい。自分も事前に読んでいれば迂闊に入店していなかった筈だ。
天ぷらの山と格闘することしばし。メギスは味は良いのだが骨が結構あるのでなかなか苦戦する。ようやくすべてを退治した後に、お店のおばちゃんも「良く食べたねぇ」と讃えてくれた。複数人で行ってお互い助け合いながら食べ切るのがこの店での流儀なのかもしれないと悟ったが、自分は孤独なフードファイターであったようだ(笑)
俄かポッコリお腹が気になるが、まだまだ巡って行こうではないか。幾らか歩き回れば腹もこなれるだろう。
浮島海岸では地下から隆起したマグマの造形、奇岩を眺める。暮れ行く空にシルエットが浮かぶ様は、おどろおどろしくも美しい。時間があればもう少し長居したかった。しかし、西伊豆は本当に良いところばかりだ。機会を改めて西伊豆だけでも一週間かけて歩きたいと真剣に思っている。
そして本日最後の探訪地は黄金崎である。西伊豆は夕日の絶景ポイントが幾つもあるが、果たして今夕、黄金崎にこがねいろの夕景は拡がるか。
黄金崎の「馬ロック」と呼ばれる奇岩 夕日に赤く染まると素晴らしいのだが
生憎、水平線に雲が掛かってしまって綺麗な夕日を見ることは出来なかった。次回の宿題となったが、それでも海の向こうに沈みゆく美しい夕日を見ることが出来た。
本日の宿泊地、「道の駅 くるら戸田」へ到着。ここは温泉を併設しているので車中泊車には人気がある。キャンピングカーや日産キャラバンのいかにも車中泊仕様といった車が沢山止まっていた。
何かのキャンペーンをやっていて通常500円のところを半額の250円で入浴出来たのも嬉しかった。入浴後に夕食にしたが、流石に今日は保存食を少し口にしただけ。昼の天ぷらが腹持ちよく、まだしっかりと残っていた。