-『GeoGraphica』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成-
天気が周期的に目まぐるしく変わる。そして、忘れた頃に到来する寒気で山の白さは一進一退。
山行計画もなかなかに難しいものだ。
本当なら平日に歩きたいところだが、晴れ予報の日曜日。お天道様には敵わない。
毎日が日曜日である身なら、世間が日曜日でも同じだろうと思い久々に赤岩山でも歩くかなと画策。
おっとり刀で8時半頃に西登山口の駐車場に着いてみたら既に満車だよ(´Д`)
新コロ(新型コロナの略)で行き場を失った人々が押し寄せているのか・・・
などと考えるも、皆さん貴重な休みのレクリエーションなのだ。
非生産的なプータローは去るべしと考え本日のプランは歩く前から終了。
まぁ、せっかく支度もしてきたのだからいつも通りに東側から歩きましょ。
車を森林公園駐車場に廻すと・・・辛うじて10台位残された駐車スペースにありつく。
次から次へと大量の人達が古賀志山へ向かって出発している。
さて今日のルートはどうしようかと思案の末、ハイカーが少ないであろう東屋ルート(とNPO法人命名か)を伝って中尾根を登る。
沢山の人で賑わう古賀志山や御嶽もさることながら、559mP(最近、斑根石山という名になっている)も新コロにとっては油断ならん(笑) で、回避 ということで鞍掛尾根北上と相成った。
559から鞍掛尾根に入ると流石に喧噪も一段落して本来の落ち着いた山歩きとなる。
古賀志山一帯は『NPO法人 古賀志山を守ろう会』の方々の尽力により急激に整備が進んでいる。
汗を流した方々の御苦労には素直に感謝の気持ちがある。現に鞍掛尾根の途中に新調された頑丈な鎖二か所は本当に有難い気持ちで一杯だ。
しかしながら、整備された一帯が不幸にも新たなる遭難の機会を創出しているのではと思ったのだ。
道標も立派に整備された。連動して古賀志山マップも充実している。これまでバリエーションルートで危険を伴う箇所も通常ルートとの差が見いだせなくなっている。もちろん危険な場所には一応注意喚起の文言は添えられてはいる。
だが、今日の山行で散見されるのは主体性に欠ける次のような人達だ。
山が好きなお友達と一緒に何回か古賀志山に登った。
そして最近道標が整備され詳細な地図もある。これで私一人でも歩ける筈。
というような人が沢山山に入っている。
本日のルートを歩いて、道標の所で他者に『本当にここを行けば良いのか?』と質問して他人の話を鵜呑みにして進んで行き、思いがけない険しさに難渋して進退窮まる人がいた。そして唖然としたのは『ここはどこですか』と自分に現在地を質問したハイカー。
自然を相手とする登山という行為は自己責任が全てである。そういう必須な感性を過多な情報が惑わせているという気が自分にはするのだ。
少なくとも入山する前に自分がどこをどう歩くか、情報が全て失われた時どう行動すべきかという一番大切な心得。
そんなストイックな気持ちが必要なのかと訝しがるむきもあろう。しかし、全ては行動に窮する事態への恐れからくる自己防衛の本能だと思う。
自然は自分に決して優しくない。そんな自然と対峙するには最後には自分が決めて自分の運命を受け入れるしかないのではないか。否、そういう窮地に陥らない為にはどうしたら良いかと考え、そして備えるべきなのではないか。
そんな領域に『誰でもOK』的な幻想を抱かせる情報というのは如何なものかというのが自分の意見である。
他方、無尽蔵なルート開発に山が荒れていく様、そして僅かな情報だけを頼りに無理な歩きの末に遭難するハイカーの多さ。憂慮し対処している『古賀志山を守ろう会』の趣旨には大いに賛同するところだ。
情報が多いのは良い事だが、そこから何を取捨選択するということは個人の責任である。
同じようなことが、昨今の新型コロナウィルス騒ぎについても言えるのではなかろうか。
こんな道標が至る所に展開されているが?
気持ちの良い風景に心が救われる
真新しい板 540よおまえもか
そんな鞍掛尾根をいつまでも見守る山々
鞍掛山の岩コースは所々崩壊