-『GeoGraphica』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成-
※当コースには一般登山道でない箇所が含まれています。参考にされる場合は自己責任でお願いします。
寺久保山の過去の記事
2016年03月12日 西場富士、遠し!
2009年02月11日 廃れゆく里山 寺久保山
関連山行
2019年01月03日 年明け一発目は計画の甘さで撃沈
今年1月3日に途中撤退(時間の読み間違い)のリベンジ敢行である。
だいぶ日照時間が長くなってきたのでもう大丈夫だろうと思い、前回の計画を再び実行へと移した。
前日の天気予報を幾つか見ると、晴れの予報も曇りの予報も双方ある。
最近頼りのSCW予報はというとやはり雲が多めながらも雨は無さそうだ。
ということで、少しでも時間を稼ぎたかったので高速に乗り登山口へ向かった。
まだ、朝の早い時間の樺崎八幡宮前。たまに遠くを通りかかる犬と散歩する人が怪訝そうな感じでこちらを見ている。
さもありなん。こんな早い時間からこの場所に居る必要がある人はそうは居るまい。
前回も歩いているので登山口まではスムースだ。獣よけの柵を超えて前回は谷沿いに登ったが、良く目を凝らすと少し高い場所に踏み跡が濃く、そちらを辿ると楽に道標のある所まで登ることができた。
しかしながら、手前に明瞭な登山口があるわけでもないし地図に表記のある西からの破線道(実在するかどうかは未確認)から此処へ来るのが登山道であったのかは不明。いずれにせよこの道標も文字が薄くなり過去の遺物であるようにしか思えないのだ。
だが、踏み跡は明瞭で、マイナールートを好む人がたまに往来しているのは間違いなさそうである。
一つ目のピークを越し、続く里山特有の急登を登りきると城山へ到着した。かつて山城だった頃は景色が良かったのだろうが、今は樹に囲まれてぱっとしない眺望だ。
南東のコルまで降りるのに一苦労。山城特有の城郭が曲者で、ストンと落ちる斜面がいやらしい。
255.6m三角点までは、これまた地味に急登で汗をかく。
空を見上げると高曇りで雨の予感は無し。遠く西側や北の方面は明るく照らされいて雲の支配から外れている。
段々と南にもそのエリアが拡がってくることを祈りながら進んだ。
三角点付近では、ここのところの暖かさで間違って蕾を開きかけたツツジを見る。
三角点を過ぎるとすぐ鳩の峰から越床峠へ至る登山道へ合流した。
前回は序盤にあり得ない道迷いと無駄な体力消耗をして、ここに到達するまでにかなり手こずってしまった。加えて行動開始時間が遅すぎて、寺久保山まで行ったとしても日のあるうちに帰ってくることが難しいと判断しての撤退であった。
前回の鳩の峰への登りは精神的にも落ち込んでいたのでかなり辛かったが、今回は諸事順調。気持ちが軽いと自然と足取りも軽くなるというものだ。
前回は鳩の峰から目的の尾根に乗るのに若干手こずったが、流石に二回目になるとスムース。奇しくも僅かに濃くなっている踏み跡を辿ると自然とルート収束。(物好きの)需要はそれなりにあるのかもしれない。
鳩の峰から東に延びるこの尾根は総じて明るく見通しが良い。難しい場所はあまり無く藪はおしるし程度。それでも方向替えのピークではコンパスを出し忘れて二か所程ミス発生。『ぼーっと生きてんじゃねーよ!』ってチコちゃんに叱られそう。
低山里山でゴルフ場に隣接しているとはいえ案外動物の気配も濃い。自分に気づいた猪が藪を踏む足音。そして暗褐色の動物が去っていくのも見た。そしてなにより驚いたのが鹿の存在である。
日光地区の山ならどこに行っても鹿は珍しくはない。場合によってはまだ湯気が出ていそうな鹿の糞を踏まないで歩く事のほうが困難な尾根でさえ多々経験してきている。樺崎八幡宮から鳩の峰までの間は動物の排泄物をまったく見かけなかったが、この尾根に入ると鹿の糞が散見されるようになり、更には皮はぎの跡が決定的証拠となる。個体数は少ないだろうが間違いなく鹿が生息しているようである。
272.1m三角点には文字が消えた山名板が寂しく掛かる。点名は駒場であるが、一体なんという名前が掲げられていたのだろう。
前回、敗北感を漂わせながら食事をとった最後のピークを通過し、そこより降下を始める。最後のほうは藪を掻き分けるとやはり同じ場所に出た。
一旦車道を繋ぎ寺久保地区へ。この頃空からポツリポツリと冷たいものが降ってくる。
正直雨は予想していなかったので、「今回もやはりリタイアかなぁ」とモチベーションが低下してきた。つくづくメンタルに弱い自分である。
幸いにして雨はすぐ収まったが相変わらず空は重たく暗い。ガイドブックで駐車地とされている場所ではハイカーが一名、車中から空を見上げながらどうしようか迷っているようであった。自分は最悪雨が強くなってきたら途中で引き返そうと思い先へと進んだ。
寺久保山へのルートは2016年の3月に登った時も般若峠経由と決めていたが、その時は入り口を見つけることが出来なかった。今回は少し手前からアプローチしてみようと考え、駐車地脇にある石の橋を渡りすぐ山側に向かって突っ込んで行った。
何やら怪しげな藪の切れ目がある。獣道にしては大きすぎる。入ってみるとやはり踏み跡があった。すぐ激藪となるが雰囲気で大体の方向を追っていくと一旦平穏になり次の虎の穴が出現する。こちらはバッキバッキの竹藪でとにかく方角だけ合わせて強引に突っ切ると樹林に到達してまずは一安心。
般若峠ルートは本来もう少し北側にあるのだが、最近は湿地帯化しているという情報もある。多少藪が辛いがこちらの方が手堅い気もするが一般的ではないのは確か。
序盤の藪との格闘を終えても再び次なる藪。今度は薄手だから見通しは良い。やがて切通しのような溝を超えた。恐らくここが般若峠と思われるのだが、少し先に進むとあら不思議。魔法のように道型が現れた。周囲を見渡しても他にルートがあるようには見えなかったが、もしかすると見落としていただけなのかもしれない。次回の宿題として是非精査したいところだ。
道は時々怪しくなるも、まずは登山道と言ってよいレベルになった。そして寺久保山を示した道標を初めて見ると、その先で医王寺からの登山道に合流した。
この箇所に下り方面としての般若峠への道標は現在は無く、また、入り口が倒木でとうせんぼうがされているので往来する人が減少して廃道化していると思われる。
山は所有者の意見が強く反映される場合が多く、それは致し方のないことでもあろう。まったく根拠の無い想像だが、般若峠ルートも通過するエリアの地権者が快く思っていない等の事情があるのかもしれない。
かつて下りで歩いたことがあるこのルートだが、今日は登り。最後のロープ場はこんなにきつかったかなと記憶を辿りながらもようやく見晴らしへ到着した。低山とはいえ、一つの塊である尾根筋を登りそして下ってきた。そしてまた高みにやってきたのだから流石に疲れが溜まってきたようである。
藪漕ぎをしている間にぱらぱらと音を立てて降っていた霰も、食事を始める頃には忘れ物のように時折白い粒が転がってくる程度になった。空は未だ重いがまぁいいだろう。今日は歩き重視。そして、予定通りここまでやってこれたのだから。
霰がすっかり止み、さぁ後半という時にくしゃみ連発。そう、花粉症の『ような』症状が最近は山の中でこの時期起きることがあるのだ。何故か我慢していると一週間くらいで症状が治まるので心の中では花粉症と思わない事に決めているのだ。
塩坂峠へ向かう分岐を北へ向かう。山王山は特徴のある鋭角的な形が周囲からよく見えるので登りたいと思っていて今回も予定してはいたが、いささか足の筋力貯金も少なくなってきたこともあり標高差100mの登りで後半の体力を奪われたくなかったのであっさりパス。違うルートを組む時には是非歩いてみようと思う。ただこの山はガードが固そうで現存する破線道の登山道以外から登るのはかなり難しそうな感じではある。特に境界線上を辿ろうとすると法面でがっちりガードされているのでほぼ不可能であろう。
山王山を見送ると、すぐ目の前に辿るべき尾根の末端が取り付いてくれと言わんばかりに現れる。序盤は煩い小藪だが登るにつれスッキリしてきた。
264mPを超えた先で寺山と山名板が掲げられたピークへ着いた。足利百名山となっているが、三角点でない何の変哲も無いこのピークを選定するからにはそれなりに理由があったのかもしれない。
歩く人は殆ど居ない筈だが、足利百名山を繋ぐ尾根だけあって赤テープは頻繁に見かける。だが、こんなに間違えるようなポイントも少ない穏やかな尾根で本当に赤テープが必要なのかなと思うのは自分だけであろうか。かつて北関東道が無かった頃は樺崎八幡山から尾根通しで山王山まで繋ぐことが出来たから案外人気のルートであったのかもしれないが、歩く人が少なくなった今こそテープの類をなくしても良いのではと思うのだ。
ようやく樺崎八幡山の姿が見えた。こちら側から見ると無残に道路で切り裂かれた姿がはっきり見えるが、この山も案外周囲が急峻なので予定では安全を期してこの道を歩こうと思っているのだ。
尾根の末端のピークまで行ってしまうと北関東道に阻まれてしまうので途中のコルから着地を試みる。方角だけ合わせて竹藪に突っ込むがなかなか屈強な竹に阻まれ、踏み進む度にバキバキ音が周囲に響き渡る。チラっと建物の屋根が見え隠れしているのでちょっと心配だったが・・・ビンゴで私有地の真後ろに出てしまった。人の気配とか犬の姿が無かったのが幸いだった。
最近偵察をおろそかにしているのでどうも着地点でヒヤヒヤものである。
再び北関東度くぐり、高速道の南側エリアへ戻る。
砂利集積場のような場所を少し先に進み建設が中断している車道へと入った。見ると大きく蛇行しているが、これをコツコツ登るのもいかにも芸が無いというものだ。見切りをつけてショートカットすることにしたが、斜度は見た目以上にあり途中には打ち捨てられた倒木が重なり、なかなか苦労する登りとなる。まぁ延々と道路を行くよりは良いかな。
時折四つん這いで斜面に手を付きながら難渋する姿は北関東道を群馬方面から走ってくる車のドライバーに丸見えだ。あんな所を人が・・・って気付いて貰えたかな(笑)
ゼイゼイしながらようやく登りきるとそこは道路建設の末端で、中途半端に山肌を削りかけたところで終点となっていた。何はともあれ水を飲んで息を整えないとね。
山頂の主尾根はすぐ上なので少し巻いて高度を上げると林の中にか『水道山』の標識があった。ここを緩やかに登っていくと石祠があり更に進むと三角点の場所には朱色で書かれた八幡山の山名板を見る。
山頂にあった道標に『パスポートコース』との記述があった。かつては人気コースだったのかもしれない。北関東道で山が分断され、北側が車道でえぐられた現在は訪れる人も少なくなり寂れていってしまったのだろう。
さて下山はどうしよう。計画では山頂より八幡宮まで直滑降も考えていたが、前回建物の裏手を眺めていて着地に使うのにはちょっと無理があるのかなと思っていた。
幸いにしてパスポートコースなるルートの道型が南に続いているのでこれを追ってみる。途中から大きく西側に巻き始めたので離脱して灌木の藪を真南に直滑降した。斜度はあるが手掛かりが多いので降りやすい。途中でぽっかりと抜けたと思ったらその下は道路までさっぱりと伐採されていた。下の田んぼで耕運機を運転している人や家々から丸見え状態だ。そそくさと切り株を頼りに無事道路に降り立つとそこにはパスポートコース入り口の道標があった。今となっては途中の道も寸断されてその価値も失われつつあるが、それでも神域である証拠の朱塗りの鳥居が鮮やか。丁度咲き始めの桜が彩りを添えていた。
概略コースタイム
樺崎八幡宮駐車場発(06:39)-城山(07:18)-三角点 樺崎(07:36)-鳩の峰(08:16)-三角点 駒場(08:55)-
着地(09:46)-車道を離れ山中へ(10:01)-登山道痕へ合流(10:24)-医王寺からの登山道に合流(10:36)-
見晴らし到着(11:03)-昼食休憩-行動再開(11:42)-寺久保山(11:50)-大網林道へ接合(12:27)-
再び尾根へ(12:34)-寺山(13:14)-奥山(13:41)-伐採地(13:59)-民家裏に着地(14:34)-工事中車道へ(14:44)-
工事区間末端(15:01)-八幡山(15:11)-車道へ着地(15:29)-駐車場着(15:36)
カシミール3Dデータ
沿面距離:15.9Km
所要時間:8時間57分
※累積標高差は、『国土地理院基盤地図情報数値標高モデル10mメッシュデータ』よりカシミール3Dにて算出した値
リベンジ成功とあって、久しぶりの長編レポとなりましたね。
この日は私も近い所を歩いていました。
距離も時間も4分の1程度ですが・・・見せ場がなかったのでボツです(笑)
家に帰ってくるまでは元気だったのですが、
流石に月曜日くらいまで軽く筋肉痛でした。
天気もあまりよくありませんでしたが、気持ち的にはすがすがしいものがありました。
リンゴさんは、大小山方面だったでしょうか。割と近くにいらっしゃったんですね。
9時間近くのお歩き、お疲れ様でした。
いつもながら詳細な記事に感心いたします。
こちらとしては今年は花粉症が例年よりもひどく、里山にはなかなか足が向かない状況です。
もう少しの間は雪のあるところを徘徊することになりそうです。
雪遊び、
もう少し行きたかったのですが、観音山ですっかり意気消沈してしまって早々にスタッドレスタイヤを
替えてしまいました。
雪が無い無いという割にはまた積もったりですが、今年のコンディションは見極めが難しかったです。
来期に期待したいところですが、車の雪道に対する弱さが露呈してしまって、
今の車には良い所が沢山あるんですが、やはり山遊びにはパジェロミニは最高だったなぁと思ってます。
こんにちは
ご無沙汰してすいません ^^;
平成も終わり 令和になるので、、、
なにか気分転換をと
また 山歩きを始めました!!
そして
今月は 低山ですが 4回も登りましたよ~~~~笑
しかし
このログの山歩きは、、、渋くて 長くて すごい、、、、
わたしなんて
宝篋山の3時間半くらいで
死んでます、、、ドテッ
ご無沙汰でーーす。
山登り再開ですね。記事が楽しみです。
ちなみに、我が家も、
退職した家内の健康増進を兼ねてと土曜日に古賀志山行ってきました。
本日家内は筋肉痛と格闘中(笑)