再訪の磐梯山


-『スーパー地形』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成-

磐梯山の過去の記事
    2021年10月05日  磐梯山

 昨晩の泊地、「道の駅 裏磐梯」は自分にとってはもはや定宿。今回も涼しくて静かな夜を過ごす事が出来た。こんなに良い所なのに車中泊者が集まらないのはやはり山の中だからなのか。道の駅Wifiも安定して一晩中繋がるから、スマホもタブレットPCも使い放題なのは夜が長い車中泊にとって大変アドバンテージが高い。なんてことを書いていると人気が上がって混むのは嫌だけどね(笑)

 福島遠征二座目は磐梯山だ。三年前の秋に登っているが、ガスガスで眺望がイマイチだった。下れば晴れるの法則で口惜しい思いをしたのだ。

 この山域は安達太良山も一度目はガスで殆ど何も見えなかったが、二度目でリベンジすることが出来た。結果として磐梯山も今回の二回目でスッキリ好天の下歩く事が出来た。

 ルートは前回が八方台登山口からの最短ピストンだった。今回は北側の裏磐梯スキー場からの周回とした。磐梯山はこの他に東と南からのルートがあり、変化があって面白い山。今後もルートを変えて登ろうと思っている。


裏磐梯スキー場から登山開始 衝立のような山姿にテンションがあがる


ゲレンデを少し登ると檜原湖がよく見えるようになる

 ゲレンデが終わるといよいよ登山道になるが、それまでの開放的な雰囲気に比べ、暗い登山道はクマの雰囲気に怯える。とりわけシダが繁茂する様子に若干気後れする。駐車場の車は自分の他に一台あったが、丁度歩き出して別な方向に消えていった。従ってこのコースは自分が本日の露払いのようである。


ゲレンデが終わりシダゾーンが結構不気味
熊鈴をダブルで鳴らしてホイッスルも吹いて・・・更に奇声を上げながら登る


群生するイワカガミが心を明るくする


火口原分岐にて 荒々しい稜線のパノラマが拡がる 壮観だ


櫛ヶ峰は未だ光届かず怪しく佇む


飯豊のてっぺんが見え始めた


崩落地の向こうに西大巓と西吾妻山

 急登区間を登っていく。途中からU字に曲げた鉄の棒が埋め込まれている区間は、両手でこれを掴みよじ登るようにして大いに助けられる。半端ない急登だからどんどん高度が上がっていく。

 左手の崩落地方面で小石か何かが落ちる音がした。動物がこちらに気が付き慌てて去る時に石を落としながらというのはよくあるパターンだが、直ぐに音はどんどん大きくなり、やがて大轟音となった。
 腹の底から響くような山崩れの音を人生で初めて耳にした。冷静に考えれば直接登山道に及ぶ可能性はほぼ無いだろうが、それでも一瞬身構えてしまった。

 日常的にこういった崩落は起きているのだろう。目の前に展開される荒々しい風景は伊達じゃないんだよと、自然に教わった気がする出来事であった。


超絶急登区間はこの鉄棒でよじ登り大いに助かる


山中に佇む銅沼を俯瞰 水が綺麗だ


迫力の斜面


先ほどこちらで崩落があった 直接見ていなかったが経験したことの無い轟音で恐怖を感じた


西側稜線と飯豊山


飯豊山と檜原湖


櫛ヶ峰 入山禁止になっているが踏み跡あり
記録を見ると歩いている人もがいるようだが自分は遠慮したい


ようやく磐梯山が見えた


再度、先ほどガケ崩れがあったと思われる斜面 凄い迫力


櫛ヶ峰分岐からは風が強くて帽子を押さえながら進む しかし、拡がる眺望は爽快


印象的な天狗岩と西吾妻山


弘法清水小屋へ到着した こんな時間から営業している お疲れ様です


弘法清水をいただく ここの水は味が深くてほんとうにうまい水だ


西大巓の南斜面はグランデコスキー場 蝶々みたいだな


ミネザクラも丁度見頃




さぁ、あと少し


山頂直下のミネザクラは風雪に耐えて根曲がりになっている


到着!


三等三角点だが、基礎がしっかりと施工されていて立派


猪苗代湖方面はガスが多くて案外眺望効かず


それでも三年前のリベンジは果たした


会津はどこからでも飯豊が見守っている




こちらは次に歩く猫魔ヶ岳と雄国山方面 スキー場天国だね


櫛ヶ峰俯瞰 それにしてもあのナイフリッジはヤバイ でも頂稜部は案外穏やからしい


檜原湖

 好眺望に後ろ髪をひかれるも、再来を心に誓い下山にかかる。帰路は八方台ルートで中の湯まで降り、そこから廻りこんで銅沼を見てスキー場へ出る。


下山途中のミネザクラ


高度を下げるとムラサキヤシオが見られるようになる


綺麗な色だ


櫛ヶ峰もだいぶ遠くなった


至る所凄いの一言に尽きる

 銅沼で写真を撮っていると若者三人がスキー場の方からやってきた。会話の内容から何か調査しているような雰囲気。ヘルメットの裏に気象庁と書いてある。

 尋ねると、新たな噴煙が確認されたので調査に行くという。見ると確かにその方面に小さな噴煙が上がっている。活火山の証だ。朝方崩落があったと話すと、記録しておきますとの事。もっとも活動は地震計やライブカメラで把握しているということだ。


銅沼と櫛ヶ峰 荒涼とした雰囲気が良く似合う


亀の甲羅のようでおもしろい


ヤマツツジが独特のコントラストを醸し出している


あとはスキー場を下るだけ

 下山後は喜多方まで下り、「道の駅 喜多の郷」併設温泉で汗を流した。この温泉は利用料500円で内湯と露天もあり休憩所は広々としている。この手の温泉にありがちな、「持ち込み禁止」や「横になっての休憩は遠慮願います」の掲示が無く、伸び伸びと休憩できる。

 軽食コーナーもラストオーダーが19時というのが嬉しい。どこも大抵三時頃には終わってしまうので、実質的に昼食のみの利用と限られてしまうものだ。下山後に汗を流して遅い昼食でもと思っていると残念な事になる。

 今回、食事はあてにしていなかったので一時間ほど昼寝を決め込んだ。その後、喜多方のスーパーで夕食を仕入て再び車を山道へと走らせた。今日も道の駅裏磐梯の静かな夜を過ごす事になる。

概略コースタイム

駐車場発(06:05)-スキーゲレンデトップ(06:40)-火口原分岐(07:18)-櫛ヶ峰分岐(08:07)-
弘法清水小屋(08:41)-山頂(09:12)-軽食休憩-行動再開(09:34)-弘法清水小屋(09:52)-
中の湯分岐(10:47)-銅沼(11:33)-スキーゲレンデトップ(11:46)-駐車場着(12:06)

カシミール3Dデータ

沿面距離:11.2Km
所要時間:6時間1分

撮影使用機材
・NIKON Z50
・NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR

カテゴリー: 車中泊の旅, 福島県の山 パーマリンク

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