群馬県境2024春 篭ノ登山


-『GeoGraphica』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成-

関連山行
    2023年05月24日  湯ノ丸山と烏帽子岳

 本来は5月上旬に計画していた群馬県境の山巡り。序盤は西上州の”ひとつばな”(アカヤシオの群馬方面での呼び名)を巡ったあとに登る十日間程度の予定だったが、今となってはアカヤシオは見る影もないだろう。来年のお楽しみにとっておくとして、後半の県境巡りだけでも歩くことにした。

 16日出発、22日帰着で五座の予定であった。天気が悪化する予報を受け、二日予定を繰り上げて20日、雨そぼふるなか宇都宮へ帰着した。本命の三座を納得のいく内容で登り終えたので、まずは良好の首尾であった。

 出発の16日もまたはっきりしない天気の中での移動。予報で織り込み済みだが、泊地の東御市に近づくにつれて青空がどんどんと拡がり、明日からの登山に期待感が上がる。翌日の登山予報では午前中の早い時間帯に山頂では強風が吹いているようだ。

 泊地は去年湯ノ丸山に登った時と同じスキー場駐車場のある地蔵峠を予定していた。標高が1700mもある為涼しい(寒い)のと、トラックが停まるような場所ではないので騒音に悩まされる可能性はほぼゼロだ。だが高地故に予報のあった強風の影響をもろに受けやすい過酷な環境。車中泊は避けるような判断をし、麓の東御市にある「道の駅 みまき」を泊地とした。

 この道の駅は昨年も検討したのだが、トイレ側の狭い駐車エリアは大型駐車スペースと隣接しているのでアイドリング騒音が気がかりだった。
 今回、ラッキーな事に大型が来ない静かな夜を過ごすことが出来た・・・筈だったが、三時頃に一台大型が入ってきてそのまま朝までアイドリング😥

 何はともあれ、車中泊一泊目はなかなか快眠とはいかないものの、多少のアイドリング音にも負けずにまぁまぁの睡眠を得た翌朝、予報を見ると風もいくらか収まっている。とり急ぎ地蔵峠まで行き様子を見ようではないか。

 道の駅から地蔵峠までは標高差が1200mもある。日光駅から霧降高原の駐車場までの標高差が約800mだからそれの1.5倍になるわけだ。気象状態も麓とかなり違うことは想像に難くない。

 地蔵峠に到着して車から降りるとひんやりした空気に身が包まれる。気温は間違いなく一桁だ。低気圧通過後の風は徐々に沈静化しつつある雰囲気だ。薄手のダウンをザックに入れて登山を開始した。登山用グローブ(ホームセンターのゴム引き軍手)を忘れたのが痛かったが、まぁなんとかなるだろう。最近認知機能低下か?何か一つ忘れ物をするが、幸いどれも致命傷にならずに済んでいるから良いが、やがてチェックリストでも作って指差し確認なんていうのが必要になるかもね😅

 今日登る山は群馬県境の山としてはいささか地味さはあるものの、眺望は侮れない篭ノ登山を登る。昨年、地蔵峠の反対側にある湯ノ丸山に登った時に次回は、と思っていた山だ。


スキー場脇を登っていく 奥に昨年登った湯ノ丸山と烏帽子岳(左奥)

 登山道はたいへん良く整備されている。危険個所や不明瞭箇所などは皆無。また、植生保護が必要な箇所にはロープ張りも徹底されている。長野県は山岳王国だけあって、管轄している東御市もこういうところにはキッチリお金をかけているのだなと痛感。


よく整備された新緑の笹路を進む

 朝まだ暗い樹林帯に入ると若干の急登区間。時折強い風が枝を揺らすが樹林の中はゆりかごのように登山者に優しい。やがて上が明るくなり、南側の眺望が一気に拡がるとそこが見晴岳。偶然にしてか風が急に収まってきた。日頃の行いが良いか悪いかは不明😆だが、予報通りなのは確かだな。


急登一本で文字通り見晴らしの良い見晴岳へ到着 背後に浅間山が噴煙を上げている


八ヶ岳は若干雲に隠れている 眼下は東御市街地


美ヶ原方面なのだが何処がどこだかさっぱり?


奥に中央アルプスが浮かび上がっている


目指す東篭ノ登山 まだ遠い


池の平湿原と黒斑山


三方ヶ峰からの八ヶ岳方面眺望は見晴岳と変わらず 北東は高峯山の向こうに黒斑山


湿原へ降りてきた 今の時期見るべきものはあまりなさそうだ


鏡池も未だ春覚めやらずの趣き


浅間山方面に向かって木道を進む


気持ちの良い笹みちと青空


笹原に一株の山ザクラが色を添える

 湿原を回り込むようにして笹の登山道を軽く登り上げると池の平駐車場へ到着。こちらは有料だが篭ノ登山へは最短距離にあり、ここから歩くのが一般的らしい。その場合は東西篭ノ登山ピストンと見晴岳と池の平周回がセットのようだ。

 この駐車場から東篭ノ登山ピストンなら標高差167mだ。西篭ノ登山へは標高差100m弱のアップダウンがあり眺望も東よりも若干劣る。日頃山歩きをしない家内をもし連れて登るのなら、池の平駐車場から西篭ノ登山ピストンがコスパが良く現実的だな。

 池の平駐車場までは誰にも遭わなかったが、ここから先は平日にも関わらず沢山の登山者を見る。わざわざ地蔵峠からはるばる(というほどの距離ではないが)やって来る者は少数派ということらしい。


池の平駐車場へ到着 ここから篭ノ登屋コースが始まる
初めて他の登山者に遭いその後は続々と行き会う


登山道は植生保護の為きっちり管理されている
結構お金と手間がかかっていると思う


明るい林を進み・・・


ゴーロをやり過ごすと・・・


360度眺望の東篭ノ登山 山名板は東篭の”塔山”となっている
黒斑山の後ろで浅間山から噴煙がたなびく


八ヶ岳を覆っていた雲も取れた


大崩落の氷ノ塔山 あちらにも行けるらしいが今日は予定していない


北東方面 左奥が武尊山かも


中央アルプス




正面が先ほど歩いた見晴岳 左下が池の平湿原


左、烏帽子岳 右、湯ノ丸山


明日登る予定の根子岳と四阿山 雲で覆われて光線がいまいち 綺麗に写らなかった


今日の最終目標、西篭ノ登山までは片道30分だ


西篭ノ登山との間にシャクナゲの株は大量にあるも花がついていたのはこれ一つのみ
手前の葉っぱ一枚が邪魔だったなぁ😥


コルに降りる途中、西篭ノ登山肩越しの中央アルプス


西篭ノ登山 こちらも”塔”になっている


眼下に湯の丸スキー場周囲の施設群、背後に烏帽子岳と湯の丸山のツインズ


東篭ノ登山へ登り返す

 東篭ノ登山へ戻り軽い昼食休憩とした。最近はドラッグストアブランドの買い置きビタミンゼリーと泊地付近の地元スーパーで入手のソーセージパン+αが定番で、山で美味しそうなものを食べている方からすると大層貧弱な食事だ。

 その分軽量化が出来るが、食べる楽しみはかなり少ない。登山の時間配分は出来るだけ13時くらいには下山を終え、その後の移動や食料調達、日帰り温泉などがあって結構忙しい。あくまで行動食レベルなので腹がすく。結局途中で寄ったコンビニなどで食欲に負けて小腹満たしの余計なものを買ってしまったりする。間違いなく摂取カロリー>消費カロリーのような気がするのだが、歩いて運動した感が強いので迷いがないのがしょうもないところだ😆


篭ノ登山を降りて池の平駐車場から地蔵峠方面はゆるゆるとトラバース


篭ノ登山ツインズよさようなら


緑が似合う苔の道を下っていく


なかなかの巨木

 今晩の泊地は先ほどの湯の丸スキー場駐車場だ。今晩は気象条件も良いから快適な睡眠を貪ることが出来よう。昼間は観光客向けのお店もやっているようだが、食料調達自体は麓まで降りなければならず、昨晩の泊地方面へ向け今度は1200mをダウンヒル。そして買い物が終わればまた戻ってくる。結局今日は登り二回の一往復半する事になったのだが、この駐車場の夜は特上ランクの静かさと快適さが約束されているから運転もいっこうに気にならないのだ。(燃費は気になったけどね)


湯ノ丸スキー場から東御市へ下る途中から 田の向こうに拡がる八ヶ岳
毎日この景色を見て暮らすのも良いだろうな

概略コースタイム

地蔵峠駐車場発(07:24)-見晴岳(08:42)-三方ヶ峰(09:01)-池の平駐車場(09:37)-
東篭ノ登山(10:10)-西篭ノ登山(10:37)-東篭ノ登山(11:03)-軽食休憩-行動再開(11:16)-
池の平駐車場(11:42)-地蔵峠駐車場着(12:38)

カシミール3Dデータ

沿面距離:11.4Km
所要時間:5時間14分

撮影使用機材
・NIKON Z50
・NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR

カテゴリー: 車中泊の旅, 群馬県の山 パーマリンク

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