先日、前黒山で絶大な効果を発揮したスノーシューについてプチ解説します。
下の写真、まずは上から見た全体像。左側がMSRのライトニングアッセント(メンズの25インチ)、右側が従来使用の散歩用スノーシューです。散歩用スノーシューはドッペルギャンガーというアウトドアブランドの廉価品をネットで五千円弱位で購入しました。かたやライトニングアッセントは税抜き定価で¥35,000とかなりお高め。価格ドットコムで最安値検索したら送料込みで三万切るショップがあり、溜まった楽天ポイントも使ってかなりリーズナブルに入手できました。
聞く所によると、海外通販なら送料込みでも200ドル位で買えるそうな。海外通販はちょっと敷居が高そうなのと、アフターも考えて国内購入としました。
左、ライトニングアッセント
この二つのスノーシュー、外観上の大きな違いはドッペルギャンガーが丸パイプフレームなのに対して、ライトニングアッセントが枠型のフレーム。ビンディングはドッペルギャンガーがカチカチと締め上げるラチェット式で、ライトニングアッセントはズボンのベルトのように絞ってベルトの穴にピンを通す構造になっています。実際に使用した感じは一長一短でどちらも甲乙つけがたいですが、ちょっと頼りなげなライトニングアッセントの方式も甲の部分が3本、ドッペルギャンガーより1本多く締めるということもあり、実際には案外きちんと締まった良い感じでした。
ただ、このベルトの耐久性が経年変化等でちょっと心配に感じましたが、ベルトをはじめその他替えパーツも案外廉価に手に入るようです。ドッペルギャンガーのほうは修理出来ないので壊れたら使い捨てとなります。
ビンディング
下の写真は裏側です。決定的に違うのがここ。ライトニングアッセントは井桁構造のフレームで横に2ラインの歯が付いており、歯の間に雪を溜めて踏ん張れる。ドッペルギャンガーは申し訳程度のクランポン(爪)しかなく、力を入れて踏み込むと前後左右にぶれてしまい疲労の原因となります。
クランポン
そしてなんといっても最大の特徴がこのフレーム側面に着いているギザギザの歯。このお陰で雪にしっかり食いついて縦すべりだけではなく横滑りも防ぐ構造となっています。実際に履き比べた実感としては、少し斜度が上がるとその差は歴然。20センチ位沈み込んだ状態でもこの性能は遺憾なく発揮されました。
フレーム自体にも歯が付く
斜度がきつい状況ではヒールリフターが絶大な効果ありです。かかととを上げることにより雪面に対して水平を保つことが出来るので、ふくらはぎが伸びきってしまうのを防ぐことが出来ます。これは長時間スノーシューで登った経験がある方ならほぼ直感的に理解出来るポイントだと思います。登山向けにデザインされたスノーシューは、このライトニングアッセントのみならず大体ヒールリフターを装備しているようですが、中には付いていない商品もあるので注意が必要でしょう。
浮力についてはどちらも大差ありませんでした。ライトニングアッセントはメンズ用で25インチと22インチの二種類があります。小さいほうが取り回しし易いのは言うまでもありませんが、その分浮力が犠牲になることを考えると25インチで正解でした。実際の使用感では25インチでも軽快な脚さばきが出来るので、敢えて浮力を犠牲にする必要は無いと思いました。
女性用モデルは横幅が少し狭くなっているようですが、僅かな違いで操作性と浮力に影響があるかどうかは懐疑的な所です。しかし、25インチと22インチの差はきっと大きいと思います。MSRの代理店であるモチヅキもHPで、ユーザーの体重や適用雪面の状況に応じた推奨設定を提示していますので、これから購入される方は参考になるでしょう。
以上簡単なレポートでしたが、自分なりの感想ではノーマルタイヤからスタッドレスに履き替えたくらいの劇的な差があるように思いました。MSRにはアッセントとエクスプローラーという二つのシリーズにそれぞれEvoというタイプがありますが、こちらはプラスチックフレームに金属の歯を付けたような構造です。あくまで見た目から感じる直感的な評価になりますが、ちょっと頼りなさを感じます。”山登り”に使うならば、多少の価格差を押してもライトニングアッセントを選択したほうが吉だと思います。
こんばんは。なるほど、先日のレポートを拝見して日が経っていないので、
これでスイスイと登っていらしたのだなと、想像しやすかったです。
ギザ歯が大きな違いですよね、散策用と本格用の。ヒールリフターの存在も
もちろん外せませんが。値段相応の、しっかりした性能なのだろうと想像します(^^)
ちなみに我が家は、新たに欲しいものが見つかりました。スーパーカンジキの
サイズが問題だったNon夫が(爪先の干渉を嫌がっていた)、まずは購入
することになると思いますが、いまは多忙過ぎで… 来月半ばかな?と。
「スイスイ」という程には体力が追いついていませんが、自分としてはかなり軽快に登れました。
やはり道具ですね。
カンジキ系やスノーシューは大きめの靴の場合特に爪先が干渉することが多いらしく、購入前にいつも履いている山靴で合わせてくださいと言うショップもあるようです。
靴も実際に選び始める普段のサイズだけではなかなかうまくいかないもの。
登山のように足に負担が集中するスポーツは文字通り”足回り”にはこだわったほうが良いようです。
Nonさん達の新兵器登場、楽しみです。
おはようございます。
スノーシューに関して”も”全く知識が無くてコメントもできず悔しい思いです>笑<
ただ、まっちゃんの説明を読んでいると”読んでる時だけ納得しちゃう”んです。
何かの時には参考にさせていただきます。早々に退散します>^^;<
自分も初めてスノーシューをレンタルで履いた時は、こんなもので雪に埋まらないのかなぁと思っていましたが、いざ歩きだすとあら不思議。あめんぼうが水面をスイスイ行くような感じでした。
防寒着の備えは必要ですが、機会があったらケン坊さんも日光や学校平のスノーシューツアーにご参加ください。(でも、寒いの苦手な人はちょっと辛いかもしれませんね)
MSRのベルト、歩いているうちにベルトの余りが、抑えているプラスチックパーツから外れて”ブラブラ”してウザくなかったですか?
とっても嫌だったんですが、NYAAさんからプラスチック部品を上下逆に取り付けるワザを教えていただきました。
実践したところ、歩行中にベルト余り部分がブラつくこともなく快適に歩けましたよ。
僕のものと年式が違いそうなので改善が入っているかもしれませんが、もし、ブラブラベルトが気になったようでしたらお試しください。
確か12年モデルまでは余った部分の穴の一個を突起に刺すタイプだっったと聞いていますが、自分の13年モデルはベルト全体をガイドに差しこむような方式に変っていてグローブをしていても対応出来ました。
モチヅキのサイト
かかとの部分のベルトがかなり長く余ってしまってこちらの処理に困りましたが、とりあえず靴を入れる所の回りのプラスチックの間に潜り込ませました。
アイゼンとかワカンのナイロン紐ならカットしてライターで末端処理すれば良いのですがこの硬質ゴムの紐は切って詰めてよいのかちょっと思案中です。
う~ん、解説を読めば読むほどMSRのライトニングアッセントにすれば良かったと・・・(^_^;)
福沢諭吉様を数枚ケチった為に後悔しています。
って言うか、まだ使用頻度が少ないので愚痴るべきでは無かったですね(笑)
自分も後悔の念に長らく(といってもかだか数シーズン)悔しい思いをしていましたが、この度その呪縛から解き放たれました。
山道具は多少高くても良い物を買うべきだと思うのですが、いざ購入の段になると「これで充分では」という判断で、結局後から勉強代となる始末です。まぁ、中には安くても充分な品質なもの、あえて登山用でなくても安い品物で代用出来るものは沢山ありますが、やはり足回りやレインウェアとなると良い物を・・・のようです。
(自分はレインウェアに問題が。あ、でも雨の日には山行かないもん・・・と言い訳)
もちろん、私も最初はお試し程度と考えていたので、ドッペルギャンガーも検討しましたが、そこそこのお値段で使えそうなEVOスノーシューを買いました。ちなみに、EVOの方が樹脂なので、アッセントよりバフバフ感はいいです。あと、エッジグリップもしっかりしており、足元にエッジがあるので、トラバースなど、特に強いかと思われます。
但し、EVOは、深雪の登りで、トップで雪面をなめてしまうのがガンで、登りづらいです。あと、アッセントの方が面全体で、グリップするので、登りは強いと思います。また、EVOの方が前爪のグリップはしっかりしていると思いますが、がっつりグリップが逆にずれるのかなという気がします。
25インチですが、私も悩みました。結局、25インチが必要なほど雪が深い時は、そもそも歩くことはないという結論に達しました。なるべく、軽くして、快適に長時間歩くというのが好きなので、あまりにラッセルがひどい時は、早々に引き揚げるか、最初から行かないことにしています。
また、EVO+テイルで歩いた時、ヒールに浮力がよって、変な感じがしていたし、そもそも自分の体重は軽いし、などなどの条件も加味しました。
人によっては、男性でも女性用の22インチや25インチを使うそうなので、結局は、考え方次第なのだと思います。EVOスノーシューが22インチなので、アッセントは、25インチを選んでも良かった気がするのですが、取り合えず、買ってしまったものは、使ってみるしかないということで。
そういえばEVOのエッジって真ん中に寄ってましたよね。成る程、アイゼン履いてるみたいな感じ+浮力でしょうか。
22インチと25インチ、男性用と女性用でセッティングが変わるので選択は難しいですね。
車じゃありませんが、試乗ならぬ試用が出来ればよいのでしょうが、それもまた雪面の状態によって変わる訳だし、理想的な状態を追求するのがそもそも無理。おっしゃる通り使ってみるしか無いということになりますね。
色々なモデルと仕様を経験して段々自分にフィットした製品が選べるようになるのでしょう。
自分は体重をもうちょっと落として22インチ志向にしたかったのですが、ザックを含めた装備重量ではMSRの25インチゾーンに突入(^^;
もっとも、今回前黒山を歩いてみて、大体この辺が自分の力量にあった雪山だと考えると25インチで正解だったかなと思っています。まさに人それぞれの考えた方で選択の幅があるツールと言えますね。
あと、レインウェアですが、モンベルのスーパーハイドロブリーズ(現行商品:サンダーパス)で十分かと。スキーで、これを使っておりましたが、不便を感じることがまったくなかったので、登山で使っておりますが、特に問題ありません。それから、ミズノのストームセイバーも定評のあるところです。
ちなみに、私も雨の日は、基本山に行かない派でして、16年前に買ったモンベルのストームクルーザーも健在です(笑)
自分の雨具はスポーツ用品量販店のショップブランド品廉価版です。
実際に雨の中で使ったのはこの7年間でたったの3回。
単独が殆どなので降雨の可能性がある時は行かないという原則なので、もはや雨具はお守り的な装備となっています。というよりも自分の中ではビバーク時の防寒着としての位置づけが高いかもしれません。
それだけに、重量を考えると最近の高価なモデルには心惹かれるものがありますが、価格を考えると優先順位低いかなみたいな感じです。
高所テン泊長期な方だと、百グラムの軽量化をいくつも重ねてトータル装備重量を絞るということで、雨具の軽量化などは最優先事項なんでしょうけど。