群馬県境2024春 平標山と仙ノ倉山


-『GeoGraphica』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧ービスデータ』にて作成-

 群馬遠征三か所目は谷川連峰の西端にある平標山、そして谷川主稜線側へ一歩踏み込んだ仙ノ倉山に登る。

 昨晩は登山口にある元橋駐車場に車中泊した。この駐車場は有料(600円)だが、退場時に徴収される仕組みなので夕方からは自由に出入りできる。

 国道17号を湯沢方面へ走り「道の駅 みつまた」に併設の温泉で汗を流したあと、元橋駐車場へ戻った。夕食を終え陽がすっかり落ちてから車の外に出れば、漆黒の闇があたりを覆っていた。滅多に出番の無い懐中電灯でトイレに行くと、人感センサーで辺りが一瞬にして照らされてほっとする。車に帰るまでライトは不要だった。

 明け方、駐車場へやってきた登山者の物音で目を覚ます。今日は駐車場からダイレクトに登る事が出来るので早発ちが可能。つられるようにして自分もシュラフから這い出す。


元橋駐車場に車中泊 お世話になったトイレ😅


では行きましょう

 少しだけ車道を歩き、その先にある登山口より登っていく。初めから急登。しかも階段続きでなかなか骨が折れるが、地形図の込み入った等高線をこなすには頑張った分獲得標高は多い。


うわぁ!階段がどこまでも


第一のランドマークである鉄塔 ここで休憩


先は長し 一歩一歩確実に


松手山の手前で平標山の稜線が見えて元気が出る

 後ろに新潟県境の山が見えだし、以降は苗場山を背負うような感じで標高を上げていく。登山口から松手山までの標高差が既に630mを超えるが、平標山までは1000mなのでまだまだ行程半ば。とにかくコツコツと登るしかない。しかし、松手山の少し手前あたりから平標山の稜線が見えだすと気持ちが軽くなってきた。青空の無い高曇りは暑さに弱い自分には味方。こういう天気の日の景色は案に反して良いものだ。


松手山から新潟県境の山


孤高の送電鉄塔


ミネザクラが登山道を飾る


あと僅かに見えるがなかなかどうして・・・


時折見かけるシャクナゲに立ち止まり息を整える


ミネザクラと苗場山




ようやく平標山の山頂がはっきりと見えた あと少し


歩いて来た道を振り返る


そして、山頂到着

 三日間連続でそれなりの標高差の山を登ってきた。疲れて無理なようであれば平標山までと考えていたが、思いのほか調子が良い。予定どおり仙ノ倉山まで足を延ばすことにした。
 もっとも、平標山の山頂に立ってしまうと、ここまで来て先に行かないという選択肢はないだろうと思わせる谷川連峰主脈の素晴らしい眺望がそこにあった。谷川連峰主脈の核心部には程遠いが、それでも雰囲気を感じるには充分なものがある。


一息入れて、さぁ参らん仙ノ倉山へ ちょっと大袈裟だけど、旅立ちの道のようだね


手前の前仙ノ倉山をまずは超えなければならない


前仙ノ倉山から 40m下って50m登る 数字では大したことないが見ると何故か遠く感じるもの


エビス大黒の頭 やばいピークだな あそこまでは流石に体力不足で自分は無理

 手前から見ると前仙ノ倉山が目指すピークのように見えるが、山頂はその奥。最後の標高差50mの階段を詰めてようやく山頂へ到達。谷川岳から茂倉岳への北稜線、手前に万太郎山からうねうねと延びる迫力の主稜線。ここまで歩いてきて良かったなとしみじみと思う。


ようやく仙ノ倉山へ到着




谷川主脈




ここを縦走するなんてとても信じられないけどロマンだね

 山頂で休憩していると、エビス大黒ノ頭方面から若者が登ってきた。到着するなり「シャッターを押して貰えませんか」とスマホを手渡される。楽し気なおどけたポーズを二枚撮った。

 聞けば、夜12時に東京を電車で発ち、朝3時に天神平から登山開始して縦走してきたらしい。凄いパワーと情熱だ。今日は平標山を下山したら麓の温泉に投宿して明日苗場山を登ると言う。明日は予報が悪くて雨が降るかもしれないと告げたが、そんなことは一向に構わない感じで足早に登山道を消えていった。


平標山を振り返ると後ろの苗場山が大きい


では戻りましょう まずは前仙ノ倉山へ


質実剛健の山名板


エビス大黒の頭にお別れ


この平坦な区間が癒し


ランプが主力商品だった頃の名残 今は昔


鋭い皇海山から続く袈裟丸山塊 あの向こうは栃木


帰路のシャクナゲ


もうちょっと沢山咲いていると良かったのだけど贅沢は言えないネ


平標山の家に向けて一直線に下山していく 見えていてもこれが結構距離あり


山の家からは地味な下山道 終盤はよく整備された道を延々と下る


真っすぐな木立が気持ち良い 風が通らないので少し暑いかな


平元新道登山口へ到着

 平元新道登山口から延々と林道歩きが続く。このルートを反時計回りで周回するとなると、序盤にこの長い林道歩きになり、そのあとの眺望の無い急登で平標山の家へ、そしてさらに階段の急登が待ち受けている。自分としては、早い段階から眺望が拡がる松手山に先に登る時計回りルートを推奨したい。下山後の脱力した整理運動としてならこの林道歩きも許容できると思うのだ。


延々と林道歩き エゾハルゼミの合唱と未だ練習不足😊の愛嬌あるウグイスの鳴き声が楽しかった


一旦車道歩きになるが最後にまた山道へ 窒息しそうに緑豊富な森


見上げると朝登った稜線と、休憩した鉄塔


ようやく下山終了 なんとか長丁場を歩き抜くことが出来た

 下山後はみなかみに戻り「奥平温泉 遊神館」で入浴した。町営温泉なので600円とリーズナブルかつ休憩所も充実。利用者の大部分は地元の人だが車中泊者にとってはこういう施設は大変助かる。

 いままで各地各所の日帰り温泉を利用してきた経験からすると、ホテルや旅館の温泉を日帰りで開放している所は殆どコスパ的に疑問を感じる場合が多い。中にはネームバリューだけで、宿泊客が来るまでの時間の小遣い稼ぎでやっているような所もあり、湯温管理もいい加減。文字通り”煮え湯を飲まされた”思いの所も多い。

 ホテルや旅館は源泉かけ流しや意匠を凝らした露天風呂などが魅力だが、内風呂外風呂を備えて500円から700円程度で入れる公営温泉や公金で補助されている道の駅併設温泉がのほうが絶対にコスパが良い。

 みなかみ市内で食料調達後は「道の駅 たくみの里」で車中泊する。昨年も利用したこの道の駅は24時間トイレ脇に大型車が入って来れない。また、住宅地に囲まれているので治安上も頗る良い。唯一の難点はトイレがお世辞にも綺麗とは言い難い。車中泊者にとっては歯磨きや洗面でもトイレは利用するので結構気になるところ。もっとも大型トラックの夜間アイドリングに悩まされないことを考えればごくごく些細なことだ。

 今回の群馬遠征は県境の山をテーマにしていたが、とりあえず計画していた山は上首尾で歩くことが出来た。残る予定が二座あるが天気予報がどうにも優れない。そして、五月にもう一ヶ所予定していた山域に出発するには早々に一旦宇都宮に戻り体制を立て直す必要もある。翌20日、そぼふる雨の中、宇都宮へ戻り群馬遠征は終了となった。

概略コースタイム

元橋駐車場発(05:15)-松手山(07:04)-平標山(08:28)-前仙ノ倉山(09:09)-仙ノ倉山(09:20)-
休憩-行動再開(09:39)-前仙ノ倉山(09:50)-平標山(10:26)-平標山の家(11:03)-
平元新道登山口(11:57)-元橋駐車場着(13:08)

カシミール3Dデータ

沿面距離:14.7Km
所要時間:7時間53分

撮影使用機材
・NIKON Z50
・NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR

カテゴリー: 車中泊の旅, 群馬県の山 パーマリンク

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