県境の栃木百名山、帝釈山と台倉高山
アーカイブ:県北の山達
投稿日:2012年08月24日 22:00
北部県境の山、今回は帝釈山林道の馬坂峠を起点として帝釈山と台倉高山のピストン山行とした。
最近の山行の定番スタイルとなる三時半起床、四時出発。早朝の鬼怒川温泉街を抜け川俣大橋に差し掛かったのが五時半過ぎだから、ここまで一時間半かかったことになる。効率的に行くなら土呂部から田代山林道に入ってすぐショートカットして馬坂林道へ入るべきなのだが、前日に日光土木事務所に聞いたところ、土呂部先で雨による崩壊箇所がある為田代山林道へは馬坂林道からなら入れるという。馬坂林道の出だしは川俣湖畔部を縁取るように道が付いているので、距離があって走る為には楽しくて良い。だが、今回のように先を急ぐとなるとショートカットの効く土呂部からのルートを使いたかった。さて、一番重要な馬坂林道と帝釈山林道も気を付けないとゲート閉鎖があるかも知れない。こちらも管轄の日光市栗山総合支所に問い合わせたところ、やはり土呂部には抜けられないが檜枝岐までは通過可能だという事を聞いて安心して出発した次第であった。
馬坂林道をパジェロミニで走るのは二回目。前回は紅葉をやや逃した時期の家内とのドライブであった。今回はゆっくりと林道や風景を愉しむ訳でなく淡々と車を進める。湖畔の区間を過ぎて馬坂沢沿に差し掛かるとようやく夏の明るい日差しが降り注ぐようになってきた。朝の冷たい空気がまさに灼熱の日差しで呼び起こされつつあるといった感じだ。
馬坂峠に近づくにつれ路面が荒れて走りにくくなってくる。日常生活で丘サーファーならぬ通勤2駆車の我がパジェロミニは、久々に4駆へギアチェンジされて水を得た魚のよう。もっともこの時点では下山後に起こる車の異変には気づく筈も無し。快調に帝釈山林道を走らせ、目的地の馬坂峠へと到着した。
馬坂峠は綺麗な小粒の玉砂利が敷き詰められ、丁寧に駐車線ロープまでもが引かれた駐車場がある。真新しいトイレもあり、素晴らしく(お金をかけて)整備されており、更にこの先の檜枝岐に抜ける区間も砂利道とはいえフラットなので四駆車ならずとも注意すれば問題なく走行出来るような道が続く。比べると栃木県側は度々通行止めになるのも頷ける内容だ。宇都宮からだと川俣から悪路を承知で四駆で来るか、あるいは檜枝岐経由で大回りするか、いずれにせよアプローチに難儀なエリアであることは間違いない。
| 帝釈山林道 | 馬坂峠駐車場は整備されている |
先着は車一台。既に出発している。自分も支度が終わるとまずは帝釈山側へと進む。
今回も『冷たいもの』を用意してきているのだが、帝釈山ヘはオーバースペックな物はベースキャンプよろしく車中に残置していけるので楽である。
登りだしから木の階段。所々途切れるがかなり上の方まで続いている。後ほど登る台倉高山も途中に同じタイプの木製階段が設置されている。里山によくあるような歩きづらい階段では無く、足運びを合わせやすいところが好感が持てる。部分的に直登に近いこの最短ルートならではの整備である。
木々の中をひたすら登っていき、もうすぐ山頂かと思うと突然ぱっと眺望が開ける。山並みの目覚めから間もない大パノラマにしばし立ち尽くす帝釈山の山頂である。文字とおり360度眺望であり、朝の澄んだ空気が凛とした雰囲気で景色をより一層引き立たせている。尾瀬や日光、高原山までもが全て見渡せるこの贅沢さ。眼下に拡がる谷は絨毯を敷き詰めたような豊かな広葉樹の森である。紅葉に彩られたよく晴れた朝にまたこの山頂を踏んでみたいと思った。
| まずは帝釈山へ | こういう木の階段が多い |
| 燧ヶ岳 | 白根山 | 日光連山 |
| 高原山と男鹿山塊 | 北側の福島の山並み | これから向かう台倉高山方面 |
登ってきた道を慎重に下り馬坂峠へ。途中一組の中年夫婦と出会う。先を行く御主人のほうは若干息があがっている様子だが後ろの奥さんは至って元気な様子。「早いですね」と言葉をかけられて交差した。
帝釈山登山口の正反対にある箇所が台倉高山の登山口である。やっつけ仕事のように帝釈山をピストンしたせいか若干疲労が感じられるが今日の本命はこちら。ただ、ここのところ大気の状態が不安定にて連日の雨雲レーダーを観察する限り午後1時には下山したいところだ。あまりゆっくり登るわけにもいかない。
馬坂峠から三段田代までの主たる登りの区間から先は地図の上では尾根通しである。稜線を外して巧みに小ピークを巻きながら進むこのルートは、木の中を進むので尾根を歩いているという感じがあまりしない。もっともこの時期は暑い日差しから守ってもらえるので楽といえば楽。今のように林道が無かったら、アクセスが難しく滅多に人が入ることが出来ないであろうこの山域は深山の趣が色濃い。
| 馬坂峠から最スタート | 樹が不思議に寄り添っている |
登りが一段落すると2033mP付近の三段田代で眼前が開けた。小さな湿地帯であるがこの時期は水は枯れ果て白い小さな花が咲いている。森の中を歩いてきたせいか青空が目にしみる。強い日差しを仰いだ後、目深に帽子をかぶり直した。
| 三段田代 | 苔むす倒木の道 | 摩訶不思議な古木 |
実際の距離よりも心持ち長く感じられた尾根筋歩きも、左手の樹が途切れだし遠くの山並みが見え始める頃、忽然とラスボスのような山頂の姿を見るとその行程の終わりが近い事を知る。鋭敏な三角錐のその姿は、さほど大きくもないが「深山の果てに鎮座まします」という雰囲気に満ちているようなそんな神々しさのようなものを感じたのは自分だけであろうか。
山頂からの景色はガイドブックでは360度と言われているが、実際は何本か邪魔な木の背が高くて今ひとつすっきりしない。おまけに日光連山も上部にガスが掛かっているようだ。単純に眺望だけを考えると、ほぼ同じアングルで遮るものの全く無い帝釈山のほうが上のように自分は感じた。もっとも、台倉高山の魅力は先程から書いているようにルートの山深さにあると言ったほうが正確かもしれない。
| 山頂がやっと見える | 会津駒ケ岳 |
| 白根山もより大きく | 高原山は雲に隠れるも手前の明神ヶ岳 | 真ん中奥が帝釈山、その右手が田代山方面 |
もう少し日差しが優しければ山頂でとりたかった昼食だが、少し下った木陰で休憩とする。前回は冷やしうどんと沢山の蓄冷剤や凍らしたジュースなどで重いザックに苦労したが、今回は最小限に留める。それでも冷やしプチトマトは程よい酸味で喉を通る度に元気が湧いてくる逸品だ。
木陰に流れ込む涼気にうとうとと昼寝でもしたい心持ちだが、午後の天気が気にかかるところ。再度山頂へ行き、風景を堪能して下山の途についた。
下山路では登って来る年配夫婦と単独者一名とすれ違う。北側の空に黒いものが幾らか見え始めているのに、彼らが滑り込みセーフで下山できることを願うばかりであった。
| 三段田代にて | 下山路 |
やれやれ無事に馬坂峠へと帰還すると次の瞬間己の目を疑った。
パンクしている。
長年車に乗っていろいろな所を走ってきたが、パンクを経験するのはこれで二回目だ。一回目は、金欠の学生の時に乗っていた古い車。いかにもといった感じのボロボロのタイヤであった。
今回は、朝方の馬坂林道と帝釈山林道でよほど負荷が掛かったのだろう。特に訝しがることも無いが、とにかく下山後の疲労した体にタイヤ交換はやはりムチ打つような辛さだ。
兎にも角にも今回の山行は、ハードな林道走行もパンクも全部セットで山登りだったのだなと考えるとふと苦笑い。文字通り山あり谷ありか。
見上げると空はいよいよ暗さを増してくる。遠くかすかに雷鳴も聞こえる。さぁ、雨に追われる前に峠から降りよう。
| なんとパンク! | 馬坂峠のトイレはソーラー発電でハイテク |
コメント投稿日:2012年08月27日 16:08
いやいや、パンクのオマケつきとは大変でしたね。
私なら悪路を避けて桧枝岐経由が無難かな?
それでも馬坂峠まではかなり難儀しそうですけど・・・。
帝釈山へは以前に田代山からのピストンで登っているので山頂からの眺望は記憶しています。
確か6月でしたが、山頂での昼食中に虫に邪魔されてゆっくり食べてるどころではありませんでした。
コメント投稿日:2012年08月28日 03:06
リンゴさん、こんばんは(おはようございますかな、この時間だと)
下山してきてパンク見た時はがっくりグリコ(古っ)でしたが、フラットに整備された駐車場なのでジャッキも掛けやすくてラッキーでした。
これが悪路の最中だったりとか、無理無理停めているような箇所だと難儀したのは想像に難くなく、不幸中の幸いだったとも言えます。
このあたりはアブが多くて、自分も休憩の度に首から下げた手拭いをぶんぶん振り回して撃退してました(^^;
本文のほうにも書きましたが、この山域は豊かな森なので紅葉の時期に是非再訪したいと思っています。
コメント投稿日:2012年08月29日 00:53
こんばんは。ひゃあ、パンクぅ… 朝7時~午後1時の行動時間に、交換作業が加わったんですよね…
まだ整備された駐車地だったのが、不幸中の幸いでしょうか。もちろん時間が早かったことも…(^^;)
夏の山行は私もとても苦手なので、コンビニでも喉を通りやすいものを買っています。最近多いのは、
「水きり不要のトコロテン」や「豆腐そうめん」で(笑)、それに野菜が取れるサンドイッチですね。
登りの途中では、ゼリー飲料か、やわらかい菓子パン系も忘れません。疲れた時には塩飴も良いです。
そう、帝釈山はなつかしかったです。田代山と一緒に歩いたので…。台倉高山も湿原があって、
尾瀬周辺の山を思い出しました。こちらも良さげですね(^^)
コメント投稿日:2012年08月29日 23:23
Nonさん、こんばんは。
タイヤ交換はシーズン毎のスタッドレスで慣れていますが、自宅だと油圧ジャッキと電動インパクトレンチなんかがあるので楽ですが、車載工具だとちょっと心許なくて、という部分はありました。
駐車場がフラットに整備されていたのが最大にラッキーでした。
冷たいものは、ここ2回、家内特製自家製冷やしプチトマトでしたが、虫が付いてしまったの株を抜くそうです。今年はもう終わりみたいです。