男体山登頂
アーカイブ:日光の山達
投稿日:2009年08月23日 21:54
栃木県に住んでいると、日光の男体山は何かにつけ親しみを感じる山である。校歌にはあまねく歌い込まれ、県内のかなりの場所から山姿を仰ぎ見ることが出来る。
そんな男体山に今回はチャレンジすることにした。ルートは中禅寺湖から登る正式な登拝コースと、車で標高を稼いだ志津乗越から最後の標高差700mを詰めるコースがある。初めてなので志津乗越からの北コースピストンとする事にした。
自宅を出発して丁度2時間、9時半頃に志津乗越に到着。すると、のっけから難所が・・・。そう、駐車地確保が大変なのだ。ずらりと駐められた車の殆どが県外ナンバーであり、皆かなり早い時間に到着している雰囲気だ。周辺の山々の登山基地的なロケーション故に致し方無いのは解るが、中にはツアー登山の一行さんが乗ってきたであろう小型のバスなども駐まっている。幾ら舗装されているとはいえ、普通車でも車幅ギリギリの箇所が多い裏男体林道をよくぞ通過してきたことよと有る意味感動。
随分離れた所に車を置き、登山口まで歩いたお陰で準備運動もバッチリである。道標に従い変哲の無い山道に吸い込まれるように入っていくと、すぐ志津小屋と志津宮がある。小屋を覗いてみると、懐かしいすすけた匂いと一組だけポツンとうち捨てられたように置いてある布団が印象的であった。この小屋で静かな裏男体の一夜を過ごすのも悪くはないかな。
志津乗越からの山道は、合目標識が山頂まで続く。700mの標高差だから1合あたり70mか。大したことは無いなぁとタカをくくっていると、4合目辺りから息が上がり始める。次の合目標識が待ち遠しや、やはり男体山は手強いぞ。
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登山口 | 二荒山神社志津宮 | 二合目脇のザレ場 |
道は明瞭そのものだが、時折木の根が行く手を阻んだり、水の流れで道が深く削られた部分なども多く、これらをやり過ごすのに思った以上に体力を浪費する。滑りやすいので下りがまた気が抜けない。登りも下りも辛い状況が続くハードなコースである。
ひたすら樹林の中を進んでいくが、7合目を過ぎたあたりで景色の良いポイントが出てきて元気付けられた。振り向くと大真名子山が大きい。
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時折根が道を塞ぐ | ひっそりと五合目 | 大真名子山 |
8合目辺りからは樹林が切れだし、岩礫が目立つようになる。足元が滑りやすいので神経を使うが、北から西にかけての眺望は益々素晴らしく、ぐるりと見渡す群青色の峰々から小さく見える湯ノ湖を見つければ、その上方に山肌が荒々しく削られている金精山、さらにその奥にはお椀を伏せたようにひときわ目立つ白根山も見える。
9合目からの緩やかな登りを終えるとやがて三角点に到達した。その奥には二荒山神社の奥宮の建物が見える。
山頂付近の様子は賑やかという言葉が似合うのか、ただハイカーの数が多いという理由以外にも、ここまで沢山人造物がある山はどうも落ち着かないというのが率直な思いである。
同じ人造物でも里山を歩いていて絶対といってよいほど目にする送電線やその付帯設備は、人に媚びることも無くただ己の役割を全うすべく凛として立ちはだかる。これは機能美と行って良いだろうよ。また、路傍の古い石祠には古の人のささやかな願いが感じられて好感が持てる。だが、空を目指すようにそびえ立つ剣先も、風にあらがって屹立する二荒大神も、信仰登山と縁の無い自分にとってはかなり違和感を感ぜずにはいられなかった。
そして何よりも残念だったのは奥宮脇の社務所(山頂に社務所があるのを見たのはここが初めて)裏に、石油ストーブやその他ゴミがうち捨てられていること。山頂周辺には空き缶やタオル、明らかに登山者の不始末と見られるゴミも少しはあったが、社務所裏のゴミは量や内容からして「産業廃棄物」として私の目には映った。ここは是非二荒山神社に何とかして欲しいところだ。また県外ハイカーの集う山だけに、県としてもイメージアップの観点から何らかの手は打って欲しいと思う。
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湯ノ湖と白根山 | 一等三角点標石 | 三角点より奥宮 |
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これがホントの剣が峰か | 二荒山神社奥宮 | 二荒山大神 |
山頂一帯は休む場所が沢山あるので、昼食の場所取りに苦労することは無い。少し外れた静かな場所にザックを降ろした。食後はゴロンと寝転がり空を眺めて軽く目を閉じると、木陰を抜ける風が実に爽やかである。雲が切れたり重なったりと色彩の移ろいを眺めながら贅沢な休憩の一時を楽しんだ。
下山する前に、西側の一番果ての箇所、地図に鳥居のマークが有る小さな宮のある所まで行ってみた。この先はちょっとした崖になっていてロープが張られていて進むことが出来ない。痩せ尾根の先にある2397.7mPまでは野趣溢れんばかりの稜線だ。
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空を仰いで一休み | 山頂の西の果て | 2397.7mP |
帰りは登ってきたルートをひたすら戻るのみ。同じ道を往復するピストン山行は基本的に好みではないのだが、登りと下りでは視点が違うので案外楽しめることも多い。今回も素晴らしい眺望を眺めながらの下りを満喫することが出来た。ただ、樹林帯に突入すると"修行のような"きつい下り。翌日の筋肉痛の種をたっぷりと仕込まれた下りだったという事にこの時点ではまだ気付かないのであった。
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太郎山 | 中禅寺湖 |
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コメント投稿日:2009年08月27日 01:06
こんばんは。早速、拝見しました~~。山頂で感じたことはほとんど同じなので省略しますが、
お天気が良ければ、こんなに展望がいいんですね! 私たちが登った日はずっとガスが出ていて、
山頂に辿り着いた時にも白い世界、中禅寺湖の他はほとんど見えなかったんですよ。
そんなんで「山頂の西の果て」も見ていないんですが、展望抜群ですね! ホレボレです(^^)
まだ、太郎山なり大真名子なり歩きたいですが、落ち着いたら晴れの日を狙って登りたいです。
ところで、男体山って校歌にも出てくるんですか。県外者なので、もちろん知りませんでした。
県を代表する名所と考えたら、やっぱり何とかして、山頂をキレイにして欲しいですね。
コメント投稿日:2009年08月27日 07:18
おはようございます。男体山とうとう登りましたね。天気も良くていい登山日和でしたね。
私が登った時も まっちゃんの写真のように快晴でした。
これまで だいぶトレーニングしてきたので 標高差700mは楽に登れたんじゃないですか?
山はあと少しで 秋に突入です。庚申山なんかどうですか いい山ですよ。
来月13日 航空祭にいってきます。
コメント投稿日:2009年08月27日 22:26
>Nonさん
ホント眺望は流石の名山なのですがねぇ。ちょっと残念です。
今回は東側完全にガスッていましたが、思えば夏場は下界からも男体山の頂上ってあまり見えないんですね。
空気が澄んでくる秋口にもう一度登って東側を眺めて見たいものです。土曜日に全力で中禅寺湖側から登って日曜日は骨休みのパターンですね。
>せろーさん
とうとうやりました。男体山。
同じ標高差700mでも序盤あまり変化の無い所をひたすら登るのは堪えました。
下りはもっと辛かったですが。
でも、お陰で男体山とあまり標高の変わらないあの周囲の山に登る気力が沸いてきました。
来年の目標は女峰山です。
庚申山は紅葉が凄いって聞いてますが、やはり小屋泊まりしないと無理なんでしょうか。
あちら方面も是非歩いてみたいものです。
航空祭行かれるんですね。
私は2年前に行きましたが、凄い迫力と炎天下の暑さが思いでです。
今思えば、登山する位の水分の携行と日焼け対策をしていけばよかったと思いますが、もうちょっと涼しい時期に開催してくれればなぁと思います。
13日はお気を付けて行ってきてくださいね。
あ、それからナイショの話ですが、今週末か日曜日に我が家に秘密兵器がやってきます。
パジェロミニでも躊躇する所OK、偵察にヨシ散歩にヨシ、イザという時はゴロンと転がしてもへっちゃら・・・っていうやつです。日曜日以降の当ブログ記事に乞うご期待。
コメント投稿日:2009年08月30日 09:31
ぢみさん、暫くでした。
セロー師匠から、オフ車の匂いがするとの情報が入り立ち寄らせえ頂きました。
ついに反対勢力を撃退し手に入れた様相ですね! たぶん250ccだろうと思いますが
軽くて気軽なバイクも1台は欲しいですよね!。
私も最近は登山(山歩き程度)に目覚めてしまいまして、
ザックと登山靴を揃えて先日は横根山を歩いて来ました。
バイクで一瞬に通過してしまうのもスリル満点ですが、
時速3kmも良いものです、どうやら私もハマってしまった様な。
13日は師匠と共に航空祭へ出掛けてきます、暑くなければ良いのですがね。
また寄らせて頂きます、では~。
コメント投稿日:2009年08月30日 23:11
おぉ、コンドルさんお久しぶりです。
遂にオフ車ゲットしました。(詳細は最新の記事で)
これで後は通勤用の125ccスクーターがあれば最高なのですが(爆)
{これは無いな。先ず置くところが絶対に無い}
コンドルさんも山にハマりましたか。元々体力があるから登りが辛くないんじゃないですか?
私は体力(と肺活力)が無いのでゆっくり登山ですが、そのうちどこかでご一緒したいですねぇ。
あ、勿論隊長はせろー大師匠ですよ。