アカヤシオを満喫、鳴虫山
アーカイブ:日光の山達
投稿日:2008年04月29日 22:28
ほぼ一ヶ月ぶりの山行である。4月は体調不良やヤボ用が多くて、花の山行を逃してしまったかと残念な気持ちではあったが、まだアカヤシオを見ることが出来る日光の鳴虫山(なきむしやま){1103m}へ登る事にした。
予報では朝のうち曇でじきに日差しが戻って来るということだったので、なるべく遅く自宅を発ち10時過ぎに登山開始という予定で行動した。
幾らか薄日が差してきた。車窓から見える日光街道沿いの山並みも、鮮やかな新緑が目に眩しい。
目当ての日光図書館の駐車場に到着。既に満車だったが、僅かな隙間に何とか駐めようとしていたら、出て行く人がいてラッキー。図書館利用者ではないので、ちょっと後ろめたさを感じながらの出発である。
中高年に人気の山という看板通りか、やはりアカヤシオの評判を聞いてか、いつもの自分の山行にしては大にぎわいの前後10人程度のハイカーに混ざりながら登っていく。どんよりした空で、天王山、神ノ主山からの眺望は今一つである。見える筈の男体山から女峰山への山並みは深く雲に閉ざされている。
神ノ主山は、先客の親戚連れ(小学生や中学生の子供とその親たち)のパーティや中高年グループで賑わっている。そんなに狭くは無い山頂だが既に人工密度が高い。
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民家脇の登山口 | 神ノ主山より | 鮮やかな新緑が眩しい |
標高930m辺りからのアカヤシオをの群落、淡いピンク色で曇天の登山道を見事に染めている。ハイカー達も声を上げ足を止めてはカメラに収めている。去年備前楯山で見たアカヤシオも見事であったが、やはり比では無い。桜とはまた違ったピンク色。濃淡のある株が並んでいるのも良い。何よりも少し離れた向かいの山肌一面に咲いている様は「綺麗」という言葉を素直に発せずにはいられない。
高度が上がってくると、大所帯のグループも増えてきて狭い山道は大渋滞だ。後で聞いたのだが、観光社主催のツアー登山のグループも居たそうな。げに人気の鳴虫山。まさにアカヤシオの季節は旬なのだろう。
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見事なアカヤシオ | 渋滞中 |
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団体さんにどうぞと言われて抜いたりしていたら、いつもより少し疲れるペースが早くなってきた。直下の登りに喘ぎながらも山頂到着。いやー山頂にも人が居る居る。あんなに沢山の人が食事を取っているのを見たのは古賀志山以来か。いやそれ以上だろう。自分のスペースを確保するのも一苦労だ。生憎の天気で正面にドカンと見える筈の男体山の姿が無い展望台だが、お花見客よろしく今日は沢山の人達で埋め尽くされていた。
あまりにも人が多いので食事休憩もそこそこに、せき立てられるようにして山頂を後にする。下ったり登ったりを幾つか繰り返して合方へ到着。今日の下山コースは独標方面へ廻らず、合方より南に直下して銭沢不動へと降りるコースを予定している。途中急な下りがあるようだが、情報によると道ははっきりしているそうだ。
銭沢不動への入り口で暫し立ち止まっていたら、50歳半ばくらいの単独行の女性に声を掛けられた。この女性、登山口から抜きつ抜かれつしながらほぼ同じ場所を歩いていた。
女性は銭沢不動コースが気になるらしく、傍らの私にこちらからでも日光の街へ降りられますよねと尋ねてくる。私は予定通りに此処を降りる事を告げると、是非一緒に行ってくれないかと頼まれる。傍でこのやりとりを聞いていたやはり60過ぎであろう夫婦者、我々も自信が無いので一緒させて貰えないかと。
聞けば夫婦のご主人は、以前このコースで道を間違えて沢を降りて滝に行き当たった経験があるとか。さてさて、鬼退治に行く桃太郎がにわかに部下を付けたような気持ちになった私はちょっと複雑な気分。もとより詳細な地図とGPSのポイント入力は済ませてあるのでそうやたらに道に迷うことはないのだが、それにしても何かあったらと思うとちょっと荷が重い。
単独行の女性は先ほどから足捌きを見ている限りは心配無いだろう。何よりも一人で山に来ているのだからそれなりの覚悟もあるだろう。そんなことを考えながらも即席4人パーティは銭沢不動への急な坂道を下っていく。
整備された鳴虫山の主縦走路とうって変わって静かな山道だ。銭沢不動への紅白ツートンの道標が時々見られるが、所々踏み跡も薄くなる。地図を頻繁に出しながら進むが、尾根を外さなければ大丈夫だろう。
途中ロープが張られた急下降があった。降りきった所で後方を見ると、単独の女性は難なくクリア、夫婦の奥さんが若干手こずっている。歳なのでご主人とて滑落などされたら大変だと心の中で気を揉むが、時間は掛かったものの二人とも慎重に降りてくる。
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鳴虫山頂上 | 銭沢不動コース途中の石祠 |
897mピークの方に一旦引き込まれそうになったが、進路修正をして尾根を乗り換えて何とか下降ルートに定着したようだ。はじめ、巻いていた道もやがて谷を直接降りる荒々しい道へと変わっていく。ここも足元が滑りやすい。
下の方から声が聞こえてきた。どうやら同じルートを降りるグループが他にも居たようである。人でごった返していた主尾根から逸れて静かな4人行だったが、はじめて他グループと合う。私もにわか先導としての任の重さが少し軽くなりほっとした。
程なく銭沢不動のお堂へ到着。ここから下は修験道らしいが、今でも修験者の往来が頻繁にあるのだろうか、そこそこ道が整備されている。それまでの緊張感溢れる下りから解放されて後は市街地までの一歩きである。
日光宇都宮道を走る車の音が間近に聞こえてきた。道路をくぐると発電施設の芝生へ到着。即席パーティもここで解散だ。「またどこかの山でお会いしましょう」と、軽く挨拶をして別れた。
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谷筋の急な下り | 銭沢不動 | 大谷川添いの桜 |
コメント投稿日:2008年05月01日 02:38
こんばんは。コメント遅くなってすみません。ふむふむ、ゲストブックに書いていらした
「即席パーティ」の意味がようやく解りました。いい加減、山言葉になれても良いはずなのに、
パーティと聞いて、真っ先に宴会や飲み会の方を思い浮かべたので…(笑)
臨時リーダーのお役目、お疲れ様でした(^^) ご心労のほど、お察しします。
私達がこんな経験をすることは滅多にないと思いますが、かなり緊張するだろうことは
想像に難くないですから…。次回は私達もこのコースを歩かせていただこうっと(^^)
それにしても、こんなに渋滞&混雑するなんて、まったく思いも拠りませんでした。
やはりトップシーズンの鳴虫山、というか、さすがは人気の鳴虫山、というべきか。
駅から直にアプローチできるというのが、結局は決め手なのでしょうね。
コメント投稿日:2008年05月01日 22:16
いやぁほんとに凄い人出でした。
いつもの閑散とした山行が自分の中の基準になってたりしたので、軽くカルチャーショックみたいな感じでした。
銭沢不動コースは歩く人もまばらで、途中には小さな花があちこちに咲いていました。谷を降りていくのですがなかなか雰囲気もあってお勧めですよ。