雲雀鳥屋探索
アーカイブ:宇都宮近郊の山達
投稿日:2007年12月15日 19:16
宇都宮から古賀志山を眺めると前衛の多気山が目を引く。また、その少し右手に端正に佇むのが今回の目的の雲雀鳥屋(ひばりとや){362m}である。
森林公園脇のトリムコースの延長線上に位置する天狗鳥屋(てんぐとや){365m}とお揃いのこの山名。鳥屋を"とや"と読ませる由来が何かあるのであろうか。資料も情報も無いので知る由も無いが、なかなか興味深いものである。
往復で1時間少々のピストンコースであることをネット情報で知っていた。午後から散歩がてらに山行する時の為に・・・と、とっておいたコースだが、先週の膝痛もありリハビリにはもってこいだろうと思い昼食後に出発した。自宅から車で30分もかからずに取り付き地へ到着してしまうのだから、本当にお散歩コースである。
山側に向かって階段が設置されている駐車地は、古賀志山へ向かう途中いつも通っていたので場所は前から知っていた。その先に雲雀鳥屋がることも既知だったので、「何時かは」という思いであった。
急な階段を登ると鳥居がある。石祠が祀られており、この裏手から取り付くことになる。雲雀鳥屋は整備された登山コースや道標は皆無なので、この記事を読んで入山される方は注意して行動されたい。
石祠裏手をざっと眺めると、草が枯れてすっかり見通しが良いため幾筋もの薄い踏み跡が見られるが、一番しっかりとした踏み跡を辿りしばし急登するとすぐ右手の尾根筋に乗ることが出来た。途中ピンクテープが所々にあるので難しく無いだろう。尾根に乗ってしまえばあとは道形がしっかりしている一本道である。
![]() |
![]() |
![]() |
||
駐車地 | 登山口の石鳥居 |
先週の膝の一件があったので、今日は登り初めからストックを出している。さて、歩き終わった頃の状態はどうだろう。
少し汗ばんできたころ、第一のピークに到着。ふと後ろを振り返ると多気山が梢越しにどっしり構える。第一のピークからは眼下に広がる谷へ一旦下降し、第二のピークへ登り返していく。すっかり落葉が堆積してふわふわな尾根筋を気持ちよく進む。
第二のピークから再び高度を下げて、頂上への最後の登りにかかる手前の鞍部で作業道に出会う。ここはネット情報で指摘されていたので注意し、真北に進路を取るとまた道形がはっきりしてくる。
程なく雲雀鳥屋山頂に到着する。山名板が確認出来ないがGPSは間違いなく山頂に到達したことを示している。眺望はほぼ無い。枝越しに薄く東と北が望める程度である。
北側をよく見ると向こうにもう一つピーグが見える。地形図を調べると、山頂から北北西の方角に延びる肩尾根があり、どうやらそこに地図では現れないピークがあるようだ。
![]() |
![]() |
![]() |
||
後ろの多気山 | 山頂手前鞍部 | 雲雀鳥屋山頂 |
山頂から連絡通路のように痩せた尾根を僅か6~7分程度で北側の肩へ着いた。小高いピークは山頂よりも枝が少なくぐっと明るい感じがする。自分的にはここを山頂とし、荷を降ろして休憩することにした。右手下側にはゴルフ場が広がり、ショット時のボールのカツンという音やゴルファー達の声がかすかに聞こえてくる。遠くカートが移動するのも見える。
![]() |
![]() |
![]() |
||
北の肩より | 古賀志山を望む | 鞍掛山を望む |
北の肩ピークで休憩をしながら西側を見ると、下にも踏み跡が続き赤テープが見られる。地図を眺めると、初めは等高線が込んでいるが後は比較的緩やかな尾根が張り出し、やがて森林公園へ向かう車道へ降りていくようになっている。
当初の計画ではピストンで戻る予定であったが、目前の赤テープを辿り下山してみる事にした。GPSのポイントは予定外なので入力していない。もはやコンパスと地図のみが頼りだが、とにかく慎重に行けば大丈夫だろう。まぁどちらに迷ってもゴルフ場に出るか車道に出るかの2択しかないのだが。
下りはじめは少し急な斜面に落ち葉が厳しい。足を取られぬように注意しながらゆっくりと降りる。地図には右手ゴルフ場側に岩の崖が記入されているが、なるほど岩が切り立った部分がある。踏み跡も岩場を縫っていく。
急な下りをやり過ごすと広い伐採地へ出くわし、赤テープは見あたらなくなった。ここで慌てるとミスコースの可能性が高くなるためにコンパスと地図で再度確認。
![]() |
![]() |
![]() |
||
北の肩ピーク | 岩の多い西側ルート | 伐採地 |
高度を見てもまだ左の谷へ降りてはいけない状況なのでここは尾根筋をとにかく辿るべきである。だが、踏み跡は完全に無くなりちょっと思案のしどころだ。
傾斜の緩い尾根が続いており、地図とも一致している。まったく道形は無いが、薮をくぐりながら忠実に尾根を降りていくと更にもう一度広い場所に出る。下から作業道が伸びてきている。ここは作業道を辿っても予定通りの方角だ。
やがて右手奥に舗装道が見えるが、予想コースに固執し左側を尾根伝いに降りると、最後は少し薮漕ぎをして林道へ到達。すぐに舗装路へ飛び出した。
ルートファイデングというにはあまりにも簡単なコースではあったが、自分としては意外な楽しい一時を過ごすことが出来た。
また、懸念していた膝痛も歩行時間が短い故か、あるいはストック頼りのせいか、全く問題の無いコンディションを保つことが出来てホッと胸をなで下ろした。
![]() |
![]() |
![]() |
||
道無き尾根 | 下山終了 | 車道出合 |
![]() |
||||
R293より雲雀鳥屋全景 |