想い出シリーズ、裏古賀志七峰を巡る


-『スーパー地形』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成-
-当ルートには一般登山道でない箇所が含まれています。参考にされる場合はご注意ください。-

 古賀志山~赤岩山の北側に控えめに広がるピーク群がある。かつては歩く人もまばらだったこの山域も最近は山SNSで歩かれることが多くなり、「裏古賀志」と呼ばれるほどになっているようだ。16年前の記憶を辿り岩崎ピーク群を歩いてきた。


いつもの内倉林道駐車地より出発

 16年前は岩崎観世音に車を置いて出発した。当時は観世音裏手からのルートは思いつかなかったので、地形図に描かれていた破線道を追った。ところが現地に道が無く、藪を漕いで岩崎観音山の南にある320m級Pへ取り付いて稜線へと入っていった。

 当時は各ピークに山名板は無く(岩崎観音山は踏んで居なかったので不明)、歩く人はごく限られた登山愛好家だけであり、道標どころか踏み跡すら微かな野趣あふれる場所であった。
 紙地図を使ったルートファイディングの練習場所としては格好であった。ピークに到達しても山名板が無いから自位置の確定が難しい。自分は割と早い時期からハンディーGPSを使っていたせいかさほど苦労しなかったが、それでもこういったフィールドに実際に足を踏み入れると、地形図から読み取り切れない情報がいかに多いかというのが最も大く学んだ点であった。

 現在はスマホの大画面で精細な地図を表示することが出来、他人の歩いたルートをそのままなぞるのも容易なアプリがある。こんなマイナーな山域もすぐさま大衆化してしまうのだ。便利ではあるが、古い時代を知る者として些末ながら危うさも感じてしまう。
 もっとも、山歩きを始めて日が浅い人でも勘の良い方は、こんな場所でも自分のような年寄りの杞憂がまったく不要なレベルで安全に歩かれている人も多いのも事実。道具利用の正常進化と捉えてよいだろう。



 今回のルートは内倉林道を東へ向かい、途中から237号鉄塔を目指し高度を上げ、牧場山を経て手岡集落へと一旦降りる。車道を歩き、岩崎観世音から再びピーク群へと入る周回とした。また、下山時にはYAMAPでグレーピークとされている向山と富士山も踏み、都合七座を歩く事にした。


斑根石山~540mP稜線を向こうに見ながら内倉林道を進む


平成27年9月豪雨土石流失災害復旧の砂防ダム 緑化工事中だが今日は休工日


振り向くと二股山が姿良く顔を見せていた


砂防ダムから先の旧林道をしばらく進みここから入山


林道をそのまま行くと宇高学校林へ


今日はこちらへと進む


鉄塔巡視路だからゴージャス階段付き 以前はこの手の階段を”東電階段”と呼んでいた


このキツツキのマークはあちこちの巡視路階段で散見される


237号鉄塔通過


馬蹄形縦走路に入ると道形も確かになり往来の多さを感じる


ひと登りして牧場山 眺望は無い
16年前も山名はあったがカワスミさんの板は無かった


新しい板は令和元年設置(裏書)


踏み跡無き険しい下りをひとしきり


笹薮の中に刈払いがあるのはやはり鉄塔巡視路の一部だからなのだろう


256号鉄塔へ出た



日光連山が見えたが女峰山は丁度木が邪魔をしている


鉄塔巡視路から林道へ接合


長閑な道をテクテクと


かつて藁ぶきだったのかな、こういう立派な家はもうなかなか見ることが出来ないだろう


奥のゴツゴツした山はお天気山~羽賀場山、右奥は横根山方面だろう 良き景色だ


里から見る日光連山も奇麗に揃っている


振り返って今歩いてきた方面 梅雨時などに通りかかると山水画のようで奇麗な風景


これから登り返す岩崎観音山(右手)からの稜線


ご利益ってなんとなく病院の”科”のように感じるのは自分だけ?😆


鶴の子観世音について調べたら「まんが日本昔ばなし」で取り上げられていたことがわかった😮

 鶴の子観世音について、まんが日本昔ばなしへのリンクはこちらから

 岩崎観世音は昨年散策で訪れている。その時は奥の院方面が保安工事中で立ち入りできなかった。今年の二月から五年ぶりに公開再開ということで、今回ルートとして使わせていただいたわけだが、正直、奥の院がかくも素晴らしい雰囲気をもっていたとは思わなかった。ビューポイントとしてお勧め出来る。階段だけとはいえ、何せ沢山登らないといけないので歩くのが苦手な方にはちょっと・・・という感じはあるが。

 子授け安産の神様で。生卵を授かり、念願かなって出産した場合は翌年倍返しで卵を納めるという神事が行われるという。日光の外山で行われている福銭貸しのようで興味深い。


杉の巨木が並ぶ参道を進むと・・・


お地蔵様たちがお出迎え


石段を登っていく


立派な本殿(監視カメラだらけだったのは内緒)


裏手を奥の院へと進む 昨年散策した時は落石対応工事中で立ち入れなかった


立派な足場が組まれている というかこれが無いと登れないほど急峻


上に奥の院


階段途中から日光連山


奥の院直下から夫婦杉が空へと伸びていた



夫婦木を見おろす


奥の院最上部


夫婦木まで戻って酒水岩の右手から入山


しばし急登 防護ネット頂部へ出た 奥の院裏手を登り切ったようだ


石祠をよく見ると・・・


表情豊かな石仏が祀られている



石祠からしばらく進んだ先にカワスミさんの板を見る


16年前とは比べようもない程道形がはっきりしている かなり歩かれている模様


三峰山通過 周辺は岩崎城址らしい
なるほど、山城特有の城郭のようなものが周囲に見られた



石祠の中に狛犬のレリーフとイザナギ、イザナミの文字


里山あるあるの急登を登っていく


408.9m三角点(赤面山)直下の岩場
16年前はここを右に巻いたが、左にルートが出来ていた

 408.9m三角点(赤面山)直下の岩場は16年前に手を焼いた場所だ。真正面は危険で無理だったから左右どちらを巻くしかなかったが、左手はほぼ垂直な岩場。ホールドが無いわけでもないがちょっと近づきがたい。右手は急な斜面で慎重なトラバースが求められる。その時は結局、右をトラバースして斜面の緩い箇所から上部を目指した。だが、現在は左を巻いた場所の岩場にロープが三か所設置されており、容易に登っていくことが出来るようになっていた。どなたが整備されたかはわからないが、ありがたく使わせていただいた。


ありがたや、ロープあり


三等三角点 点名:岩崎 よく見る四等三角点に比べて標柱が太め


山名板は無かった


枝越しに日光連山

 鳥屋山に至る途中、稜線を忠実に追って行くと笹藪にぶつかる箇所があった。かなりに硬めの笹なので強硬突破せずに一旦戻って少し下巻きしながら稜線に戻った。笹薮手前で少し大げさな感じで巻かれたピンクテープが目に入ったが山仕事の人の物と考え無視した。どうやらそちらが正しいルートだったのかもしれない。

 鳥屋山で丁度お昼時となり、ザックを降ろして昼飯とした。今日は朝から誰にも会っていなかったが、ここは馬蹄形縦走路上にあるだけあって往来する登山者も多い。


鳥屋山到着 丁度正午なので昼飯にしよう♪


胴体が無くなっている鳥屋山の石祠 16年前と変わらず佇む


下山途中の腰掛岩手前から本日最後の日光連山 今日の眺望は日光連山一択だったね😅


腰掛岩から向山まで最短でートファインディングしようとしたが不発
高度を下げたところから廃作業道を辿りリトライ


向山の北東稜線へ取り付く 多少の藪はあるが躊躇するほどの濃さではない


登るに従いスッキリしてくる


山名が書かれた白テープ一枚の静かな山頂


尾根沿いに降りて一旦林道を跨いでから向こう側の富士山へ
薄い藪をかき分けて高みを目指すと・・・

 林道からの標高差が30m程度で全体を見渡すことが出来ないこの小さなピークに富士山という名前も釈然としないものがある。果たして昔から地元でそう呼ばれていたのか。白テープに名前を書いた人は何か考証しているのであろうか。YAMAPや山レコでその山名が掲載されれば一般的には既成事実となる。ピークに名前を”付けない”という選択肢もある筈。この16年間で新たに増えたピーク名を見ながらそんな事を思わずにはいられなかった。


すぐに山頂 当然こちらも眺望はなし


まっすぐここに降りて来たかったが、画面右奥あたりで深藪に阻まれて迂回💦
程よい藪で済み本日の里山遊び終了

コースタイム等データ詳細
 YAMAP掲載 https://yamap.com/activities/38177536
 山レコ掲載 https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-7857070.html

撮影使用機材
・NIKON Z50
・NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR
・iPhone 13 Pro Max

カテゴリー: 宇都宮の山 パーマリンク

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