赤面山を越えて前岳まで


-『スーパー地形』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成-

赤面山の過去の記事
    2015年02月21日  無風快晴、山頂までノートレース 会心の赤面山

 昨年、マウントジーンズ那須スキー場の営業終了に伴いゴンドラも廃止された。

 スキー客のみならず、登山者にもゴンドラを開放していたので、少しでも楽をして冬の三本槍に登りたい自分としては痛い出来事だ。雪の”中の大倉尾根”を三本槍に向かうと、パノラマビューから壮大な那須のピーク群を眺めながら登る事が出来る素晴らしいルートだ。ゴンドラ無き今、多少苦労してでもということになると北温泉から、あるいはバリエーションルートで自力で登っていくしかないが、標高差1000m超えというのは雪山となると雪面コンディションによってはなかなか大変な行程となる。

 北温泉からのルートは一旦置いておき、好天気予報の当日、同じ那須でも少し楽が出来る近場の赤面山を目指した。

 赤面山は2000年に廃業した白河高原スキー場のゲレンデ跡を登山ルートの一部としており、雪山初心者や自分のように体力に劣る者にもくみしやすい山だ。夏場は遮るものが少ない為、日差しで消耗するのは間違いなく、暑さに弱い自分としては冬限定の山でもある。
 10年前にやはり積雪期に一度登っている。その時はまだ現役だったので休日登山であったが、早発ちしてゲレンデ一番乗りだった。前日までのトレースも失われている最高のコンディションのなか、山頂までトップをキープしてトレースを付け続けることが出来た気持ちの良い山行だった。

 さて、今日のコンディションは如何に。駐車地から山を眺めてアイゼンは不要と判断した。チェーンスパイクを履き、スノーシューは背負ってスタートする。ここ数日目立った降雪もなかったようでトレースはふんだんに残っていた。新しいトレースを付ける喜びはなかったが、その分雪は締まっていてとても歩きやすい。

 本日の先行者は二名。真新しい足跡を追っていくと踏み抜きも皆無で快適そのもの。ここまで楽だと、無雪の登山道で段差の足運びで疲労するよりも遥かに楽なのではと思ってしまうほどだ。


 最近登山をする時に何か一つ忘れ物をすることがある。流石に致命傷になるような登山靴などは無いが、汗を拭く手ぬぐいや食後の楽しみであるコーヒーのドリップパックなど。一番痛かったのは昼食用の水(飲料水はあった)を忘れ、カップラーメンとコーヒーがお預けになった事だった。行動食で回避したが、その時の山行は一部が欠けたようなほろ苦い思い出である。

 今回も一つ忘れ物をした。

 山行前の晩に荷物は玄関に揃え、登山靴などは車に積んでおく。カメラはザックの脇と決まっているのだが、今回に限って少し離れたところに置いていたのが仇になったようだ。高速に乗った頃、はたと気づいたがすでに時遅しである。そんなわけで今日の写真はスマホでの撮影となった。


白河高原スキー場跡地よりスタート 赤面山は右手奥で、山頂はここから見えない


ゲレンデ跡を緩やかに登っていく 青空がまぶしい


高度を上げると背面にひときわ高く白い安達太良山

 リフト二本分を登るとすでに標高を400mほど稼いでいる。終点で休憩をしていると、まだワイヤーにぶら下がっているシートが今にも動きそうな佇まいだ。四半世紀の時が停まっているようにも見えた。
 ここに登山口の道標があり、どこか華やいだ雰囲気が残っていたスキー場の痕跡に別れを告げていよいよ登山道へ入っていく。


既に400m以上登り、標高1500mに登山口の道標あり ここでスキー場から離れる


トレースは豊富で締まった雪が歩きやすい ツボ足でもOKレベルだ


美しい笹のシルエット


男前の朝日岳

 夏道を歩いたことが無かったので、前回は山頂を目指して直線ルートをとった。山頂付近はスノーシューでも踏み抜き多発で大変だったが、今回のトレースは夏道に忠実。山頂の北側に回り込むルートで楽に山頂に到達した。


そして山頂到着


今日はこの先まで歩く といっても眼前に大きくたちはだかるスダレ山までは無理


旭岳(赤崩山)と大白森山と鎌房山


肉眼ではよく見えたがスマホではこれが限界か


今日のゴールは前岳 標高差60mを降りて60m登り返して前岳まで どんな景色が見えるのだろう

 前岳に向けて降下する。岩が所々露出している斜面はやがて深雪になっていった。この先、無雪期なら三本槍に至る縦走路となるが、途中のスダレ山に至る夏道は急斜面のトラバース区間が滑落や雪崩の可能性もあり危険ゾーンとなる。積雪期は眼前のスダレ山への直登も考えられるが、楽に登れるとは思えない。そんな理由で今の時期こちらに来る登山者は少ないようでトレースもほぼ無い。だが、前岳までは穏やかな斜面が続き、安全登山を目指す高齢者としては丁度良いゴールであろう。
 赤面山と前岳はほぼ同じ標高、そして直線距離にして730mしか離れていない。見える景色がさほど違うこともあるまいとは思うが、百聞は一見に如かずである。


鞍部まで降りた 古いトレース痕を雪が覆っておりたまに踏み抜き チェーンスパイクを脱いでスノーシューに履き替える


いい塩梅に盛られているね☺️


スダレ山に登り詰めるお隣の中の大倉尾根 壮大な眺望に囲まれて一歩一歩進んでいく


場所によっては沈むがご覧の通り締まっている区間がほとんど 奇麗な雪面を刻んでいく


前岳へのビクトリーロードはうさぎトレースがお出迎え


前岳山頂から見るスダレ山はなかなか迫力あり


三本槍は左奥に隠れてしまっている 右に目をやるとポツンと須立山


そして甲子旭岳の山体と白さが異彩を放つ


磐梯山と猪苗代湖も肉眼でははっきり見えたのだが、うーーん、つくづくカメラを忘れたのが残念😣

 北側の空は快晴。気温が高いせいか、残念ながら空気の澄み具合が今一つ。肉眼では案外よく見えたがこうして撮れた写真は今一つだ。かたや、南からはガスが去来し、先ほどまで居た赤面山でさえも覆われては現れてとせわしない。


直線で730mしかないのに遠く感じる赤面山


コルから赤面山へ登り返す 山頂がガスに見え隠れ


岩にもエビの尻尾


カップラーメンの後、コーヒーを飲んでいたら濃いガスに包まれた


ガスはかかったり晴れたりで目まぐるし


山頂に別れを告げて下山


林を抜け


美しいシルエットを愉しみながら


徐々に下界が近づいてくる


相変わらず去来する雲もまた美しい色彩を見せてくれる


ヒップそりを持ってくればよかったなぁ🎿


熊棚マンション 間違えて他人(熊)の保管品を失敬したりしないのかなぁ🤣
・・・ と、思いきや、これはヤドリギであるというご指摘をいただきました。誤認情報、お詫びいたします。


廃屋レストハウスまでくれば下山もおしまい


スキー場の看板が寂しいね


日当たりの良い周辺の積雪状況はこんな感じ
先に進んで栃木県境付近の日陰はガッツリ圧雪だが、その先はよく除雪されていた

コースタイム等データ詳細
 YAMAP掲載 https://yamap.com/activities/37399711
 山レコ掲載 https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-7727316.html

撮影使用機材
・iPhone 13 Pro Max

カテゴリー: 福島県の山 パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA