-『スーパー地形』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成-
関連山行
2024年04月10日 御坂山塊 釈迦ヶ岳と黒岳
2023年11月08日 山梨より富士見2023 毛無山、十二ヶ岳
富士見山行遠征最終日は、西湖北岸に伸びる御坂山地にある王岳と鬼ヶ岳に登る。この山域は昨年の秋に稜線続きの十二ヶ岳に登った。また、今春は山地の東端に近い黒岳も踏んでいる。
御坂山地は富士山展望台としての景色が秀逸。また登山道も変化があってなかなか楽しめる。自分は決してピークハンターではないが、まだ部分的にしか歩いていないこの稜線のすべてを繋いでみたいと密かに思っているのだ。
昨晩も「道の駅 かつやま」で車中泊をした。河口湖周辺では、夜間の静かさを考えるとここ以外の車中泊は考えられない。ただ、標高も高い(830m)ので当然晩秋はそれなりに冷え込む。夏場はこの程度の標高では逆に気温が高すぎて車中泊は厳しいが、初秋は快適に睡眠を貪ることが出来るだろう。だが、11月末になるとなかなか朝の冷え込みが厳しいのだ。
目覚めると、室内の温度計は零度近くまで下がっている。体が冷えないように急いで着替えをする。お湯を沸かして暖かいものを体に流し込むとようやく人心地がつくが、出発前にフロントガラス内側の結露を拭き取ろうとすると凍結していて流石に凹む。まぁ、これも車中泊不自由の一興ということだろう😆
昨日の竜ヶ岳に続いて西湖の北岸道路を車で進む。今日は早朝の富士山のご機嫌も良さそう。それに、稜線に登り上げるまで少し時間がかかるから、富士山にそそぐ日差しが徐々に変化して鬼ヶ岳に着く頃には完璧な光線状態が期待出来るだろうと踏んだ。結果的には、鬼ヶ岳での富士山は若干逆光気味であった。肉眼ではなかなかな迫力で満足できたが、写真が逆光で厳しかった。難しいものだ。
西湖駐車場に車を停め、序盤は車道歩き、そして林道へ。西入川沿いに進む林道は幾つかの砂防堤を巻くようにして上へ上へと伸びていく。簡易舗装と非舗装が入り交じる。傾斜も緩いが、まずは慌てずゆっくっりと進んでいく。
電線が邪魔だが今日歩く稜線 正面ののっぺりした所が一つ目のピークである王岳だ
珍しいドラム缶檻 小さな動物しかかからないように思えるが何を捕らえるのだろうか
50分の林道歩きの後、最上部堰堤で林道は途切れる。ここが登山口となるが、すでに標高差を230mほど稼いでいる。王岳まで残すこと500m弱だからもうひと頑張り(ふた頑張りくらいかな😅)で稜線に到達出来ると思うと楽に感じる。
だが、この500mの登りも結構急登続きで楽には登らせて貰えなかった。ただ、登山道は悪い所はなく、余計な手が入っていない”奇麗な”道なので登っていて楽しい。標高が上がると植生が変わり、丈の短い笹が出てくるも刈払いがしっかりしていて大変歩きやすかった。
前半は急登が続くが比較的登りやすい 流石に三日目になると足も上がりづらくなってきたが地道に登るべし
左右の角のように見える右側ピークが鬼ヶ岳山頂、その右の少し下がった所が雪頭ヶ岳
稜線上は西湖と富士山のビューポイントがいくつもあり足がなかなか先に進まない
振り向くと、左下が昨日登った竜ヶ岳、右上に雨ヶ岳、そして最高峰は二日前の毛無山
鍵掛という変わった名前のピーク この小さな山名板を見落とすと気付かず通過するだろう
鬼ヶ岳が近づいてくると岩場が何か所か出てくる。古賀志山周辺の岩場通過と比較すると特に厳しくは感じなかった。岩に細かい粒子があってホールドも豊富、指先がよく掛かるので登りはロープに頼らなくとも問題ないが、逆に下りは滑りやすいので慎重に行くべし。
鬼ヶ岳が近づいてきた頃、登山道には数か所のロープ場があった 慎重に行けばホールドも多く通過に困難は無い
楽々快適稜線も、鬼ヶ岳への最後の登りは終盤の足にいささか堪えるが、辛抱で山頂に到着。途中、逆周回の登山者数組と交差したが、山頂は独り占めだ。豪快な富士山と拡がる南アルプス展望が迎えてくれた。北側に目を向けると金峰山をはじめとして秩父山地が横たわり、北東には未踏の御坂山地の山々。なかなか贅沢な眺望である。
甲府ビル街の向こうに八ヶ岳、上部を雲に覆われていていまひとつ
正面の園地に今回三泊した道の駅かつやまがある 静かでよい所だ
少し逆光気味で発色が悪いが、自分的には今日一番の富士山であった
西湖の南側に紅葉台から足和田山への稜線 こちらも昨年歩いているので感慨深いものがある
下山路は中盤以降植林帯が長く続く。よく枝打ちされた明るい松林を過ぎると、あとは鬱蒼とした檜林となる。
山頂を目指すにしては遅い時間なのに若者三名(女性二名)が大きな声で談笑しながら登ってきた。大声を出しながらもあれだけのペースで登れるのだから大したものだ。男子一名がパワフル女子の話題に相槌を打つのに苦労しているのが見ていて可笑しかった。
更に降りることしばし、先ほどの若者のお友達なのだろうか。女子二人が軽装でゆっくり登ってきた。こちらは一名がかなり疲れているように見受けられた。この時間、あのペースでは雪頭ヶ岳の展望地を往復して下山する頃には日没は必至。ただでさえ北斜面なので暗くなるのはもっと早いはずだ。
「これからどこまで行くのですか?そのペースでは安全に下山できませんよ」と声をかけようかとも思ったが、若い娘さんに話しかけるのは還暦親爺には憚れるもの。同じような状況は過去に何度も経験しているが、次回こそためらわずに声をかけようと思っている。
下山口間際にあった最新の砂防ダム 遠めになにやらお洒落なオブジェと思いきや・・・
最後は砂防ダム管理動なのでコンクリ階段が設置されていた
クマ注意看板をこの辺の山域で見たのはこれ一枚かな でもクマ鈴を付けている人はいなかった
下山後は、三日間お世話になった公衆浴場で汗を流す。
「富楽時ふらっと」は富士吉田市社会福祉協議会が運営する健康増進の為の施設であり、入浴施設も併設している。
富士吉田市民でなくとも利用出来るが、市外者でも60歳以上は¥300というリーズナブルさは特筆もの。あまたの観光客の需要がある為、富士山周辺は強気な価格設定の日帰り温泉も散見される。中には二千円なんてところもあるくらいだ。
富楽時ふらっとの風呂は温泉でなく沸かし湯だが、施設は奇麗だし登山の汗を流すなら十分な内容だ。あえて難を上げるとすれば、二つある浴槽の高温のほうでも40度程度で熱い湯が好みの方は不満かもしれない。自分はぬる湯好きなので丁度よかった。また、浴室から出ればその時点で再入浴が出来ないシステムなので、一旦休憩室で休んでから入りなおすことは出来ない。
朝入場して、入浴と昼寝を繰り返して食事もといったふうに、長時間居座るというのは自分もあながち嫌いではない。でも、車中泊の場合は食料調達や移動などで忙しいから一発入浴でも十分だ。
三日間通った銭湯 市外者でも60歳以上はシニア料金\300が嬉しい
浴室から当然のように見える富士山は休憩室からも遺憾なくその姿を拝むことが出来る
いろいろ書いてあるけど、登山後に汗を流すのには十分の良い施設だった
Wifiも使えるし地元の人ばかりなので自分的には超穴場だ
12/1(日)
まだまだ好天は続きそうだが、流石に朝方の寒さが堪える。もう潮時だろう。
帰路は下道オンリーではなく、高尾山ICから圏央道に入り五霞ICまで高速利用。そこからは渋滞知らずのハイスピード国道、4号バイパスを使うと思いのほか早い4時間40分で自宅到着。高速料金も¥2,540とリーズナブル。このくらいのタイパ、コスパなら足繫く通うのも悪くないかな😁
四泊五日の今年の最後の遠征も無事終わった。いつまでこんなことを続けていけるかは不明だが、旅に出れば出るほど行きたい場所は増えるばかり。来年の春が待ち遠しいものだ。
コースタイム等データ詳細
YAMAP掲載 https://yamap.com/activities/36278176
山レコ掲載 https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-7542842.html
撮影使用機材
・NIKON Z50
・NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
・iPhone 13 Pro Max