八経ヶ岳


-『スーパー地形』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成-

11/14(木)

 今日は終日雨予報だ。こういった日に無理をして登っても楽しくない。柔軟に予定を変えることが出来るところが車中泊旅の気ままさなのだ。

 まずは尾鷲のマクドナルドで朝マックを頬張る。無料WifiをつないでSurfaceで写真整理や情報収集。最近の停滞日の定番となっている。マクドナルドがある街、それも店によってはWifiが無かったりするので、これでも結構事前計画が必要なのだ。

 Wifiの一回の接続時間が一時間、その後10分くらいで再接続出来る。でやりくりすると数時間は粘れるが、さすがに後半は追加のドリンクで凌ぐ。でも飲みすぎは前立腺肥大症にキツイ😁
 なので、席はトイレ脇のところに陣取る。まったく、車中泊の駐車位置といい、トイレは人生の重大要素となっているところがなんとも情けないものだ😵

 マックで時間を潰したあとは「熊野古道センター」へ。

 熊野古道にまつわる文化や自然を紹介した興味深い展示が多数ある。平日故に閑散とする館内だが、英語字幕付きの紹介ビデをを熱心に見入る白人女性の姿が印象的であった。

 古道センターを出ると雨脚が強くなってきた。山に登ると昼食=行動食、そしてその余りを下山後の車の移動中に食べるのでなんとなく食事としての満足感に欠けるもの。こういう停滞日は格好の食事チャンスとなる。スマホで検索して比較的星の多いお店でランチをいただいた。スーパーで食料を調達して車の中で食べるとなると案外偏ったり飽きたりするのでこういう外食の機会は大変嬉しいものなのだ。

 明日の八経ヶ岳の天気は曇り基調だが辛うじて雨は無さそうだ。尾鷲市内で食料を求め、予定通りに今晩の泊地である「道の駅 吉野路上北山」へ向かう。尾鷲からこの道の駅まですら2時間近くかかるので紀伊半島の登山はアクセスが大変だ。

 「道の駅 吉野路上北山」はディリーヤマザキが主体で営業されている道の駅で、一般的な直売所や食事処などを備えていない。歩いて行ける距離に宿泊施設の「フォレストかみきた」があり、そこの温泉が日帰りで利用できる。ぬめり感のあるなかなか良い泉質で車中泊の疲れを癒してくれる。

 この道の駅は昨秋も利用しているが、ディリーヤマザキが20時で閉店すると至って静かな夜を過ごすことが出来るので、このエリアに泊まるならお勧めだ。駐車位置はディリーヤマザキ側とトイレ側(EV充電があるほう)に二つあり、道路を挟んだ高台の第二駐車場もあるが、そもそも利用者が少ないので高台のほうに止まっている車は見たことが無い。お勧めは地面が平らなトイレ側である。

11/15(金)

 道の駅から登山口までは約45分の予定だ。慌てる必要はないが、車中泊山行の場合は早立ちで下山後の移動等に余裕を持たせるのが基本。まだ真っ暗な車内でお湯を沸かして簡単な食事を摂る。暖房の無い車内では暖かいものが五臓六腑に沁みわたる。

 国道もとい、酷道309号は基本的に工事中規制が敷かれており、時間帯通行止めとなっている。だが、早朝は解除されており、前日、担当部署へ電話してみると常時交互通行となっているという返事をいただく。入口にある掲示板には時間帯による通行止めが大書してあるので知らない方は肝を冷やすだろう。

 すれ違い困難、問題の区間は路側が崩れかけているも路幅制限のおかげで無事通過。照明の全くない真っ暗な「行者還トンネル」を抜けるとそこが登山口の駐車場である。すでに数台の車があった。早速係員が駆けつけてきて駐車場代の千円を徴収していった。


行者還トンネル西口の有料駐車場からスタート


登山口からまずはゆるゆると沢沿いに進む


橋を渡った後に登山開始 序盤は急登が続く 味わいのある木製階段などもところどころに設置されている

 しばらくは急登を我慢する。やがて乗り上げた稜線が大峯奥駈道であり、軽い感動を感じた。空模様のほうは、どんよりと重く垂れこめる雲。とにかく雨だけ降らなければと思いながら先へと進む。

 先行する方、後続の方。着かず離れずで進む。山深いからと思い、百均ピストルをズボンのポケットに忍ばせ腰には熊スプレー装着。だが、クマ鈴も付けない人が多く、いささか場違いな気持ちになった。平日でもこれだけ入山者が多いなら、さもありなん。


ようやく稜線に乗ると・・・


立派な石柱道標に刻まれた大峯奥駈道の文字


思わずほっこり


朝焼けの残照、曇天だが雨は無いという予報に期待したい


通過点である三角点ピークの弁天の森 名前の通り一帯は穏やかな山頂平地になっている


向かう八経ヶ岳方面まではまだ標高差300m以上はある


今なら少しは眺望あるかな💦


修験道ならではのオブジェ


あとで判るのだが、弥山山頂まで750mとの道標らしい


綿々と続く山並みは晴れていれば壮大だろう


水墨画の如く雲間に続く山々


弥山小屋はすでに閉まっていた


脇の鳥居をくぐり弥山の山頂へ


更に鳥居


山頂は社殿があるのみ ガスに覆われて眺望は無し


弥山小屋から八経ヶ岳を目指す 一旦下って登り返す 途中に鹿柵が三か所あった

 到着した山頂はガスで眺望はほぼ無し。正直がっかり感はあるが、これも今日の天候を選択した自分の結果。何はともあれ近畿最高峰に立てた喜びを感じよう。

 途中でお会いした方数名と、山頂でもご一緒する。皆、眺望が無い事には落胆しているようだが、この山域の奥深さには大いに感じるものがあるだろう。自分もまた、静かな余韻の残る山頂を後にした。


そして近畿最高峰の八経ヶ岳山頂に到達 残念なことにガスで眺望は無かった


錫杖


明星ヶ岳方面にかろうじて至近眺望


心眼で見る麓の紅葉


下山の途につく


たまには苔も撮ってみよう


二日前に歩いた大台ケ原は左側の彼方だがいまいちよく判らない 向こうからこちらはバッチリ見えたのにね😣


「奥駈本道」という良い響き


この先にどんな風景が拡がっているのか またこの地を訪れた時の為にとっておこうと思うのだ


橋を渡れば下山もほぼ終了、沢の流れに癒される


秋の名残を味わいながら・・・


下山終了

 さてさて、明日も天気は芳しくない。

 次は釈迦ヶ岳に登る予定であった。釈迦ヶ岳は今日登った八経ヶ岳からの縦走も可能だが、距離的に厳しいので二回に分けるようになる。

 我が栃木の高原山にある釈迦ヶ岳にもお釈迦様は居るが、こちらの釈迦ヶ岳には立ち姿の立派なお釈迦様がいらっしゃるという。何よりも、大台ケ原から見た釈迦ヶ岳の山姿はなかなかよい。

 そんな釈迦ヶ岳だが、大峰山脈をベストコンディションで歩きたいという思いから今回の山旅からキャンセルすることにした。

 明日は再び停滞だ。尾鷲に南下しても良いが、今回はより街の大きな奈良南部の大淀町を目指し、再び山岳路を二時間ひた走った。

山レコ掲載
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-7486785.html

YAMAP掲載
https://yamap.com/activities/35937620

撮影使用機材
・NIKON Z50
・NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR

カテゴリー: 車中泊の旅, 奈良県の山 パーマリンク

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