-『スーパー地形』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成-
11/9~11/20、今年の近畿遠征に出かけてきた。
昨年同様に家内と共に車で出発し、今回は飛鳥奈良観光を終えた後に山旅へと移行した。
11/9(土)
高速の休日割引が有効なのを良いことに、スロースタートする。ナビが首都高経由を指示していることに疑いを感じずに走っていくと、栃木県民には理解出来ないような渋滞に巻き込まれる。東名も集中工事期間なのでところどころ大渋滞。高速料金を割り引いて欲しいと思うも(笑)あとの祭り。ようやくスムースに走り出したが、目的地の奈良についたのは12時間後のことだった。
今までの人生で12時間も運転したことは無かったのだが、首都高はみだりに通ってはいけないという事を身をもって学んだ次第である。
昨年の三重は4時前に平日の深夜料金適用を受け、午前中に伊勢に到着。午後から観光に入れたが、さすがに今回はグロッキー。飛鳥の安ホテルに直行し、途中のスーパーで漁った食材を食べるのが精いっぱいであった。
11/10(日)
一晩熟睡して元気を取り戻した後は明日香観光へ。
高松塚古墳、キトラ古墳、石舞台へと散策。
飛鳥寺の長閑な佇まいも楽しんだ。
明日香は田園地帯が広がる中に見どころが点在するので気持ち良い。こんなところで余生をのんびりと過ごすのも悪くないかなと思うが、現実的には絵空事。せめて妄想だけはしたいところだ。
飛鳥寺を見た後、奈良中心部へ移動した。連泊するホテルに荷物と車を置いて繁華街散策へ。明日香では少なかった外国人観光客がひしめいていた。瞬間的に自分たちのほうが外人となるようなインバウンド盛況ぶりに驚く。
飛鳥観光は高松塚古墳よりスタート 朝一番で観光客の姿もなく静かな雰囲気が良い
飛鳥の里から見る金剛山(左)と葛城山(右) あの山の向こうは大阪だ
よく見る聖徳太子と全然違うね😅
ホテルへチェックイン後繁華街へ、猿沢の池前の通りはインバウンド多し
猿沢の池のほとりを歩きホテルへ戻った。泊まったのはキラキラしてるホテルでは無い🤣
古都の街並みにスタバがやけに輝いている あそこに居るのもインバンドなのか?
11/11(月)
早めにホテルを出て春日大社を目指す。
春日大社は広大な敷地を有し、一番外側の鳥居をくぐっても本殿まではかなりの距離がある。途中、公園内には鹿が沢山居たが、山に居る神経質な彼らと違って人間と見ると食べ物を貰える対象としか考えていない。街の中にも出没し、下手をすると車でバックするときなどに轢きかねないので注意が必要だ。
奈良と言えば東大寺だ。関東で子供時代を過ごした人なら修学旅行で訪れた可能性はかなり高いだろう。自分も中学校の修学旅行で見学しているが、古刹仏像の類はある程度歳を重ねないとありがたみを感じないのではと実感。
興福寺の宝物殿では、千手観音、阿修羅像などを見た。書籍やネットで写真を見る機会はあるが、実際に現物を間近で見ると言葉や知識を超えた迫力が伝わってくる。歳を重ね、また自ら死に近づいてからこそ感じ得るものなのだろうか。
翌朝、春日大社を目指してまずは一の鳥居をくぐる 朝は観光客が少ないから静寂
お次は東大寺 鹿が観光客に何気に入り込んでいるのが分かるかな❓
どうじゃった?しっかり煩悩を落とされましたかな?と問うているような表情 なんせ神の使いだからね
午後は若草山へ車を走らせた。
駐車場から山頂へ簡単に登れるので観光客に人気がある。
ここにも沢山シカが居て、愛嬌を振りまくというよりもマイペースで生活する彼らの生活を見ることが出来た。
有料道路を使って若草山へ移動 「あんたらも観光か?暇なんだな」的な視線を浴びる そっちこそ暇なんだろう😜
11/12(火)
観光最終日。
斑鳩の里、法隆寺へ。五重塔と奈良の秋の空がよく似合う。
広々とした敷地の放つ空気感が心地よい。
昼食後に家内を奈良駅で降ろして紀伊半島中心部へと車を走らせた。
本堂など内部はすべて撮影禁止だが、五重塔に青空と雲がよく似合う
これを見るといつも撮ってしまう🙄 調べたら「吐水龍」って言うらしい
夕暮れ近く、山深き道をひた走り大台ケ原へやってきた さぁ明日から山歩きが始まる
11/13(水)
今回の近畿遠征初日の山は大台ケ原(日出ヶ岳)である。
昨年の三重遠征時にも計画したが、すでに路面凍結の可能性があるため断念した経緯がある。今年は一週間予定を早め、また高温傾向にあり道路状況の心配は無い。
昨日のうちに「大台ケ原ビジターセンター」入りした。ここに至るまでは大台ケ原ドライブウェイなる山岳道路を延々と走るが、途中に集落などまったくない深山故に携帯の電波が心配であった。夏頃、ビジターセンターに確認したところ駐車場には携帯電波ありとの情報をいただいていた為、安心して車中泊地とした。トイレと電波と静寂が車中泊の必須項目なのだ。
今回の近畿遠征は天気予報が微妙で、観光から今日までが好天。明日(14日)から下り坂が数日続くという。宇都宮からの距離があるので一旦戻ることは考えられない。滞在期間を延長して粘るつもりだ。
朝、目が覚めるとまばゆいばかり光に包まれる。周りの車中泊組も徐々に起きだし、日帰りの車も続々と上がってくる。自分もそそくさと準備をして登山道へ向かった。
翌朝、早い時間は雲が多い予報だったが良い方へ好転 半時計ルートで歩き始める
流石は人気ルートだけあって登山道に危なげな所は皆無。道も明瞭で歩きやすい。シオカラ谷まではゆるゆると高度を下げて一旦登り返し。若干急登になるが、あとはなだらかな稜線歩きとなる。
今日のルートでの最大の見どころである大蛇嵓へ到着。
張り出した岩棚から見える景色は壮快の一言!
周囲に柵と鎖が巡らされているのでそこを伝えば危険はないが、滑りやすい岩質なので真ん中を行って足を滑らせると危険だ。
突端まで行ってみたが、かなりの迫力に圧倒された。
西に目を向けると紀伊半島の屋台骨とも言える大峰山脈がよく見える。この稜線は大峯奥駆道と呼ばれ、何本かある熊野古道の中でも修験道として有名だ。今回登る予定(だった)特徴的な突起が釈迦ヶ岳、右手の八経ヶ岳は近畿最高峰だ。
大峰奥駆道と呼ばれる稜線が素晴らしい 左の特徴的な突起が釈迦ヶ岳、右手の八経ヶ岳は近畿最高峰
日出ヶ岳への登り途中、来た道を振り返るとやはり大峯奥駆道が素晴らしい
山頂には電波の中継施設があって携帯のアンテナは四本でバッチリ。これはまったくの想像だが、世界遺産に指定されている山域なので、至る所に自然保護の施設や装置が設置されていて、それらのデバイスと通信できるようになっているのではないかと。いずれにせよ山頂で中継施設があるのはアルプスのメジャーな山域でなければ珍しいとしか言いようがないと思うのだ。
山頂に電波中継施設があるのでスマホのアンテナも4本ばっちり 避雷針設置はこの為なのだろう
大台ケ原の海の入口ともいえる尾鷲も降雨量が多く植林が盛んで有名だ
紅葉の後ろに立派な山姿の大普賢岳が屹立、登山意欲を掻き立てられる
明日の予定は近畿最高峰の八経ヶ岳を予定しているが、山の天気予報を見ると終日雨となっている。雨具を着て無理して登っても仕方がない。ここは一旦停滞としよう。
大台ケ原から市街地に至るには北の奈良南部か、南の熊野・尾鷲のどとらかになる。どちらも車で二時間以上走らなければならないのが奥深い山間部の辛いところ。その間にまったく何も無いわけではないが、スーパーなどの食料調達はやはり市街地頼りとなってしまう。このエリアの山を連続で登り歩くなら保存食で切り抜ける食料計画が必須だろう。あいにく今回はその備えは無い。それに、何も無い山中で日がな一日車の中で過ごせるほど自分はストイックではない。
天気予報を見ていると更に一日の停滞は必要な感じがする。気落ちせずにまずは一旦熊野を目指し、残った日差しを楽しむべく散策を楽しんだ。食料調達後は尾鷲手前の「道の駅 熊野きのくに」を泊地とすることにした。
紀伊半島の南北を縦貫する奥深い山岳道路をひたすら南下し、昨年も立ち寄った鬼ヶ城へやってきた
南に下れば紀伊勝浦へと続く七里御浜海岸、鈍色に美しく輝いていた
鬼の見晴らし台を後にして下山しようとすると、向こうから白人の若者がやってきた。日本人でさえも訪れる人の少ないこんな所へ・・・という気持ちは禁じ得ないが、昨今「日本の歩き方」のような書籍で意外なところが紹介されていると聞くから特段珍しいことでないかもしれない。
だが、少し遅れた後ろから若者の母親のような高齢女性が杖を突きながらやってきた。「こんにちは」と挨拶をすると、声にはならなかったが満面の笑みを浮かべて返事をもらう。眼下に広がる絵葉書になりそうな入り江の写真を収めたばかりだろうか、カメラを革のケースにしまうところだった。
今の時代、デジカメどころかスマホで写真を撮るのが一般的なのは異論のないところだろう。それなのに彼女のカメラがフィルム式のであったのは見逃さなかった。真似はできないが、想い出を収めるデバイスがアナログなんて今の時代結構素敵な事だ。
スカーフをかぶり杖を突くその様は絵から飛び出した魔法使いといったら失礼だろうが、息子に連れられて日本の美しいところを心の底から楽しんでいる様子が感じられた。インバウンドがひしめくなか、こんな旅をして貰えれば日本人として大変嬉しいものである。
去年登った大蛇峰(真ん中の山)からは下の浜が奇麗に見えたなぁ
山レコ掲載
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-7480564.html
YAMAP掲載
https://yamap.com/activities/35905567
撮影使用機材
・NIKON Z50
・NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR