-『スーパー地形』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成-
遠征二日目は秋田駒ケ岳に登る。
車中泊地は登山口のある八合目小屋までも良かったのだが、ここは電波が届かないので麓の「アルパこまくさ」とした。
アルパこまくさの駐車場は、田沢湖を一望できる広いほうと施設棟の前の両方にとめることが出来る。夜間トイレに行く可能性の高い自分としては施設棟の前で決まり。定期バスの最終が通過すれば後は静寂の夜が訪れる。大型トラックのアイドリングやむやみに車から出たり入ったりする輩もいない。周りの車中泊者は皆、明日の登山の為に備えているので静かなものだ。やや低めだが、シュラフに入って寝るには丁度良い気温である。
早朝、出発前に昨晩がスーパームーンであることを思い出し、写真撮影に興じる。昨夕三脚を構えて夕暮れを撮影していた人も車のなかでまだ夢を見ているのだろうか、この時間に外に出ているのは自分一人だ。あるいは車内から日の出時刻のショーを眺めているのかもしれない。
「アルパこまくさ」から八合目駐車場を目指して走っていくと、先行していたタクシーに追いついた。見た感じ一名しか乗っていない。この時間だと公共交通機関経由というよりも、宿泊先に手配したタクシーかもしれない。なかなかお大尽な方だ。
八合目駐車場のキャパは少なく、金曜日の早朝にしてすでに1/4は埋まっていただろうか。休日に進入禁止措置がされるのも頷ける。
予報に反して幾らか風が強いが問題になるほどではなく、気持ちよく出発だ。今日のルートは時計周りの周回で、横岳、女岳、男岳、そして最後に男女岳と順に巡っていく。
八合目登山口 休日は進入できないのでアルパこまくさからバス利用となる
登山道はよく整備されていて大変歩きやすい。若干荒れていたのは女岳と男岳南側のトラバース区間だけで、あとは本当によく整備されている。流石、一流の山は違うなと痛感した次第だ。
振り向くと笹森山 あちらの稜線が気持ちよさそう 歩くべきだったと後悔
ムーミン谷で熊の出没情報が相次いだ時期ありとのことで、今日は熊スプレーを携帯した。だが、登山道全般で見通しの良い箇所が多いので、熊も人も視認性が高い。何よりも登山者が多いので遭遇の可能性はかなり低いのではと思ったが、一応備えるに越したことはないだろう。
熊スプレーを初装着 ケースは市販のボトルホルダー 一応抜く練習をしたが、はてさて
焼森に向けて高度を上げていくと、一気に抜けの良い景色が広がる。左側に雲海、右側は男女岳を中心としたピーク。思わず唸ってしまうような贅沢な眺望だ。火山の証である砂礫の外輪尾根。雲に向かって下っていくようなこころもち。印象的な風景が愉しい。
阿弥陀池への分岐を見送り、男岳の南側を回り込む登山道に進む。寄り道するような感じで途中から女岳に登った。
女岳の最後の噴火は1970年ということなので、火山としては比較的新しいほうと言えるだろう。足元の岩を見るとそこかしこから水蒸気が上がっていた。触ると暖かい。また、ピーク付近では谷から吹き上げる冷たいガスに加え、時折生暖かいものが混じっていた。噴火後日が浅い(50年経ってはいるが)ため、山体全体に植物が育たず苔だけが覆っている。奇異な外観はこの為なのだ。
1513m地点より少し先に石積みと山名板あり 個人的にはこっちじゃないよなぁ、さっきの所だよ絶対🤨
男岳の南をトラバースして五百羅漢方面へ向かう ここは道が狭くて左に落ちないよう要注意
女岳から流れ出た溶岩 熊の手のよう 境目がはっきりしていて面白い光景だ
女岳から流れ出た溶岩熊手と五百羅漢 この稜線、どこまでも歩いてみたいね
男女岳(秋田駒ケ岳)と阿弥陀池 中央奥にちょっぴり岩手山が頭を見せている
山頂到着 黒ずくめ集団は警察学校の学生さんのようだった 丁度入れ替わりで下山するところだ
この人気の山にしてこの駐車キャパ 土日に送迎バスのみになるのは理解出来る
概略コースタイム
駐車場発(06:21)-焼森(07:22)-横岳(07:40)-ムーミン谷下降点(08:21)-駒池(08:38)-
女岳(09:14)-五百羅漢末端(09:47)-男岳(10:20)-阿弥陀池(10:43)-男女岳(11:03)-
阿弥陀池(11:30)-駐車場着(12:40)
カシミール3Dデータ
沿面距離:10.7Km
所要時間:6時間19分
撮影使用機材
・NIKON Z50
・NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR