マタギの里と森吉山


-『スーパー地形』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成-

 ようやく遠征といえるようなタイミングがやってきた。

 本来は10月に入ったら直ちに津軽半島に向かい、岩木山を皮切りに・・・と予定していたのだが、あいにくその時期は天候がいまひとつ、というよりも雨続きで絶望的であった。そのあと関西方面への遠征も計画していたがこちらも天候で断念。
 そうこうしているうちにぽつりと天候が良いタイミングが現れた。これを逃す手は無しとし、本来なら期待すべき紅葉はすでに過ぎ去っているだろう東北の北部へ出発したのだ。

10月16日(水)

 初日は移動のみ。目指すは北秋田市にある阿仁である。阿仁はマタギの里として有名だ。所有している熊に関する本の何冊かでも阿仁マタギに関するものがあり、まさに熊に遭いに行くような心持である。
 もっとも、現役ハンターでも熊に遭遇する可能性は極めて低く、様々な情報や条件を駆使してようやく仕留める事が出来るというのに、昨今の熊の状況はご承知のように里に出てくる可能性のほうが高まっているのは皆さんもご存じの通りである。

 阿仁に近い山峡部を走るようになると、道路の電光掲示板に「クマに注意」と表示され、路側の幟にも「クマ出ます」と盛んにアピールしている。何も対策しないで農作業や山に収穫しに行くと危険だよということだと思うが、登山道ならいざ知らず、生活域のこのような警告を見慣れない者としてはなかなかパンチがある😱

 阿仁へ向かうのには東北道で盛岡まで行き、そこからR46を通るのが最短であるが、高速代をケチり福島JCTから東北中央道に入ったものの、有料区間と無料区間の混在故に思ったように距離が稼げない。8時間以上を費やしようやく「道の駅あに・マタギの里」に到着したのは17時過ぎですでに辺りは暗くなりかけていた。

 車中泊組は6台、うち一台は大型トラックだ。ロケーション的に夕方以降は利用者が多い場所でないので静かな夜が期待できる。だが、唯一のトラックがアイドリング回転数を上げていて結構うるさい。トイレの帰りにちょっと覗きに行ったら察したのかエンジンを切ってくれた。住宅地に隣接する場合は夜間アイドリングに対して厳しい場合が多く、別な場所の例だが「夜間アイドリングは通報します」という掲示もあるぐらいだ。会社の看板を背負っていると通報されたくないという思いもあるだろうが、ドライバーも自分の快適さ(空調等)がかかっているから必死なのだろう。このトラックは朝出発するまでエンジンをかけなかったのでお陰で車中泊一日目の夜を静かに過ごすことが出来た。

 道の駅のトイレにドアを開け放すと熊が入ってくるという注意書きがあるが、これはなかなかリアル。閉めない人はいないだろうと思ったら、地元の軽トラのおじちゃんがトイレに入って開けたまま去っていった😆
 実際、そんなにちょくちょくトイレに熊が入って来るようではパブリックな施設として何か対策が必要だろう。だが、ビジター向けとしては効果的な注意書きで、実際戸が開いていれば虫だの小動物が入ってくる可能性は高いだろう。

 とはいえである。

 夜間、トイレに行くときに懐中電灯を握りしめてまず周囲を照らす。そしてトイレのドアをそっと開けて「ヨシ!熊OK!」と確認したのはいうまでも無い😁

10月17日(木)

 さて、今日登る山は森吉山である。花の名山として名高い山だ。あいにくこの時期は花は全て終わっている。加えて紅葉も終盤ということだがそこは織り込み済み。山自体を楽しめればそれで良い。

 登山は森吉山ゴンドラを往復利用する楽々スタイルだ。ゴンドラ駅までの道中、秋田内陸縦貫鉄道が並走しており、途中の笑内(おかしない)駅が雰囲気あったので写真撮影で立ち寄った。


早朝、車から降りると朝霧に覆われていた



マタギの里として有名な阿仁にやってきた


道の駅トイレの入り口ドア こりゃみんな閉めるね😂


登山口に向かう道路沿いに走る秋田内陸縦貫鉄道 笑内駅に立ち寄ってみた



“おかしない”と読む


駅舎内を覗く 放置されている雪かき 豪雪地帯ならではだろう


さて、今日はこちらから往復ゴンドラ使いの楽々登山だ


マスコットの北斗くんはなかなかカメラ目線くれず😣


かろうじてプラ板越しにサービスカット すみませんねぇお疲れのところ


おやすみなさい

 ゴンドラの営業が8時45分なので随分余裕がある。下から自分の足で登っても良かったのだが、長丁場の日程故に出来るところは楽をするのが基本だ。
 始発を待つ間、周囲をぶらぶらしていたら秋田弁のおじさんに話しかけられた。だが会話の2/3が理解できなく苦し紛れの相槌を打つ。方言で難解度Maxは津軽弁で、以前道を尋ねた時は100%理解できなくて困った経験もあるが、秋田弁と山形弁も結構強者である。このおじさんの場合も単語が部分的に理解できただけで辛いコミュニケーションであった。


ゴンドラへ乗車 上の方が色づいている

 紅(黄)葉はゴンドラ脇の尾根が一番奇麗な感じで、肝心の登山道は少し過ぎた感じもする。華々しい錦秋とはいかなくても、地味ながら奇麗な色彩に登る足を引き留められることしばし。


いよいよ登山開始


天気が良いのが何よりだ


うーーん鮮やかだね


東北の山は同じような標高がうねうねと続くので山座同定が難しい


右下、ゴンドラ山頂駅 ゴンドラ脇尾根の紅葉が一番奇麗で登山道は終わりかけ

 登山道はいたって穏やかで危険個所も急登もない。ゴンドラを使えば見事に楽な登山となり、高齢者夫婦の姿が多かった。花の季節ともなれば幅広い年齢層が訪れるであろう。また、冬はスノースポーツの人で賑わう山であるようだ。


さして登らぬうちに山頂が見えてきた



一つ目のピーク、石森


石森から森吉神社そしてその向こうのピークは一の腰 森吉山に登ったあとこちら側も歩く


山頂までもう少し


360度眺望の爽快な山頂 山座同定はやはり難しい 男鹿半島や日本海も見えるというが今日は無理のようだ


唯一解った右奥の岩手山


北東方面


一の腰アップ


石森まで一旦下山する


山頂を振り返る


立派な避難小屋


鳴らしちゃうよね😀


石森から一の腰へ向かう


森吉神社手前の小さな池塘


たおやかな姿が羽を広げる森吉山


ピーク時はさぞかし奇麗だったことだろう


森吉神社の脇にも立派な避難小屋あり 東北の山は山小屋が潤沢といった印象がある


・・・ということです


神社裏の奇岩


こちら側は圧倒的に登山者が少なく良い雰囲気だ


一の腰は通過点的なピーク だが今日はここを折り返し地点として食事休憩とした




雲嶺とは随分奮った名前



ゴンドラ駅まで下りてきて下山終了


今夜の泊地に移動途中、田沢湖でトイレ休憩


広々として気持ち良い


明日はあそこだな


泊地のアルパこまくさ駐車場より 夕暮れの田沢湖

概略コースタイム

ゴンドラ山頂駅発(09:15)-石森(09:43)-避難小屋(09:56)-森吉山(10:29)-
石森(11:17)-一の腰(12:02)-石森(12:36)-ゴンドラ山頂駅着(12:56)

カシミール3Dデータ

沿面距離:8.1Km
所要時間:3時間41分

撮影使用機材
・NIKON Z50
・NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
・iPhone 13 Pro Max

カテゴリー: 車中泊の旅, 秋田県の山 パーマリンク

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