『箱根ビジターセンター』の夜は静寂そのもの。睡眠をむさぼるのには実に快適だ。難を言えば併設されているトイレにウォシュレットが無い事くらいかな(笑)
ぐっすり眠れる筈の夜だったが、あにはからず。ちょっとオーバースペックの防寒対策が裏目に出て夜半にインナーシュラフを外すまでなかなか寝付かれなかった。今年の4月は気温の上下が激しいので、気軽に寝具状況ををチェンジ出来ない車中泊は対応が難しいのだ。
さて、今日と明日は確度の高い雨予報。低気圧が移動してくるので素人判断でも絶望的だ。雨ならこうしようという計画をあらかじめ立てていたのだが、目が覚める頃に車の屋根を打つ雨音を聞き、「確か午後からの降雨だった筈」と思い返し意気消沈する。まぁ、こういった想定外の事や不便さも楽しめないとビギナーからステップアップ出来ないのだが、駆け出しの自分はまだそういったレベルには至っていないのだ。
いつもならリアハッチを開け、朝の爽やかな空気を取り込みながら寝具や車内の片付けを済ましてまず朝食、そして更に荷物を走行モードへ遷移するのだが、今朝は雨に濡れてしまうからすべてを車内で行わなければならない。
軽の商用ワンボックス等、荷室の天井が高い車の場合は中腰で着替えが出来るほどだが、低床バンタイプの商用車の荷室であるシャトルでは正座をすると頭と天井の隙間が数センチしかない。荷室内だけで片付けをするのは結構きついのだ。
準備を終えて南へと車を走らせる。進む道は国道1号線。箱根から沼津へと山を降りていく。
まず始めは『道の駅 伊豆ゲートウェイ函南』へ。最近は道の駅に着くと常に車中泊的見地からあちこち睨め回(ねめまわ)して評価する癖がついてしまっている。今回の旅でも終盤でこの道の駅を使う予定なので偵察を兼ねているのだ。
結果から言うと百点満点。まず、綺麗。もちトイレが。肝心の用足し以外にも洗面や歯磨きもするから綺麗に越したことはない。そして、駐車枠の傾斜が殆ど無い。ここ重要。車の前後に傾斜が発生する場合は寝る時に頭が上になるように停める向きを変えるが、勿論程度というものがある。そして左右は流石にどうしようもない。僅かな傾斜なら我慢のしようもあるが、一晩寝てみると結構ボディブローのように効いてくるのだ。
さらに、乗用車の駐車エリアとトラックの駐車エリアが明確に区別されていてその距離も離れている。大型トラックのアイドリング音は深夜になると結構気になるが、トラックによっては積載物の関係でエンジンを停められないものも多いと聞く。トラックの運転手さんも仮眠を取る為に停めている訳だが、道の駅を管轄している国土交通省によると宿泊としては使わないでくれという意向があるだけに、車中泊者としては仮眠では無く”睡眠”している手前、周囲に迷惑をかけない配慮のみならず道の駅の利用趣旨に関する状況を甘受しなければならない。あくまで休憩として利用させて貰っているに過ぎないのだ。嫌なら自分が動けば良いだけのこと。
自分は車中泊の時は絶対に飲まないようにしている。これは場合によっては車を動かさなければならない事態を想定しているからだ。天災や不慮の事故だってあり得る。ある意味アウトドアと一緒でそれらを回避するのは基本的に自己責任の世界ということになるからだ。
続けて沼津アルプスの登山口偵察。日守山駐車場に着くと、小雨そぼ降る中、標高190mの大嵐山へと日参登山の高齢者の姿が沢山見られた。この状況でも登るのだからもはや筋金入りと言っても良いだろう。
今回の旅ではこの大嵐山から大平山(356m)、鷲頭山(392m)、徳倉山(256m)、香貫山(193m)と巡るいわゆる沼津アルプス縦走を予定していた。低山ながら市街地の裏手に衝立のように居並ぶ山脈を西伊豆の半島付け根を眺めながら踏破するのは楽しみだ。
そして、お次は沼津港。千本浜公園に向けて車を走らせる。途中で『沼津港大型展望水門 びゅうお』という案内が目に入ったので寄り道をすることにした。予定外の行動だったたけに、今思い起こせばこれが運命の別れ道であったような気がする。
びゅうおという展望水門は港口公園の南端にあるが、身障者専用駐車場しか見つからない。後で知ったことだが、北側に一般駐車場があったのでそちらへ行っていれば問題は無かったのだ。
行き止まりの道をバックで引き返す時であった。
ドカン!と衝撃 ほぼ同時にバァン!という破裂音
あ、やってしまった。
当然バックだからスピードなんてのは知れている。だが何となくぶつかった程度より大きな音がした気がするのだ。
アチャー。これは参ったなと車を降りて確認すると・・・
なんと、リアガラスが全部無くなっているではないか。
車を40年以上も運転していると自分もバックで何かにぶつけたことは幾度かあるが、こんなに激しい破損状況に出会ったのは初めてだ。暫くは声も出ず。
幸いにしてぶつけてしまった構築物(街路灯で下部は四角い鉄柱で覆われている)はびくともしていなかったのは幸いである。所有者を確認すると静岡県ということで担当者に確認していただき、損傷は認められずお咎め無しとのことであった。
よく見ると柱にぶつけた時にバンパーとハッチの一部が凹んだ衝撃でガラスに圧力がかかり割れてしまったようだ。しかも安全対策の為にガラスは一瞬にして細かい破片となってすべて割れ尽くす仕様となっているようだ。衝突時に破裂音が聞こえたのはこの為らしい。
かくして宇都宮から遥か300kmも離れたこの地でリアガラスを全て失う羽目になった。しかも低気圧が徐々に迫りくる、嵐が予報されているこの状況でである。走行にはまったく支障が無いからこれは速攻で帰るしかない。せめて目張りだけはと思い手持ちのビニール袋と養生テープで即席のリアガラス作成。
走っているとバタバタしていつ飛んでいくか心細いことこのうえなし。途中で通りかかったホームセンターで厚手のゴミ袋と養生テープを購入して強度アップするも、宇都宮までの道中の長いこと長いこと。
幸いにして道中は小雨程度で済んだので良かったのだが、一週間の旅が中断してしまった事への残念な思いも去ることながら車の後部を大破させてしまったことへの後悔の念が頭の中をぐるぐると駆け巡る。このうえは更なる事故など起こさぬようにまずは集中して家に帰ろうという思いが強く、緊張のドライブであった。
車両保険に入っていたので、早速保険会社に連絡をすると提携修理工場が代車をもって引き取りにきてくれた。
翌日、修理概算金額を聞いてびっくり。安い中古車買えちゃうよ。今まで車両保険なんて入っていなかったけれど、今回は入っていて本当に良かったなと痛感した。
どうやら相当修理に手間がかかるようで、月内完成が厳しそうだという。
下旬にもう一度別なエリアの旅を予定していただけに凹みました。まぁ身から出た錆。後方確認が足りなかっただけなんだけどね。変な所に街路灯があるのがいけないんじゃぃ。と憤るも筋違いなのだ。(´・ω・`)
まぁ、他車両絡みや人身事故で無かったし、自分自身にも何もダメージが無かったのが不幸中の幸いであった。でも流石に今回は堪えた堪えた。
あらあら、まさかのハプニングでしたね!
その状態では高速に乗れなかったのでは?
いずれにしても無事に帰宅出来て良かったです。
自分も車中泊で遠征することがあり、事故やトラブルには気を付けていますが、起きてしまってからの対応までは考えた事がありません。
明日は我が身と肝に銘じ、用心したいと思います。
いやぁ、ホントぶつけた時は「まじか?」と思い一瞬頭の中が真っ白になりました。
自分の不注意以外のなにものなのでもないので反省ですが、これでへこたれて自粛
という域には至らぬものの、
今、代車の軽ですが、運転は若葉マークのように超慎重です(;^ω^)
途中で補強したら案外行けたので相模湖から高速乗って帰りました。
下道で延々行くのでは心が持ちそうもありませんでしたよ。