(プライバシー保護の為、自宅から離れた場所よりログを公開しています)
長い距離を歩いてみたいという願望は以前からあったが、こと山登りとなると体力との相談となる。実は、二日かけて中禅寺湖を目指すというプランをマジで考えている。
行程は自宅を出発して日光駅周辺で一泊。二日目に中禅寺湖を目指すが、いろは坂をそのまま歩いてもまったく仕方が無い話で、明智平までは以前から目をつけていた尾根で登り、あとは茶の木平経由で中禅寺湖に着地するというものである。
馬返から明智平までの尾根登りがハイライトとなるが、それより日光駅までも案外侮れないのではと思っていた。いきなりチャレンジしするのもいささか不安だったので、試しに日光駅までをやってみようじゃないかと思い立つ。
ルートは最短を考えると大きな車道を通るのが正解だが、今回はちょっと捻りできるだけ裏道や集落の小道を通っていこうと考え計画した。
朝、5時前に自宅を出発。新聞配達のバイクが時折走り過ぎる新里街道をまずは北上する。東北自動車道をくぐり、大谷の奇岩群東側の立岩集落を北上。今はすっかり廃業している採石場脇を抜け、岩本にある岩峰211.9mP(現在危険地点に付き立ち入り禁止)西側を巻く。
R293を一旦跨ぐと水田拡がる中、半蔵山を目指すように北上。台風のもたらした豪雨の爪あとは小川の水の濁りや、場所によってはあふれた水でなぎ倒された稲穂に見ることが出来る。
新里街道に交わる直前にある公民館の玄関前で一回目の休憩。ここまでで既に2時間20分を要した。乗り物で来れば15分かかるかどうかといったところだ。改めてクルマの偉大さを思い知る。歩き=4Km/h、クルマ=40km/h以上なのだから単純に10倍以上かかるので当然と言えばそれまでなのだ。
新里街道に入ると流石に車の往来が激しいが、幸いにして歩道がきちんと付いているので不安は無い。自分がドライバーの時に此処を歩いている人を見かけたことが無いが、今日は道行く車の車窓から好奇な眼差しに晒されながら進む我が姿がある。
栗山ダム手前の地点に橋くぐり地蔵尊なるお堂があった。歩きでないとこういったものはなかなか気がつかない。
朝早くから栗谷沢ダムで釣糸を垂れる人を横目に鞍掛トンネルへと入っていく。旧道を歩いて峠越えという選択肢もあったが、このトンネルを歩いて通過するというのもそうは出来ないことだろう。
トンネル内部は車のエンジン音やタイヤの音が響いいて物凄い。バイクでトンネルを走るという経験は幾度と無くしているので想像はついていたが、自分自身の行動がほぼ無音なのでことさらその凄まじい音量に圧倒された。
緊急時用の電話程度は運転していても視界に入ってくるが、その他様々な設備などにも関心しながら進んだ。
1kmに満たない短い距離だけど、歩いてみるとなかなか長く感じる。大音量の騒音と閉塞感、そしてまとわりつくような湿気。出口が近づくとほっとした。
トンネル出口からの長い下り坂を快調に進むと猪倉集落が近い。
石那田との交差点を過ぎ、予定では新里街道から離脱して西のエリアを目指す予定であった。だが、先程から腹が減ってどうにも我慢が出来そうもない。自宅直後のコンビニでお茶のペットボトル一本と果汁グミ一袋だけは買ったのだが、それ以外の食料は一切携帯していない。人が生活している所を歩いて行くのだから不足したら買えば良いだろうという甘い考えで出発したものの、良く考えれば(というか間抜けな自分)チョイスしたルートは殆ど田舎道の自販機の存在すら危ぶまれる所ばかりだ。想定ルートを外れるのも悔しいが、背に腹は替えられず。若干予定を変更して約1km先にある猪倉のセブンイレブンを目指した。
セブンイレブンでコーヒーとドーナッツ、そしてつまみ喰い出来る食料を調達して大休止とした。自宅から3時間44分、14km弱である。流石にじんわりと疲れを感じ始めるが、まだまだ先は長い。家内にラインを送ると「台風豪雨の影響で日光線止まってるよ」との返事。
えっ!帰りは日光駅からJRで帰る予定だったのだが・・・東武線はと聞くとそちらも壊滅的らしい。まぁ最悪関東バスで帰れば良いさ。
腰を上げ、セブンイレブンより眼前の田川沿いを進み、本来予定していた猪倉城址の北側を目指していく。田川も川岸の草が全て水流に薙ぎ倒された跡が生々しい。
猪倉城址の北側、泉福寺の脇を抜けていくとしばしのオフロード区間が足に優しい。いつもバイクかパジェロミニで通っていたのであっという間に感じていたが、いざ歩くと結構時間がかかるものだ。
弁天沼は今はただの草原のようだが、かつては湿地に様々な動植物が棲息していたのだろう。また、案内板にある向山とは今しがた北面を通過してきた猪倉城址のことである。この山は観音寺山とも呼ばれている。
拙記録では泉福寺裏手から登山し、山頂から何も無い藪地を北に下降してきた。ところがどうだ、この説明板を見ると弁天沼脇から登山道が記されているではないか。しかも山頂から西に伸びる道も記されている。あたりを探すと入り口だけかろうじて登山口の雰囲気を残しながらその先は激しい薮に覆われた場所を見つけた。山頂から西は産廃処理場のようなものがあったので今では近づきがたいが、弁天沼を登りの始点として古の登山道を薮と格闘した後、泉福寺へ下降するというのも冬場の小ネタにぴったりだろう。
弁天沼を後にして次なる目的地、下野大沢駅を目指す。大きな道は極力避けて裏道につぐ裏道を行く。
下野大沢駅周辺に到達すると久々の市街地といった趣。駅に立ち寄り情報収集すると、なるほど、JR線は日光から鹿沼までのピストン運行となっている。
日光線脇に添うような道を進むと、途中に”史跡 二宮林”という森があった。線路を渡り少し覗いてみたが、特にこれといったものも無し。少し調べてから再訪してみたいものだ。
東武線とJR線が交差する地点を過ぎると程なく例幣使街道だ。歩道が狭いので車に注意が必要。一段上がった所にある旧歩道がある所はなるべくそちらを選ぶ。
予定では今市の市街地南方を横切るように裏道を進もうと考えていた。いささか疲れてきたせいもあり、ちゃんと腰掛けて食事がしたくなってきた。ここでも予定を変更して例幣使街道をそのまま進みR119へと北進。かつて食べた事のある並木蕎麦で昼食をとり休息をした。
昼食後は、しばし日光街道(R119)を歩く。日差しが強く車の往来が多くて暑い。最近出来た道の駅は盛況で、駐車場が満車。警備員が大忙しで交通整理をしていた。程なく杉並木公園脇から木陰の続く旧街道へと入る。足元のアスファルトから開放されてほっとした。
時折石畳も交じる旧道歩きは落ち着いていて心休まる。途中、大日如来堂に寄り道。
旧道に別れを告げR119に合流し、JR線と並走する区間は狭い歩道を車に注意しながら進む。僅かな区間だったが杉林の中の歩道歩きに癒されるも、流石に疲れが溜まってきた。残る距離は如何ばかりかとGPSの画面を覗きこむ回数がめっきり増えてくる。
車で日光を目指す際も目安になる宝殿の交差点を過ぎればあともう一息。やったー!日光駅が見えた。駅の自販機で買ったよく冷えた飲み物で喉を鳴らし、駅のベンチで過ごすまったりしたひと時。地味な行動であったが静かな充足感がこみ上げてくる。なんでもやり遂げるって素晴らしいなと思う瞬間であった。
JR線は鹿沼までの短縮運行で駅は閑古鳥が鳴いていた。バス待ち時間があったので東武日光駅にも行ってみたが、こちらも下今市までのピストン運転。駅に人影は無く、駅前の土産店も一部シャッターが降りていて、開いているお店の人達も手持ち無沙汰。鉄道がいつ開通するか現在は見通しが立っていないが、観光関係者にとっては東京からの客が見込めないこの状況はかなりの打撃であることは想像に難くない。
自分も帰路をどうしようか迷ったが、自宅まで乗換無しで通常運行している関東バス車中の人となったのである。
概略コースタイム
自宅発(04:42)-東北自動車道交差(05:23)-新里街道合流(07:10)-橋くぐり地蔵尊(07:28)-
鞍掛トンネル入口(07:40)-トンネル出口(07:55)-猪倉7-11(08:24)-弁天沼(09:29)-下野大沢駅(10:26)-
二宮林(10:55)-例幣使街道接合(11:30)-並木蕎麦(12:12)-行動再開(12:39)-旧杉並木(12:54)-
大日如来堂(13:11)-村社生岡神社(14:29)-日光駅(15:10)
自宅から二日間かけて中禅寺湖まで歩くという壮大なるプランもさることながら、今回の日光までの距離にも驚きました!
私は駅からかハイキングで約25km歩いたことがありますが、平地歩きではそれくらいが限度と感じたでしょうか?
普段は車で通り過ぎてしまう場所も、自分の足で歩くことにより新たな発見もあって面白いですよね。
終わってしまうと案外歩けるなという感触を得ることが出来ました。
ところがどっこい。
今回ザックがスカスカだったので荷物の大部分が下の方に寄ってしまって、何となく腰が張って軽い腰痛状態になったのが実は一番のダメージでした。
日曜日の夕方、ロマンチック村の温泉で「湯治」して(爆)いくらか楽になってきました。
足よりも腰に先に来るのがちょっと寂しかったです(;´∀`)
こんばんは。週末はレース観戦などで、山はお休みでした。さて、皆さんの山歩きは?
と覗いてみたら、まずタイトルにびっくり! まっちゃんさんと車道=自転車/バイク/車、
のイメージが強かったので、ええ~、歩かれたんだぁと。さらに、壮大なプランに2度びっくり!
地形図(私のイメージ。地図ではなく ^^)を眺めながら、そうした発想がいつ頃、
どんな風に生まれたのでしょう?? いつかエピソードとして文中に混ぜていただければ
楽しいだろうなぁと、わがままですが、そう思います(^^)
そうそう、東武線はしばらく無理そうですよね… 田舎の私鉄には厳しい時代ですね。
今回はチャレンジ性を重視してみました。
本番の予定では二日目に中禅寺湖へ抜ける筈なのですが、何故か腰が痛くてこれは駄目だなと。
山歩きだと腰が痛くなることはないのですが、
スカスカのザックに下の方だけに重さが偏って結果的にバランスの悪い荷重が原因のようでした。
また機会を改めてチャレンジしようと思います。
でも、今回は大きな道を極力避けて歩いたわけですが、いろいろな物が見えて面白かったですよ。
おはようございます。
普段、車で何気に通り過ごしてしまう景色や新しい出会い...
歩くことや自転車で味わえるんですよね。
山歩きする前は結構アチコチ歩いていたんですが、何時の間にか
気分転換する時以外は殆んど車になっちゃって...
2日がかりで日光中禅寺までウォーク(山行・藪漕ぎ付)という
遠大な企画にビックリ。今回の予行での日光駅だってかなりの
距離があり...挑戦してみようかななんて頭では思っても
身体がなかなか言うこと聞かないでしょうね>苦<
道中の出会いや寄り道、面白く興味深く読ませて頂きました。
実は子供がまだ小さかった頃(自分も結構若かった)、時は2000年5月、
宇都宮から家内の実家(篠井)経由で大沢駅まで歩いたことがあります。
その時の写真↓
http://www.mattyan.sakura.ne.jp/walking.shtml
息子が小5、娘が小1、そして自分は41歳でした。
自宅からの総距離が23Kmと、普段から体を動かしていない自分や家内には結構キツかったですが、
子供達は結構元気でした。娘は途中で泣きが入りましたがそれでも何とかゴール。
家内の実家で従兄弟達も加勢して、逆に子供たちは意気が上がってました。
大人は・・・帰りの日光線の車内で既に足が攣ってました(笑)
そんな酔狂な企画に今度は孫でも出来たらと思ってますが、我が身が衰えるほうが先かな(爆)
ロング ウォーキング お疲れさまでした
何キロ だったんでしょうか (^_^;)
わたしの最高は 小山駅付近から やすらぎの森(市営霊園)往復
そのときは ダメージ大きく 右足の親指の半分が まっくろけ、、、
爪の内側の内出血かと 思いますが
治るまで 1ヶ月以上 いや それ以上、、、かかった記憶があります。
まっちゃんは これだけ歩いて 足の爪 大丈夫でしたか??
でも
歩くと
いろんな発見があるんですね
冬場の小ネタと言われたあたりも 密かに??楽しみにしてますね!!
初め、GPSデータの見間違えで42.6kmって一瞬書いちゃいましたが、正確に自宅から36Kmでした。
でも、間違えた書いた42Km超えをフルマラソンランナーは走り切るのだから改めて凄いなぁと思いました。
足の爪のダメージはありませんでしたが。靴擦れも心配していた割には皆無。
今履いている靴が割りと緩めなのが幸いしたのでしょう。以前の靴だと半日歩きくらいでも足の爪へのダメージや靴擦れがしょっちゅうでした。
こんばんは
いまの靴 いいんですね
どこの何でしょう?? (^_^;)
情報頂けると 嬉しいですが・・・
あ
もし 秘密でしたら、、、大丈夫です (^_^;)
最近
ウォーキングのときの
くつも 大事だなぁって 思ってるもので。
メーカーはキャラバンで型名は失念です。
(調べるとどこかに書いてあるのかな)
通常の靴サイズより2サイズ上の26.5cmという店員さんのアドバイスが意外でしたが、厚手の登山靴下と、状況によって靴紐を細やかに調整するということにより驚く程快適に歩けます。自分の足型と相性が良かったのでしょう。
靴選びって凄く難しいですよね。履いた時の瞬間の感じも大切ですが、長時間歩いた後のむくんだ自分の足でどうなるとか、ちょっとこの辺当たるけど靴擦れに発展しないかな等など、気にしだすとどれも買えなくなっちゃいますよね。
実は今回の黒岩山で左靴のつま先部分を覆っているゴムが一部剥がれてしまいました。それだけでは特に機能が低下している感じはしないので、見た目を気にしなければ充分ですが、簡単に修復出来ないかなと思案中です。